39 / 78
第2章
13話:神聖リュミエール王国へ
しおりを挟む
王城を後にした俺はふと、青く澄み渡った空を見上げた。
今日も素晴らしい空だ。
俺の心もこの雲一つない空のように、澄み渡っている。
「気分がいいようだね、主よ」
「ああ。あの王女様、アレティアはあの信念を持ち続ける限り、強くなり続けるだろう。そう思うと、成長が楽しみでしかたがない」
「ふふっ、私もそう思う。彼女は覇王としての素質を持っている。主が思っている通り、私も楽しみで仕方がない」
エイシアスも同じことを思っていたようだ。
アレティアはきっと、俺が想像している以上に、強い女王として成長してくれることだろう。
そんな気がするのだ。
「そうだな。――赤丸」
『ギャウ!』
赤丸はすぐに本来の姿になり、俺とエイシアスを空に運ぶ。
ドラゴンが現れたことで騒ぎになったが、すぐに飛び立ったので大丈夫だろう。
赤丸の上で空をのんびり移動する俺に、エイシアスが問うてきた。
「主よ、次はどこに行くのだ? 今回も楽しかったから次も楽しみだ」
「そうだな……」
考える。
楽しそうな国やおすすめの国の知識などは皆無だ。
ならば、冒険者らしい冒険をするべきなのか。
「まだ何も考えてないな」
「考え付いてからでもいいだろう」
どうするかなど、考える時間などいくらでもある。
しばらくして、街を見つけたので、今日はそこで一泊することに。
宿で夕食を食べていると、客が話しているのが聞こえてくる。
「聞いたか? 北方で魔王軍の動きが激化してるらしい」
「魔王軍か。動き出したのは数百年ぶり何だろう?」
「ああ。だが、神聖リュミエール王国が魔王に対抗するため、勇者を召喚したらしい」
勇者という言葉に俺は反応する。
この世界にも勇者は存在するようだ。しかし、先ほど彼らは召喚と言っていた。
つまりは別世界から呼び出されたと言うことになる。
エイシアスを見ると口元に笑みを作っていた。
どうやら同じことを思っていたようだ。
「神聖リュミエール王国か」
「勇者か。これもまた、面白そうだ。では?」
「ああ。見て見ようじゃないか。勇者とやらを」
次の目的地は決まった。
ここから西にある、神聖リュミエール王国。
勇者を見に行こうではないか。
「だが魔王の噂も気になる」
「だな。勇者の後は魔王でも会いにいくか」
「それは名案だ」
どんな思いで魔王をやっているのかも気になるよね。
部屋に戻った俺とエイシアス。
「聖女が女神ルミナの神託を受けて、異世界から勇者を召喚するらしい」
宿で客が話していた内容だ。
聖女もいるらしい。
なんともテンプレな内容だが、まあいいだろう。
聖女か。女神ルミナとかいうけど、正体はジジイだったりしないかな?
まあ、会うこともないだろうけど。
「聖女か。どのような人物か気になるね。神託ということは、神の言葉を聞くことが出来るのだろう?」
「らしいな。妄言かもしれないぞ。政は嫌いだ。考えることが多すぎる」
「そうは同感だ。だがまあ、神の声を聞こえるのなら、それならそれで面白いじゃないか」
ジジイ以外に神がいるのか気になるところだ。
俺は自由に生きているが、魔王を倒せ、などといった使命など持ち合わせていない。
あったら断っていただろうけど。あるいは放置していた。
「けど、行く場所は決まったな」
「うむ。まだまだ楽しめそうだ」
果たして俺と同じ、地球からの来訪者なのかは気になるところだ。
もしかしたら別の世界からかも知れない。
それを確認するのも一興だ。
魔王との戦争になったらちょっとめんどいが、気にすることでもないだろう。
「さて、さっさと寝て神聖リュミエール王国に行くとするか」
俺とエイシアスはさっさと寝るのだった。
翌朝、俺とエイシアスは赤丸に乗って神聖リュミエール王国を目指した。
道中、代り映えするようなこともなく、数日で神聖リュミエール王国との国境まで到着した。
警備は厳重で、どうやら魔族が人間に成りすまして国に入国するのを、この国境で防いでいるらしい。
もし突破されても、次は街に入る時に展開されている結界で防げるようだ。
まあ、俺とエイシアスは冒険者証を出すことで、すんなりと国境を抜け、無事に神聖リュミエール王国に入国することができたのだった。
今日も素晴らしい空だ。
俺の心もこの雲一つない空のように、澄み渡っている。
「気分がいいようだね、主よ」
「ああ。あの王女様、アレティアはあの信念を持ち続ける限り、強くなり続けるだろう。そう思うと、成長が楽しみでしかたがない」
「ふふっ、私もそう思う。彼女は覇王としての素質を持っている。主が思っている通り、私も楽しみで仕方がない」
エイシアスも同じことを思っていたようだ。
アレティアはきっと、俺が想像している以上に、強い女王として成長してくれることだろう。
そんな気がするのだ。
「そうだな。――赤丸」
『ギャウ!』
赤丸はすぐに本来の姿になり、俺とエイシアスを空に運ぶ。
ドラゴンが現れたことで騒ぎになったが、すぐに飛び立ったので大丈夫だろう。
赤丸の上で空をのんびり移動する俺に、エイシアスが問うてきた。
「主よ、次はどこに行くのだ? 今回も楽しかったから次も楽しみだ」
「そうだな……」
考える。
楽しそうな国やおすすめの国の知識などは皆無だ。
ならば、冒険者らしい冒険をするべきなのか。
「まだ何も考えてないな」
「考え付いてからでもいいだろう」
どうするかなど、考える時間などいくらでもある。
しばらくして、街を見つけたので、今日はそこで一泊することに。
宿で夕食を食べていると、客が話しているのが聞こえてくる。
「聞いたか? 北方で魔王軍の動きが激化してるらしい」
「魔王軍か。動き出したのは数百年ぶり何だろう?」
「ああ。だが、神聖リュミエール王国が魔王に対抗するため、勇者を召喚したらしい」
勇者という言葉に俺は反応する。
この世界にも勇者は存在するようだ。しかし、先ほど彼らは召喚と言っていた。
つまりは別世界から呼び出されたと言うことになる。
エイシアスを見ると口元に笑みを作っていた。
どうやら同じことを思っていたようだ。
「神聖リュミエール王国か」
「勇者か。これもまた、面白そうだ。では?」
「ああ。見て見ようじゃないか。勇者とやらを」
次の目的地は決まった。
ここから西にある、神聖リュミエール王国。
勇者を見に行こうではないか。
「だが魔王の噂も気になる」
「だな。勇者の後は魔王でも会いにいくか」
「それは名案だ」
どんな思いで魔王をやっているのかも気になるよね。
部屋に戻った俺とエイシアス。
「聖女が女神ルミナの神託を受けて、異世界から勇者を召喚するらしい」
宿で客が話していた内容だ。
聖女もいるらしい。
なんともテンプレな内容だが、まあいいだろう。
聖女か。女神ルミナとかいうけど、正体はジジイだったりしないかな?
まあ、会うこともないだろうけど。
「聖女か。どのような人物か気になるね。神託ということは、神の言葉を聞くことが出来るのだろう?」
「らしいな。妄言かもしれないぞ。政は嫌いだ。考えることが多すぎる」
「そうは同感だ。だがまあ、神の声を聞こえるのなら、それならそれで面白いじゃないか」
ジジイ以外に神がいるのか気になるところだ。
俺は自由に生きているが、魔王を倒せ、などといった使命など持ち合わせていない。
あったら断っていただろうけど。あるいは放置していた。
「けど、行く場所は決まったな」
「うむ。まだまだ楽しめそうだ」
果たして俺と同じ、地球からの来訪者なのかは気になるところだ。
もしかしたら別の世界からかも知れない。
それを確認するのも一興だ。
魔王との戦争になったらちょっとめんどいが、気にすることでもないだろう。
「さて、さっさと寝て神聖リュミエール王国に行くとするか」
俺とエイシアスはさっさと寝るのだった。
翌朝、俺とエイシアスは赤丸に乗って神聖リュミエール王国を目指した。
道中、代り映えするようなこともなく、数日で神聖リュミエール王国との国境まで到着した。
警備は厳重で、どうやら魔族が人間に成りすまして国に入国するのを、この国境で防いでいるらしい。
もし突破されても、次は街に入る時に展開されている結界で防げるようだ。
まあ、俺とエイシアスは冒険者証を出すことで、すんなりと国境を抜け、無事に神聖リュミエール王国に入国することができたのだった。
558
お気に入りに追加
1,637
あなたにおすすめの小説
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる