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第2章
1話:ヴァルミス港
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空を飛び続けて数日、俺たちはついにヴァルミス港に辿り着いた。
目の前に広がるのは、活気に満ちた港町だ。大小の船が海に浮かび、商人たちが賑やかに取引を行っている。塩風が吹き抜け、港特有の香りが鼻をくすぐった。
「ここがヴァルミス港か……」
俺は目の前の光景に感嘆の声を漏らした。
異世界に転生して以来、初めて見る海が広がる光景に、どこか心弾む感覚があったが、それと同時にこの場所に潜む危険な雰囲気も感じ取っていた。
「主、案外良いところだな」
「だね。でも色々な商人や貴族がいるから、厄介ごとも多そうだ」
「然り」
「早く降りて宿を探そうか」
港町から離れた場所で赤丸から降りた俺とエイシアスは歩を進める。
しばらくして港町の入り口に到着し、検問を受けて中へと入った。
通行人が俺とエイシアスに注目する。
エイシアスの圧倒的な美に誰しも目が奪われているようだった。だが当の本人は気にした様子がなく、珍しそうに周囲を見ている。
俺は近くの露店で軽食を買いながら店主におすすめの宿を尋ねる。
「おすすめの宿かい。う~ん、なら『せせらぎ』だな。料理がおいしく、清潔感もあっておすすめだよ」
店主にお礼を伝え、おすすめされた宿へと向かった。
看板に『せせらぎ』と書かれており、立派な建物だった。
「いっらっしゃい。二人かい?」
「ああ。とりあえず一週間泊まりたいが大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ちょっとまってな」
女将だろう人に会計をしながら宿の説明を受ける。
「と、こんな感じだが大丈夫かい?」
「問題ない」
「はいよ。部屋は三階の一番奥、101だよ」
「ありがとう」
鍵を受け取って俺とエイシアスは部屋に向かった。
当然、宿の食堂で食べている人から視線が集まるも、無視している。
気にしたらキリがない。
部屋は店主が言っていたように清潔感があり、綺麗に手入れされていた。
エイシアスがベッドにダイブし、枕に顔を埋めながら聞いてくる。
「この後はどうするのだ?」
「う~ん、部屋でのんびりしてもいいが……」
窓を開けて外を眺めていると、香辛料の匂いが漂ってきた。
するとエイシアスが起き上がって俺を見た。
「レオルドが、ここは海鮮料理が美味いと言っていたんだ。食べなきゃ損だろ?」
「私も食べたいと思っていたところだ」
すぐに宿を出て街で一番露店が多く立ち並ぶ場所へと向かう。
至る所で食欲のそそられる匂いが立ち上っている。
「ここではシーフードシチューが名物らしい」
「シチュー?」
「だし汁やソースで煮込んだ煮込み料理みたいなものだな」
「ふむ。ではそのしーふーどしちゅーとやらを食べるとしよう」
「賛成だ」
俺とエイシアスは露店を回り、一番人が多そうな店で注文した。
近くで食べる席が用意されており、そこに座って俺とエイシアスは食べることに。
名物のシーフードシチューをいただくことに。
スープは白ワインと野菜や魚介類から出ただし汁がベースとなっており、香辛料が使用されたことで深い味わいになっていた。
「美味い!」
思わず口に出してしまうほどのおいしさをしており、エイシアスも「これは美味だ」と感嘆の言葉を零していた。
「がははっ! そんなに美味しいか!」
店主のおじさんが俺の感想に反応した。
「本当に美味しい。名物というだけはある」
「他にも美味しい料理がある。ゆっくり楽しんでくれよ」
「ああ、そうするつもりだ」
俺とエイシアスは様々な料理を堪能し、宿に戻ることにした。
お腹もいっぱいになったが、宿の料理を食べる分はある。
席で待っていると女将が料理を持ってきた。
「はいよ。にしてもあんた、随分と別嬪さんを連れているね?」
「ありがとう。エイシアスのことか? まあ、俺の相棒だ」
「ふふっ、私にとっても最高の主さ」
「美男美女のカップルね。ここには旅行かい?」
「観光だな」
「そりゃあいい。楽しんでいきなよ」
そう言って去ってしまった。
しかし、視線が多いも絡んでくる輩はいない。
俺が周囲を軽く威圧しているだけだけど。一々構っていられない。
面倒ごとを避けるにはこうして威圧していればいいのだ。
それでも絡んでくるなら誰に喧嘩を売ったのか分からせるしかない。
そして夜になり、宿の部屋から覗く夜景は美しく、エイシアスと一緒に晩酌をしながら眺めるのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最近一気に冷え込みましたね。
今日から新章です。
別に章分けしなくてもよくね?とは思いました。
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作者の励みになり、執筆の原動力になります!
少しでも応援したい、という方はよろしくお願いします!
目の前に広がるのは、活気に満ちた港町だ。大小の船が海に浮かび、商人たちが賑やかに取引を行っている。塩風が吹き抜け、港特有の香りが鼻をくすぐった。
「ここがヴァルミス港か……」
俺は目の前の光景に感嘆の声を漏らした。
異世界に転生して以来、初めて見る海が広がる光景に、どこか心弾む感覚があったが、それと同時にこの場所に潜む危険な雰囲気も感じ取っていた。
「主、案外良いところだな」
「だね。でも色々な商人や貴族がいるから、厄介ごとも多そうだ」
「然り」
「早く降りて宿を探そうか」
港町から離れた場所で赤丸から降りた俺とエイシアスは歩を進める。
しばらくして港町の入り口に到着し、検問を受けて中へと入った。
通行人が俺とエイシアスに注目する。
エイシアスの圧倒的な美に誰しも目が奪われているようだった。だが当の本人は気にした様子がなく、珍しそうに周囲を見ている。
俺は近くの露店で軽食を買いながら店主におすすめの宿を尋ねる。
「おすすめの宿かい。う~ん、なら『せせらぎ』だな。料理がおいしく、清潔感もあっておすすめだよ」
店主にお礼を伝え、おすすめされた宿へと向かった。
看板に『せせらぎ』と書かれており、立派な建物だった。
「いっらっしゃい。二人かい?」
「ああ。とりあえず一週間泊まりたいが大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ちょっとまってな」
女将だろう人に会計をしながら宿の説明を受ける。
「と、こんな感じだが大丈夫かい?」
「問題ない」
「はいよ。部屋は三階の一番奥、101だよ」
「ありがとう」
鍵を受け取って俺とエイシアスは部屋に向かった。
当然、宿の食堂で食べている人から視線が集まるも、無視している。
気にしたらキリがない。
部屋は店主が言っていたように清潔感があり、綺麗に手入れされていた。
エイシアスがベッドにダイブし、枕に顔を埋めながら聞いてくる。
「この後はどうするのだ?」
「う~ん、部屋でのんびりしてもいいが……」
窓を開けて外を眺めていると、香辛料の匂いが漂ってきた。
するとエイシアスが起き上がって俺を見た。
「レオルドが、ここは海鮮料理が美味いと言っていたんだ。食べなきゃ損だろ?」
「私も食べたいと思っていたところだ」
すぐに宿を出て街で一番露店が多く立ち並ぶ場所へと向かう。
至る所で食欲のそそられる匂いが立ち上っている。
「ここではシーフードシチューが名物らしい」
「シチュー?」
「だし汁やソースで煮込んだ煮込み料理みたいなものだな」
「ふむ。ではそのしーふーどしちゅーとやらを食べるとしよう」
「賛成だ」
俺とエイシアスは露店を回り、一番人が多そうな店で注文した。
近くで食べる席が用意されており、そこに座って俺とエイシアスは食べることに。
名物のシーフードシチューをいただくことに。
スープは白ワインと野菜や魚介類から出ただし汁がベースとなっており、香辛料が使用されたことで深い味わいになっていた。
「美味い!」
思わず口に出してしまうほどのおいしさをしており、エイシアスも「これは美味だ」と感嘆の言葉を零していた。
「がははっ! そんなに美味しいか!」
店主のおじさんが俺の感想に反応した。
「本当に美味しい。名物というだけはある」
「他にも美味しい料理がある。ゆっくり楽しんでくれよ」
「ああ、そうするつもりだ」
俺とエイシアスは様々な料理を堪能し、宿に戻ることにした。
お腹もいっぱいになったが、宿の料理を食べる分はある。
席で待っていると女将が料理を持ってきた。
「はいよ。にしてもあんた、随分と別嬪さんを連れているね?」
「ありがとう。エイシアスのことか? まあ、俺の相棒だ」
「ふふっ、私にとっても最高の主さ」
「美男美女のカップルね。ここには旅行かい?」
「観光だな」
「そりゃあいい。楽しんでいきなよ」
そう言って去ってしまった。
しかし、視線が多いも絡んでくる輩はいない。
俺が周囲を軽く威圧しているだけだけど。一々構っていられない。
面倒ごとを避けるにはこうして威圧していればいいのだ。
それでも絡んでくるなら誰に喧嘩を売ったのか分からせるしかない。
そして夜になり、宿の部屋から覗く夜景は美しく、エイシアスと一緒に晩酌をしながら眺めるのだった。
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