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5巻
5-3
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ベリフェール神聖国神都の、とある地下室にて。
部屋の中央に設置された円卓の周囲、黒いフードを被った者が五名、席についていた。
円卓の中央では一本のロウソクに火が灯っており、暗い室内を照らしている。
誰もが言葉を発しない中、一人が口を開いた。
「準備の方はいかに?」
とても低い、中年の男性の声だ。
「順調に進んでいる。悪魔召喚の準備も、じきに最終段階だ。あとは儀式に必要な生贄だけ」
「生贄、か……」
悪魔召喚の生贄となる人数は何人でもいい。だが質がよければ、召喚される悪魔の格も上がる。
悪魔と相性のいい、憎しみや強い悪意を持っている者や、逆に清らかで善良な魂の持ち主などが、質のいい生贄とされていた。
「しっかりと準備をしなければな」
「では生贄には……」
「ああ、聖女を使おう。さすれば最上位悪魔が召喚できるだろう。殺すとなると問題が発生するかもしれんが、血だけを使うことにして、他に生贄を用意すればいい」
一同が頷く。
「……では、聖女は私が連れ出そう」
「お前にできるのか?」
聖女ともなれば、身辺警護がかなり多い。
その中から連れ出すとなると相当難しいはずだが、男は自信満々に頷く。
「聖女は常に大聖堂にいる。私なら人払いが可能だ」
そしてその人物は、作戦を語る。
「――という感じだが、どうだろうか?」
「なるほど。ではその作戦で行こう」
説明を聞いた四名は頷く。それなら成功率が高いと。
「失敗したら?」
「私は極刑だろう。だが組織のことは漏らさんよ」
「当たり前だ」
「では決行は次の満月の夜。何か質問はあるか?」
沈黙。
男はこの沈黙を肯定と受け取る。
「では解散だ。我らに栄光あれ!」
「「「「――栄光あれ!」」」」
そうして一同は、何かに取り憑かれたような邪悪な笑みを浮かべるのだった。
第3話 神都での依頼
神都に到着した翌日、俺、晴人は皆と一緒に、名物料理を探しに街を散策することにした。
街中には屋台のような出店などは少なかったが、アクセサリー店が多かった。
とりあえず目についた近場のアクセサリー店に入ってみると、高価なものはショーケースで展示され、他のお手頃な値段のものは手に取って見やすいように置かれていた。
平均的な値段は千ゴールドくらいで、アクセサリーとしてはお手ごろな価格だ。
高いアクセサリーには様々な効果の付与がかけられており、それなりの値段となっている。
「皆、欲しいものはあるか?」
「うーん、可愛いのもけっこうありますし、何か欲しいですね。記念というわけではないのですが……」
フィーネは小さなアクセサリーを手に取って眺めながらそう言う。
「アイリスは?」
「私も欲しいかな。せっかく皆で来たんだから、フィーネの言う通り、記念に何かあると嬉しいわね」
「なら、皆の分も買うか」
「それがいいわ!」
女性陣はまあいいが、ゼロはいるのだろうか?
格好は完全に執事そのものだから、似合うアクセサリーがこの店にあるかどうか……まあ、もしなかったら後で自作してやるか。
そんなことを思いつつ、皆が欲しいものを選ぶのを待っていたのだが、なぜか全員、選ばないでこちらを凝視している。
これは俺が選べということか。
視線の意味を察した俺はアクセサリーを眺める。
しばらく悩みつつも、それぞれにぴったりなものを決めた。
フィーネには空色の小さな宝石が散りばめられたブレスレット、アイリスには小さな緋色の宝石が散りばめられたブレスレット。クゼルには紅色のヘアピンを、エフィルには翡翠色の宝石がはめ込まれたブレスレット、鈴乃には桜色のブレスレットを購入した。
アーシャには仕事の邪魔にならなさそうな、黄色の小さな宝石がはめ込まれたネックレス、ゼロには黒色のピアスを購入する。
プレゼントされた皆は口々に「ありがとう」と言って喜んでくれた。
アイリスなんて「これが愛なのね!」と言っていて、それを聞いたフィーネは「あ、愛……」と顔を赤くさせていた。
アーシャは最初遠慮して受け取ろうとしなかったが、日頃の感謝だと言うと納得してくれた。
それから俺たちは様々な店舗を巡り、目的だった名物料理も見つけて、充実した一日を送ったのだった。
神都に着いて三日目。
今日は各々自由行動ということで、俺は宿でゆっくりとしていた。
皆疲れが溜まっているだろうし、大きな観光地や美味い飯という旅の醍醐味も済ませたので、休息日である。
というわけで宿の一階でくつろいでいると、アーシャが俺に声をかけてきた。
「ハルト様、今日はお暇ですか?」
「アーシャか。暇だけど……そういえば、アイリスは一緒じゃないのか?」
「アイリス様はイルミナ様に会いに行くとのことで、付き添いにはフィーネさんとスズノさん、エフィルさんが申し出てくれました。アイリス様が『アーシャもたまにはゆっくりしなさい』と仰ってくださいまして」
なるほどな。
それならゆっくりしていればいいはずだが、声をかけてきたということは……
「ゆっくりと言われてもやることがない、と」
頷くアーシャ。
「冒険者ギルドに依頼でも受けに行くか? 俺も退屈していたところだし」
「いいのですか?」
「ああ」
そこへクゼルが階段から下りてきた。
「何やら依頼を受けるという話が聞こえたのだが?」
敏感なやつだな……
「クゼルも一緒に行くか?」
「いいのか?」
クゼルの言葉を受けて俺が顔を向けると、アーシャは頷いた。
「私は大丈夫ですよ」
「そうか。なら私も一緒に参加させていただくとしようか」
嬉しそうにするクゼル。
今日は三人か……そういえば、ゼロはどこだろうか?
そう思っていると宿の扉が開き、ゼロが入ってきた。
どうやら出かけていたようだな。
そんなゼロは俺を見て、首を傾げる。
「ハルト様、出かけるので?」
「これから依頼でも受けに行こうかと思ってな」
「そうでしたか。では私も準備をしてきます」
そこで俺は、ゼロが抱えている本に気付いた。
「それ、全部買ってきたのか?」
「はい。面白そうなのがありまして」
「ならゆっくり読みたいだろ?」
「そんなことは……」
ゼロは否定するが、表情を見ればわかる。
「今日は自由だ。自分の好きなことに時間を使ってくれ」
「……わかりました。ハルト様はなんでもお見通しなのですね」
「ああ、顔を見ればわかるさ。フィーネたちが戻ってきたら、俺たちは依頼を受けに行ったと伝えといてくれ」
「承りました」
そうして俺とアーシャ、クゼルの三人は準備を済ませて宿を出ると、冒険者ギルドへと向かった。
ギルドの建物の前に到着して早々、扉越しに喧騒が聞こえてくる。
活気があるのを通り越して、騒々しいくらいだが……
扉を開いたことで、ようやく喧騒の正体がわかった。
「ってめぇ! 俺が先に並んでいただろうが!」
「はぁ!? 先に並んでいたのは俺の方だろう!!」
「ンだとゴラァッ!?」
「あぁ、やんのか!? ゴブリンみてぇな面しやがって!」
「誰がゴブリンだ! てめえこそオーガみてぇじゃねえか!」
二人の冒険者がバチバチといがみ合っていたのだ。
今にも殴り合いそうだが、周りは誰も相手をしない……というよりも関わろうとしていない。それがいつもの日常のように振舞っている。
入ってきた俺たちに目をくれる者はほとんどいなかった。
「……いつもの冒険者ギルドだな」
「そうですね。冒険者ギルドはどこも同じなんですね」
「そのようだな」
俺、アーシャ、クゼルと三者三様の言葉だが、思ったことは同じだったようだ。
いがみ合う二人をスルーして通り過ぎようとしたところで、声をかけられた。
「おいそこの。どっちが先に並んでいたか見てただろ? 俺だよな?」
「俺だよなぁ?」
いや、今入って来たばかりだから知らないんだが。
問われた俺たちは一度顔を見合わせてから……
「「「知らん(知らないですね)」」」
そう言って受付に並んだ……そいつらを抜かして。
直後、俺は二人に同時に肩を掴まれた。
「おい、抜かすとはいい度胸だな?」
「俺たちが先に並んでただろ?」
俺は振り返りつつ――
「あ?」
二人だけに向けて威圧を軽く放つと、「ひぃっ!?」という小さな悲鳴が上がった。
「そもそも、お前たち二人の言い合いで受付できねぇんだよ。わかったら外で喧嘩してくれ」
「「す、すんませんした!!」」
喧嘩を止めた二人は、俺たちの後ろに素直に並んだ。
うんうん。いいことだ。
「ハルト様、ちゃっかり抜かしてますよね?」
「アーシャ、それは言うな」
ジト目で俺を見るアーシャの言葉を聞き流す。
そこからはスムーズに進み、俺たちの番が来た。
「本日はどのようなご用件で?」
受付嬢の言葉に俺は要望を伝える。
「三人で受けられて、昼過ぎから夕方までには終わりそうな依頼を見繕ってほしい」
「承りました。では冒険者カードの提示をお願いします」
俺とアーシャ、クゼルは冒険者カードを提示する。
まずはCランクのアーシャが見せ、続いてAタンクのクゼルが提示すると、受付嬢は「え、Aランク冒険者ですか!?」と小声で驚いていた。
そして最後に俺が見せる番になった時、俺は「頼むから驚かないでほしい」と告げてから冒険者カードを手渡す。
すると、なんとなく予想はついていたが、受付嬢の反応は驚愕どころではなかった。
時間が止まったかのように固まっている。
「ハルト様のせいですよ?」
「ハルトのせいだな」
アーシャとクゼルが俺のせいにしてくるが、その通りなので何も反論もできない。
といっても、このままというわけにもいかないので声をかけると、停止していた受付嬢は慌てて謝ってきた。
「も、申し訳ございません!」
「いや、何も謝ることはないと思うが……まあ、それよりも依頼はありそうか? ある程度強くても俺がいるから問題はないから。よろしく頼むよ」
「は、はい! ただいま!」
依頼を見繕いに向かった受付嬢は、ほんの数分で戻ってきた。
「これなどはいかがでしょうか? 三人のランク的には少し劣るかもしれませんが」
提示してきた依頼書を確認する。
内容は、オーガの群れの討伐だった。
オーガ単体の討伐難易度はB級。
アーシャはランクこそCだが、特訓でそれ以上の実力はついているので、二、三体同時に相手にしても問題ない。クゼルに関しては、既にSランク並みの実力が付いているし、いざとなれば俺もいるから危ないことはないだろう。
そう思いながら依頼書を確認していると、受付嬢が説明してくれる。
「こちらはオーガの群れの討伐となっており、中にはオーガキングの存在が確認されております。難易度はSランクに近いAランクとなっていますが、ハルトさんがいらっしゃいますのでそこは問題ないと判断しました」
俺は受付嬢の説明に頷き、アーシャとクゼルに尋ねる。
「受けるかどうかは二人に任せるよ」
少し悩んでいたアーシャだったが、「ハルト様がいるのでいい訓練になると思います」と言って受けることにしたようだ。
クゼルは「面白そうだな」とやる気満々なご様子。
それを確認して、俺は受付嬢に向き直る。
「と、いうことだ」
「わかりました。それでは手続きに入らせていただきます」
少しして手続きが済み、最後の説明に入る。
「群れの討伐証明として、キングを始めとした上位個体のツノをお持ちください」
「わかった」
さっそく俺たちは、冒険者ギルドを出て依頼書に書かれていた神都近郊の森へと向かった。
ほんの十五分ほどで到着し、そこから奥に向かって歩いていく。
途中ゴブリンなどが出てきたが、通常の個体だったということもあり、アーシャとクゼルの二人によって瞬殺される。
本当に頼もしい限りである。
歩くことしばし、アーシャがぽつりと呟く。
「全くオーガの群れを見ませんね」
「確かにそうだな」
アーシャの言葉にクゼルが頷いた。
実際、俺の通常の気配察知にも反応はない。
俺の〈神眼〉のマップ機能でより広範囲を索敵してみると、このまま奥へと進んだところに、オーガの群れらしき複数の反応を捕捉した。
「見つけたぞ。あとしばらく奥へ行ったところにいる」
「わかりました」
「わかった」
俺たちはそのまま、オーガの群れへと向かって歩を進める。
「ハルト、確かに反応があった」
しばらく進んだところで、クゼルがオーガの気配を察知したらしい。
遅れてアーシャも見つけたようだ。
より詳しく反応を確認してみると、広範囲に散見される群れの中に、一つだけ特に大きなものがある。おそらくこれが、受付嬢の言っていたオーガキングなのだろう。
「オーガキングらしき個体もいるな。群れの数は五十……問題ないか?」
俺の言葉に、表情を引き締めて頷くアーシャとクゼル。
そしてもう少し移動し、群れの外周にいた二体のオーガに近付く。
オーガはまだこちらの存在に気が付いていない様子だ。
「数は二体だな。どっちがやる?」
「なら私がやろう。アーシャはオーガの相手は今回が初だろう?」
「はい。お願いします」
俺の問いかけにクゼルが答えると、アーシャは頷く。
そしてクゼルは腰から剣を引き抜いて、オーガの前へと歩み出た。
クゼルの存在に気が付いたオーガは武器を構えようとするが、もう遅い。
「先手必勝だ」
言い放ったクゼルは、剣に魔力を流し、逆袈裟に振るった。
剣がオーガの腹を深く斬り裂くと、クゼルは流れるようにもう一体のオーガの方に剣を向ける。
仲間の一体をやられたオーガは、慌てたようにクゼルへと拳を振るっていた。
「ノロマだな」
しかしクゼルはそんな言葉をこぼしつつ、迫るオーガの拳を危なげなく躱し、その左腕を肩から切り落とす。
そして悲鳴を上げるオーガの背中へと即座に回ると、心臓を貫いた。
剣に付着した血を払ったクゼルは、こちらに戻ってくる。
「こんな感じだ。オーガは動きが鈍いから、動き回るのがコツだ」
「わかりました」
なるほど、アーシャの参考になるように動いていたのか。
「見事な手際だったな、クゼル」
「アレくらい普通だ。流石に五体同時となると、少し厳しいかもしれないがな」
いや、多分余裕で勝てると思うが、それは俺の気のせいだろうか……?
そんなことを思っていると、俺のエクストラスキル森羅万象の補助機能が生み出した人格、エリスが答えてくれた。
《マスターの仰る通り、今のクゼルだとオーガ五体の相手は余裕です。スキルを使用せず、素の身体能力のみで同時に相手できるのは最大で十体かと思われます》
いや、強いな……
なんならスキルを使えば、今回の依頼はクゼル一人でできそうな気がするんだが。
《可能です》
受付嬢、完全に実力見違えているじゃん。まあ、ランクだけ見たら妥当な依頼なのかもしれないけど。
……それにしても、エリスが出てくる時と出てこない時の違いがわからないんだよな。ただの気まぐれなんだろうか。今も答えてくれなさそうだし。
しかしこのオーガたち、縄張りの監視をしているみたいな配置だよな。
するとエリスがすぐに答えてくれた。
《肯定します。オーガキングは自身の縄張りを配下に任せているようです》
どうやら俺の想像は正しかったようだ。
ということは、先ほどのオーガの悲鳴を聞いたのなら集まってくるのでは?
《はい、あと数分で群れのオーガがここに集まってきます》
マップを確認すると、確かに多数のオーガが向かってきていた。
とりあえず、二体ほどは視認できる距離に現れている。
「アーシャ、あいつらをやれるか?」
俺が示した方向にいるオーガを見て、アーシャはナイフを取り出して身構えた。
やってきた二体のオーガは、同族の亡骸を見つけ、周囲を探るようにキョロキョロしている。
どう出るのかは、アーシャのタイミング次第だろう。
隙を窺っていたアーシャだったが、死角を突くようなタイミングで駆け出す。
オーガは突如目の前に躍り出たアーシャに向かって、慌てたように拳を振るった。
振るわれた拳を跳躍して避けたアーシャは、ガラ空きとなったオーガの背中に数本のナイフを投擲した。
そのナイフはオーガの背中へと突き刺さった、が……少し浅いな。
あれでは致命傷にはならないだろう。
もう一体のオーガが三十センチほどの小岩を拾うと、着地したアーシャへと投擲した。
「――いッ!?」
咄嗟に避けようとしたアーシャだったが、避けきれずに脇腹を小岩がかすめる。
戦闘になるとわかっていたのに頑なに着替えなかったメイド服が破れ、血が滲んでいた。
だがアーシャは怯むことなく、背中にナイフを突き刺したオーガへ接近すると、突き刺さったままのナイフ二本を握り、さらに深く突き刺した。
オーガの悲痛な叫び声がこだまする。
「まだです!」
アーシャはそう言って突き刺したナイフを抜くと、そのまま距離を取って、もう一体のオーガへと投擲する。
放たれたナイフはオーガの足首、正確には足の腱に命中した。
地面へ倒れたオーガは、立ち上がろうと両手を地面につく。
しかしアーシャはすかさず追加のナイフを取り出すと、がら空きの首の裏側へと投げた。
「ガァァッ――……」
ついにオーガは力なく地面へと倒れた。
これで一体は倒せたが、まだもう一体いる。
先ほど小岩を投げつけてきたオーガは、今度は二メートルほどの大きな岩を持ち上げ、投げつけていた。
それはアーシャがいた場所へとまっすぐに飛んでいき、土煙を上げる。
オーガは死体を確認しようとしたのか、岩に近付き持ち上げたが――そこにアーシャの姿はない。
と、その上空から両手の指の隙間にナイフを挟んだアーシャが現れ、そのすべてを無防備なオーガへと投げつけた。
両目、手首、足首とナイフが刺さっていき、最後の一本がオーガの眉間へと深く突き刺さり、その命を絶ち切った。
ナイフを回収して俺とクゼルの元へと戻ってきたアーシャは、メイド服に付いた土埃を払う。
部屋の中央に設置された円卓の周囲、黒いフードを被った者が五名、席についていた。
円卓の中央では一本のロウソクに火が灯っており、暗い室内を照らしている。
誰もが言葉を発しない中、一人が口を開いた。
「準備の方はいかに?」
とても低い、中年の男性の声だ。
「順調に進んでいる。悪魔召喚の準備も、じきに最終段階だ。あとは儀式に必要な生贄だけ」
「生贄、か……」
悪魔召喚の生贄となる人数は何人でもいい。だが質がよければ、召喚される悪魔の格も上がる。
悪魔と相性のいい、憎しみや強い悪意を持っている者や、逆に清らかで善良な魂の持ち主などが、質のいい生贄とされていた。
「しっかりと準備をしなければな」
「では生贄には……」
「ああ、聖女を使おう。さすれば最上位悪魔が召喚できるだろう。殺すとなると問題が発生するかもしれんが、血だけを使うことにして、他に生贄を用意すればいい」
一同が頷く。
「……では、聖女は私が連れ出そう」
「お前にできるのか?」
聖女ともなれば、身辺警護がかなり多い。
その中から連れ出すとなると相当難しいはずだが、男は自信満々に頷く。
「聖女は常に大聖堂にいる。私なら人払いが可能だ」
そしてその人物は、作戦を語る。
「――という感じだが、どうだろうか?」
「なるほど。ではその作戦で行こう」
説明を聞いた四名は頷く。それなら成功率が高いと。
「失敗したら?」
「私は極刑だろう。だが組織のことは漏らさんよ」
「当たり前だ」
「では決行は次の満月の夜。何か質問はあるか?」
沈黙。
男はこの沈黙を肯定と受け取る。
「では解散だ。我らに栄光あれ!」
「「「「――栄光あれ!」」」」
そうして一同は、何かに取り憑かれたような邪悪な笑みを浮かべるのだった。
第3話 神都での依頼
神都に到着した翌日、俺、晴人は皆と一緒に、名物料理を探しに街を散策することにした。
街中には屋台のような出店などは少なかったが、アクセサリー店が多かった。
とりあえず目についた近場のアクセサリー店に入ってみると、高価なものはショーケースで展示され、他のお手頃な値段のものは手に取って見やすいように置かれていた。
平均的な値段は千ゴールドくらいで、アクセサリーとしてはお手ごろな価格だ。
高いアクセサリーには様々な効果の付与がかけられており、それなりの値段となっている。
「皆、欲しいものはあるか?」
「うーん、可愛いのもけっこうありますし、何か欲しいですね。記念というわけではないのですが……」
フィーネは小さなアクセサリーを手に取って眺めながらそう言う。
「アイリスは?」
「私も欲しいかな。せっかく皆で来たんだから、フィーネの言う通り、記念に何かあると嬉しいわね」
「なら、皆の分も買うか」
「それがいいわ!」
女性陣はまあいいが、ゼロはいるのだろうか?
格好は完全に執事そのものだから、似合うアクセサリーがこの店にあるかどうか……まあ、もしなかったら後で自作してやるか。
そんなことを思いつつ、皆が欲しいものを選ぶのを待っていたのだが、なぜか全員、選ばないでこちらを凝視している。
これは俺が選べということか。
視線の意味を察した俺はアクセサリーを眺める。
しばらく悩みつつも、それぞれにぴったりなものを決めた。
フィーネには空色の小さな宝石が散りばめられたブレスレット、アイリスには小さな緋色の宝石が散りばめられたブレスレット。クゼルには紅色のヘアピンを、エフィルには翡翠色の宝石がはめ込まれたブレスレット、鈴乃には桜色のブレスレットを購入した。
アーシャには仕事の邪魔にならなさそうな、黄色の小さな宝石がはめ込まれたネックレス、ゼロには黒色のピアスを購入する。
プレゼントされた皆は口々に「ありがとう」と言って喜んでくれた。
アイリスなんて「これが愛なのね!」と言っていて、それを聞いたフィーネは「あ、愛……」と顔を赤くさせていた。
アーシャは最初遠慮して受け取ろうとしなかったが、日頃の感謝だと言うと納得してくれた。
それから俺たちは様々な店舗を巡り、目的だった名物料理も見つけて、充実した一日を送ったのだった。
神都に着いて三日目。
今日は各々自由行動ということで、俺は宿でゆっくりとしていた。
皆疲れが溜まっているだろうし、大きな観光地や美味い飯という旅の醍醐味も済ませたので、休息日である。
というわけで宿の一階でくつろいでいると、アーシャが俺に声をかけてきた。
「ハルト様、今日はお暇ですか?」
「アーシャか。暇だけど……そういえば、アイリスは一緒じゃないのか?」
「アイリス様はイルミナ様に会いに行くとのことで、付き添いにはフィーネさんとスズノさん、エフィルさんが申し出てくれました。アイリス様が『アーシャもたまにはゆっくりしなさい』と仰ってくださいまして」
なるほどな。
それならゆっくりしていればいいはずだが、声をかけてきたということは……
「ゆっくりと言われてもやることがない、と」
頷くアーシャ。
「冒険者ギルドに依頼でも受けに行くか? 俺も退屈していたところだし」
「いいのですか?」
「ああ」
そこへクゼルが階段から下りてきた。
「何やら依頼を受けるという話が聞こえたのだが?」
敏感なやつだな……
「クゼルも一緒に行くか?」
「いいのか?」
クゼルの言葉を受けて俺が顔を向けると、アーシャは頷いた。
「私は大丈夫ですよ」
「そうか。なら私も一緒に参加させていただくとしようか」
嬉しそうにするクゼル。
今日は三人か……そういえば、ゼロはどこだろうか?
そう思っていると宿の扉が開き、ゼロが入ってきた。
どうやら出かけていたようだな。
そんなゼロは俺を見て、首を傾げる。
「ハルト様、出かけるので?」
「これから依頼でも受けに行こうかと思ってな」
「そうでしたか。では私も準備をしてきます」
そこで俺は、ゼロが抱えている本に気付いた。
「それ、全部買ってきたのか?」
「はい。面白そうなのがありまして」
「ならゆっくり読みたいだろ?」
「そんなことは……」
ゼロは否定するが、表情を見ればわかる。
「今日は自由だ。自分の好きなことに時間を使ってくれ」
「……わかりました。ハルト様はなんでもお見通しなのですね」
「ああ、顔を見ればわかるさ。フィーネたちが戻ってきたら、俺たちは依頼を受けに行ったと伝えといてくれ」
「承りました」
そうして俺とアーシャ、クゼルの三人は準備を済ませて宿を出ると、冒険者ギルドへと向かった。
ギルドの建物の前に到着して早々、扉越しに喧騒が聞こえてくる。
活気があるのを通り越して、騒々しいくらいだが……
扉を開いたことで、ようやく喧騒の正体がわかった。
「ってめぇ! 俺が先に並んでいただろうが!」
「はぁ!? 先に並んでいたのは俺の方だろう!!」
「ンだとゴラァッ!?」
「あぁ、やんのか!? ゴブリンみてぇな面しやがって!」
「誰がゴブリンだ! てめえこそオーガみてぇじゃねえか!」
二人の冒険者がバチバチといがみ合っていたのだ。
今にも殴り合いそうだが、周りは誰も相手をしない……というよりも関わろうとしていない。それがいつもの日常のように振舞っている。
入ってきた俺たちに目をくれる者はほとんどいなかった。
「……いつもの冒険者ギルドだな」
「そうですね。冒険者ギルドはどこも同じなんですね」
「そのようだな」
俺、アーシャ、クゼルと三者三様の言葉だが、思ったことは同じだったようだ。
いがみ合う二人をスルーして通り過ぎようとしたところで、声をかけられた。
「おいそこの。どっちが先に並んでいたか見てただろ? 俺だよな?」
「俺だよなぁ?」
いや、今入って来たばかりだから知らないんだが。
問われた俺たちは一度顔を見合わせてから……
「「「知らん(知らないですね)」」」
そう言って受付に並んだ……そいつらを抜かして。
直後、俺は二人に同時に肩を掴まれた。
「おい、抜かすとはいい度胸だな?」
「俺たちが先に並んでただろ?」
俺は振り返りつつ――
「あ?」
二人だけに向けて威圧を軽く放つと、「ひぃっ!?」という小さな悲鳴が上がった。
「そもそも、お前たち二人の言い合いで受付できねぇんだよ。わかったら外で喧嘩してくれ」
「「す、すんませんした!!」」
喧嘩を止めた二人は、俺たちの後ろに素直に並んだ。
うんうん。いいことだ。
「ハルト様、ちゃっかり抜かしてますよね?」
「アーシャ、それは言うな」
ジト目で俺を見るアーシャの言葉を聞き流す。
そこからはスムーズに進み、俺たちの番が来た。
「本日はどのようなご用件で?」
受付嬢の言葉に俺は要望を伝える。
「三人で受けられて、昼過ぎから夕方までには終わりそうな依頼を見繕ってほしい」
「承りました。では冒険者カードの提示をお願いします」
俺とアーシャ、クゼルは冒険者カードを提示する。
まずはCランクのアーシャが見せ、続いてAタンクのクゼルが提示すると、受付嬢は「え、Aランク冒険者ですか!?」と小声で驚いていた。
そして最後に俺が見せる番になった時、俺は「頼むから驚かないでほしい」と告げてから冒険者カードを手渡す。
すると、なんとなく予想はついていたが、受付嬢の反応は驚愕どころではなかった。
時間が止まったかのように固まっている。
「ハルト様のせいですよ?」
「ハルトのせいだな」
アーシャとクゼルが俺のせいにしてくるが、その通りなので何も反論もできない。
といっても、このままというわけにもいかないので声をかけると、停止していた受付嬢は慌てて謝ってきた。
「も、申し訳ございません!」
「いや、何も謝ることはないと思うが……まあ、それよりも依頼はありそうか? ある程度強くても俺がいるから問題はないから。よろしく頼むよ」
「は、はい! ただいま!」
依頼を見繕いに向かった受付嬢は、ほんの数分で戻ってきた。
「これなどはいかがでしょうか? 三人のランク的には少し劣るかもしれませんが」
提示してきた依頼書を確認する。
内容は、オーガの群れの討伐だった。
オーガ単体の討伐難易度はB級。
アーシャはランクこそCだが、特訓でそれ以上の実力はついているので、二、三体同時に相手にしても問題ない。クゼルに関しては、既にSランク並みの実力が付いているし、いざとなれば俺もいるから危ないことはないだろう。
そう思いながら依頼書を確認していると、受付嬢が説明してくれる。
「こちらはオーガの群れの討伐となっており、中にはオーガキングの存在が確認されております。難易度はSランクに近いAランクとなっていますが、ハルトさんがいらっしゃいますのでそこは問題ないと判断しました」
俺は受付嬢の説明に頷き、アーシャとクゼルに尋ねる。
「受けるかどうかは二人に任せるよ」
少し悩んでいたアーシャだったが、「ハルト様がいるのでいい訓練になると思います」と言って受けることにしたようだ。
クゼルは「面白そうだな」とやる気満々なご様子。
それを確認して、俺は受付嬢に向き直る。
「と、いうことだ」
「わかりました。それでは手続きに入らせていただきます」
少しして手続きが済み、最後の説明に入る。
「群れの討伐証明として、キングを始めとした上位個体のツノをお持ちください」
「わかった」
さっそく俺たちは、冒険者ギルドを出て依頼書に書かれていた神都近郊の森へと向かった。
ほんの十五分ほどで到着し、そこから奥に向かって歩いていく。
途中ゴブリンなどが出てきたが、通常の個体だったということもあり、アーシャとクゼルの二人によって瞬殺される。
本当に頼もしい限りである。
歩くことしばし、アーシャがぽつりと呟く。
「全くオーガの群れを見ませんね」
「確かにそうだな」
アーシャの言葉にクゼルが頷いた。
実際、俺の通常の気配察知にも反応はない。
俺の〈神眼〉のマップ機能でより広範囲を索敵してみると、このまま奥へと進んだところに、オーガの群れらしき複数の反応を捕捉した。
「見つけたぞ。あとしばらく奥へ行ったところにいる」
「わかりました」
「わかった」
俺たちはそのまま、オーガの群れへと向かって歩を進める。
「ハルト、確かに反応があった」
しばらく進んだところで、クゼルがオーガの気配を察知したらしい。
遅れてアーシャも見つけたようだ。
より詳しく反応を確認してみると、広範囲に散見される群れの中に、一つだけ特に大きなものがある。おそらくこれが、受付嬢の言っていたオーガキングなのだろう。
「オーガキングらしき個体もいるな。群れの数は五十……問題ないか?」
俺の言葉に、表情を引き締めて頷くアーシャとクゼル。
そしてもう少し移動し、群れの外周にいた二体のオーガに近付く。
オーガはまだこちらの存在に気が付いていない様子だ。
「数は二体だな。どっちがやる?」
「なら私がやろう。アーシャはオーガの相手は今回が初だろう?」
「はい。お願いします」
俺の問いかけにクゼルが答えると、アーシャは頷く。
そしてクゼルは腰から剣を引き抜いて、オーガの前へと歩み出た。
クゼルの存在に気が付いたオーガは武器を構えようとするが、もう遅い。
「先手必勝だ」
言い放ったクゼルは、剣に魔力を流し、逆袈裟に振るった。
剣がオーガの腹を深く斬り裂くと、クゼルは流れるようにもう一体のオーガの方に剣を向ける。
仲間の一体をやられたオーガは、慌てたようにクゼルへと拳を振るっていた。
「ノロマだな」
しかしクゼルはそんな言葉をこぼしつつ、迫るオーガの拳を危なげなく躱し、その左腕を肩から切り落とす。
そして悲鳴を上げるオーガの背中へと即座に回ると、心臓を貫いた。
剣に付着した血を払ったクゼルは、こちらに戻ってくる。
「こんな感じだ。オーガは動きが鈍いから、動き回るのがコツだ」
「わかりました」
なるほど、アーシャの参考になるように動いていたのか。
「見事な手際だったな、クゼル」
「アレくらい普通だ。流石に五体同時となると、少し厳しいかもしれないがな」
いや、多分余裕で勝てると思うが、それは俺の気のせいだろうか……?
そんなことを思っていると、俺のエクストラスキル森羅万象の補助機能が生み出した人格、エリスが答えてくれた。
《マスターの仰る通り、今のクゼルだとオーガ五体の相手は余裕です。スキルを使用せず、素の身体能力のみで同時に相手できるのは最大で十体かと思われます》
いや、強いな……
なんならスキルを使えば、今回の依頼はクゼル一人でできそうな気がするんだが。
《可能です》
受付嬢、完全に実力見違えているじゃん。まあ、ランクだけ見たら妥当な依頼なのかもしれないけど。
……それにしても、エリスが出てくる時と出てこない時の違いがわからないんだよな。ただの気まぐれなんだろうか。今も答えてくれなさそうだし。
しかしこのオーガたち、縄張りの監視をしているみたいな配置だよな。
するとエリスがすぐに答えてくれた。
《肯定します。オーガキングは自身の縄張りを配下に任せているようです》
どうやら俺の想像は正しかったようだ。
ということは、先ほどのオーガの悲鳴を聞いたのなら集まってくるのでは?
《はい、あと数分で群れのオーガがここに集まってきます》
マップを確認すると、確かに多数のオーガが向かってきていた。
とりあえず、二体ほどは視認できる距離に現れている。
「アーシャ、あいつらをやれるか?」
俺が示した方向にいるオーガを見て、アーシャはナイフを取り出して身構えた。
やってきた二体のオーガは、同族の亡骸を見つけ、周囲を探るようにキョロキョロしている。
どう出るのかは、アーシャのタイミング次第だろう。
隙を窺っていたアーシャだったが、死角を突くようなタイミングで駆け出す。
オーガは突如目の前に躍り出たアーシャに向かって、慌てたように拳を振るった。
振るわれた拳を跳躍して避けたアーシャは、ガラ空きとなったオーガの背中に数本のナイフを投擲した。
そのナイフはオーガの背中へと突き刺さった、が……少し浅いな。
あれでは致命傷にはならないだろう。
もう一体のオーガが三十センチほどの小岩を拾うと、着地したアーシャへと投擲した。
「――いッ!?」
咄嗟に避けようとしたアーシャだったが、避けきれずに脇腹を小岩がかすめる。
戦闘になるとわかっていたのに頑なに着替えなかったメイド服が破れ、血が滲んでいた。
だがアーシャは怯むことなく、背中にナイフを突き刺したオーガへ接近すると、突き刺さったままのナイフ二本を握り、さらに深く突き刺した。
オーガの悲痛な叫び声がこだまする。
「まだです!」
アーシャはそう言って突き刺したナイフを抜くと、そのまま距離を取って、もう一体のオーガへと投擲する。
放たれたナイフはオーガの足首、正確には足の腱に命中した。
地面へ倒れたオーガは、立ち上がろうと両手を地面につく。
しかしアーシャはすかさず追加のナイフを取り出すと、がら空きの首の裏側へと投げた。
「ガァァッ――……」
ついにオーガは力なく地面へと倒れた。
これで一体は倒せたが、まだもう一体いる。
先ほど小岩を投げつけてきたオーガは、今度は二メートルほどの大きな岩を持ち上げ、投げつけていた。
それはアーシャがいた場所へとまっすぐに飛んでいき、土煙を上げる。
オーガは死体を確認しようとしたのか、岩に近付き持ち上げたが――そこにアーシャの姿はない。
と、その上空から両手の指の隙間にナイフを挟んだアーシャが現れ、そのすべてを無防備なオーガへと投げつけた。
両目、手首、足首とナイフが刺さっていき、最後の一本がオーガの眉間へと深く突き刺さり、その命を絶ち切った。
ナイフを回収して俺とクゼルの元へと戻ってきたアーシャは、メイド服に付いた土埃を払う。
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