上 下
35 / 129
3巻

3-2

しおりを挟む
 部屋の中の盗賊たちは流石に騒ぎに気付いて警戒していたようだが、その甲斐かいむなしく瞬殺されていた。
 俺はと言えば、気絶した盗賊を縛るくらいで何もしていない。正直いなくてもよかったんじゃないかと思ったほどだ。
 一瞬で制圧を終えた俺たちは、盗賊全員を洞窟から出して、街道まで出て近くの木にぶら下げておいた。
 仕上げに『僕たちは悪い盗賊です』と書いた看板を作って、リーダーの首にかける。
 これで誰かが見つけてくれるだろう。
 一仕事終えて肩を回していると、クゼルが満足げに頷く。

「いやぁ、ハルトがいてくれて助かった」
「俺は何もしてないけどな」

 こいつらを運んで吊るすくらいしかしてないぞ。

「いや、私より強い奴が一緒にいてくれるだけで安心感があったぞ」
「……わかるのか?」
「当たり前じゃないか。伊達だてにAランク冒険者をやってない。だいたい、私のナイフを止めてたしな」

 そういうもんなのか。

「ま、確かにお前よりは強いけどさ……それで、お前はこれからどうするんだ?」
「行く宛のない旅をしてる身だ。とりあえず近くの街を目指すつもりさ」
「そうか、近くに俺たちの馬車を止めてあるんだ。そこで待ってる仲間たちと、最近グリセント王国に襲われたらしい、トニティア樹海のエルフの里を目指してるんだが、よかったら途中まで一緒に行くか? これも何かの縁だしな」

 馬車の止まっている方向を指差しながらの俺の提案に、クゼルは表情を若干くもらせながらあごに手を当てる。

「トニティア樹海にあるエルフの里、か……」
「どうした? 何かまずいのか?」
「……私は、そのグリセント王国の元副騎士団長なのだ」

 おっと、まさかのカミングアウトだ。
 俺より年上とはいえ、この若さで副団長って凄いな。馬鹿なのに。
 ……じゃなくて、そりゃあエルフの里には行きづらいよな、襲撃した張本人なわけだし。

「なるほどな……それじゃあ先に言っておくが、俺たちの仲間に、そのエルフの里に住んでいた奴がいる。言いたいことはわかるな?」

 俺の言葉に、クゼルは目を見開く。
 そして申し訳なさそうな表情で、俺がさっき指差した方へ歩き始めた。

「――元副騎士団長とは言ったが、私はエルフの里襲撃の任を与えられた際に騎士団を抜けたから、作戦には参加していないのだ」

 話によるとクゼルは、幼少の頃から母親に、エルフは森と平和を愛する種族だと聞かされ育ってきたという。
 そして彼女自身、どんな時でも自分を盾にして部下を危機から守る騎士団長のような、誇り高い騎士を目指していた。
 そのため、奴隷にするためのエルフの里襲撃作戦を受け入れることなどできなかった。
 当然、王から命令された際に反発したのだが、聞き入れられず、作戦は強行されることとなった。

「そんな作戦に参加するわけにもいかないから、騎士団を抜けたのだ。騎士団長ならば作戦を中止にできたかもしれないが、あの方は非常に正義感が強く、元々作戦について聞かされていなかった。それを知らせれば団長は当然反発するだろうし、最悪の場合は王族に殺されてしまうかもしれないから、黙って私だけ出てきたのだ。作戦を止められなかったことは、今でも後悔してるよ」
「そうだったのか……副騎士団長という地位には未練がなかったのか?」
「ああ、誇りを捨てて地位を守るくらいなら、自由に生きたかったんだよ。幸いそれなりに実力があるから、冒険者としてもやっていけるしな」

 クゼルは自嘲じちょうするように笑う。

「そうか。なら国にも未練はないのか?」
「ないな。母は去年病気で他界したし、父は五年前に魔物に襲われて亡くなっているから、私にはもう、国を出て悲しむような家族はいない。友が全くいないわけではないが……何よりも、私欲を満たすためにエルフの里を襲うような王族と、グリセントという国に失望したからな」
「……そうか」

 話を終えたクゼルに、俺は相槌あいづちを打つことしかできなかった。
 しばし無言が続き、耳に届くのは俺たちの足音と鳥の鳴き声、草木が揺れる音だけだった。
 そうして歩き続け、遠くに馬車が見えてきた頃、クゼルが口を開いた。

「ハルト、さっきの答えだが、私もエルフの里に行ってみようと思う。ついていってもいいか?」
「もちろんだ。旅の仲間は多い方がにぎやかでいいからな」
「そうだな。私も一人で退屈してたんだ。そう言ってもらえると助かる」

 こうして俺とクゼルは馬車に着いたのだった。


「で、この女の人を拾ってきたの?」

 そう言って俺を見下ろす鈴乃の目がひどく冷たい。
 俺は今、フィーネとアイリス、鈴乃の前で正座をしていた。
 皆で撤去てっきょしてくれたのだろう、倒木はなくなって、馬車はいつでも出られる状態になっていた。
 しかし鈴乃が、馬車に近付いた俺の横にクゼルがいるのを見るなり、「晴人君そこに正座!」と物凄い形相で言ってきたため、こんな状況になっているのだ。
 クゼルはといえば、アーシャと話していた。俺を助ける気はないらしい。そもそも興味がないようだ。

「いや待ってくれ。俺が拾ってきたわけじゃない」

 俺は必死に、アジトで何があったのか説明する。

「だから! 扉を開けて隙間から見たら盗賊のリーダーが土下座してたんだって! 信じてくれよ!」

 しかし誰も彼も、俺の言うことを信じていないのか冷たい目を向けてくる。クゼルも相変わらず、こちらを助ける気はないようだ。誰のせいでこうなってると思ってるんだ。
 ――それから十分後。

「……なるほど、何があったかはわかりました。でも、だからと言ってやたらと女の人を誘うのはどうかと思いますよ」

 ほおを膨らませるフィーネに、俺は頭を下げる。

「はい……気を付けます」
「私はそこまで増えてほしくないです。だってその……ごにょごにょ」
「ん?」
「な、なんでもないです!」

 最後はなんて言っていたのか聞き取れなかったが、フィーネは顔を赤くしたまま馬車に戻っていった。

「ハルト、増えるのはいいとは言ったけどね? こんなに早く増えるのは……ハルトといられる時間が減っちゃうし……」
「はい! 気を付けます!」

 俺は即答だった。いや、だって、な? アイリスにモジモジされながらそんなことを言われたら、そりゃあもう即答に決まってますよ。はい。
 俺の説明で壁はなくなったのか、クゼルは皆と楽しそうに話している。天堂たち勇者組とは直接の面識はなかったようだが、顔は知っていたようで驚いていた。
 そして、俺への説教が一段落ついたので、改めて全員に自己紹介してもらうと、クゼルはますます驚いていた。
 まぁそうだよな、勇者五人に加えて、ペルディス王国の第一王女、エルフの里の姫までいたら、その反応も納得だ。
 とどめに俺がEXランク冒険者であることと、証明として冒険者カードを見せたら、クゼルは完全に言葉を失ってしまった。
 黙り込んで俺をまじまじと見ていたクゼルだったが、しばらくして口を開く。

「……聞いたことのある名前だと思っていたが、まさかあのEXランク冒険者だったとは。驚いたよ……あと一つ、気になることがあるのだが」
「どうした?」

 クゼルは恐る恐る、といった感じで聞いてくる。

「ハルトの名前は、勇者であるテンドウ殿たちのものと同じで、東にあるジャペン王国で使われているものと似ている気がするのだが……」
「ああ、そうだな。俺もこいつらと一緒に、勇者として召喚されたからな」
「そうなのか……って、えぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 あまりのうるささに俺は両耳を塞いだ。
 てか、ジャペン王国ってアレか、東にある日本っぽい文化の国だっけ。

「なるほど、勇者として召喚された者には、ユニークスキルよりも強力なギフトがあると言うからな。ハルトの強さの理由はもしかして……」
「ん? 俺はギフトなんてもらってないぞ?」

 俺の答えに、クゼルが詰め寄ってきた。
 むにゅっという感触とともに、柔らかな双丘そうきゅうが押し付けられる。
 ふむ……おっぱいは正義!
 一部始終を見ていた女性陣からは冷たい視線が突き刺さってくるが、これに関しては不可抗力だ。これほどのおっぱいが当たって喜ばない男はこの世にはいない。

「――っておい! 聞いているのかハルト!?」

 おっと。おっぱいの感触の方に意識が向いてしまったようだ。

「えっと、なんだっけ?」
「ハルトの強さの理由について聞いているのだ」

 強さの理由? んー、なんて言うかな。

「……頑張ったから?」

 すみません本当は神様からお詫びチートを貰っただけです。

「なぜ疑問形なんだ! そんなのは理由にはなっていないぞ!」

 なぜか怒られてしまった。だって信じてもらえなそうだったし。

「えっと……神様からお詫びスキルを貰って、それからそれなりに頑張ったから?」
「……おい。そんなうそを私が信じるとでも?」

 ですよねー、わかってましたとも。

「いや、だってさ? 真っ白な空間に飛ばされて、いきなり現れたひげじいさんに『わしは神様。ギフトを付け忘れたお詫びにスキルをあげるね』って言われて、目が覚めたらほんとにスキルがあったんだぞ? 信じるしかなくないか?」

 結構端折はしょったが、だいたい合ってるから大丈夫大丈夫。

「私は神など信じないが……そうか。神様はおじいちゃんなのか」
「そこかよ。てか、そろそろ俺から離れてくれると助かるんだが……皆からの視線が、さ……」

 俺の言葉に、クゼルは首を傾げる。
 そろそろ気付いてほしい。クゼルの立派な双丘が俺に押し当てられているってことを。

「いやさ……さっきからずっとその、む、胸が当たっているのですが……」

 俺がそう言うと、クゼルの顔が赤くなっていき――

「ば、馬鹿者ぉぉぉぉぉッ!」
「それは理不尽ゴハァァッ!!」

 プロボクサー顔負けの鋭い右ストレートが顔面へと直撃し、俺はその場に倒れ込む。
 正直なところ、そこまで痛くはないし避けることもできた。ただ、ここで避けたら、後ろの笑顔が怖い人たちに反省の色なしと見なされて恐ろしいことが起きるに違いない。

「そ、そのようなことは早く言わないか!」
「い、いや? 言おうとはしたよ? だけど勝てなかったんだよ……」
「何にだ!」

 その立派な双丘にです。
 俺は立ち上がると、逃げるように仲間であるはずの男性陣のもとへ向かう。
 しかし天堂も最上も、俺が近付くと小声で非難してきた。

「晴人君、うらやましい!」
「そうだぞ結城!」
「お前ら……まぁたしかに気持ちよかったけど」

 俺の言葉に、二人は頬を引きつらせる。

「晴人君。君は今から僕たちの敵だ」
「待て天堂! 早まるな!」
「いや、光司の言う通りだ。だいたい結城、お前は誓いを忘れたって言うのか!?」
「誓いってなんだ!? いつそんなの立てたんだよ!」

 最上に反論するが、首を横に振られる。

「女の子の胸は見守るもの。付き合ってもいないならば決して触るべからず、とな」
「はぁ!? なんだそれ!」
「晴人君、君が誓いを破るなんて見損なったよ……」
「天堂も何言ってんだ?」

 途中から声が大きくなっていたのか、女性陣にあきれたような目で見られたけど気にしないことにしました。


 そんな茶番を終え、俺たちは出発した。
 しばらくは顔を赤くしていたクゼルだったが、亜空間のことを知ってはしゃいでいた。そして一通り楽しんだ後は、やはり疲れていたのだろう、亜空間内の家の中でゆっくり休んでいる。
 それからは何事もなく進み、日が傾き始めたところで俺は馬車を止めた。

「暗くなってきたから、そろそろ夕食にするぞ」

 荷台と亜空間にいる皆に声をかけ、夕食の準備を進める。
 今日のメニューは唐揚げだったのだが、これがクゼルには好評だった。

「まさか旅の途中でこんなものを食えるなんてな! 干し肉とは大違いだ!」

 とのこと。まあ、比較対象が干し肉だったらそうなるか。俺は嫌いじゃないんだけどな、干し肉。
 大騒ぎするクゼルを微笑ましく見ながら夕食を終えた俺たちは、寝る準備をする。
 せっかく亜空間内の広々した家があるので、馬車の見張りだけ立ててそちらで寝ることにした。
 馬車ごと亜空間に送れるんだが、明日の朝、いきなり馬車が出現するところを他人に見られたら面倒だ。ということで、馬車とマグロは出しっぱなしにする。
 結界魔法で頑丈な結界を張ってから、有事に備えて見張りを立てておけばいいだろう。
 見張り順を決め終えた俺たちは、旅の初日を終えたのだった。




 第3話 特訓タイム


 それからおよそ一週間、俺たちはいくつかの街に立ち寄りながら、トニティア樹海まで二日程度の街に辿り着いた。
 目的のエルフの里はもう目の前ということで、今日このあとは各々自由に休むことにしている。
 俺が宿の庭先で体を動かしていると、そこにフィーネと鈴乃、東雲、クゼルがやってきた。どうやら四人も、訓練しに来たらしい。

「ハルトさん、少し組手に付き合ってもらえませんか?」

 そしてフィーネはやってくるなり、そんなお願いをしてきた。
 特に断る理由もないので快く引き受け、しばらく組手をしていたところで、俺はあることに気付く。

「あれ? フィーネ、前より動きがよくなってるな」
「はぁ、はぁ、そう、ですか……?」
「ああ、いい感じだぞ!」
「本当ですか? ありがとうございます!」

 息を整えたフィーネは俺の言葉に顔をほころばせた。
 そんな俺たちを見て、クゼルが声をかけてきた。

「ハルト、私も相手をお願いしたいんだが」
「クゼルもか?」
「ああ。先ほどの二人の組手を見ていたら、こう胸からき上がるような、熱い気持ちが抑えられなくなってな!」
「お、おう……」

 勢いに引きつつも、クゼルの相手をすることにした。
 なんだかんだ言って、クゼルは元副騎士団長でAランク冒険者。かなりの実力者だ。
 これはちょっと楽しみだな。

「それでは私は見学していますね!」

 フィーネはそう言って、さっきから見学していた鈴乃と東雲の横にちょこんと座る。
 それから、俺とクゼルの組手が始まった。
 やはりクゼルの実力はなかなかのもので、気を抜くと一撃入れられてしまいそうだった。
 組手が終わるころには、久々に汗びっしょりになっていたほどだ。
 そんな俺と息も切れ切れなクゼルのもとへ、フィーネがタオルとコップを持ってきてくれた。

「二人ともお疲れ様です。タオルと飲み物を持ってきましたよ」
「ありがとうフィーネ」
「感謝する」

 汗を拭きつつ飲み物をゴクッゴクッと勢いよく飲んでいると、鈴乃と東雲の会話が聞こえてきた。

「あそこまでの動きは私たちにはまだ無理、かな……?」
「そうだね。でも私たちもいつかあそこまでできるようにならないと」
「そうだね、頑張ればできるようになるかな?」
「うん。できるよ」
「そっか、なら私頑張るよ!」

 そんなほのぼのした会話をする二人を見ながら、俺は心の中でエールを送ったのだった。


 そして翌日、俺たちは街を出発した。
 道中では魔物が現れたりしたのだが、俺が動く前にクゼルや天堂たちが率先して動いてくれたので、ほとんど俺の出番がなかった。
 しかも、俺が警戒を促す前に戦いに行くので、俺のやることと言えばただ手綱を握ることだけになってしまっていた。

「ふあぁ~……」

 そんな状態だったから、昼食を終えて道を進んでいる時に、ついつい欠伸あくびが出てしまった。
 俺は助手席に座っていたクゼルに振り向く。

「クゼル、少し寝たいから変わってもらっていいか? 眠い……」
「ああ構わない。ゆっくり寝ていてくれ」
「助かる。マグロは頭がいいから、口で言えばだいたいは大丈夫だから」
「わかった」

 クゼルに手綱を渡した俺は、何かあった時にすぐに対処できるよう、亜空間に入らずに荷台の長椅子いすで横になる。
 気持ちいい風と暖かな日差し、そしてガタガタと心地よい馬車の揺れに、俺は睡魔に身を任せるのだった。


「……ふぁ~」

 ゆっくりと目を開けると、既に日が傾き始めているのか、馬車の窓から見る空はあかね色に染まっていた。

「……やっと起きましたね。ハルトさん、寝すぎですよ?」

 その声に上を向けば、フィーネが俺の顔をのぞき込んでいた。
 ……ん? しかも頭の後ろに何か柔らかい感触が……まさかこれがうわさ膝枕ひざまくら、なのか?
 フィーネのつややかな銀髪は、夕日を反射してオレンジ色に光沢を放っている。何やら柔らかい香りが、俺の鼻をくすぐった。このまま目を閉じたいところだが……

「フィーネ、俺どのくらい寝ていた?」
「えっと、四時間くらいだと思いますよ」

 ずいぶんと寝ていたようだ。
 まだフィーネの膝枕が恋しいが、流石に起き上がるか。
 何せ視界の端で、アイリスと鈴乃が羨ましそうにしているからな。近いうちに膝枕させろと言ってきそうだ。

「そうだ。何か変わったことはあったか?」
「……特にありませんでした」

 起き上がった俺を名残惜なごりおしそうに見ながら、フィーネが答えてくれる。

「ならよかった……そうだ」

 フィーネに耳打ちで伝えた。

「今度は二人きりの時に頼むな」
「ふぇっ!? は、はい……」
「っと、そろそろ今日の野営場所でも探さないとな」
「は、はぃ……そぅ、ですね」

 フィーネの顔は、うっすら赤く染まっている。アイリスと鈴乃の視線が痛いが、気にしないことにした。
 しばらく進むと野営にちょうどよさそうな場所があったので、御者をしてくれていたクゼルに声をかけて馬車を止める。
 さっそく夕食の準備をしようとしたところで、アイリスが手を挙げた。

「今日は私が作るわ!」

 え? アイリスが? これまでそんなこと、言ったことなかったのに。
 というかそもそも……

「アイリス、料理できるのか?」
「つ、つつ作れるわよ!」

 アイリスは真っ平らな胸を張ってそう言い張っているが、たしか出発前に、アイリスの父親であるペルディス王のディランさんから話を聞いたっけ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

異世界転移して5分で帰らされた帰宅部 帰宅魔法で現世と異世界を行ったり来たり

細波みずき
ファンタジー
異世界転移して5分で帰らされた男、赤羽。家に帰るとテレビから第4次世界大戦の発令のニュースが飛び込む。第3次すらまだですけど!? チートスキル「帰宅」で現世と異世界を行ったり来たり!? 「帰宅」で世界を救え!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜

KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。 タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い) そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出

死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜

猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。 ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。 そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。 それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。 ただし、スキルは選べず運のみが頼り。 しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。 それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・ そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。

死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?

わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。 ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。 しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。 他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。 本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。 贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。 そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。 家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。