24 / 65
第1章
第23話:俺か?俺はただの…
しおりを挟む
俺はマップで襲われている村人をメティスに言ってもらい、最優先で盗賊達を始末していく。
五人程倒すと盗賊達が俺に気づいた。
「死んでいる?お前が殺ったのか。誰だてめぇは?」
その声は盗賊の頭らしい人が発していた。その声に気づいた盗賊達が、俺を囲む様に周りへと集まって来た。そして俺はその問に応える。
「ふっ、俺が誰かって?俺はただの通りすがりだ。気にするな」
俺がそう言うと盗賊達のリーダー、お頭が青筋を立てながら言う。
「俺達がワイルドウルフと知ってふざけてんのか!?うん?」
お頭は俺の後ろの方を見ると笑う。そして。
「いいのがいるじゃねぇか。今ならそっちの二人を寄越せば見逃してやる。とうだ?」
そしていやらしい笑を浮かべる。俺が断ると思わないのだろう。
ため息一つ。そんなしょうもない事を行ってきた盗賊のお頭に、俺は呆れながら告げる。
「バカか?お前ら顔をよく見ろ。そんなんじゃ女どころか虫も寄りはしないぞ?それになんか臭うし」
「んだと!」
「それに─────」
俺は続けて話す。
「俺の嫁と妹に手を出そうとしたな?」
スキルの<威圧>を放つ。
すると盗賊達全員が身体を震わして歯をカチカチと鳴らし、恐慌状態へと陥った。
「うっ…」
「お、お頭、これは撤退するしか──」
「な、何言ってやがる!お前ら早くあの男を殺れ!」
「でも──」
「いいから行け!奴の四肢を引きちぎれ!」
頭がそう言うと部下の盗賊達が一斉に襲って来た。
恐慌状態を抜けるとは。大したもんだがお頭に対しての恐怖が勝ったのか…
「部下の言う通り、素直に撤退すれば良かったのにな…」
そんな哀れみを感じつつも俺は、魔境で培った無駄のない動きで攻撃を躱していく。
俺の体術も魔境で培った無駄な動きが一切ない我流だ。
攻撃を少しの動きで躱しなが次々と倒していく。倒すときにナイフで盗賊の首の動脈を切断する。
そして盗賊の数は十人を切った。
どんどん倒されていく仲間に盗賊達は一歩後ずさる。
「な、何してる!さっさと奴を殺せ!何してる!早く殺れ!」
「ふっ、ふははは」
「何がおかしい」
急に笑い出した俺に、盗賊達とお頭はおかしい奴を見る様に見ていた。
盗賊のの発言に俺は応える。
「自分は後方で攻撃しないで部下に任せると?命令しないで攻撃して来ればいいだろ?」
俺はナイフを<異空間庫>へと収納する。
そして。
「ほら丸腰だぞ?来いよ。十分以内に俺に傷を付けることが出来たら逃げても構わないぞ?」
俺がそう言うと盗賊達が目の色を変えて攻撃をしてきた。
そして十分後。
「タイムアップだ」
そう告げると俺は盗賊達へと闇魔法を放つ。
「麻痺」
「うぐぁっ…」
「が、あ…」
「うっ…」
盗賊達は痺れさせてその場に倒れ込む。だが喋れる様にはしてある。それに気づいたお頭が口を開く。
「くそっ…お前…お前は一体何者…なんだ?」
「またそれか…今回は応えてやろう。俺は─────何者なんだ?」
「いや、お前が知ってるだろ!?」
お頭ナイスツッコミ。
俺は少し考える。そして。
「そうだな。俺は────旅人さ」
「結局は最初と同じじゃねぇか!」
「復讐したい奴らにお前らを殺らせてやるから、少しの間黙ってろよ?」
「うぐっ…」
俺は<異空間庫>から人数分のナイフを取り出す。そして集まって来た村人達を見て話す。
「お前らが復讐をしたいのなら殺らせてやる。今ならこいつらは動けない。どうする?殺るか殺らないかだ。最愛の人が取られた者。妻、夫を奪われた者。人生を狂わされた者。復讐をしたくはないか?」
そう言ってナイフを村人達の前の地面へと突き刺す。最初は怯えていたが、徐々に徐々に村人達の目には一つの意志が宿っていた。それは復讐の意志。一歩また一歩とナイフへと近ずいていく。
俺はゼノアとフィアを連れて犯そうとした奴らは、死よりも苦痛と恐怖を与えてから殺すと決めていた。が、今回はこの人達に譲ろう。
そしてナイフを握って動けない盗賊達へと近ずいて行く。復讐の目を宿して。
盗賊の目の前に立って。
「俺はお前に目の前で彼女を犯され殺された」
「や、止めてくれ!命、命だ──」
「貴方に私の夫を殺された」
「死にたくない!死にたくな──」
「お前に俺の息子を殺された」
「あれはお頭の命令で─────」
そして最後はお頭だけが残った。
「残ったお前は俺が殺してやろう。苦しまずに行かせてやる」
「す、すまない!許してくれとは言わない!だけど命だけは───」
俺はお頭に言う。
「分かった」
「本当か!?」
「勿論だ。俺は寛大だからな。それと体力回復剤だ。飲んでおけ。ほら口を開けろ。これを飲んだらさっさとこの場を去れ」
お頭は疑問に思っていない。
「わ、分かった!」
俺は<異空間庫>から魔物が寄ってくる、特殊な匂いを発するポーションを出して、口を開けたお頭に飲ませた。
これは俺が魔境でレベル上げをしていたときに仕様していた物だ。効果は一日だ。
※ちなみにマスカット味です。
「う、美味い!」
「おっと忘れてた」
「あ、ああ!」
秋人は麻痺を解除するのと同時に数時間後に効果が現れる麻痺を掛けておいた。それとお頭にポーションを渡した。
「これはなんだ?」
お頭が聞いたそれはビーカーに入った紫の液体だった。
「それは俺が調合して作った状態異常を治すポーションだ。いざとなったときに使え」
その品は数時間後にまた麻痺して動けなくなるものだった。
そしてお頭は笑を浮かべて村を去って行く。
その日森から叫び声が聞こえたとか聞こえなかったとか。
五人程倒すと盗賊達が俺に気づいた。
「死んでいる?お前が殺ったのか。誰だてめぇは?」
その声は盗賊の頭らしい人が発していた。その声に気づいた盗賊達が、俺を囲む様に周りへと集まって来た。そして俺はその問に応える。
「ふっ、俺が誰かって?俺はただの通りすがりだ。気にするな」
俺がそう言うと盗賊達のリーダー、お頭が青筋を立てながら言う。
「俺達がワイルドウルフと知ってふざけてんのか!?うん?」
お頭は俺の後ろの方を見ると笑う。そして。
「いいのがいるじゃねぇか。今ならそっちの二人を寄越せば見逃してやる。とうだ?」
そしていやらしい笑を浮かべる。俺が断ると思わないのだろう。
ため息一つ。そんなしょうもない事を行ってきた盗賊のお頭に、俺は呆れながら告げる。
「バカか?お前ら顔をよく見ろ。そんなんじゃ女どころか虫も寄りはしないぞ?それになんか臭うし」
「んだと!」
「それに─────」
俺は続けて話す。
「俺の嫁と妹に手を出そうとしたな?」
スキルの<威圧>を放つ。
すると盗賊達全員が身体を震わして歯をカチカチと鳴らし、恐慌状態へと陥った。
「うっ…」
「お、お頭、これは撤退するしか──」
「な、何言ってやがる!お前ら早くあの男を殺れ!」
「でも──」
「いいから行け!奴の四肢を引きちぎれ!」
頭がそう言うと部下の盗賊達が一斉に襲って来た。
恐慌状態を抜けるとは。大したもんだがお頭に対しての恐怖が勝ったのか…
「部下の言う通り、素直に撤退すれば良かったのにな…」
そんな哀れみを感じつつも俺は、魔境で培った無駄のない動きで攻撃を躱していく。
俺の体術も魔境で培った無駄な動きが一切ない我流だ。
攻撃を少しの動きで躱しなが次々と倒していく。倒すときにナイフで盗賊の首の動脈を切断する。
そして盗賊の数は十人を切った。
どんどん倒されていく仲間に盗賊達は一歩後ずさる。
「な、何してる!さっさと奴を殺せ!何してる!早く殺れ!」
「ふっ、ふははは」
「何がおかしい」
急に笑い出した俺に、盗賊達とお頭はおかしい奴を見る様に見ていた。
盗賊のの発言に俺は応える。
「自分は後方で攻撃しないで部下に任せると?命令しないで攻撃して来ればいいだろ?」
俺はナイフを<異空間庫>へと収納する。
そして。
「ほら丸腰だぞ?来いよ。十分以内に俺に傷を付けることが出来たら逃げても構わないぞ?」
俺がそう言うと盗賊達が目の色を変えて攻撃をしてきた。
そして十分後。
「タイムアップだ」
そう告げると俺は盗賊達へと闇魔法を放つ。
「麻痺」
「うぐぁっ…」
「が、あ…」
「うっ…」
盗賊達は痺れさせてその場に倒れ込む。だが喋れる様にはしてある。それに気づいたお頭が口を開く。
「くそっ…お前…お前は一体何者…なんだ?」
「またそれか…今回は応えてやろう。俺は─────何者なんだ?」
「いや、お前が知ってるだろ!?」
お頭ナイスツッコミ。
俺は少し考える。そして。
「そうだな。俺は────旅人さ」
「結局は最初と同じじゃねぇか!」
「復讐したい奴らにお前らを殺らせてやるから、少しの間黙ってろよ?」
「うぐっ…」
俺は<異空間庫>から人数分のナイフを取り出す。そして集まって来た村人達を見て話す。
「お前らが復讐をしたいのなら殺らせてやる。今ならこいつらは動けない。どうする?殺るか殺らないかだ。最愛の人が取られた者。妻、夫を奪われた者。人生を狂わされた者。復讐をしたくはないか?」
そう言ってナイフを村人達の前の地面へと突き刺す。最初は怯えていたが、徐々に徐々に村人達の目には一つの意志が宿っていた。それは復讐の意志。一歩また一歩とナイフへと近ずいていく。
俺はゼノアとフィアを連れて犯そうとした奴らは、死よりも苦痛と恐怖を与えてから殺すと決めていた。が、今回はこの人達に譲ろう。
そしてナイフを握って動けない盗賊達へと近ずいて行く。復讐の目を宿して。
盗賊の目の前に立って。
「俺はお前に目の前で彼女を犯され殺された」
「や、止めてくれ!命、命だ──」
「貴方に私の夫を殺された」
「死にたくない!死にたくな──」
「お前に俺の息子を殺された」
「あれはお頭の命令で─────」
そして最後はお頭だけが残った。
「残ったお前は俺が殺してやろう。苦しまずに行かせてやる」
「す、すまない!許してくれとは言わない!だけど命だけは───」
俺はお頭に言う。
「分かった」
「本当か!?」
「勿論だ。俺は寛大だからな。それと体力回復剤だ。飲んでおけ。ほら口を開けろ。これを飲んだらさっさとこの場を去れ」
お頭は疑問に思っていない。
「わ、分かった!」
俺は<異空間庫>から魔物が寄ってくる、特殊な匂いを発するポーションを出して、口を開けたお頭に飲ませた。
これは俺が魔境でレベル上げをしていたときに仕様していた物だ。効果は一日だ。
※ちなみにマスカット味です。
「う、美味い!」
「おっと忘れてた」
「あ、ああ!」
秋人は麻痺を解除するのと同時に数時間後に効果が現れる麻痺を掛けておいた。それとお頭にポーションを渡した。
「これはなんだ?」
お頭が聞いたそれはビーカーに入った紫の液体だった。
「それは俺が調合して作った状態異常を治すポーションだ。いざとなったときに使え」
その品は数時間後にまた麻痺して動けなくなるものだった。
そしてお頭は笑を浮かべて村を去って行く。
その日森から叫び声が聞こえたとか聞こえなかったとか。
50
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる