KAKERU 世界を震撼させろ

福澤賢二郎

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駆の章

メッシーの選択

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《レオン.メッシー》
驚きだった。
日本ごときがこの世界ランク三位のアルゼンチンに対して点取り合戦をやろうとする事が驚きだ。
ヨーロッパのチームの様に守って速攻で点を捕ると思っていた。
メッシーの隣にデメルがやって来る。
「ジャパンは面白いね」
「そうだな」
「さあ、今度は俺達の番だな」
メッシーとデメルはボールをミッドフィルダーに預けて前線に上がる。
日本は二人のディフェンスを残して人数をかけてミッドフィルダー潰しに掛かった。
アルゼンチンはボールを最終ラインまで下げていく。
それに合わせて日本がディフェンスラインを押し上げていき、コンパクトな繋ぎのサッカーが出来るようになった。
そうなると前線のメッシーやデメルも位置を下げるしか無く、ストレスが増していた。
その時、空山隆之介がメデルのマークを外して中盤へ駆け上がり、スライディングでパスカット。

「今日のソラヤマは危険だ。何か見えている。戻ろう、メッシー」
「駄目だ。仲間を信じろ」

空山隆之介はドリブルで中央突破を始めた。
アルゼンチンのミッドフィルダーが二人がかりで止めようと距離を詰めた瞬間だった。
強烈な低いパスが放たれ、前線を抜けた大海信吾に届いた。
大海信吾はゴールを向いてドリブルを始めた瞬間に裏からアタックされて大きく前に転んだ。
審判がホイッスルを鳴らした。
ファールだ。
そこから、日本の直接フリーキックとなった。
三十メートルぐらいあり、直接狙うには距離があり、簡単では無い。

ボールの周辺に柴咲、本田が集まり話をしている。
柴咲が空山隆之介を手招きして呼んだ。

アイツが蹴るのか?
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