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KARTE 6:白石真依
夢の続き
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《藤堂直文》
藤堂は六本木の高級クラブでハイボールを飲んでいた。
携帯が鳴る。
鈴木聡一郎からだ。
「藤堂です」
(おう、俺だ。もし、真依が助かればお前の望みを叶えてやる。だがな、死んだ時にはお前も助からねぇからよ)
「わかりました。お約束をお忘れになら無いように」
藤堂は黄金色の液体をシャンデリアに照らしながら言った。
《石垣由依》
赤城拓哉は凄い速さで脳内にカテーテルを進める。
「今日の赤城拓哉は凄すぎる」
杉田が怯えている。
「ヤバい。ホントに大丈夫なのか」
石川が震えている。
「こ、コイツ、神なのか」
カテーテルの先端が腫瘍にたどり着いた。
《赤城拓哉》
真依さん、今から腫瘍を削除するよ。
‘’ちちんぷいぷい、いたいのいたいの飛んでいけ‘’
細いワイヤーに電気を一瞬だけ流してカットする。
同時にワイヤー先端を自分の指先と意識を置き、細胞分裂を超活性させる。
腫瘍が脳を少しずつ圧迫していった。
電流を流す度に真依さんが、ビックと動く。間違いなく脳にダメージを与えている証拠だ。
頼む、耐えてくれ。
杉田が震えた声で苦しい声で漏らす。
「何が起きているんだ。通り道からは腫瘍は取り出せない」
その通りだ。
超極細カテーテルからは取り出せない。
そんな事は後で考える。
まず、腫瘍を取り除きながら、新たな細胞で補完するんだ。
三十分ぐらいが経過した。
そして、最後の切断だ。
焼き斬ろうとした瞬間、白石真依の意識が流れてきた。
なんだ?これは?
‘’私と拓哉さんが繋がっている’’
真依さんか?
‘’そうだよ。不思議な感覚。このダイレクトな感じ。‘’
もうすぐ、終わるから
‘’うん。私ね、拓哉さんの事、大好きだよ‘’
知ってる。俺も真依さんの事、大好きだ。う~ん、愛してるって感じかな。
‘’わかる。拓哉さんの気持ちが私も感じてる。私、優しく包まれている。ずっと、こうしていたいな‘’
すぐに会える。待ってるよ。
‘’すぐに行くから、待ってて‘’’
わかったよ。じゃあ、斬るよ
‘’うん。後でね‘’
後で会おう
俺は電流を流して切り離した。
最後は残した腫瘍の処理だ。
石川が恐る恐る尋ねてきた。
「腫瘍はどうやって取り出すんだ」
脳圧が高い。圧迫している。
どうすれば、小さくすれば良い。
小さくするには、も、燃やす。
燃やす。燃やしてやる。
‘’ちちんぷいぷい、いたいのいたいの、無くなってしまえ‘’
腫瘍は一瞬で焼けただれて黒いカスとなり、最後は消えてしまった。
「な、何が起きたんだ?」
「石川、声がデカイ。不要な細胞を電流で燃やし尽くしただけだ」
「こんな、事が出来るのか」
「ドクターZの俺だからさ」
「ふざけてる。こんなの手術じゃない」
「うるさいんだよ。あと少しで終わるから静かにしてくれ」
俺はカテーテルを抜きながら穴を繋ぎ合わせるように細胞分裂活性をさせて傷を繋ぎ合わせていった。
最後は頭皮を縫い合わせて終了。
「これで終了。皆、ありがとう」
石垣、杉田、石川、機械だしの人、皆が泣いていた。
「なんで泣いてるんだ?」
「リーダーの僕が答えるよ。この手術は君しか出来ないからだ。誰も真似しない。そうだな、人の領域を越えているよ。上を見ろよ。誰もが崇めて恐れる存在となった」
上の展覧室を見上げた。
柄本を始め、何人もの実力者たちが見下ろしていた。
「何を言ってんだ。俺はただの医者だよ」
「嫌味だな」と皆が笑顔で言った。
俺は手袋を外してゴミ箱へ入れる。
「お先」
真依さん、後で会おう。
藤堂は六本木の高級クラブでハイボールを飲んでいた。
携帯が鳴る。
鈴木聡一郎からだ。
「藤堂です」
(おう、俺だ。もし、真依が助かればお前の望みを叶えてやる。だがな、死んだ時にはお前も助からねぇからよ)
「わかりました。お約束をお忘れになら無いように」
藤堂は黄金色の液体をシャンデリアに照らしながら言った。
《石垣由依》
赤城拓哉は凄い速さで脳内にカテーテルを進める。
「今日の赤城拓哉は凄すぎる」
杉田が怯えている。
「ヤバい。ホントに大丈夫なのか」
石川が震えている。
「こ、コイツ、神なのか」
カテーテルの先端が腫瘍にたどり着いた。
《赤城拓哉》
真依さん、今から腫瘍を削除するよ。
‘’ちちんぷいぷい、いたいのいたいの飛んでいけ‘’
細いワイヤーに電気を一瞬だけ流してカットする。
同時にワイヤー先端を自分の指先と意識を置き、細胞分裂を超活性させる。
腫瘍が脳を少しずつ圧迫していった。
電流を流す度に真依さんが、ビックと動く。間違いなく脳にダメージを与えている証拠だ。
頼む、耐えてくれ。
杉田が震えた声で苦しい声で漏らす。
「何が起きているんだ。通り道からは腫瘍は取り出せない」
その通りだ。
超極細カテーテルからは取り出せない。
そんな事は後で考える。
まず、腫瘍を取り除きながら、新たな細胞で補完するんだ。
三十分ぐらいが経過した。
そして、最後の切断だ。
焼き斬ろうとした瞬間、白石真依の意識が流れてきた。
なんだ?これは?
‘’私と拓哉さんが繋がっている’’
真依さんか?
‘’そうだよ。不思議な感覚。このダイレクトな感じ。‘’
もうすぐ、終わるから
‘’うん。私ね、拓哉さんの事、大好きだよ‘’
知ってる。俺も真依さんの事、大好きだ。う~ん、愛してるって感じかな。
‘’わかる。拓哉さんの気持ちが私も感じてる。私、優しく包まれている。ずっと、こうしていたいな‘’
すぐに会える。待ってるよ。
‘’すぐに行くから、待ってて‘’’
わかったよ。じゃあ、斬るよ
‘’うん。後でね‘’
後で会おう
俺は電流を流して切り離した。
最後は残した腫瘍の処理だ。
石川が恐る恐る尋ねてきた。
「腫瘍はどうやって取り出すんだ」
脳圧が高い。圧迫している。
どうすれば、小さくすれば良い。
小さくするには、も、燃やす。
燃やす。燃やしてやる。
‘’ちちんぷいぷい、いたいのいたいの、無くなってしまえ‘’
腫瘍は一瞬で焼けただれて黒いカスとなり、最後は消えてしまった。
「な、何が起きたんだ?」
「石川、声がデカイ。不要な細胞を電流で燃やし尽くしただけだ」
「こんな、事が出来るのか」
「ドクターZの俺だからさ」
「ふざけてる。こんなの手術じゃない」
「うるさいんだよ。あと少しで終わるから静かにしてくれ」
俺はカテーテルを抜きながら穴を繋ぎ合わせるように細胞分裂活性をさせて傷を繋ぎ合わせていった。
最後は頭皮を縫い合わせて終了。
「これで終了。皆、ありがとう」
石垣、杉田、石川、機械だしの人、皆が泣いていた。
「なんで泣いてるんだ?」
「リーダーの僕が答えるよ。この手術は君しか出来ないからだ。誰も真似しない。そうだな、人の領域を越えているよ。上を見ろよ。誰もが崇めて恐れる存在となった」
上の展覧室を見上げた。
柄本を始め、何人もの実力者たちが見下ろしていた。
「何を言ってんだ。俺はただの医者だよ」
「嫌味だな」と皆が笑顔で言った。
俺は手袋を外してゴミ箱へ入れる。
「お先」
真依さん、後で会おう。
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