真夜中の白魔術師

福澤賢二郎

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KARTE 6:白石真依

そして

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《赤城拓哉》
救急車は帝都医大に五分ぐらいで到着した。
白石真依の意識は無い。
「真依さん、手術室で会おう」
当然、返事は無い。
白石真依を看護士に任せて、俺は手術室の前にある部屋で術衣に着替えて手を洗う。
そこに脳外科の石川が走ってきた。
「赤城、お前、本当にやるのか?」
「もちろんだ。俺しか救えない」
「俺も入ってやるよ」
「良く見てろ。内科医だってやれるんだよ」
「偉そうに」
俺は手術室へ入った。
あれ?杉田もいる。
「遅いぞ、ドクターZ」
麻酔医を見る。
「なんで?石垣がいるんだ?」
「藤堂さんから連絡をうけてね」
「安心する。皆がいてくれる」
杉田が前にでる。
「準備は良いか?」
「もちろんだ。深夜の白魔術師としてやってやるさ」

‘’ちちんぷいぷい、いたいところどーこだ‘’

脳のイメージが浮かび出し、白石真依の頭と重なる。
後頭部の下辺りの皮膚をメスで切り開き、ドリルで頭蓋骨に穴を開けた。
石川が吠えている。
「赤城、しっかりと確認しながら、慎重にアプローチをしろよ」
失敗する気がしない。

ちちんぷいぷい、速く正確にな~れ。

腕から指先まで自分の神経が研ぎ澄まされていく。
俺は脳外科用の新型極細カテーテルを持ち、穴に入れた。
指先からカテーテルへ神経が伸びていき、自分の体の一部の様に感じる。
光輝く道に沿ってカテーテルを進める。カテーテルの先に自分の目がついているかの様に何もかも見えてくる。

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