真夜中の白魔術師

福澤賢二郎

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KARTE 6:白石真依

動き出した

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《赤城拓哉》
俺は帝都医大の医院長に呼ばれた。
部屋に通されて豪華な革のソファーへ座る。
正面に医院長が座った。
「率直に聞く」
「はい、なんでしょうか」
「君は何が狙いでここに潜りこんだ?」
「何を言っているのか、わかりません」
「藤堂君と組んでいるんだろ」
「知らないです。誰ですか?」
「あの男は私を脅した」
「俺には関係ない事です」
「ここを出て行ってくれないか?」
「クビにすれば良いのでは?」
「出来ないから、頼んでいる。藤堂がいるから」
「出ていきますよ。但し、条件があります」
「なんだ?何でも言ってくれ」
「白石真依の手術をさせて下さい。そうすれば、出ていきます」
「本当だな?」
「本当です」
「わかった」
「脳外科の医者に話をしておこう」
「交渉成立だ」
俺は立ち上がり、部屋を出た。

柄本が内科の事務所で待っていた。
少し微笑んでいるように見える。
「脳外科の教授がお呼びだ」
「ありがとう」
「とうとう、たどり着いたのか?」
「どうかな」
「行って来いよ。外来は俺がやっとく」
「ありがとう」
すぐに脳外科に向かった。

きっと、助けるよ。
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