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KARTE 4:紀平咲希
謎を問う
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《唐沢雅明》
松山大輔の復帰によりアスリートからの治療依頼が殺到していた。
特にプロ野球選手が多い。
外科への問い合わせも多くなり、整形専用の事務室が出来ていた。
そこには唐沢専用の部屋もあり、教授以外では初めての事であった。
唐沢雅明は黒の革ソファーに深く座り、考え事をしていた。
ドアがノックされた。
「どうぞ」
入ってきたのは柴咲雪だ。
正面のソファーに座る。
「出世しちゃったね」
「まあな」
「あの夜でしょ。松山大輔選手の手術は」
「そうだ」
「でも、あの時、あなたは私といた」
「何が言いたい?」
「手術したのはあなたではない」
「俺だ」
「論文の杉田でしょ」
「なぜ、そう思う?」
「松山大輔以外にも奇跡のような手術があるの。それを杉田がやってるの」
「杉田だと?」
「そう。上原さくらの手術の事」
「他には誰がいた?」
「さあ、知らない」
「気にしていた奴は他にいなかったか?」
「う~ん、いた」
「誰だ?」
「そっちも教えて。松山大輔を手術したのは誰?」
「わからない。杉田は現場にいたが、手術はしていなかった」
「気にしていたのは石垣由依」
「石垣か?」
「そう」
唐沢雅明は立ち上がり、席でパソコンを叩き松山大輔の麻酔担当者を調べた。
「記録がない」
「上原さくらの手術は?」
素早く操作する。
「同じだ。記録がない。どういう事だ」
「面白くなってきた。どんなカラクリがあるんだろうね」
「組織ぐるみか?」
「私が杉田先生に聞いてみるよ」
「わかった事があれば、教えてくれ」
「了解。じゃあね」
唐沢雅明は松山大輔の術式を見つけ出さなくてはならない。
自分が追い込まれていく。
松山大輔の復帰によりアスリートからの治療依頼が殺到していた。
特にプロ野球選手が多い。
外科への問い合わせも多くなり、整形専用の事務室が出来ていた。
そこには唐沢専用の部屋もあり、教授以外では初めての事であった。
唐沢雅明は黒の革ソファーに深く座り、考え事をしていた。
ドアがノックされた。
「どうぞ」
入ってきたのは柴咲雪だ。
正面のソファーに座る。
「出世しちゃったね」
「まあな」
「あの夜でしょ。松山大輔選手の手術は」
「そうだ」
「でも、あの時、あなたは私といた」
「何が言いたい?」
「手術したのはあなたではない」
「俺だ」
「論文の杉田でしょ」
「なぜ、そう思う?」
「松山大輔以外にも奇跡のような手術があるの。それを杉田がやってるの」
「杉田だと?」
「そう。上原さくらの手術の事」
「他には誰がいた?」
「さあ、知らない」
「気にしていた奴は他にいなかったか?」
「う~ん、いた」
「誰だ?」
「そっちも教えて。松山大輔を手術したのは誰?」
「わからない。杉田は現場にいたが、手術はしていなかった」
「気にしていたのは石垣由依」
「石垣か?」
「そう」
唐沢雅明は立ち上がり、席でパソコンを叩き松山大輔の麻酔担当者を調べた。
「記録がない」
「上原さくらの手術は?」
素早く操作する。
「同じだ。記録がない。どういう事だ」
「面白くなってきた。どんなカラクリがあるんだろうね」
「組織ぐるみか?」
「私が杉田先生に聞いてみるよ」
「わかった事があれば、教えてくれ」
「了解。じゃあね」
唐沢雅明は松山大輔の術式を見つけ出さなくてはならない。
自分が追い込まれていく。
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