真夜中の白魔術師

福澤賢二郎

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KARTE 3:松山大輔

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《赤城拓哉》
いつも見る夢だ。
俺はいつも十歳。
黒スーツの男が母親を連れ出そうと引っ張っている。
母は泣きながら俺を見詰める。
僕をおいていかないで。僕も連れてって。
母は横に首を振る。
さよならと口が動く。
次のシーンは決まって深山クリニックの看板が出てくる。
祖父の経営する個人医院だ。
そこで、俺は育った。

スマートフォンのアラームが鳴り響き、目が覚める。

さあ、支度をして出かけよう。
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