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KARTE 2:上原さくら
検査結果
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《石垣由依》
石垣由依はPET撮像室にいた。
ガラス越しに上原さくらが横になっているのが見える。
隣には銀縁のメガネをかけた美女がいる。
内科医の柴咲雪でミス帝都医大にもなった事がある。
上原が優秀な女医の検査を要望という事で柴咲雪に白羽の矢がたった。
石垣由依は柴咲雪とは高校からの友達という事もあり、検査に立ち会わせてもらっていた。
「由依、あの患者、VIPだよね」
「そう。十階だよ」
「誰がこの患者の手術をしたの?」
「杉田」
「あの杉田?」
「そう。論文の杉田」
「あいつ、何をしたの?」
「なんで?」
「これを見て」
モニターに上原の画像が次々と写し出されていく。
「癌が無い」
「それだけじゃない。肺がある。切除したはずの肺がある」
石垣由依は軽くパニックになっていた。
あの晩の手術では、間違いなく肺を切除したはずだった。
柴咲と石垣は血液検査の結果を確認した。
腫瘍マーカー値も問題なし。
「由依、私の検査結果を言うね」
「うん」
「癌は完全に消えた」
「うん」
「私の診断に不足な部分がある?」
「無いと思う」
「信じられないの。以前に織田から見てくれと言われて診断した」
「それで」
「乳癌、肺癌でステー4で手術は不可能のはず」
「あいつは何をしたんだ?」
「私、上原さんに検査結果を伝える。一緒に来てくれる。少し自信が無い」
「気持ちわかるよ」
二人は内科医の事務室を出て、上原の病室に向かった。
上原の病室に入ると娘と楽しそうに会話していた。
「あ、柴咲先生、検査結果はどうでした?」
「検査結果を報告する前に傷口を見せてもらっても良いてすか」
「わかりました」
柴咲は上原を寝かせて、優しくガーゼを剥がした。
その手が止まる。
「由依、ちょっと見て」
「どうした?」
石垣は除き込むように見る。
「傷口はここで間違いない?」
「間違いないけど、ほとんど傷口が無い」
「凄い。何をしたんだろ」
もうガーゼも必要ない為に剥がした。
柴咲が上原に向き合う。
「検査結果を報告します」
「はい。お願いします」
「癌は消滅しています」
上原の目から涙が溢れだし、顔を抑えて伏す。
「ごめんなさい。嬉しくて」
娘が背中を優しく擦る。
柴咲と石垣は何が起きたのかわからないまま、検査結果の報告を終えた。
石垣由依はPET撮像室にいた。
ガラス越しに上原さくらが横になっているのが見える。
隣には銀縁のメガネをかけた美女がいる。
内科医の柴咲雪でミス帝都医大にもなった事がある。
上原が優秀な女医の検査を要望という事で柴咲雪に白羽の矢がたった。
石垣由依は柴咲雪とは高校からの友達という事もあり、検査に立ち会わせてもらっていた。
「由依、あの患者、VIPだよね」
「そう。十階だよ」
「誰がこの患者の手術をしたの?」
「杉田」
「あの杉田?」
「そう。論文の杉田」
「あいつ、何をしたの?」
「なんで?」
「これを見て」
モニターに上原の画像が次々と写し出されていく。
「癌が無い」
「それだけじゃない。肺がある。切除したはずの肺がある」
石垣由依は軽くパニックになっていた。
あの晩の手術では、間違いなく肺を切除したはずだった。
柴咲と石垣は血液検査の結果を確認した。
腫瘍マーカー値も問題なし。
「由依、私の検査結果を言うね」
「うん」
「癌は完全に消えた」
「うん」
「私の診断に不足な部分がある?」
「無いと思う」
「信じられないの。以前に織田から見てくれと言われて診断した」
「それで」
「乳癌、肺癌でステー4で手術は不可能のはず」
「あいつは何をしたんだ?」
「私、上原さんに検査結果を伝える。一緒に来てくれる。少し自信が無い」
「気持ちわかるよ」
二人は内科医の事務室を出て、上原の病室に向かった。
上原の病室に入ると娘と楽しそうに会話していた。
「あ、柴咲先生、検査結果はどうでした?」
「検査結果を報告する前に傷口を見せてもらっても良いてすか」
「わかりました」
柴咲は上原を寝かせて、優しくガーゼを剥がした。
その手が止まる。
「由依、ちょっと見て」
「どうした?」
石垣は除き込むように見る。
「傷口はここで間違いない?」
「間違いないけど、ほとんど傷口が無い」
「凄い。何をしたんだろ」
もうガーゼも必要ない為に剥がした。
柴咲が上原に向き合う。
「検査結果を報告します」
「はい。お願いします」
「癌は消滅しています」
上原の目から涙が溢れだし、顔を抑えて伏す。
「ごめんなさい。嬉しくて」
娘が背中を優しく擦る。
柴咲と石垣は何が起きたのかわからないまま、検査結果の報告を終えた。
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