3 / 49
KARTE1:藤堂直文
藤堂
しおりを挟む
《藤堂直文》
藤堂直文は杉山総合病院のベッドの上で目が覚めた。
直ぐに看護師がドクターを呼ぶ。
昨晩の出来事をゆっくりと思い出していた。
「俺は胸を撃たれたんだ」
そこに一人の若い女医が駆けつけてきた。
健康そうな色のなかなかの美人だ。
脈を取る。
「何があったの?」
「それは俺の方が聞きたいね」
「そうね。あなたは胸を銃で撃たれて死ぬはずだった」
「だった?」
「そう。銃弾が心臓を貫通していたからね。普通は助からない」
「アイツが助けてくれたのか」
「聞くところによると若い医師があなたを助けたらしい。知ってる?」
「知らないな」
「ふ~ん」
「なんで?」
「会ってみたいな」
「そりゃあ、残念だ」
「あんた、一般人じゃないよね。さっさと出て行ってくれる?」
「治ればさっさと出て行くさ」
「お大事に。あと、警察呼んでおいたから」
「どうも、ご丁寧に」
女医は看護師に藤堂の部屋を移動する事を指示して出て行った。
窓から外を見る。
「アイツ、面白いな」
新たな儲け話を考えていた。
《赤城拓哉》
コンビニでアルバイトしていたが、昨晩は色々あり、ほとんど眠っていない。
隣に同じバイトの白石真依がおでんの具を追加していた。
色白で清楚な感じが漂っている。
「赤城さん、物凄く眠そうですね」
「そうなんだ。実は徹夜」
「わぁ、それはきついね」
笑顔が俺に向けられている。
このコンビニは男の客が多い。
それは白石真依の笑顔を見る為だ。
その気持ちはよくわかる。
でも、わからない事がある。
彼女は帰りにリムジンが迎えに来るんだ。
本当は金持ちなのか?
いや、金持ちならコンビニでバイトしないだろ。
それとも金持ちの愛人?
いやいや、なおのことバイトしないだろ。
白石真依と目が合い、心臓が爆発しそうなほどドキドキする。
「がんばろうね」
「そうだな」
俺はゴミ箱を片付けようと外に出た。
これ以上、同じ空間の空気を吸っていると気がおかしくなりそうだ。
俺の人生も良い方向に向かってきたよ。
藤堂直文は杉山総合病院のベッドの上で目が覚めた。
直ぐに看護師がドクターを呼ぶ。
昨晩の出来事をゆっくりと思い出していた。
「俺は胸を撃たれたんだ」
そこに一人の若い女医が駆けつけてきた。
健康そうな色のなかなかの美人だ。
脈を取る。
「何があったの?」
「それは俺の方が聞きたいね」
「そうね。あなたは胸を銃で撃たれて死ぬはずだった」
「だった?」
「そう。銃弾が心臓を貫通していたからね。普通は助からない」
「アイツが助けてくれたのか」
「聞くところによると若い医師があなたを助けたらしい。知ってる?」
「知らないな」
「ふ~ん」
「なんで?」
「会ってみたいな」
「そりゃあ、残念だ」
「あんた、一般人じゃないよね。さっさと出て行ってくれる?」
「治ればさっさと出て行くさ」
「お大事に。あと、警察呼んでおいたから」
「どうも、ご丁寧に」
女医は看護師に藤堂の部屋を移動する事を指示して出て行った。
窓から外を見る。
「アイツ、面白いな」
新たな儲け話を考えていた。
《赤城拓哉》
コンビニでアルバイトしていたが、昨晩は色々あり、ほとんど眠っていない。
隣に同じバイトの白石真依がおでんの具を追加していた。
色白で清楚な感じが漂っている。
「赤城さん、物凄く眠そうですね」
「そうなんだ。実は徹夜」
「わぁ、それはきついね」
笑顔が俺に向けられている。
このコンビニは男の客が多い。
それは白石真依の笑顔を見る為だ。
その気持ちはよくわかる。
でも、わからない事がある。
彼女は帰りにリムジンが迎えに来るんだ。
本当は金持ちなのか?
いや、金持ちならコンビニでバイトしないだろ。
それとも金持ちの愛人?
いやいや、なおのことバイトしないだろ。
白石真依と目が合い、心臓が爆発しそうなほどドキドキする。
「がんばろうね」
「そうだな」
俺はゴミ箱を片付けようと外に出た。
これ以上、同じ空間の空気を吸っていると気がおかしくなりそうだ。
俺の人生も良い方向に向かってきたよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる