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第六章 暴走
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「ありがとうございました」
亮子は、柔らかな表情で和泉に向かって頭を下げた。和泉は、二度三度とゆっくりうなずいた。
「ほっとしました。ずっと心に引っ掛かっていて……」
植木の前に花束が置かれていた。研究所の中庭。姉が倒れていた場所だった。
小さな花束だった。姉の死から二ヶ月が経っていた。あまり大きな花束を置くのもためらわれた。
一度は行かないと、と思いながら、亮子は研究所を訪れることができなかった。
ショックがあまりに大き過ぎて、足を運ぶことができなかった。職場復帰を決めてからは、いろいろあって時間がとれず、日が経つと、さらに行きづらくなった。
和泉が同じ研究所にいると聞いて、亮子は一緒に行ってくれるように頼んだ。「花房」で花束を作ってもらい。研究所に来た。姉が倒れていたという植木の下に、花束を置き、膝をおり、目をつぶって手を合わせた。
亮子は、小さなため息をついた。少しだけだけだが、気持ちが軽くなった気がした。
和泉がいてくれて本当によかった、と亮子は改めて思った。
「ここで、働いていたんですね」
亮子は、研究所の建物を眺めた。
中庭には小さな噴水があり、花壇も手入れがよく行き届いていた。建物は古そうだが、落ち着いた良い雰囲気の場所だった。
「研究室には行かなくてもいいですか?」
和泉が聞いた。
「そこまでは。ご迷惑でしょうから」
亮子が言った。
「そうですか……」
「今日は、本当にありがとうございました」
亮子が和泉に頭を下げた。
「いや、僕は何も……」
和泉は照れくさそうに頭をかいた。
「僕は、ちょっと研究室に顔を出してきますけど……」
和泉が言った。
「私も、帰っていろいろ準備をしないといけないので、いろいろあって遅れていて」
空き巣に入られた部屋は整理したのだが、学校の準備が遅れてしまった。
誰が部屋に入ったのか分からなかったが、交番の警官が見回っていた、鍵は二重にし、和泉の電話番号を知っている。特に不安は感じなかった。
「門まで送ります」
和泉が亮子と並んで歩き出した。
「広い場所ですね」
亮子は辺りを見回しながら言った。農業大学の研究施設らしく、敷地の中には畑や田んぼ、ビニールハウスなどが広がっていた。栽培されているのは、高温の気象にも耐えられる作物や病害虫に強い作物など、地道に長い年月をかけて品種改良が繰り返されていたものが多かった。
時代の流れで、遺伝子組み換えが行われた作物が植えられている圃場もあった。
二人が歩いて行く先に、植物園が見えていた。植物園の前で小学生が整列していた。四年生か五年生ぐらいに見えた。数は三十人ぐらい。最近は子どもの数が減っているので、学年毎に一クラスしかないのかもしれない。
「今日は、好きな花の写生をしてください。学校に帰ったら、自分が写生した花のことを調べましょう」
生徒たちの前で亮子ぐらいの歳の先生が説明していた。真面目に聞いている子は三人ぐらいで、あとはめいめい勝手におしゃべりしていた。
「長田君、先生の話、聞きなさいよ」
クラス委員だろうか、女の子が騒いでいる男の子を注意した。
「なんだよ。俊夫が足蹴ったからだろ」
「オレじゃねえよ」
亮子は頬をゆるめた。小学生はみんな同じだ。先生の話なんてまじめに聞くわけがない。
「ここの植物園。よく、小学生が見学にくるんですか?」
亮子が和泉に聞いた。
「えっ? さあ、僕は小学生のことは詳しくないので」
亮子がエッという顔で和泉を見ると、和泉は、「中の植物なら詳しいですけど」と付け加えた。
亮子は和泉の答えがおかしくて、微笑んだ。
「いや、ぼく、何か変なこと言いました。時々、いろんな人に笑われるんですよ。普通にしゃべってるつもりなんだけど」
植物の観察は得意でも、人間観察は得意ではなさそうだ。自分とは全く違うが、なぜか、この人と一緒にいると気持ちが軽くなる。
植物園の先に門が見えていた。
「ここで、だいじょうぶですから。今日はありがとうございました」
亮子が和泉に頭を下げた。
「いいえ……」
和泉は、何か気の利いたことを言おうとしたが、言葉が浮かんでこなかった。
「僕は、ここで」
「はい」
和泉を残して、亮子が門に向かって行った。
和泉の後ろから足音が近づいて来た。佐竹と鈴木を追い抜いていった集団だった。集団が和泉の横を走り抜けていった。
「吉野君」
和泉が一番後ろを走っていた女性に声をかけた。
「あっ、和泉さん」
吉野裕美が立ち止まった。
「どうしたの?」
「枯れてしまったみたいで」
「枯れた? 何が?」
「圃場です……何だかようすがおかしいって。変な病気かも……」
「圃場って、どこなの?」
「第三です」
「第三? そこって、遺伝子組み換えの?」
「ええ。だから何かあると、ちょっと問題かもって」
和泉は、険しい顔になり、圃場に向かって歩き始めた。歩みは次第に早くなり、すぐに駆け足になっていった。
亮子は門に向かって帰りかけたが、慌ただしいようすに立ち止まった。和泉がどこかへ走って行く。
何だろう……。
和泉の後ろから佐竹と鈴木が追いかけていくのが見えた。何か、起こっているようだ。亮子も、和泉が駆けていった方角に歩き出した。
建物を過ぎると、畑や田んぼが見えた。ビニールハウスも温室も見える。全て研究用の圃場だった。トマト、キューリ、キャベツ、ネギ、豆類、稲、麦。様々な種類の作物が栽培されていた。大学の研究所だと知らなければ、いろいろな野菜を育てている農家だなと感心されるかもしれない。
第一圃場は主に稲だった。今は気候変動に強い稲が研究されていた。第二圃場が野菜。病害虫に強い様々な種類の野菜が植えられていた。そして、第三圃場は、遺伝子組み換えの作物だった。収穫量の多い大豆とトウモロコシが栽培されていた。
亮子が圃場に近づいていくと、大勢の人が圃場の前に壁のように並んで立っていた。列の中で、和泉のボサボサの頭が他の人よりも頭一つ飛び出していた。誰も無口で畑を見つめている。
亮子は和泉に近づいて行った。和泉はまさに眉間に皺を寄せて前を見つめていた。
口を半開きにして、ただ驚いている人や、腕を組んで、何かつぶやいている白衣の男。ただ、オロオロとしている女性。
一体、何にそれほど驚いているのだろう。
亮子は和泉の横から畑をのぞいた。
「えっ?」
何も無い。目の前には、ただ茶色い土が見えるだけだった。
みんな、何を見ているんだろう……。
周囲の畑や田んぼには植物の緑が見えている。目の前の一角だけ何も植えられていない、乾燥した土なのだが、土がそれほど珍しいのだろうか。
風が吹き、畑から土埃が舞い上がった。畑はわずかな風でも土が舞うほど、カラカラに乾燥していた。
数日前に雨が降ったはずだった。どうして、こんなに乾燥しているのだろう。
畑は土だけではなかった。よく見ると、カラカラに乾き、焦げ茶色に干からびた植物の葉や茎が畑の上に散らばっていた。
「佐竹さん……」
鈴木が何か拾い上げて、佐竹に見せた。
「これって……」
鈴木の手の平に乗っていたのは、あの「葉」だった。
「同じですかね」
「さあな……」
佐竹が和泉に目をやると、和泉は恐ろしいほど真剣な目で、鈴木の手に乗っている葉を見つめていた。
電話の着信音が鳴った。鈴木の携帯だった。着信はアニメの主題歌だった。いつもなら、佐竹は「バカ野郎」と小さく舌打ちをするのだが。今は、その変に明るいメロディが帰って不気味さを増大させていた。
「はい。鈴木です……」
鈴木が出た。
「はい、えっ、そうですか。ええ、分かりました。はい。千葉県警の富田警部補。知ってます。ええ……」
鈴木の顔がみるみる深刻になっていった。
「はい。詳しいことが分かったら。また、ご連絡ください」
電話が終わった。
「どうした」
佐竹が鈴木に聞いた。
「千葉で、またミイラです」
「ミイラ……それは……」
「小尾って言う、マッサージ機でミイラになっていた男の知り合いじゃないかと」
「小尾の知り合いか……」
「二件」
「二件? 二人ってことか?」
「ええ、らしいです」
「まてよ、おい、それって」
「何だかまずいですよね」
「ごくり」と佐竹が唾をのみこんだ。音が聞こえるようだった。
亮子は、柔らかな表情で和泉に向かって頭を下げた。和泉は、二度三度とゆっくりうなずいた。
「ほっとしました。ずっと心に引っ掛かっていて……」
植木の前に花束が置かれていた。研究所の中庭。姉が倒れていた場所だった。
小さな花束だった。姉の死から二ヶ月が経っていた。あまり大きな花束を置くのもためらわれた。
一度は行かないと、と思いながら、亮子は研究所を訪れることができなかった。
ショックがあまりに大き過ぎて、足を運ぶことができなかった。職場復帰を決めてからは、いろいろあって時間がとれず、日が経つと、さらに行きづらくなった。
和泉が同じ研究所にいると聞いて、亮子は一緒に行ってくれるように頼んだ。「花房」で花束を作ってもらい。研究所に来た。姉が倒れていたという植木の下に、花束を置き、膝をおり、目をつぶって手を合わせた。
亮子は、小さなため息をついた。少しだけだけだが、気持ちが軽くなった気がした。
和泉がいてくれて本当によかった、と亮子は改めて思った。
「ここで、働いていたんですね」
亮子は、研究所の建物を眺めた。
中庭には小さな噴水があり、花壇も手入れがよく行き届いていた。建物は古そうだが、落ち着いた良い雰囲気の場所だった。
「研究室には行かなくてもいいですか?」
和泉が聞いた。
「そこまでは。ご迷惑でしょうから」
亮子が言った。
「そうですか……」
「今日は、本当にありがとうございました」
亮子が和泉に頭を下げた。
「いや、僕は何も……」
和泉は照れくさそうに頭をかいた。
「僕は、ちょっと研究室に顔を出してきますけど……」
和泉が言った。
「私も、帰っていろいろ準備をしないといけないので、いろいろあって遅れていて」
空き巣に入られた部屋は整理したのだが、学校の準備が遅れてしまった。
誰が部屋に入ったのか分からなかったが、交番の警官が見回っていた、鍵は二重にし、和泉の電話番号を知っている。特に不安は感じなかった。
「門まで送ります」
和泉が亮子と並んで歩き出した。
「広い場所ですね」
亮子は辺りを見回しながら言った。農業大学の研究施設らしく、敷地の中には畑や田んぼ、ビニールハウスなどが広がっていた。栽培されているのは、高温の気象にも耐えられる作物や病害虫に強い作物など、地道に長い年月をかけて品種改良が繰り返されていたものが多かった。
時代の流れで、遺伝子組み換えが行われた作物が植えられている圃場もあった。
二人が歩いて行く先に、植物園が見えていた。植物園の前で小学生が整列していた。四年生か五年生ぐらいに見えた。数は三十人ぐらい。最近は子どもの数が減っているので、学年毎に一クラスしかないのかもしれない。
「今日は、好きな花の写生をしてください。学校に帰ったら、自分が写生した花のことを調べましょう」
生徒たちの前で亮子ぐらいの歳の先生が説明していた。真面目に聞いている子は三人ぐらいで、あとはめいめい勝手におしゃべりしていた。
「長田君、先生の話、聞きなさいよ」
クラス委員だろうか、女の子が騒いでいる男の子を注意した。
「なんだよ。俊夫が足蹴ったからだろ」
「オレじゃねえよ」
亮子は頬をゆるめた。小学生はみんな同じだ。先生の話なんてまじめに聞くわけがない。
「ここの植物園。よく、小学生が見学にくるんですか?」
亮子が和泉に聞いた。
「えっ? さあ、僕は小学生のことは詳しくないので」
亮子がエッという顔で和泉を見ると、和泉は、「中の植物なら詳しいですけど」と付け加えた。
亮子は和泉の答えがおかしくて、微笑んだ。
「いや、ぼく、何か変なこと言いました。時々、いろんな人に笑われるんですよ。普通にしゃべってるつもりなんだけど」
植物の観察は得意でも、人間観察は得意ではなさそうだ。自分とは全く違うが、なぜか、この人と一緒にいると気持ちが軽くなる。
植物園の先に門が見えていた。
「ここで、だいじょうぶですから。今日はありがとうございました」
亮子が和泉に頭を下げた。
「いいえ……」
和泉は、何か気の利いたことを言おうとしたが、言葉が浮かんでこなかった。
「僕は、ここで」
「はい」
和泉を残して、亮子が門に向かって行った。
和泉の後ろから足音が近づいて来た。佐竹と鈴木を追い抜いていった集団だった。集団が和泉の横を走り抜けていった。
「吉野君」
和泉が一番後ろを走っていた女性に声をかけた。
「あっ、和泉さん」
吉野裕美が立ち止まった。
「どうしたの?」
「枯れてしまったみたいで」
「枯れた? 何が?」
「圃場です……何だかようすがおかしいって。変な病気かも……」
「圃場って、どこなの?」
「第三です」
「第三? そこって、遺伝子組み換えの?」
「ええ。だから何かあると、ちょっと問題かもって」
和泉は、険しい顔になり、圃場に向かって歩き始めた。歩みは次第に早くなり、すぐに駆け足になっていった。
亮子は門に向かって帰りかけたが、慌ただしいようすに立ち止まった。和泉がどこかへ走って行く。
何だろう……。
和泉の後ろから佐竹と鈴木が追いかけていくのが見えた。何か、起こっているようだ。亮子も、和泉が駆けていった方角に歩き出した。
建物を過ぎると、畑や田んぼが見えた。ビニールハウスも温室も見える。全て研究用の圃場だった。トマト、キューリ、キャベツ、ネギ、豆類、稲、麦。様々な種類の作物が栽培されていた。大学の研究所だと知らなければ、いろいろな野菜を育てている農家だなと感心されるかもしれない。
第一圃場は主に稲だった。今は気候変動に強い稲が研究されていた。第二圃場が野菜。病害虫に強い様々な種類の野菜が植えられていた。そして、第三圃場は、遺伝子組み換えの作物だった。収穫量の多い大豆とトウモロコシが栽培されていた。
亮子が圃場に近づいていくと、大勢の人が圃場の前に壁のように並んで立っていた。列の中で、和泉のボサボサの頭が他の人よりも頭一つ飛び出していた。誰も無口で畑を見つめている。
亮子は和泉に近づいて行った。和泉はまさに眉間に皺を寄せて前を見つめていた。
口を半開きにして、ただ驚いている人や、腕を組んで、何かつぶやいている白衣の男。ただ、オロオロとしている女性。
一体、何にそれほど驚いているのだろう。
亮子は和泉の横から畑をのぞいた。
「えっ?」
何も無い。目の前には、ただ茶色い土が見えるだけだった。
みんな、何を見ているんだろう……。
周囲の畑や田んぼには植物の緑が見えている。目の前の一角だけ何も植えられていない、乾燥した土なのだが、土がそれほど珍しいのだろうか。
風が吹き、畑から土埃が舞い上がった。畑はわずかな風でも土が舞うほど、カラカラに乾燥していた。
数日前に雨が降ったはずだった。どうして、こんなに乾燥しているのだろう。
畑は土だけではなかった。よく見ると、カラカラに乾き、焦げ茶色に干からびた植物の葉や茎が畑の上に散らばっていた。
「佐竹さん……」
鈴木が何か拾い上げて、佐竹に見せた。
「これって……」
鈴木の手の平に乗っていたのは、あの「葉」だった。
「同じですかね」
「さあな……」
佐竹が和泉に目をやると、和泉は恐ろしいほど真剣な目で、鈴木の手に乗っている葉を見つめていた。
電話の着信音が鳴った。鈴木の携帯だった。着信はアニメの主題歌だった。いつもなら、佐竹は「バカ野郎」と小さく舌打ちをするのだが。今は、その変に明るいメロディが帰って不気味さを増大させていた。
「はい。鈴木です……」
鈴木が出た。
「はい、えっ、そうですか。ええ、分かりました。はい。千葉県警の富田警部補。知ってます。ええ……」
鈴木の顔がみるみる深刻になっていった。
「はい。詳しいことが分かったら。また、ご連絡ください」
電話が終わった。
「どうした」
佐竹が鈴木に聞いた。
「千葉で、またミイラです」
「ミイラ……それは……」
「小尾って言う、マッサージ機でミイラになっていた男の知り合いじゃないかと」
「小尾の知り合いか……」
「二件」
「二件? 二人ってことか?」
「ええ、らしいです」
「まてよ、おい、それって」
「何だかまずいですよね」
「ごくり」と佐竹が唾をのみこんだ。音が聞こえるようだった。
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