29 / 47
シルクロード編
6 もう一組
しおりを挟む
…えーと、僕と同じくらいの背丈の眼鏡の男性は孫悟空と同じ服装をしており、大柄な男性は…ふわり宙返りをしながら、僕たちの眼前に舞い降りた。
「三・蔵・法・師・見・参!!」
三蔵法師と同じ衣装の2メートル近い大男は自ら三蔵法師と名乗りました…。
名前:玄奘三蔵 35歳 人間 男
レベル:999
僧侶?
スキル: 古武術(LV396) 法術(LV222) 仏教知識(LV90)他
法術: 念力不動金縛りの術 等
装備: 不死身の肉体
称号 地上最強の三蔵法師 異世界勇者
善良度:☆☆☆☆☆☆☆ (※いい人です!一応…。)
特記事項 異世界から召喚された三蔵法師。強い!絶対に強い!
なに、この『スーパーマッチョ』な三蔵法師?!!圧倒的な『武闘派』だよね?!
それに、『異世界勇者』てどういうこと?!
「く、顔はそこそこいい男なのに、ここまでマッチョなのは苦手だ!!」
カイザスさん、今それどころじゃないでしょ!!
名前:孫悟空 28歳 人間 男
レベル:435
サイバー戦士
スキル:銃器(LV126) サイバー技術(LV180) 他
装備:如意銃 筋斗靴(反重力)
称号 SEITENTAISEI☆ 異世界勇者
善良度:☆☆☆☆ (悪人ではないがプライドが高い偏屈技術者 兼 ガンナー)
特記事項 三蔵法師一行の頭脳。冷徹な作戦家。
この人、服装以外は全然孫悟空じゃないよね?!異世界からどんな人を召喚しているんですか!!
「あーら、観音ちゃんたら、『正確な事情』をお話してなかったのかしら?
この人達は私が召喚した『三蔵法師一行』候補よ。
この調子だと、私の候補がそのまま本命になりそうね♪
そしたら、私が『次代観音菩薩』に正式に決まるわけ。」
向こうの観音様?のコメントに僕たちは近くの観音様?に詰め寄っていく。
「詳しい事情を説明してもらいましょうか!」
ナースチャ、その笑顔は僕が見ても怖いです…。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
この時代、三千世界が大いに乱れ、お釈迦様や様々な仏たち、仙人たちは世界を平和にするための様々な方法を模索していた。
そんな折、僕たちを召喚した『観音様(便宜上Aとしておく。)』は名高い三蔵法師一行に天竺から『世界の真理を説いたお経』を取りに行かせ、さらに旅のついでに諸国に巣食う妖怪などを退治することで、『物理的にも世界平和に寄与する』計画を立案した。
ところが、三蔵法師はまだしも、それ以外のメンバーが予想以上に『ヘタレ』であったため、会議が大きくもめたのだった。
その時、次世代観音の『第2候補』である、『観音様B』 が三蔵法師一行を優秀な『異世界からの助っ人』で編成することを提案した。
観音様Aは…。
「待って!AとかBとか、ゲームの『村人A』じゃないから、やめて!
私のことは『観音・桃花(俗名)』向こうの『悪役令嬢』は『観音・イザベル』とよんでくれる!!」
…ええと、桃花観音様は「お経取得の旅、妖怪退治の旅の任務を達成すること」そのものも大切だけれど、その過程や、達成した後の三蔵法師一行がこの世界で果たす役割はさらに大切ではないかと訴えた。
だから、『助っ人に過ぎない』異世界勇者に頼るのではなく、時間がかかっても、難易度が上がっても『純血主義』で行くべきだと主張した。
これに対してイザベル観音様は『理想を追うのは結構だが、結果が全て』だと主張した。
議論は平行線をたどり、会議は紛糾した。
しかし、お釈迦様が『両方やって』みて、うまくいった方を最終的に採用しようという結論を出した。
そうして『桃花観音・三蔵法師一行』と『イザベル観音・三蔵法師一行』の両方が旅をスタートさせたのだった。
そんな折、たまたま両者一行の三蔵法師と孫悟空が二人がともに二人ずつの時、偶然鉢合わせしたわけなのだが…。
「その折に、我らが挨拶をした際にそちらの『孫悟空』が攻撃を仕掛けてきたから、私が撃退したわけなのです。」
マッスル三蔵法師がこともなく言う。
「ざけんな!!そっちの自称悟空が俺たちのことを馬鹿にしやがるからじゃないか!!」
元祖?孫悟空が目を剥いて怒っている。
「確かに、うちの孫悟空の発言は眉をしかめるものであったことは認めよう。その件に関しては大人げなかった。謝罪したい。
だが、私に手も足も出なかったうえに、旅から逃亡するとはとんだヘタレた孫悟空だ。
そちらの三蔵法師はまだ見どころがありそうだが、一番のお供がそんな状況では旅の成就など夢のまた夢。もっと自分を心身ともに鍛え直したらどうだ?」
なに、この三蔵法師!僧侶というより、武道家だよね?!
元祖孫悟空は歯ぎしりしているが、返す言葉もないのだろう。なんとかマッスル三蔵法師を睨みつけるだけだ。
そんな孫悟空の傍らで元祖三蔵法師さんは気遣うように悟空を見やっている。
「ねえ、これだけ三蔵法師御一行様がおられるんなら、俺らいなくていいんじゃない?帰してもらっていい?」
ジト目で桃花観音様を見ながらナースチャが言う。
確かにこうなってくると『僕たちのいる必然性』はなくなってくるよね…。
「待って!待ってください!あっちの『変な三蔵法師一行』が任務を達成しても本当の意味で世界がよくなるとは思えないのです!それと…。」
桃花観音様が一旦言葉を切る。
「…実は私、召喚はできても『返送』はできないんです…。事案が解決すれば…お釈迦様が返してくださいます…。」
「なにその無責任!!それに俺とカイザスはまだしも、巧人と桜姫は危険な状況に可能なら巻き込みたくないから!」
ナースチャがじっと桃花観音様を睨みつけ、観音様は言葉を失ってしまう。
「おーっほっほっほっほ!最初の三蔵法師一行だけでなく、次に召喚までした一行まで『敵前逃亡』とは仕方ないですわね!桃花!次の観音には私で決まりのようですわね♪」
「…ナースチャさん、いろいろ言われて悔しいどうこう以前に『あの人が次代の観音様』てヤバくないですか?」
桜姫が小声でナースチャに囁く。
「……うーむ…。どうこう言われるのは巧人と桜姫の安全には代えられないけど…確かにあの人を観音様にするのは非常にまずい気はするよね…。とは言え…こちらの桃花観音様も…。」
「待って!ナースチャさん、見捨てないで下さい!」
桃花観音様はナースチャにしがみついて懇願している。
ナースチャも桜姫も気持ちは非常にわかるしありがたいです。
他の人達もこの二人を見習ってください!!
「結局最初の悟空も次の悟空もヘタレというわけだ。」
イザベル隊の孫悟空が眼鏡を光らせながら笑う。
「はいはい、眼鏡猿さんは黙っていてください。」
ナースチャが涼しい顔で返す。
…ナースチャ、口げんかも強いのだね…。
「眼鏡猿だと!?ふざけんな!!」
激高した眼鏡悟空が銃を抜く!
おいおい!喧嘩早いのは元祖だけじゃないの?!
ナースチャに銃を撃とうとした眼鏡悟空はナースチャの姿が消えたのに仰天していたが、その左横に姿を現してナースチャが肘鉄を撃ちこみ、吹っ飛ばした。
「やるねえ、悟空さん。いや、ナースチャさんか?」
マッスル三蔵法師が嬉しそうにナースチャに近づいていく。
「あれ、三蔵法師様はこういう時、戦いを止めるんじゃないかな?」
「うむ、普通なら止める。それにそもそもうちの悟空の方が悪い。だが…。」
ここでマッスル三蔵はにやりと笑う。
「君のような強敵とやり合えるなら話は別だ。すまないね、悟空の行動を利用させてもらったよ♪」
「へえ、奇遇だねえ。俺もあんたのような『強者』との闘いは大好きでね♪」
いやいや、二人とも完全にやる気なんですが!!
観音様二人は完全に真っ青になり、向こうの猪八戒と沙悟浄も臨戦態勢に入った。
僕はカイザスさん、桜姫と顔を見合わせて身構えた。
「三・蔵・法・師・見・参!!」
三蔵法師と同じ衣装の2メートル近い大男は自ら三蔵法師と名乗りました…。
名前:玄奘三蔵 35歳 人間 男
レベル:999
僧侶?
スキル: 古武術(LV396) 法術(LV222) 仏教知識(LV90)他
法術: 念力不動金縛りの術 等
装備: 不死身の肉体
称号 地上最強の三蔵法師 異世界勇者
善良度:☆☆☆☆☆☆☆ (※いい人です!一応…。)
特記事項 異世界から召喚された三蔵法師。強い!絶対に強い!
なに、この『スーパーマッチョ』な三蔵法師?!!圧倒的な『武闘派』だよね?!
それに、『異世界勇者』てどういうこと?!
「く、顔はそこそこいい男なのに、ここまでマッチョなのは苦手だ!!」
カイザスさん、今それどころじゃないでしょ!!
名前:孫悟空 28歳 人間 男
レベル:435
サイバー戦士
スキル:銃器(LV126) サイバー技術(LV180) 他
装備:如意銃 筋斗靴(反重力)
称号 SEITENTAISEI☆ 異世界勇者
善良度:☆☆☆☆ (悪人ではないがプライドが高い偏屈技術者 兼 ガンナー)
特記事項 三蔵法師一行の頭脳。冷徹な作戦家。
この人、服装以外は全然孫悟空じゃないよね?!異世界からどんな人を召喚しているんですか!!
「あーら、観音ちゃんたら、『正確な事情』をお話してなかったのかしら?
この人達は私が召喚した『三蔵法師一行』候補よ。
この調子だと、私の候補がそのまま本命になりそうね♪
そしたら、私が『次代観音菩薩』に正式に決まるわけ。」
向こうの観音様?のコメントに僕たちは近くの観音様?に詰め寄っていく。
「詳しい事情を説明してもらいましょうか!」
ナースチャ、その笑顔は僕が見ても怖いです…。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
この時代、三千世界が大いに乱れ、お釈迦様や様々な仏たち、仙人たちは世界を平和にするための様々な方法を模索していた。
そんな折、僕たちを召喚した『観音様(便宜上Aとしておく。)』は名高い三蔵法師一行に天竺から『世界の真理を説いたお経』を取りに行かせ、さらに旅のついでに諸国に巣食う妖怪などを退治することで、『物理的にも世界平和に寄与する』計画を立案した。
ところが、三蔵法師はまだしも、それ以外のメンバーが予想以上に『ヘタレ』であったため、会議が大きくもめたのだった。
その時、次世代観音の『第2候補』である、『観音様B』 が三蔵法師一行を優秀な『異世界からの助っ人』で編成することを提案した。
観音様Aは…。
「待って!AとかBとか、ゲームの『村人A』じゃないから、やめて!
私のことは『観音・桃花(俗名)』向こうの『悪役令嬢』は『観音・イザベル』とよんでくれる!!」
…ええと、桃花観音様は「お経取得の旅、妖怪退治の旅の任務を達成すること」そのものも大切だけれど、その過程や、達成した後の三蔵法師一行がこの世界で果たす役割はさらに大切ではないかと訴えた。
だから、『助っ人に過ぎない』異世界勇者に頼るのではなく、時間がかかっても、難易度が上がっても『純血主義』で行くべきだと主張した。
これに対してイザベル観音様は『理想を追うのは結構だが、結果が全て』だと主張した。
議論は平行線をたどり、会議は紛糾した。
しかし、お釈迦様が『両方やって』みて、うまくいった方を最終的に採用しようという結論を出した。
そうして『桃花観音・三蔵法師一行』と『イザベル観音・三蔵法師一行』の両方が旅をスタートさせたのだった。
そんな折、たまたま両者一行の三蔵法師と孫悟空が二人がともに二人ずつの時、偶然鉢合わせしたわけなのだが…。
「その折に、我らが挨拶をした際にそちらの『孫悟空』が攻撃を仕掛けてきたから、私が撃退したわけなのです。」
マッスル三蔵法師がこともなく言う。
「ざけんな!!そっちの自称悟空が俺たちのことを馬鹿にしやがるからじゃないか!!」
元祖?孫悟空が目を剥いて怒っている。
「確かに、うちの孫悟空の発言は眉をしかめるものであったことは認めよう。その件に関しては大人げなかった。謝罪したい。
だが、私に手も足も出なかったうえに、旅から逃亡するとはとんだヘタレた孫悟空だ。
そちらの三蔵法師はまだ見どころがありそうだが、一番のお供がそんな状況では旅の成就など夢のまた夢。もっと自分を心身ともに鍛え直したらどうだ?」
なに、この三蔵法師!僧侶というより、武道家だよね?!
元祖孫悟空は歯ぎしりしているが、返す言葉もないのだろう。なんとかマッスル三蔵法師を睨みつけるだけだ。
そんな孫悟空の傍らで元祖三蔵法師さんは気遣うように悟空を見やっている。
「ねえ、これだけ三蔵法師御一行様がおられるんなら、俺らいなくていいんじゃない?帰してもらっていい?」
ジト目で桃花観音様を見ながらナースチャが言う。
確かにこうなってくると『僕たちのいる必然性』はなくなってくるよね…。
「待って!待ってください!あっちの『変な三蔵法師一行』が任務を達成しても本当の意味で世界がよくなるとは思えないのです!それと…。」
桃花観音様が一旦言葉を切る。
「…実は私、召喚はできても『返送』はできないんです…。事案が解決すれば…お釈迦様が返してくださいます…。」
「なにその無責任!!それに俺とカイザスはまだしも、巧人と桜姫は危険な状況に可能なら巻き込みたくないから!」
ナースチャがじっと桃花観音様を睨みつけ、観音様は言葉を失ってしまう。
「おーっほっほっほっほ!最初の三蔵法師一行だけでなく、次に召喚までした一行まで『敵前逃亡』とは仕方ないですわね!桃花!次の観音には私で決まりのようですわね♪」
「…ナースチャさん、いろいろ言われて悔しいどうこう以前に『あの人が次代の観音様』てヤバくないですか?」
桜姫が小声でナースチャに囁く。
「……うーむ…。どうこう言われるのは巧人と桜姫の安全には代えられないけど…確かにあの人を観音様にするのは非常にまずい気はするよね…。とは言え…こちらの桃花観音様も…。」
「待って!ナースチャさん、見捨てないで下さい!」
桃花観音様はナースチャにしがみついて懇願している。
ナースチャも桜姫も気持ちは非常にわかるしありがたいです。
他の人達もこの二人を見習ってください!!
「結局最初の悟空も次の悟空もヘタレというわけだ。」
イザベル隊の孫悟空が眼鏡を光らせながら笑う。
「はいはい、眼鏡猿さんは黙っていてください。」
ナースチャが涼しい顔で返す。
…ナースチャ、口げんかも強いのだね…。
「眼鏡猿だと!?ふざけんな!!」
激高した眼鏡悟空が銃を抜く!
おいおい!喧嘩早いのは元祖だけじゃないの?!
ナースチャに銃を撃とうとした眼鏡悟空はナースチャの姿が消えたのに仰天していたが、その左横に姿を現してナースチャが肘鉄を撃ちこみ、吹っ飛ばした。
「やるねえ、悟空さん。いや、ナースチャさんか?」
マッスル三蔵法師が嬉しそうにナースチャに近づいていく。
「あれ、三蔵法師様はこういう時、戦いを止めるんじゃないかな?」
「うむ、普通なら止める。それにそもそもうちの悟空の方が悪い。だが…。」
ここでマッスル三蔵はにやりと笑う。
「君のような強敵とやり合えるなら話は別だ。すまないね、悟空の行動を利用させてもらったよ♪」
「へえ、奇遇だねえ。俺もあんたのような『強者』との闘いは大好きでね♪」
いやいや、二人とも完全にやる気なんですが!!
観音様二人は完全に真っ青になり、向こうの猪八戒と沙悟浄も臨戦態勢に入った。
僕はカイザスさん、桜姫と顔を見合わせて身構えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる