59 / 103
十二歳編
フェリス王国編――ナンロール①
しおりを挟む
アリスが台所へ戻るとアニー、エリ、ティクスの三人が材料を用意して待っていた。
「お待たせ。じゃぁ、早速始めようね」
瞳を輝かせ、今か今かと待っていた三人に改めて伝えれば、三人はキャッキャと喜んだ。
まずはナン作り。
小麦粉、オリーブオイル、塩、水、計量カップ、大きいスプーンを用意する。
「ボウルに小麦粉を入れてね。あぁ、そのままじゃだめだよ? これに小麦粉を入れて、指で軽く表面をならして三杯分入れてね!」
自分でも作業をしながら、三人にやって見せる。
計量カップは、予備を含めて一〇個。
一人一つずつ渡してあるため、それぞれが同時に作業できている。
アニーは流石と言うか、そつなく三杯を入れ終えた。
エリは、少し手間取っている様子。だが、それに気づいたアニーがきちんと教えている。
ティクスは、無言で慎重に一杯ずつ入れている。
そこまで慎重にならなくても……と、アリスとしては思うが何も言わない。
「みんな出来たね。そしたらお水を、このカップの線の所まで入れてね」
アリスが表面につけた傷の部分を示せば、三人は迷うことなく水をカップに入れた。
それを見たアリスは、小麦粉の入ったボウルに水を流し込む。
すると三人も、同じように流し込んだ。
「次は、スプーンで四杯、オリーブオイルをボウルに入れて」
オリーブオイルの入った壷の中にスプーンを沈め、掬う。
一杯、二杯……と四回繰り返す。
入れ終わったアリスが三人を見れば、アニーは既に終えていた。
エリは、身長のせいで掬いにくいらしく、何度も何度もやり直している。
ティクスは、肩が凝りそうなほど慎重にプルプルしながらオリーブオイルを入れていた。
三人がオリーブオイルを入れ終わったところで、一つまみの塩をボウルに入れる。
見様見真似で三人が塩を入れた。
「じゃぁ、ここからは練る作業だよ! 利き手の指先を広げて、折る。そしたらわしゃわしゃって撫でる感じで、全体を混ぜる」
口で説明するよりは見せた方が早いと考えたアリスは、実際にやって見せる。
すると三人も同じように混ぜ始めた。
「はじめは手に粉がくっつくけど、綺麗に混ざってきたらべたべたしないから根気よく混ぜてね。もし全体がまとまっても手に着くようなら、少しだけ小麦粉を入れて」
手にくっついていただまが取れたのを見計らい、アリスは全体的に捏ねるようにして混ぜる。
それを見たアニーが、率先して同じ動作を繰り返す。
エリもいい感じで混ざっている。
「エリちゃん。全体的に捏ねてみて」
ティクスはと思ってみれば、手にべったりと粉が付いていた。
一時作業を中断したアリスは、ティクスのボウルを覗き込み小麦粉を軽く上からまぶす。
「ティクスくん。混ぜて~」
しばらく生地と格闘していた三人が、しっかりと丸まった生地を作り上げる。
次の工程で漸く生地作りが最後だと、考えたアリスは作業台にうっすらと小麦粉を打ち、ボウルから生地を取り出した。
「小麦粉を薄ーく作業台に振ってね。これは、生地が作業台にくっつかないようにするためだから、多すぎちゃダメよ」
「「「はい!」」」
「そうしたら、三〇回ぐらい、伸ばしては畳んでを繰り返す」
作業台の上に置いた生地を手に持ったアリスは、縦に生地を伸ばし、四つ折りにする。
次は横に生地を伸ばし、また四つ折り。
それを繰り返してみせれば、三人も同じように生地を伸ばし始めた。
出来上がった生地を転がし、細長い棒にしたアリスは、来る限り均等になるよう一二個に切り分けた。
切り分けた一つ、一つを丸める。
「こうして丸めると、あとが楽ちんだからね」
一二個の丸い生地が出来たら、一つだけ手に取り掌でまずは押しつぶす。
と、ここで麺棒を作るのをすっかり忘れていたことに気付いたアリスは、あとで絶対作ろうと頭の片隅にメモする。
仕方なく潰れた生地の上にボウルを置いたアリスは、どうにかこうにかその丸みで伸ばしていった。
生地が二〇センチほどの丸になったら、ボウルを外して後は焼くだけ。
「これぐらいの大きさになったら、粉を振るって次のを伸ばす。出来たのは上に重ねていくの」
「やってみるわ」
「うん!」
「ぼ、ぼくも頑張る」
最後が一番難しい。けれど、これができるようにならないと屋台の夢が潰えてしまう。
それを避けたいアリスは、熱心に三人へ指導した。
「じゃぁ、焼いてみよう!」
各一二枚ずつ、合計四八枚のナンを作り上げたアリスたちは、それを仕上げるため火元へ移動する。
アリスが魔法の鞄から取り出したのは、持ち手の部分は木でできており、その横の部分が網目になった長方形の平たい鉄板と蓋。
それからお好み焼きでよく使うヘラとトングだ。
これは、アリスが神のキッチンから拝借して、ゼスが偶々持っていた鉄をお願い攻撃で奪い。
神の宝飾箱で、形をコピーしてくっつけた独自の調理器具だ。
「これで全部を焼いていくことになるから、火傷には注意してね?」
同時に頷いた三人にほっこりしながら、アリスはコンロ二つに火をつけた。
「この網目の所には、お肉を薄く切ったのか、腸詰を乗せておくの。まずはやってみるから見て覚えてね!」
「わかったわ!」
「私、できるかな?」
「や、やって、みる」
薄切りのオーク肉と湯がいた腸詰を魔法の鞄から取り出したアリスは、鉄板の網目に並べるようにして置いた。
ナンを焼く鉄板には、オリーブオイルを全体に馴染ませるように薄くひく。
鉄板が温まったところで、ナンを六枚並べる。
「ナンは、火の通りが遅いからこうして、水を少しだけ周りに落として蓋をするの」
じゅわ~と、水分が熱により飛ばされる音が鳴る。
真剣な六個の瞳に見つめられながら、アリスは音が消えると同時に蓋を取りナンをひっくり返した。
少し焦げ目のついたナンは、もっちりとしている。
「こうして、ひっくり返したらあとは裏面が焼けるのを待つ。腸詰や肉はやけたら、塩、コショウを振ってひっくり返す。全体が焼けたら隅に置いておいてね」
「わかったわ!」
アニーの返事しか聞こえなかったアリスが不思議に思って横を見れば、エリは腸詰に、ティクスは勉強用の小さな黒板に夢中だった。
その様子にくすりと笑ったアリスは、ナンをひっくり返して裏面の焼け具合を見る。
「よし、ナンはいい感じだね。両面がこんな感じで焼けたら、こうして皿に取り出しておくの。さぁ、一人ずつやってみようね。まずは、アニーちゃんから」
アリスに名指しされたアニーが緊張しながら、鉄板にオリーブオイルを引いていた。
ナンを乗せ、水を垂らしたアニーは蓋を乗せる。
アリスの手順と全く同じように、アニーは動きナンを焼き上げた。
物覚えいいな~と、感心しながらアニーを見ていたアリスはナンロールのタレづくりをアニーに任せようと決める。
「じゃぁ、次はエリちゃんね」
アニーと場所を変わりエリが鉄板の前に立つ。
恐る恐ると言った手つきでオリーブオイルを流したエリは、これまたおどおどした様子でナンを鉄板に並べた。
水を流す際、エリは少し焦ったのか多く入れてしまう。
「あわわ!」
「大丈夫だよ。こういう時は、このヘラを使って、水をぺいって避けてあげればいいだけだから!」
手を出すつもりはなかったアリスだが、勝手に身体が動いてしまった。
申し訳なく思いながらエリを見れば、ほっとした表情を浮かべ蓋をおいていた。
「お待たせ。じゃぁ、早速始めようね」
瞳を輝かせ、今か今かと待っていた三人に改めて伝えれば、三人はキャッキャと喜んだ。
まずはナン作り。
小麦粉、オリーブオイル、塩、水、計量カップ、大きいスプーンを用意する。
「ボウルに小麦粉を入れてね。あぁ、そのままじゃだめだよ? これに小麦粉を入れて、指で軽く表面をならして三杯分入れてね!」
自分でも作業をしながら、三人にやって見せる。
計量カップは、予備を含めて一〇個。
一人一つずつ渡してあるため、それぞれが同時に作業できている。
アニーは流石と言うか、そつなく三杯を入れ終えた。
エリは、少し手間取っている様子。だが、それに気づいたアニーがきちんと教えている。
ティクスは、無言で慎重に一杯ずつ入れている。
そこまで慎重にならなくても……と、アリスとしては思うが何も言わない。
「みんな出来たね。そしたらお水を、このカップの線の所まで入れてね」
アリスが表面につけた傷の部分を示せば、三人は迷うことなく水をカップに入れた。
それを見たアリスは、小麦粉の入ったボウルに水を流し込む。
すると三人も、同じように流し込んだ。
「次は、スプーンで四杯、オリーブオイルをボウルに入れて」
オリーブオイルの入った壷の中にスプーンを沈め、掬う。
一杯、二杯……と四回繰り返す。
入れ終わったアリスが三人を見れば、アニーは既に終えていた。
エリは、身長のせいで掬いにくいらしく、何度も何度もやり直している。
ティクスは、肩が凝りそうなほど慎重にプルプルしながらオリーブオイルを入れていた。
三人がオリーブオイルを入れ終わったところで、一つまみの塩をボウルに入れる。
見様見真似で三人が塩を入れた。
「じゃぁ、ここからは練る作業だよ! 利き手の指先を広げて、折る。そしたらわしゃわしゃって撫でる感じで、全体を混ぜる」
口で説明するよりは見せた方が早いと考えたアリスは、実際にやって見せる。
すると三人も同じように混ぜ始めた。
「はじめは手に粉がくっつくけど、綺麗に混ざってきたらべたべたしないから根気よく混ぜてね。もし全体がまとまっても手に着くようなら、少しだけ小麦粉を入れて」
手にくっついていただまが取れたのを見計らい、アリスは全体的に捏ねるようにして混ぜる。
それを見たアニーが、率先して同じ動作を繰り返す。
エリもいい感じで混ざっている。
「エリちゃん。全体的に捏ねてみて」
ティクスはと思ってみれば、手にべったりと粉が付いていた。
一時作業を中断したアリスは、ティクスのボウルを覗き込み小麦粉を軽く上からまぶす。
「ティクスくん。混ぜて~」
しばらく生地と格闘していた三人が、しっかりと丸まった生地を作り上げる。
次の工程で漸く生地作りが最後だと、考えたアリスは作業台にうっすらと小麦粉を打ち、ボウルから生地を取り出した。
「小麦粉を薄ーく作業台に振ってね。これは、生地が作業台にくっつかないようにするためだから、多すぎちゃダメよ」
「「「はい!」」」
「そうしたら、三〇回ぐらい、伸ばしては畳んでを繰り返す」
作業台の上に置いた生地を手に持ったアリスは、縦に生地を伸ばし、四つ折りにする。
次は横に生地を伸ばし、また四つ折り。
それを繰り返してみせれば、三人も同じように生地を伸ばし始めた。
出来上がった生地を転がし、細長い棒にしたアリスは、来る限り均等になるよう一二個に切り分けた。
切り分けた一つ、一つを丸める。
「こうして丸めると、あとが楽ちんだからね」
一二個の丸い生地が出来たら、一つだけ手に取り掌でまずは押しつぶす。
と、ここで麺棒を作るのをすっかり忘れていたことに気付いたアリスは、あとで絶対作ろうと頭の片隅にメモする。
仕方なく潰れた生地の上にボウルを置いたアリスは、どうにかこうにかその丸みで伸ばしていった。
生地が二〇センチほどの丸になったら、ボウルを外して後は焼くだけ。
「これぐらいの大きさになったら、粉を振るって次のを伸ばす。出来たのは上に重ねていくの」
「やってみるわ」
「うん!」
「ぼ、ぼくも頑張る」
最後が一番難しい。けれど、これができるようにならないと屋台の夢が潰えてしまう。
それを避けたいアリスは、熱心に三人へ指導した。
「じゃぁ、焼いてみよう!」
各一二枚ずつ、合計四八枚のナンを作り上げたアリスたちは、それを仕上げるため火元へ移動する。
アリスが魔法の鞄から取り出したのは、持ち手の部分は木でできており、その横の部分が網目になった長方形の平たい鉄板と蓋。
それからお好み焼きでよく使うヘラとトングだ。
これは、アリスが神のキッチンから拝借して、ゼスが偶々持っていた鉄をお願い攻撃で奪い。
神の宝飾箱で、形をコピーしてくっつけた独自の調理器具だ。
「これで全部を焼いていくことになるから、火傷には注意してね?」
同時に頷いた三人にほっこりしながら、アリスはコンロ二つに火をつけた。
「この網目の所には、お肉を薄く切ったのか、腸詰を乗せておくの。まずはやってみるから見て覚えてね!」
「わかったわ!」
「私、できるかな?」
「や、やって、みる」
薄切りのオーク肉と湯がいた腸詰を魔法の鞄から取り出したアリスは、鉄板の網目に並べるようにして置いた。
ナンを焼く鉄板には、オリーブオイルを全体に馴染ませるように薄くひく。
鉄板が温まったところで、ナンを六枚並べる。
「ナンは、火の通りが遅いからこうして、水を少しだけ周りに落として蓋をするの」
じゅわ~と、水分が熱により飛ばされる音が鳴る。
真剣な六個の瞳に見つめられながら、アリスは音が消えると同時に蓋を取りナンをひっくり返した。
少し焦げ目のついたナンは、もっちりとしている。
「こうして、ひっくり返したらあとは裏面が焼けるのを待つ。腸詰や肉はやけたら、塩、コショウを振ってひっくり返す。全体が焼けたら隅に置いておいてね」
「わかったわ!」
アニーの返事しか聞こえなかったアリスが不思議に思って横を見れば、エリは腸詰に、ティクスは勉強用の小さな黒板に夢中だった。
その様子にくすりと笑ったアリスは、ナンをひっくり返して裏面の焼け具合を見る。
「よし、ナンはいい感じだね。両面がこんな感じで焼けたら、こうして皿に取り出しておくの。さぁ、一人ずつやってみようね。まずは、アニーちゃんから」
アリスに名指しされたアニーが緊張しながら、鉄板にオリーブオイルを引いていた。
ナンを乗せ、水を垂らしたアニーは蓋を乗せる。
アリスの手順と全く同じように、アニーは動きナンを焼き上げた。
物覚えいいな~と、感心しながらアニーを見ていたアリスはナンロールのタレづくりをアニーに任せようと決める。
「じゃぁ、次はエリちゃんね」
アニーと場所を変わりエリが鉄板の前に立つ。
恐る恐ると言った手つきでオリーブオイルを流したエリは、これまたおどおどした様子でナンを鉄板に並べた。
水を流す際、エリは少し焦ったのか多く入れてしまう。
「あわわ!」
「大丈夫だよ。こういう時は、このヘラを使って、水をぺいって避けてあげればいいだけだから!」
手を出すつもりはなかったアリスだが、勝手に身体が動いてしまった。
申し訳なく思いながらエリを見れば、ほっとした表情を浮かべ蓋をおいていた。
0
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説
開拓島〜最強の不老不死になって、誰の指図も受けずに自由に生きます!〜
SaLi
ファンタジー
人からの頼み事を断れずに貧乏くじを引いてきた主人公が、残業帰りのクリスマスイブに偶然見つけた夜カフェのお店。なぜか心惹かれ立ち寄ってみると、なんとそこは、異世界の神様が転生者を見つけるためのカフェだった。
悩んだ末(いや、そんなに悩んでない)、異世界転生を望んだ主人公が今度こそ誰の指図も受けずに好きに楽しく生きてやるぞ!!と固く決意し、チートスキルを駆使して自由に生きていくお話。
さて、まずは誰にも邪魔できないほど、強くなるぞ。
「貴族?だから?」「王様って何様?」「捕まえる?出来るものならお好きにどうぞ」
心身ともに生まれ変わって、やりたいことだけをやる!
さ、神様から貰ったこの島もどんどん発展させちゃうよー!!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
チートスキルを貰って転生したけどこんな状況は望んでない
カナデ
ファンタジー
大事故に巻き込まれ、死んだな、と思った時には真っ白な空間にいた佐藤乃蒼(のあ)、普通のOL27歳は、「これから異世界へ転生して貰いますーー!」と言われた。
一つだけ能力をくれるという言葉に、せっかくだから、と流行りの小説を思い出しつつ、どんなチート能力を貰おうか、とドキドキしながら考えていた。
そう、考えていただけで能力を決定したつもりは無かったのに、気づいた時には異世界で子供に転生しており、そうして両親は襲撃されただろう荷馬車の傍で、自分を守るかのように亡くなっていた。
ーーーこんなつもりじゃなかった。なんで、どうしてこんなことに!!
その両親の死は、もしかしたら転生の時に考えていたことが原因かもしれなくてーーーー。
自分を転生させた神に何度も繰り返し問いかけても、嘆いても自分の状況は変わることはなく。
彼女が手にしたチート能力はーー中途半端な通販スキル。これからどう生きたらいいのだろう?
ちょっと最初は暗めで、ちょっとシリアス風味(はあまりなくなります)な異世界転生のお話となります。
(R15 は残酷描写です。戦闘シーンはそれ程ありませんが流血、人の死がでますので苦手な方は自己責任でお願いします)
どんどんのんびりほのぼのな感じになって行きます。(思い出したようにシリアスさんが出たり)
チート能力?はありますが、無双ものではありませんので、ご了承ください。
今回はいつもとはちょっと違った風味の話となります。
ストックがいつもより多めにありますので、毎日更新予定です。
力尽きたらのんびり更新となりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。
5/2 HOT女性12位になってました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性8位(午前9時)表紙入りしてました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性4位(午後9時)まで上がりました!ありがとうございます<(_ _)>
5/4 HOT女性2位に起きたらなってました!!ありがとうございます!!頑張ります!
5/5 HOT女性1位に!(12時)寝ようと思ってみたら驚きました!ありがとうございます!!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる