28 / 103
十二歳編
フェリス王国編――馬車の旅一日目④
しおりを挟む
アンジェシカの元に状況を説明するため、フィンが再び戻ってきていた。
「ゴブリンの集落の討伐をすることになった。キングとかロードはいないみたいだから、そう時間がかからず終わるよ」
「ジェネラル程度なら、一時間もあれば終わるわね」
「うん。それと……馬車ごと移動することになったよ。おじいちゃんが決めてた」
「そう。ジェイクはアリスも一緒の方が安全だと判断したのね」
「それもあるけど……。初めての魔獣だからどうせ見せるなら家族が、一緒の時がいいだろうって、おじいちゃんが」
「わかったわ。アリスには私から話しておきます」
ジェイクがそう判断したのなら、間違いなくアリスの身は危険にさらされることは無い。
夫の強さを知り、信じるアンジェシカは迷わず頷いた。
アリスに対してどう話すべきかは後で考えることにして、フィンに話の続きを促す。
「あぁ、それから、商人が一緒に行動することになるからアリスのスキルについて――」
「わかったわ。その事もアリスに伝えておくわね」
「よろしく。まぁ、一緒にと言ってもフェイスまでだから、三日ぐらいかな」
「そう……短い時間とは言え、気を付けさせるべきね。人の口に戸は立てられないから……」
「うん。商人――ラーシュ・アダマンテルって言う人なんだけど、話してみ限り問題はなさそうだったよ。商会を持ってるらしいから、どう言う繋がりがあるかまでは不明だけどね」
フィンの報告を聞いたアンジェシカは、一番にアリスの事を考えた。
そんなアンジェシカにフィンは、不安を読み取ったように情報を寄こす。
そんな孫にアンジェシカは軽く驚きながら、いつの間にか彼も大人になっていたのだと実感した。
「出来ればアリスには、安全なここから出て欲しくないわね」
「うん。けど、アリスは止まらないよ。リルルリアの時だって、そうだったでしょ?」
「そうよね……。出発はいつごろになりそう?」
「今、荷物をマジックバックに移動させてるから、それが終わり次第だと思う」
「そう。とにかくアリスには常に目を向けておくことにしましょう」
「わかった。冒険者はここには入らないようにするから、商人だけ気を付けよう。ゴブリンの集落の討伐が終わったら、私もアリスの側にいるようにするよ」
「お願いね」
お互いに頷き合ったアンジェシカとフィンは、不安を抱えながらも見守ることを決める。
ポーションで治せない病や傷を見たこともない魔法で、治してしまえるアリスの存在――。
もし、この事が王族に知られれば……そう思うとアンジェシカは胸が締め付けられるように苦しくなった。
――そうなった時、私はアリスを守れるかしら?
戦う事の出来ないアンジェシカは、己の心に問いかけるのだった。
******
アリスがリビングに戻ると、アンジェシカが何やら考え込んでいた。
「おばあちゃん?」
「……あら、アリスおかえりなさい」
「ただいま! 何かあったの?」
「えぇ、ちょっとね」
アンジェシカの様子から、何かあったことを察知したアリスは祖母が話してくれるのを待つ。
何やら思い詰めた様子で「アリス」と呼んだアンジェシカは、フィンから聞いた事をアリスにそのまま伝えた。
「そっか、商人さんが一緒に行動するんだね。私は外に出ない方がいい?」
「アリスは、アリスらしく行動しなさい」
「いいの? おばあちゃんは困らない?」
「困らないわ! だって、アリスは誰かを救うためにしかスキルを使わないでしょう?」
アリスは、自分が本当にそう行動できたのか不安になる。
アンソニーの時は、彼の腕が無くて痛ましいと思ったから彼の意志を確認して治した。
ビルの時は、頑張る彼を応援したくて行動しただけだ。
それが、自己満足だったのか、相手を救う行為になるのか、今のアリスには判断ができなかった。
「大丈夫! 自信を持ちなさい!」
不安が顔に出ていたのかアンジェシカは、アリスを抱きしめきっぱりと告げた。
おばあちゃんがそうだと言うなら、きっとそうなんだろうと思ったアリスは考えるのを止め「うん。そうする!」と答えた。
それからしばらくして、フェルティナとフィン、ジェイクが数人の男女を連れて馬車内に戻ってきた。
入ってきた彼らをジェイクが紹介する。
紹介が終わると冒険者の四人は、馬車の方へ戻って行った。
商人であるラーシュは、大切そうに抱えた大きなカバンをリビングの隅に置く。
それに興味津々だったアリスは、じーっと鞄を見つめた。
勧められるままソファーに座ったラーシュは、一息つくと頭を下げる。
「いやはや、助かりました。本当に感謝しかありません」
普段は気の良いおじさんらしいラーシュは、疲れた様子もなく自身のことを話し始めた。
曰く、フェリス王都でアダマンテル商会と言う大店を営んでいるが、実際の実入りは大したことが無く嫁や娘に結構厳しいことを言われていること。
上の娘の結婚式が近いため、彼女のために珍しい菓子を探していること。
昔の知人から、珍しい鉱石などを買い取った話しなどなど。
彼の話はとても面白く、インシェス家の面々はとても楽しい時間になった。
ゴブリンの集落の討伐を控えているため、日が沈む前に夕飯を取る。
から揚げを出していいのか悩んだアリスは、どうしたらいいのかジェイクを見た。
アリスの視線を受けたジェイクは、ラーシュに向き合うと「ここで見聞きした内容について、外で漏らさないと約束していただきたい」と告げる。
理由すら言わずそう言い出したジェイクに、思案したらしいラーシュは真を置かず「勿論です!」と頷いた。
「すまないな。ラーシュ殿を信用していないわけではないが、こちらにとってかなりシビアな問題だから許して欲しい」
「いえいえ、私の方こそこうして無理を聞いて貰っている身ですから、お気になさらず。ここで見聞きした内容は、決して漏らさないと約束いたしましょう」
「ありがたい」
二人の会話が終わったところで、アリスはソファーの影へ入った。
アリスの側には、その身を隠すようにフェルティナ、フィン、クレイが立っている。
それに気づかないままアリスは、ストレージから魔法の鞄へ料理を移動させた。
湯気をあげるスープの入った深皿、おにぎり、から揚げの皿を入れた魔法の鞄をフェルティナに渡す。
受け取ったフェルティナは、鞄を漁りそれぞれの前に置いた。
「そう言えば、森の牙たちはどうする?」
「あ、忘れてた! 俺が行くわ」
「私も行こう」
食前の祈りを捧げる直前、ゼスが今思い出したと言わんばかりに森の牙の名を出した。
全員が、料理に向けていた視線をハッとあげ、苦笑いを浮かべる。
慌てたようにクレイとフィンが、フェルティナから魔法の鞄を受け取り馬車の方へ向かう。
初めてのから揚げに舌つづみを打ち、お茶の時間すら惜しむように戦いにでるインシェス家の面々はそれぞれの装備を確認した。
装備の確認が終わり、馬車へ移動したジェイクは敢えて扉を開けたまま声高に作戦を告げる。
「御者はフェルティナに任せる。ゼスはフェルティナを守れ」
「えぇ、わかったわ!」
「必ず守る」
「私、フィン、クレイは到着次第、先陣を切り突っ込む。馬車が止まり次第ゼスとフェルティナは、後方から攻撃を。森の牙は一人を御者台に残し、他は馬車の護衛を頼む」
「はい」
「行くぜ~!」
「了解です」
「「「「おう」」」
「おじいちゃん、パパ、ママ、フィンにぃ、クレイにぃ、無理しないでね。怪我したら直ぐにここにきてね?」
扉側に立つ家族にだけ聞こえる声音で告げたアリスは、祈るように指を組み心の中で「反射」と唱えた。
アリスの頭を撫でたフェルティナとゼスが御者台へ移動する。
「行くぞ」というゼスの声に合わせ、馬車はゴブリンの集落を目指し走り始めた。
そして、馬の嘶きが上がる。
その声を合図にゼスの低い声が「防御」と魔法を唱えた。
「行くぞ!」
短く告げたジェイクが馬車から飛び出すと、次いでフィンとクレイが馬車から飛び出していった。
「ゴブリンの集落の討伐をすることになった。キングとかロードはいないみたいだから、そう時間がかからず終わるよ」
「ジェネラル程度なら、一時間もあれば終わるわね」
「うん。それと……馬車ごと移動することになったよ。おじいちゃんが決めてた」
「そう。ジェイクはアリスも一緒の方が安全だと判断したのね」
「それもあるけど……。初めての魔獣だからどうせ見せるなら家族が、一緒の時がいいだろうって、おじいちゃんが」
「わかったわ。アリスには私から話しておきます」
ジェイクがそう判断したのなら、間違いなくアリスの身は危険にさらされることは無い。
夫の強さを知り、信じるアンジェシカは迷わず頷いた。
アリスに対してどう話すべきかは後で考えることにして、フィンに話の続きを促す。
「あぁ、それから、商人が一緒に行動することになるからアリスのスキルについて――」
「わかったわ。その事もアリスに伝えておくわね」
「よろしく。まぁ、一緒にと言ってもフェイスまでだから、三日ぐらいかな」
「そう……短い時間とは言え、気を付けさせるべきね。人の口に戸は立てられないから……」
「うん。商人――ラーシュ・アダマンテルって言う人なんだけど、話してみ限り問題はなさそうだったよ。商会を持ってるらしいから、どう言う繋がりがあるかまでは不明だけどね」
フィンの報告を聞いたアンジェシカは、一番にアリスの事を考えた。
そんなアンジェシカにフィンは、不安を読み取ったように情報を寄こす。
そんな孫にアンジェシカは軽く驚きながら、いつの間にか彼も大人になっていたのだと実感した。
「出来ればアリスには、安全なここから出て欲しくないわね」
「うん。けど、アリスは止まらないよ。リルルリアの時だって、そうだったでしょ?」
「そうよね……。出発はいつごろになりそう?」
「今、荷物をマジックバックに移動させてるから、それが終わり次第だと思う」
「そう。とにかくアリスには常に目を向けておくことにしましょう」
「わかった。冒険者はここには入らないようにするから、商人だけ気を付けよう。ゴブリンの集落の討伐が終わったら、私もアリスの側にいるようにするよ」
「お願いね」
お互いに頷き合ったアンジェシカとフィンは、不安を抱えながらも見守ることを決める。
ポーションで治せない病や傷を見たこともない魔法で、治してしまえるアリスの存在――。
もし、この事が王族に知られれば……そう思うとアンジェシカは胸が締め付けられるように苦しくなった。
――そうなった時、私はアリスを守れるかしら?
戦う事の出来ないアンジェシカは、己の心に問いかけるのだった。
******
アリスがリビングに戻ると、アンジェシカが何やら考え込んでいた。
「おばあちゃん?」
「……あら、アリスおかえりなさい」
「ただいま! 何かあったの?」
「えぇ、ちょっとね」
アンジェシカの様子から、何かあったことを察知したアリスは祖母が話してくれるのを待つ。
何やら思い詰めた様子で「アリス」と呼んだアンジェシカは、フィンから聞いた事をアリスにそのまま伝えた。
「そっか、商人さんが一緒に行動するんだね。私は外に出ない方がいい?」
「アリスは、アリスらしく行動しなさい」
「いいの? おばあちゃんは困らない?」
「困らないわ! だって、アリスは誰かを救うためにしかスキルを使わないでしょう?」
アリスは、自分が本当にそう行動できたのか不安になる。
アンソニーの時は、彼の腕が無くて痛ましいと思ったから彼の意志を確認して治した。
ビルの時は、頑張る彼を応援したくて行動しただけだ。
それが、自己満足だったのか、相手を救う行為になるのか、今のアリスには判断ができなかった。
「大丈夫! 自信を持ちなさい!」
不安が顔に出ていたのかアンジェシカは、アリスを抱きしめきっぱりと告げた。
おばあちゃんがそうだと言うなら、きっとそうなんだろうと思ったアリスは考えるのを止め「うん。そうする!」と答えた。
それからしばらくして、フェルティナとフィン、ジェイクが数人の男女を連れて馬車内に戻ってきた。
入ってきた彼らをジェイクが紹介する。
紹介が終わると冒険者の四人は、馬車の方へ戻って行った。
商人であるラーシュは、大切そうに抱えた大きなカバンをリビングの隅に置く。
それに興味津々だったアリスは、じーっと鞄を見つめた。
勧められるままソファーに座ったラーシュは、一息つくと頭を下げる。
「いやはや、助かりました。本当に感謝しかありません」
普段は気の良いおじさんらしいラーシュは、疲れた様子もなく自身のことを話し始めた。
曰く、フェリス王都でアダマンテル商会と言う大店を営んでいるが、実際の実入りは大したことが無く嫁や娘に結構厳しいことを言われていること。
上の娘の結婚式が近いため、彼女のために珍しい菓子を探していること。
昔の知人から、珍しい鉱石などを買い取った話しなどなど。
彼の話はとても面白く、インシェス家の面々はとても楽しい時間になった。
ゴブリンの集落の討伐を控えているため、日が沈む前に夕飯を取る。
から揚げを出していいのか悩んだアリスは、どうしたらいいのかジェイクを見た。
アリスの視線を受けたジェイクは、ラーシュに向き合うと「ここで見聞きした内容について、外で漏らさないと約束していただきたい」と告げる。
理由すら言わずそう言い出したジェイクに、思案したらしいラーシュは真を置かず「勿論です!」と頷いた。
「すまないな。ラーシュ殿を信用していないわけではないが、こちらにとってかなりシビアな問題だから許して欲しい」
「いえいえ、私の方こそこうして無理を聞いて貰っている身ですから、お気になさらず。ここで見聞きした内容は、決して漏らさないと約束いたしましょう」
「ありがたい」
二人の会話が終わったところで、アリスはソファーの影へ入った。
アリスの側には、その身を隠すようにフェルティナ、フィン、クレイが立っている。
それに気づかないままアリスは、ストレージから魔法の鞄へ料理を移動させた。
湯気をあげるスープの入った深皿、おにぎり、から揚げの皿を入れた魔法の鞄をフェルティナに渡す。
受け取ったフェルティナは、鞄を漁りそれぞれの前に置いた。
「そう言えば、森の牙たちはどうする?」
「あ、忘れてた! 俺が行くわ」
「私も行こう」
食前の祈りを捧げる直前、ゼスが今思い出したと言わんばかりに森の牙の名を出した。
全員が、料理に向けていた視線をハッとあげ、苦笑いを浮かべる。
慌てたようにクレイとフィンが、フェルティナから魔法の鞄を受け取り馬車の方へ向かう。
初めてのから揚げに舌つづみを打ち、お茶の時間すら惜しむように戦いにでるインシェス家の面々はそれぞれの装備を確認した。
装備の確認が終わり、馬車へ移動したジェイクは敢えて扉を開けたまま声高に作戦を告げる。
「御者はフェルティナに任せる。ゼスはフェルティナを守れ」
「えぇ、わかったわ!」
「必ず守る」
「私、フィン、クレイは到着次第、先陣を切り突っ込む。馬車が止まり次第ゼスとフェルティナは、後方から攻撃を。森の牙は一人を御者台に残し、他は馬車の護衛を頼む」
「はい」
「行くぜ~!」
「了解です」
「「「「おう」」」
「おじいちゃん、パパ、ママ、フィンにぃ、クレイにぃ、無理しないでね。怪我したら直ぐにここにきてね?」
扉側に立つ家族にだけ聞こえる声音で告げたアリスは、祈るように指を組み心の中で「反射」と唱えた。
アリスの頭を撫でたフェルティナとゼスが御者台へ移動する。
「行くぞ」というゼスの声に合わせ、馬車はゴブリンの集落を目指し走り始めた。
そして、馬の嘶きが上がる。
その声を合図にゼスの低い声が「防御」と魔法を唱えた。
「行くぞ!」
短く告げたジェイクが馬車から飛び出すと、次いでフィンとクレイが馬車から飛び出していった。
0
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
異世界転移したら傭兵団を率いることになりました
響 恭也
ファンタジー
士官候補生だった俺こと、有田義信は、戦場で狙撃兵によって倒された。
死んだはずだったが目覚めてみるとなぜか戦場のど真ん中で、傭兵隊長のガイウスに拾われる。
帝国の権力争いに敗れて戦場で消息を絶ったガイウスから傭兵団を引き継ぐことになる。
そして、西方辺境から物語は動き出す。魔物の氾濫と分裂する帝国。歴戦の傭兵、ガイウスからアルと名付けられた少年は何を成すのか。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
チートスキルを貰って転生したけどこんな状況は望んでない
カナデ
ファンタジー
大事故に巻き込まれ、死んだな、と思った時には真っ白な空間にいた佐藤乃蒼(のあ)、普通のOL27歳は、「これから異世界へ転生して貰いますーー!」と言われた。
一つだけ能力をくれるという言葉に、せっかくだから、と流行りの小説を思い出しつつ、どんなチート能力を貰おうか、とドキドキしながら考えていた。
そう、考えていただけで能力を決定したつもりは無かったのに、気づいた時には異世界で子供に転生しており、そうして両親は襲撃されただろう荷馬車の傍で、自分を守るかのように亡くなっていた。
ーーーこんなつもりじゃなかった。なんで、どうしてこんなことに!!
その両親の死は、もしかしたら転生の時に考えていたことが原因かもしれなくてーーーー。
自分を転生させた神に何度も繰り返し問いかけても、嘆いても自分の状況は変わることはなく。
彼女が手にしたチート能力はーー中途半端な通販スキル。これからどう生きたらいいのだろう?
ちょっと最初は暗めで、ちょっとシリアス風味(はあまりなくなります)な異世界転生のお話となります。
(R15 は残酷描写です。戦闘シーンはそれ程ありませんが流血、人の死がでますので苦手な方は自己責任でお願いします)
どんどんのんびりほのぼのな感じになって行きます。(思い出したようにシリアスさんが出たり)
チート能力?はありますが、無双ものではありませんので、ご了承ください。
今回はいつもとはちょっと違った風味の話となります。
ストックがいつもより多めにありますので、毎日更新予定です。
力尽きたらのんびり更新となりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。
5/2 HOT女性12位になってました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性8位(午前9時)表紙入りしてました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性4位(午後9時)まで上がりました!ありがとうございます<(_ _)>
5/4 HOT女性2位に起きたらなってました!!ありがとうございます!!頑張ります!
5/5 HOT女性1位に!(12時)寝ようと思ってみたら驚きました!ありがとうございます!!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる