13 / 103
十二歳編
リルルリア編――森の羊亭④
しおりを挟む
二時間の休憩中、アリスとフィン、グレイスは料理について話していた。
グレイス自身、かなり料理には興味があるようで、色々と質問してくる。
ピザパンはもとより、スープやサラダなど、宿屋で提供する料理について詳しく話した。
そうして過ごせば、あっという間に時間は過ぎ。
椅子から降りたアリスは、コンロへ移動ずる。
「どうですか?」
「いいですね。じゃぁ、骨を取り出してスープをこしましょう」
「はい」
形の崩れた大きな骨を取り出す。
ある程度出したところで、白濁スープを麻布でこす。
何度か繰り返し、小さな骨の欠片や野菜の屑などを取り出せば、白濁した綺麗なスープが出来た。
「じゃぁ、スープにキャロルとメルクルを入れてね。その間にモゥモゥのお肉を軽く焼くの」
「これは、どうしますか?」
「それは塩コショウをして、潰さないように和えておいてください」
「わかりました」
グレイスにスープの処理を任せる。
ユースが聞いてきたのは、アリスが付け合わせにと湯がいて貰ったメルクルとソーラと言う豆だった。
出来る限り美味しく、野菜を多くとれるようにとアリスなりに考えて用意して貰ったものだ。
グレイスがキャロルとメルクルをスープに入ている横で、フィンには一口大に切ったモゥモゥの肉を焼いて貰う。
既に下ごしらえを終えたらしい三人は、やる事がないのかユースたちの作業を真剣な目で観察していた。
そんな彼らをアリスは巻き込み、手伝うよう頼んだ。
「お暇なら、スライスした黒パンにマヨネーズを薄く伸ばして塗って欲しいな!」
「「「はい!」」」
待ってましたとばかりに返事をする三人。
その内二人が、冷蔵庫へ向かいボールに入ったマヨネーズを持ってくる。
残った一人は、スライスしたパンが入った木箱を作業台へと移動、作業台にスライスしたパンを並べていた。
三人がぬりぬりする様子を眺め、問題なさそうだとアリスは、肉を焼くフィンの方へ戻る。
「フィンにぃ、焦がさないようにね」
「あぁ、大丈夫だよ」
「焼きあがったお肉は、五分ぐらい脂を切ってからスープに入れて」
「わかった」
余分な脂は、スープに雑味が入ってしまう。
そのため出来る限り、事前に焼くか湯がいて脂を抜いておく。
「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
女性の給仕さんたちが、裏口から続々とキッチンへ入ってくると挨拶をしてホールの掃除に向かった。
それを見たグレイスさんが「もうそんな時間か」と慌てている。
大丈夫。もう少しだからとアリスは考え、手が空いたユースに次の工程を頼んだ。
「ユースさん。マヨネーズを塗り終わったパンに、スライスしたベーコンとトーマを乗せて、最後にチーズをかけて」
「わかりました」
三百枚近いスライスされた黒パンにマヨネーズを塗る三人に代わり、ユースさんがベーコンとトーマ、チーズをのせていく。
少し見た目が寂しいけど、今日は仕方ない。
そう思いながらアリスは、スープを煮込む鍋の中身をランダムで掬った。
フォークでじゃいも、人参を刺す。
煮えているかの確認を終えたアリスは、鍋の中に焼いたモゥモゥの肉、オニロ、キベットを入れて貰った。
十分ほど煮込み、スプーンですくったスープをフィンとグレイス共に三人で味見する。
味付けは塩のみだが、牛コツの旨味と野菜の甘さでとても優しい味がした。
「これはまた……」
一人ぶつぶつと言い始めたグレイスをまたかと呆れた顔で見たアリスは、フィンを振り返る。
「何がいる?」
「冷蔵庫に入ってるチーズとサラダ、バールのドレッシング」
「任せて!」
アリスがお願いと言う前にフィンが聞く。
さっそく動いてくれるフィンを見送ったアリスは、グレイスの目の前で柏手を打ち正気に戻す。
パン!
「旨味が……いや、これは……うわっ!」
「グレイスさん、時間ないんでしょ? 急いでオーブンを温めて! ユースさん、具材のせたのからオーブンに入れて」
「はい」
ユースさんが、マヨピザパンを丁寧な手つきでオーブンに並べ入れる。
時間が経つにつれオーブンの温度が上がれば、キッチンにマヨネーズとベーコンの焼ける匂いが漂い始めた。
もう少し、あと少しと思いつつチーズが溶け、焦げるのを見守るアリスの横でユースのお腹がぐぅーと鳴った。
そりゃそうだよね……昼食後からずっと作業してるんだもん。
「すみません……」
謝ったユースは、恥ずかしそうにお腹を押さえる。
気にしないで伝え笑顔を向けたアリスは、続けて焼いてくれるように頼むとサラダを仕上げるためグレイスの元へ急いだ。
「このチーズを角切りにして欲しい。出来たらサラダと和えて、バールドレッシングをかけて出来上がりだよ!」
「これで出来上がりか!」
「そうだよ。パンの隣にはさっきユースさんが作ってたメルクルとソーラを添えてね」
「オーナーお客様通していいですか?」
「あぁ、わかった。入れていいぞ。ユース、ゲンズ、ローダス、レイン! お前たちは、できたのから皿に乗せてカウンターに持っていけ」
「「「「はい!」」」」
ドヤドヤとお客さんが食堂に入ってくるのに合わせ、フィンとアリスはキッチンを後にする。
「アリス!」
聞き覚えのある声に呼ばれたアリスは、やり切った笑顔で振り返る。
インジェスト家の面々と一緒にテーブルへ着く。すると直ぐに、作った料理が運ばれてきた。
明らかに今までとは違う料理にインジェスト家の面々もごくりと生唾を飲み込んだ。
ルールシュカへの祈りもそこそこに我慢堪らずクレイが、もぐっと一口食べた。
飲み込んだ途端、頬を赤く染め幸せ~と呟いた。
クレイの顔を間近で見たインジェスト家の家族たちは、急いで我先にフォークを伸ばし始める。
アリスは皆の食いつきを視界に納め、一人満足げに頷く。
これなら簡単だし、家でも作れる。
中に入れる具材は、色々変えれば飽きないはずだし、黒パンも食べやすくなるから一石三鳥かな。
そんなことを考えながら思考を切り替えたアリスは、はむっとピザパンを一口食べる。
むぐむぐとゆっくり咀嚼し、飲み込んだ。水分を欲する身体に迷わず牛コツスープにスプーンが伸びた。
堪らず一口飲めば、ほぅと息を吐きたくなる。
そんな幸せを感じていたアリスをフェルティナが呼んだ。
「アリス!」
「ん~?」
「これ、家でも作って!」
「俺、毎日食べたい!!」
ガタっと立ち上がったフェルティナが、興奮した状態でアリスの両肩を掴んで揺らす。
「うっ、わ、わかったから、ママ落ち着いて! ……パパ、クレイにぃ助けて……気分がっ……」
「ティナ、落ち着いて! このままじゃアリスが……」
「ちょ、母さん!!」
必死に訴えるもアリスの声はフェルティナに届かない。
なんとか言葉を紡ぎゼスとクレイに助けを求めれば、二人がフェルティナの両腕を掴み引き離してくれた。
「あ、あら、ごめんなさい?」
「ごめんなさいじゃないよ……死ぬかと思った」
「あぁぁぁぁぁ!!!」
謝るフェルティナに愚痴っていたアリスは、突然あがった叫びにびくりと身体を竦め身体ごとクレイを振り返える。
「俺まだ、一口しか食べてないのに……」
「父さん、母さん、流石にこれは……食べすぎです」
「すまん……止まらなかったんだ」
「ごめんね。クレイ」
「おじいちゃん、おばあちゃん……酷い」
テーブルの上には、七人分の食事が用意されていたはすだ。
その殆どをジェイクとアンジェシカの二人が、食べてしまっていた。
流石にこれは酷い言う感想を抱いたアリスは、犯人に冷たい視線を向ける。
可愛い孫たちから非難めいた視線を受けた二人は、慌てて謝ると新しく注文をし直した。
グレイス自身、かなり料理には興味があるようで、色々と質問してくる。
ピザパンはもとより、スープやサラダなど、宿屋で提供する料理について詳しく話した。
そうして過ごせば、あっという間に時間は過ぎ。
椅子から降りたアリスは、コンロへ移動ずる。
「どうですか?」
「いいですね。じゃぁ、骨を取り出してスープをこしましょう」
「はい」
形の崩れた大きな骨を取り出す。
ある程度出したところで、白濁スープを麻布でこす。
何度か繰り返し、小さな骨の欠片や野菜の屑などを取り出せば、白濁した綺麗なスープが出来た。
「じゃぁ、スープにキャロルとメルクルを入れてね。その間にモゥモゥのお肉を軽く焼くの」
「これは、どうしますか?」
「それは塩コショウをして、潰さないように和えておいてください」
「わかりました」
グレイスにスープの処理を任せる。
ユースが聞いてきたのは、アリスが付け合わせにと湯がいて貰ったメルクルとソーラと言う豆だった。
出来る限り美味しく、野菜を多くとれるようにとアリスなりに考えて用意して貰ったものだ。
グレイスがキャロルとメルクルをスープに入ている横で、フィンには一口大に切ったモゥモゥの肉を焼いて貰う。
既に下ごしらえを終えたらしい三人は、やる事がないのかユースたちの作業を真剣な目で観察していた。
そんな彼らをアリスは巻き込み、手伝うよう頼んだ。
「お暇なら、スライスした黒パンにマヨネーズを薄く伸ばして塗って欲しいな!」
「「「はい!」」」
待ってましたとばかりに返事をする三人。
その内二人が、冷蔵庫へ向かいボールに入ったマヨネーズを持ってくる。
残った一人は、スライスしたパンが入った木箱を作業台へと移動、作業台にスライスしたパンを並べていた。
三人がぬりぬりする様子を眺め、問題なさそうだとアリスは、肉を焼くフィンの方へ戻る。
「フィンにぃ、焦がさないようにね」
「あぁ、大丈夫だよ」
「焼きあがったお肉は、五分ぐらい脂を切ってからスープに入れて」
「わかった」
余分な脂は、スープに雑味が入ってしまう。
そのため出来る限り、事前に焼くか湯がいて脂を抜いておく。
「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
女性の給仕さんたちが、裏口から続々とキッチンへ入ってくると挨拶をしてホールの掃除に向かった。
それを見たグレイスさんが「もうそんな時間か」と慌てている。
大丈夫。もう少しだからとアリスは考え、手が空いたユースに次の工程を頼んだ。
「ユースさん。マヨネーズを塗り終わったパンに、スライスしたベーコンとトーマを乗せて、最後にチーズをかけて」
「わかりました」
三百枚近いスライスされた黒パンにマヨネーズを塗る三人に代わり、ユースさんがベーコンとトーマ、チーズをのせていく。
少し見た目が寂しいけど、今日は仕方ない。
そう思いながらアリスは、スープを煮込む鍋の中身をランダムで掬った。
フォークでじゃいも、人参を刺す。
煮えているかの確認を終えたアリスは、鍋の中に焼いたモゥモゥの肉、オニロ、キベットを入れて貰った。
十分ほど煮込み、スプーンですくったスープをフィンとグレイス共に三人で味見する。
味付けは塩のみだが、牛コツの旨味と野菜の甘さでとても優しい味がした。
「これはまた……」
一人ぶつぶつと言い始めたグレイスをまたかと呆れた顔で見たアリスは、フィンを振り返る。
「何がいる?」
「冷蔵庫に入ってるチーズとサラダ、バールのドレッシング」
「任せて!」
アリスがお願いと言う前にフィンが聞く。
さっそく動いてくれるフィンを見送ったアリスは、グレイスの目の前で柏手を打ち正気に戻す。
パン!
「旨味が……いや、これは……うわっ!」
「グレイスさん、時間ないんでしょ? 急いでオーブンを温めて! ユースさん、具材のせたのからオーブンに入れて」
「はい」
ユースさんが、マヨピザパンを丁寧な手つきでオーブンに並べ入れる。
時間が経つにつれオーブンの温度が上がれば、キッチンにマヨネーズとベーコンの焼ける匂いが漂い始めた。
もう少し、あと少しと思いつつチーズが溶け、焦げるのを見守るアリスの横でユースのお腹がぐぅーと鳴った。
そりゃそうだよね……昼食後からずっと作業してるんだもん。
「すみません……」
謝ったユースは、恥ずかしそうにお腹を押さえる。
気にしないで伝え笑顔を向けたアリスは、続けて焼いてくれるように頼むとサラダを仕上げるためグレイスの元へ急いだ。
「このチーズを角切りにして欲しい。出来たらサラダと和えて、バールドレッシングをかけて出来上がりだよ!」
「これで出来上がりか!」
「そうだよ。パンの隣にはさっきユースさんが作ってたメルクルとソーラを添えてね」
「オーナーお客様通していいですか?」
「あぁ、わかった。入れていいぞ。ユース、ゲンズ、ローダス、レイン! お前たちは、できたのから皿に乗せてカウンターに持っていけ」
「「「「はい!」」」」
ドヤドヤとお客さんが食堂に入ってくるのに合わせ、フィンとアリスはキッチンを後にする。
「アリス!」
聞き覚えのある声に呼ばれたアリスは、やり切った笑顔で振り返る。
インジェスト家の面々と一緒にテーブルへ着く。すると直ぐに、作った料理が運ばれてきた。
明らかに今までとは違う料理にインジェスト家の面々もごくりと生唾を飲み込んだ。
ルールシュカへの祈りもそこそこに我慢堪らずクレイが、もぐっと一口食べた。
飲み込んだ途端、頬を赤く染め幸せ~と呟いた。
クレイの顔を間近で見たインジェスト家の家族たちは、急いで我先にフォークを伸ばし始める。
アリスは皆の食いつきを視界に納め、一人満足げに頷く。
これなら簡単だし、家でも作れる。
中に入れる具材は、色々変えれば飽きないはずだし、黒パンも食べやすくなるから一石三鳥かな。
そんなことを考えながら思考を切り替えたアリスは、はむっとピザパンを一口食べる。
むぐむぐとゆっくり咀嚼し、飲み込んだ。水分を欲する身体に迷わず牛コツスープにスプーンが伸びた。
堪らず一口飲めば、ほぅと息を吐きたくなる。
そんな幸せを感じていたアリスをフェルティナが呼んだ。
「アリス!」
「ん~?」
「これ、家でも作って!」
「俺、毎日食べたい!!」
ガタっと立ち上がったフェルティナが、興奮した状態でアリスの両肩を掴んで揺らす。
「うっ、わ、わかったから、ママ落ち着いて! ……パパ、クレイにぃ助けて……気分がっ……」
「ティナ、落ち着いて! このままじゃアリスが……」
「ちょ、母さん!!」
必死に訴えるもアリスの声はフェルティナに届かない。
なんとか言葉を紡ぎゼスとクレイに助けを求めれば、二人がフェルティナの両腕を掴み引き離してくれた。
「あ、あら、ごめんなさい?」
「ごめんなさいじゃないよ……死ぬかと思った」
「あぁぁぁぁぁ!!!」
謝るフェルティナに愚痴っていたアリスは、突然あがった叫びにびくりと身体を竦め身体ごとクレイを振り返える。
「俺まだ、一口しか食べてないのに……」
「父さん、母さん、流石にこれは……食べすぎです」
「すまん……止まらなかったんだ」
「ごめんね。クレイ」
「おじいちゃん、おばあちゃん……酷い」
テーブルの上には、七人分の食事が用意されていたはすだ。
その殆どをジェイクとアンジェシカの二人が、食べてしまっていた。
流石にこれは酷い言う感想を抱いたアリスは、犯人に冷たい視線を向ける。
可愛い孫たちから非難めいた視線を受けた二人は、慌てて謝ると新しく注文をし直した。
0
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる