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十二歳編
リルルリア編――森の羊亭②
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アリスのクレープを食べるグレイスは、無言で咀嚼し飲み込んだ。
気に入ってくれたかな? 味音痴でもない限り、大丈夫だと思うけど……。
と、期待を込めた眼差しをグレイスに向ける。
「なんだ……この美味い料理は!」
「美味いだろう? それはこのアリスが作った携帯食のようなものだ」
「これを? この子が? 冗談だろう?」
驚いたように目を見開き、グレイスはアリスを凝視する。
「本当だ! それで、感想は?」
「……そ、そうだな。削がれた肉、野菜が新鮮で食べやすい。その二つを纏めるようにかかったソースが、より美味さを引き立てている。もっちり柔らかな皮は、食材の触感を邪魔していない上に、手も汚れない」
べた褒めされたアリスは嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り混じり、小さな手で頬を抑えてもじもじとした。
良かった。喜んでもらえた! と飛び上がりそうになる気持ちを抑え、アリスは再びグレイスへ話しかける。
「もし、グレイスさんが嫌じゃなかったら、簡単な料理の作り方を教えますから、お料理しませんか?」
「……いいのか?」
「はい! こんな素敵な宿なのに、お料理が残念なのが悲しいの」
悲し気に目を伏せるアリスの背をゼスの大きな手が優しく撫でる。
しばし無言で考えていたグレイスは、意を決したように椅子から立ち上がるとアリスの前に膝をつき「よろしく頼む」と頭を下げた。
「明日の昼過ぎから頼んでもいいか?」と、グレイスが聞く。
予定のないアリスは、大丈夫だと頷いた。
翌日、約束の時間になったアリスは、フィンに手を引かれキッチンへ入る。
家のキッチンの二倍はある広さのキッチンには、エプロンをした無骨な四人の男性が。
仕込み中、突然子供が入ってきたせいで、四人は驚きを隠せない様子だ。
そんな彼らにグレイスは、気にせず作業を続けろと声をかける。
そして、アリスたちを開いていた作業台へ案内した。
料理を教えると言ったものの何を作るか、アリスは決めかねていた。
あれこれ悩み、最終的にいつも使っている食材――キッチンにある材料を使うことにする。
グレイスに許可を取り、キッチン内のあちこちに置かれた食材をチェックする。
裏口側にある木箱を覗いたアリスは「これは使える!」と、独り言を漏らしてニマニマした。
「今日作るのは、フレッシュチーズのサラダ・バールドレッシング和えとマヨピザパン。それから牛コツを使った具沢山スープです」
「名前を聞く限りじゃ、よくわからんが……まぁ、欲しい物を言ってくれ。準備させる」
分からないだろうと思いながらアリスは、一応の意味を込めて作る料理名を伝えてみた。
やっぱりと、首をかしげるグレイスを見たアリスはくすくすと笑う。
「ユース! 手伝いを頼む」
「はい!」
ユースと呼ばれた男性は、このキッチンの中で一番若い。
こげ茶の髪、同じ色の瞳をした一〇代後半の人族だ。
見習いさんかなと、アリスは思いつつユースと挨拶を交わした。
さっそくユースに、食材を運んで貰うことにする。
「まず、用意してほしい物を言いますね」
アリスは欲しい食材を告げていく。
かなりの量があるので、アリス自身も運ぶつもりだ。
バール、オリーブオイル、塩、胡椒、レモネ、ミルク、卵、酸味のある赤ワインを一本。
黒パン、チーズ、ベーコン、モゥモゥの肉、木箱に入ってる骨。
レッタ、ルウクとクレンス、トーマ、ニンシク、ガージョ、ネルギ。
キャロル、メルクル、キベット、オニロ。
「あ、グレイスさんは大きなスープ用の鍋の用意もお願いします」
「直ぐに準備します」
「わかった」
「後、フィンにぃは、おばあちゃんが作ってくれた容器を二個、貰ってきて?」
「了解」
返事をするなり三人が、準備に取り掛かる。
アリスも行こうとすれば、フィンに「アリスは、ここにいて」と止められた。
仕方なく、アリスはその場にとどまる。
まず最初に戻ってきたのはフィンで、魔道具をアリスに渡すとユースを手伝いに向かった。
バジルドレッシングは、細かくみじん切りにしたバジルにオリーブオイル、レモンのしぼり汁、赤ワインを少々、塩、胡椒を入れて混ぜれば完成。
バルサミコ酢や酢があれば赤ワインは必要ない。
そして、マヨネーズ。
全卵の卵、オリーブオイル、レモネのしぼり汁、塩、胡椒をひたすら混ぜるだけ。
サラダ用にもおやつ用にも使えるフレッシュチーズ。
低温で温めたミルクに、レモネのしぼり汁を入れたら放置。
分離したら晒しに取り出し、水分を絞ってできる。
簡単だけど美味しく食べられる。
最後に牛コツスープだが、こちらは煮込んでいく時間の方がかかる。
余計な血管や肉を綺麗に洗った後、水を張った鍋に洗った骨を入れ三十分置く。
次に、水を入れ替えあく抜きするため煮だす。
それが終わったら、再び余計な部分を取り除く。
ニンニク、生姜、ネギの青い所と共に入れ煮込む。
スープだけで、約五時間ほどかかる。
けれど、美味しいごはんには美味しいスープがアリス的には、必須なので仕方ないと諦めて貰う。
「これでいいか?」
調理内容を考えている間に、作業台の上には頼んだものが準備されていた。
素材をひとつひとつ確認したアリスは、グレイスを見て頷くと作り方を説明する。
「まずは、牛コツスープから作ろうと思います。グレイスさんとユースさん、あとフィンにぃも手伝ってね?」
「わかった」
「了解」
「はい!」
三人の返事を聞き、アリスはにっこり微笑むと牛コツの下処理から教え始めた。
元々料理が好きなのか、グレイスの手つきに迷いはない。
ユースは少したどたどしいが、丁寧に骨の処理をしていく。
フィンは予想外に不器用だった。
骨の向きを変えてはナイフを入れ、骨をバキバキと割ってしまう。
それを見ていたほかの料理人たちが、手伝いを申し出てくれる。
スムーズとは言い難いが、流石本職だ。
数本も処理すれば慣れたようで、次々と処理されていく。
皆、手つきがいい。これなら少しは早く終わりそうだ。
そう考えたアリスは、フィンに別の作業をお願いすることにした。
「フィンにぃ。お野菜とかハーブ、お肉とかを切って欲しいの」
「うん。わかった」
アリスがお願いと両手を合わせて可愛らしく頼めば、フィンは骨を放置して野菜にとりかかる。
切り方については、随時聞きに来てほしいと言うお願いも忘れない。
そうして、骨の第一処理が終わり、水につける。
本当は牛乳がいいのだが魔獣がいるこの世界では、あまり牧畜がされておらずミルクの値段は安くない。
「三〇分――えーっと、しばらくこのままにするから、他の人もお野菜をお願いします。グレイスさんとユースさんは、サラダのドレッシング作ろう!」
手伝いをしてくれた三人が、フィンの元へ行く。
アリスはグレイスとユースの二人に、ドレッシングの作り方を口頭で教える。
ユースがバールを細かく刻む間、グレイスがボールにその他の材料を入れて貰う。
「グレイスさん、少し舐めてみて?」
「ん-、少し甘いか?」
「それなら、塩とレモネの汁を追加して」
「わかった」
バールは香りこそバジルだが、少し苦みが強い。
だからこそバールを入れる前に、ある程度味を決めておく必要があった。
おぉ、いいなと漏らしたグレイス。
アリスは、ユースに刻んだバールを入れてと伝える。
あとは軽く混ぜたら、バールドレッシングが出来上がった。
「舐めて、味を覚えるといいよ」
アリスに勧められ、グレイスがスプーンに入ったドレッシングを指につけて舐める。
ユースといつの間にか傍にいた三人の料理人たちも、同じく指にドレッシングをつけ舐めた。
「バール独特の爽やかな香りが鼻を抜けたかと思えば、レモネの風味と酸味がいいな」
「おぉ! これは野菜にあいそうですね!」
「うん。これなら野菜を食べようと言う気になりますよ!」
グレイスと四人は、口々に褒める。
これまで生で食べるだけだったことを思えば、興奮するのも理解できるなとアリスは独りうんうんと頷いた。
気に入ってくれたかな? 味音痴でもない限り、大丈夫だと思うけど……。
と、期待を込めた眼差しをグレイスに向ける。
「なんだ……この美味い料理は!」
「美味いだろう? それはこのアリスが作った携帯食のようなものだ」
「これを? この子が? 冗談だろう?」
驚いたように目を見開き、グレイスはアリスを凝視する。
「本当だ! それで、感想は?」
「……そ、そうだな。削がれた肉、野菜が新鮮で食べやすい。その二つを纏めるようにかかったソースが、より美味さを引き立てている。もっちり柔らかな皮は、食材の触感を邪魔していない上に、手も汚れない」
べた褒めされたアリスは嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り混じり、小さな手で頬を抑えてもじもじとした。
良かった。喜んでもらえた! と飛び上がりそうになる気持ちを抑え、アリスは再びグレイスへ話しかける。
「もし、グレイスさんが嫌じゃなかったら、簡単な料理の作り方を教えますから、お料理しませんか?」
「……いいのか?」
「はい! こんな素敵な宿なのに、お料理が残念なのが悲しいの」
悲し気に目を伏せるアリスの背をゼスの大きな手が優しく撫でる。
しばし無言で考えていたグレイスは、意を決したように椅子から立ち上がるとアリスの前に膝をつき「よろしく頼む」と頭を下げた。
「明日の昼過ぎから頼んでもいいか?」と、グレイスが聞く。
予定のないアリスは、大丈夫だと頷いた。
翌日、約束の時間になったアリスは、フィンに手を引かれキッチンへ入る。
家のキッチンの二倍はある広さのキッチンには、エプロンをした無骨な四人の男性が。
仕込み中、突然子供が入ってきたせいで、四人は驚きを隠せない様子だ。
そんな彼らにグレイスは、気にせず作業を続けろと声をかける。
そして、アリスたちを開いていた作業台へ案内した。
料理を教えると言ったものの何を作るか、アリスは決めかねていた。
あれこれ悩み、最終的にいつも使っている食材――キッチンにある材料を使うことにする。
グレイスに許可を取り、キッチン内のあちこちに置かれた食材をチェックする。
裏口側にある木箱を覗いたアリスは「これは使える!」と、独り言を漏らしてニマニマした。
「今日作るのは、フレッシュチーズのサラダ・バールドレッシング和えとマヨピザパン。それから牛コツを使った具沢山スープです」
「名前を聞く限りじゃ、よくわからんが……まぁ、欲しい物を言ってくれ。準備させる」
分からないだろうと思いながらアリスは、一応の意味を込めて作る料理名を伝えてみた。
やっぱりと、首をかしげるグレイスを見たアリスはくすくすと笑う。
「ユース! 手伝いを頼む」
「はい!」
ユースと呼ばれた男性は、このキッチンの中で一番若い。
こげ茶の髪、同じ色の瞳をした一〇代後半の人族だ。
見習いさんかなと、アリスは思いつつユースと挨拶を交わした。
さっそくユースに、食材を運んで貰うことにする。
「まず、用意してほしい物を言いますね」
アリスは欲しい食材を告げていく。
かなりの量があるので、アリス自身も運ぶつもりだ。
バール、オリーブオイル、塩、胡椒、レモネ、ミルク、卵、酸味のある赤ワインを一本。
黒パン、チーズ、ベーコン、モゥモゥの肉、木箱に入ってる骨。
レッタ、ルウクとクレンス、トーマ、ニンシク、ガージョ、ネルギ。
キャロル、メルクル、キベット、オニロ。
「あ、グレイスさんは大きなスープ用の鍋の用意もお願いします」
「直ぐに準備します」
「わかった」
「後、フィンにぃは、おばあちゃんが作ってくれた容器を二個、貰ってきて?」
「了解」
返事をするなり三人が、準備に取り掛かる。
アリスも行こうとすれば、フィンに「アリスは、ここにいて」と止められた。
仕方なく、アリスはその場にとどまる。
まず最初に戻ってきたのはフィンで、魔道具をアリスに渡すとユースを手伝いに向かった。
バジルドレッシングは、細かくみじん切りにしたバジルにオリーブオイル、レモンのしぼり汁、赤ワインを少々、塩、胡椒を入れて混ぜれば完成。
バルサミコ酢や酢があれば赤ワインは必要ない。
そして、マヨネーズ。
全卵の卵、オリーブオイル、レモネのしぼり汁、塩、胡椒をひたすら混ぜるだけ。
サラダ用にもおやつ用にも使えるフレッシュチーズ。
低温で温めたミルクに、レモネのしぼり汁を入れたら放置。
分離したら晒しに取り出し、水分を絞ってできる。
簡単だけど美味しく食べられる。
最後に牛コツスープだが、こちらは煮込んでいく時間の方がかかる。
余計な血管や肉を綺麗に洗った後、水を張った鍋に洗った骨を入れ三十分置く。
次に、水を入れ替えあく抜きするため煮だす。
それが終わったら、再び余計な部分を取り除く。
ニンニク、生姜、ネギの青い所と共に入れ煮込む。
スープだけで、約五時間ほどかかる。
けれど、美味しいごはんには美味しいスープがアリス的には、必須なので仕方ないと諦めて貰う。
「これでいいか?」
調理内容を考えている間に、作業台の上には頼んだものが準備されていた。
素材をひとつひとつ確認したアリスは、グレイスを見て頷くと作り方を説明する。
「まずは、牛コツスープから作ろうと思います。グレイスさんとユースさん、あとフィンにぃも手伝ってね?」
「わかった」
「了解」
「はい!」
三人の返事を聞き、アリスはにっこり微笑むと牛コツの下処理から教え始めた。
元々料理が好きなのか、グレイスの手つきに迷いはない。
ユースは少したどたどしいが、丁寧に骨の処理をしていく。
フィンは予想外に不器用だった。
骨の向きを変えてはナイフを入れ、骨をバキバキと割ってしまう。
それを見ていたほかの料理人たちが、手伝いを申し出てくれる。
スムーズとは言い難いが、流石本職だ。
数本も処理すれば慣れたようで、次々と処理されていく。
皆、手つきがいい。これなら少しは早く終わりそうだ。
そう考えたアリスは、フィンに別の作業をお願いすることにした。
「フィンにぃ。お野菜とかハーブ、お肉とかを切って欲しいの」
「うん。わかった」
アリスがお願いと両手を合わせて可愛らしく頼めば、フィンは骨を放置して野菜にとりかかる。
切り方については、随時聞きに来てほしいと言うお願いも忘れない。
そうして、骨の第一処理が終わり、水につける。
本当は牛乳がいいのだが魔獣がいるこの世界では、あまり牧畜がされておらずミルクの値段は安くない。
「三〇分――えーっと、しばらくこのままにするから、他の人もお野菜をお願いします。グレイスさんとユースさんは、サラダのドレッシング作ろう!」
手伝いをしてくれた三人が、フィンの元へ行く。
アリスはグレイスとユースの二人に、ドレッシングの作り方を口頭で教える。
ユースがバールを細かく刻む間、グレイスがボールにその他の材料を入れて貰う。
「グレイスさん、少し舐めてみて?」
「ん-、少し甘いか?」
「それなら、塩とレモネの汁を追加して」
「わかった」
バールは香りこそバジルだが、少し苦みが強い。
だからこそバールを入れる前に、ある程度味を決めておく必要があった。
おぉ、いいなと漏らしたグレイス。
アリスは、ユースに刻んだバールを入れてと伝える。
あとは軽く混ぜたら、バールドレッシングが出来上がった。
「舐めて、味を覚えるといいよ」
アリスに勧められ、グレイスがスプーンに入ったドレッシングを指につけて舐める。
ユースといつの間にか傍にいた三人の料理人たちも、同じく指にドレッシングをつけ舐めた。
「バール独特の爽やかな香りが鼻を抜けたかと思えば、レモネの風味と酸味がいいな」
「おぉ! これは野菜にあいそうですね!」
「うん。これなら野菜を食べようと言う気になりますよ!」
グレイスと四人は、口々に褒める。
これまで生で食べるだけだったことを思えば、興奮するのも理解できるなとアリスは独りうんうんと頷いた。
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