10 / 103
十二歳編
リルルリア編――洗礼式の服
しおりを挟む
リルルリアの街に入った二日目。
アリスとアンジェシカ、フェルティナは買い物のため六の幹へ来ていた。
ジェイクをはじめとした男性陣は、冒険者ギルドにこれまでの素材などを売ったり、装備を見たりするため五の幹に留まっている。
宿屋を出て一五分。
六の枝に到着するとアンジェシカの誘導で、一つの洋裁店に入った。
柔らかな笑みを浮かべて迎えてくれたのは、人族のふくよかな叔母様。
赤茶の髪を綺麗に纏め上げ、ピンと伸びた背筋は、光沢のある生地を使ったワンピースをおしゃれに見せている。
「久しぶりね。ニコラ」
「あらあら、まぁまぁ、ジェシカじゃないの! 本当に久しぶりだこと、元気にしていた?」
「えぇ、元気よ。ニコラあなた、また少しふくよかになったんじゃない?」
「ふふふ。毎日ご飯が美味しくてつい食べちゃうのよ!」
楽し気に会話するアンジェシカと店主を他所に、アリスは初めての洋裁店をちょろちょろとみて回る。
フリフリのドレスを見つけたアリスは、可愛い! 刺繍も細かい! これ全部手作りなんだよね? 凄い!! と、一人感動に打ちひしがれる。
アリスをアンジェシカが呼ぶ。
「アリス。いらっしゃい」
「おばあちゃん。何?」
「あらあら、あなたがアリスね。私はニコラよ。よろしくね? それにしても美人ね~」
美人と言われたアリスは、もじもじと手遊びする。
その様子に大人三人が、楽しそうな声で笑う。
「そうそう。ここに来た目的なのだけど。アリスに洗礼用の服を頼みたいのよ」
「洗礼って言ったら一二歳からでしょう? まだ早いわよ!」
「ふふふ。これでもアリスはあと数日で一二歳なの。エルフは、人に比べて成長が遅いから……」
「あぁ、そうだったわね。つい忘れてたわ!」
ニコラはそう言って快活に笑うと蔦のようなものを取り出した。
「それは、何?」
「これで貴方の身体を図るのよ! さぁ、奥に行きましょうか!」
蔦の使い道にアリスはキョトンとする。
だが、次の瞬間ニコラに抱っこされ奥の部屋へと連れていかれた。
カーテンで仕切られた部屋を見回したアリスは、どうやら採寸する部屋なのだろうと納得する。
「さぁ、お洋服を脱いで下着姿になりましょうね」
にっこりと笑ったニコラにアリスは着ていたワンピースを脱がされる。
言ってくれれば自分で脱いだのに……と、羞恥心で顔を赤くしながらアリスは悶えた。
一〇分後。
無事に採寸を終えたアリスの前には、ニコラオススメの洋服がずらりと並んでいた。
だが、どれもこれも白に近い物ばかりで、アリスは首をかしげる。
「あぁ、そう言えばアリスには説明してなかったわね。神殿で行われる洗礼式には、男の子も女の子も白っぽいお洋服を着るのよ」
「そうなんだ!」
「さて、アリスちゃんはどれがいいからしらね~」
「ニコラ、最近の流行りはどのあたりなの?」
「そうね~。最近だと、ここらあたりかしら?」
そう言ったニコラは最近主流となっているティアードワンピースをいくつかマリアの前に置いた。
七分袖のそれは、胸の下に切り替えが付いていて、スカート部分はフレアになっている。
スカートの長さはひざ下五センチ。
白に近い淡い色合いの生地の上に、白い糸で複雑に編まれたレースを透ける白い生地に縫い付け重ねてある。
しかも、下の生地の裾にもレースが縫い付けられている分長くなっていて、とてもおしゃれだ。
「可愛い!」
手を叩き喜ぶアリスをフェルティナは、落ち着かせるため抱き上げる。
「さぁ、アリス。どれがいいかしらね?」
アンジェシカに問われ、アリスは悶々と考える。
黄色もいいけど……ピンクも捨てがたい。あぁでも、水色も可愛いし……。そんなに着る機会もないから、どれか一つにしないと。どれがいいかな? どうしよう、決まらない!
考えれば考えるほど決まらないアリスは、無言でワンピースを見つめる。
そんなアリスにくすっと笑ったフェルティナが、薄い藤色のワンピースを手に持ち見せた。
「これはどう? アリスの瞳の色によく似ているし。ママは、きっと似合うと思うわ」
「似合うかな?」
「えぇ、絶対に似合うわ!」
力強く頷いたフェルティナの言葉を信じることにした。
「じゃぁ、それにする!」
「普段着もいくつか買っていきましょうね」
洗礼用の衣装が決まった途端、二人が楽し気に洋服を選び出す。
「これはどうかしら?」と、服を見せながら聞かれたアリスは、アンジェシカが選んだ服に瞳を輝かせた。
だが、時間が経つにつれアリスの瞳は、徐々に死んでいくことになる。
アリスを溺愛気味に可愛がる二人が、暴走しだしたのだ。
店に置いてある似合いそうな服を手に取るたび、二人はいい笑顔で身体にあてては「着てみて?」と言う。
そこへニコラまで加わり、アリスは大人三人の着せ替え人形と化したのであった。
「……つ、つかれた」
「あはは、大丈夫だった?」
「大丈夫かい? アリス」
宿に戻っても未だ興奮気味二人から逃げるように、フィンとクレイの部屋に避難していた。
部屋に入るなりベットに突っ伏したアリスを見て、二人は何があったのか悟る。
「大丈夫じゃないー。にぃたちどうして教えてくれなかったの?」
恨めし気な瞳を二人に向けながら愚痴をこぼしたアリスは、二人が「だってな~」と言い訳しながら苦笑いを浮かべると再びベットに顔を埋めた。
兄たちにあたっても仕方ないことはアリスも理解している。
だが、あたらずにはいられないのだ。
ぶつぶつと愚痴を零すアリスの頭をフィンとクレイが優しく撫でて慰める。
撫でる度、徐々に荒んだ心が癒されていく。
そうして、夕食までの時間アリスは、思う存分兄二人に甘えた。
その日の夕食は、昨日以上に残念なものだった。
シチューに水を加え、具材を足したまでは良い。
だが、味付けが薄すぎる。
こんなものをお客に、出しちゃいけないよ。
そう思ったアリスは、じーっとグレイスを見つめ意を決して話しかけた。
「あの、グレイスしゃん」
噛んだ! と理解した途端、アリスの可愛らしい顔が売れたリンゴのように真っ赤に染まる。
だが、お酒の入ったグレイスはアリスが噛んだことに気付かず「おう、どうした?」と返す。
気にされていない事に気付いたアリスは気を取り直して、食事の味付けについて話を切り出した。
「あの、これ……美味しくないです」
「……え?」
アリスの小さな指がほぼ味のしないスープを示す。
「せめて、完成したら一度味見した方がいいです。それに、サラダも……そのまま食べるぐらいなら美味しく食べるためのソースを入れた方がいいです。後、パンですけど……子供には硬すぎて食べにくいです。これじゃ、お客さん減っちゃう」
失礼なことは重々承知でアリスは、ダメだしする。
ジェイクの友人であるグレイスのために、アリスなりに一生懸命考えて訴えた。
眉間にしわを寄せたグレイスがアリスをジッと見つめる。
そんなグレイスの肩を叩き、ジェイクがあるものを手渡した。
「なんだこれは?」
「アリスが作ったクレープだ。まぁ、食べてみればいい」
そう告げるとジェイクは、思わせぶりな笑顔を浮かべた。
オズオズと言った様子でグレイスは、クレープを包んだ紙を剥いでいく。
そして、ぱくっと一口食べ咀嚼した。
アリスとアンジェシカ、フェルティナは買い物のため六の幹へ来ていた。
ジェイクをはじめとした男性陣は、冒険者ギルドにこれまでの素材などを売ったり、装備を見たりするため五の幹に留まっている。
宿屋を出て一五分。
六の枝に到着するとアンジェシカの誘導で、一つの洋裁店に入った。
柔らかな笑みを浮かべて迎えてくれたのは、人族のふくよかな叔母様。
赤茶の髪を綺麗に纏め上げ、ピンと伸びた背筋は、光沢のある生地を使ったワンピースをおしゃれに見せている。
「久しぶりね。ニコラ」
「あらあら、まぁまぁ、ジェシカじゃないの! 本当に久しぶりだこと、元気にしていた?」
「えぇ、元気よ。ニコラあなた、また少しふくよかになったんじゃない?」
「ふふふ。毎日ご飯が美味しくてつい食べちゃうのよ!」
楽し気に会話するアンジェシカと店主を他所に、アリスは初めての洋裁店をちょろちょろとみて回る。
フリフリのドレスを見つけたアリスは、可愛い! 刺繍も細かい! これ全部手作りなんだよね? 凄い!! と、一人感動に打ちひしがれる。
アリスをアンジェシカが呼ぶ。
「アリス。いらっしゃい」
「おばあちゃん。何?」
「あらあら、あなたがアリスね。私はニコラよ。よろしくね? それにしても美人ね~」
美人と言われたアリスは、もじもじと手遊びする。
その様子に大人三人が、楽しそうな声で笑う。
「そうそう。ここに来た目的なのだけど。アリスに洗礼用の服を頼みたいのよ」
「洗礼って言ったら一二歳からでしょう? まだ早いわよ!」
「ふふふ。これでもアリスはあと数日で一二歳なの。エルフは、人に比べて成長が遅いから……」
「あぁ、そうだったわね。つい忘れてたわ!」
ニコラはそう言って快活に笑うと蔦のようなものを取り出した。
「それは、何?」
「これで貴方の身体を図るのよ! さぁ、奥に行きましょうか!」
蔦の使い道にアリスはキョトンとする。
だが、次の瞬間ニコラに抱っこされ奥の部屋へと連れていかれた。
カーテンで仕切られた部屋を見回したアリスは、どうやら採寸する部屋なのだろうと納得する。
「さぁ、お洋服を脱いで下着姿になりましょうね」
にっこりと笑ったニコラにアリスは着ていたワンピースを脱がされる。
言ってくれれば自分で脱いだのに……と、羞恥心で顔を赤くしながらアリスは悶えた。
一〇分後。
無事に採寸を終えたアリスの前には、ニコラオススメの洋服がずらりと並んでいた。
だが、どれもこれも白に近い物ばかりで、アリスは首をかしげる。
「あぁ、そう言えばアリスには説明してなかったわね。神殿で行われる洗礼式には、男の子も女の子も白っぽいお洋服を着るのよ」
「そうなんだ!」
「さて、アリスちゃんはどれがいいからしらね~」
「ニコラ、最近の流行りはどのあたりなの?」
「そうね~。最近だと、ここらあたりかしら?」
そう言ったニコラは最近主流となっているティアードワンピースをいくつかマリアの前に置いた。
七分袖のそれは、胸の下に切り替えが付いていて、スカート部分はフレアになっている。
スカートの長さはひざ下五センチ。
白に近い淡い色合いの生地の上に、白い糸で複雑に編まれたレースを透ける白い生地に縫い付け重ねてある。
しかも、下の生地の裾にもレースが縫い付けられている分長くなっていて、とてもおしゃれだ。
「可愛い!」
手を叩き喜ぶアリスをフェルティナは、落ち着かせるため抱き上げる。
「さぁ、アリス。どれがいいかしらね?」
アンジェシカに問われ、アリスは悶々と考える。
黄色もいいけど……ピンクも捨てがたい。あぁでも、水色も可愛いし……。そんなに着る機会もないから、どれか一つにしないと。どれがいいかな? どうしよう、決まらない!
考えれば考えるほど決まらないアリスは、無言でワンピースを見つめる。
そんなアリスにくすっと笑ったフェルティナが、薄い藤色のワンピースを手に持ち見せた。
「これはどう? アリスの瞳の色によく似ているし。ママは、きっと似合うと思うわ」
「似合うかな?」
「えぇ、絶対に似合うわ!」
力強く頷いたフェルティナの言葉を信じることにした。
「じゃぁ、それにする!」
「普段着もいくつか買っていきましょうね」
洗礼用の衣装が決まった途端、二人が楽し気に洋服を選び出す。
「これはどうかしら?」と、服を見せながら聞かれたアリスは、アンジェシカが選んだ服に瞳を輝かせた。
だが、時間が経つにつれアリスの瞳は、徐々に死んでいくことになる。
アリスを溺愛気味に可愛がる二人が、暴走しだしたのだ。
店に置いてある似合いそうな服を手に取るたび、二人はいい笑顔で身体にあてては「着てみて?」と言う。
そこへニコラまで加わり、アリスは大人三人の着せ替え人形と化したのであった。
「……つ、つかれた」
「あはは、大丈夫だった?」
「大丈夫かい? アリス」
宿に戻っても未だ興奮気味二人から逃げるように、フィンとクレイの部屋に避難していた。
部屋に入るなりベットに突っ伏したアリスを見て、二人は何があったのか悟る。
「大丈夫じゃないー。にぃたちどうして教えてくれなかったの?」
恨めし気な瞳を二人に向けながら愚痴をこぼしたアリスは、二人が「だってな~」と言い訳しながら苦笑いを浮かべると再びベットに顔を埋めた。
兄たちにあたっても仕方ないことはアリスも理解している。
だが、あたらずにはいられないのだ。
ぶつぶつと愚痴を零すアリスの頭をフィンとクレイが優しく撫でて慰める。
撫でる度、徐々に荒んだ心が癒されていく。
そうして、夕食までの時間アリスは、思う存分兄二人に甘えた。
その日の夕食は、昨日以上に残念なものだった。
シチューに水を加え、具材を足したまでは良い。
だが、味付けが薄すぎる。
こんなものをお客に、出しちゃいけないよ。
そう思ったアリスは、じーっとグレイスを見つめ意を決して話しかけた。
「あの、グレイスしゃん」
噛んだ! と理解した途端、アリスの可愛らしい顔が売れたリンゴのように真っ赤に染まる。
だが、お酒の入ったグレイスはアリスが噛んだことに気付かず「おう、どうした?」と返す。
気にされていない事に気付いたアリスは気を取り直して、食事の味付けについて話を切り出した。
「あの、これ……美味しくないです」
「……え?」
アリスの小さな指がほぼ味のしないスープを示す。
「せめて、完成したら一度味見した方がいいです。それに、サラダも……そのまま食べるぐらいなら美味しく食べるためのソースを入れた方がいいです。後、パンですけど……子供には硬すぎて食べにくいです。これじゃ、お客さん減っちゃう」
失礼なことは重々承知でアリスは、ダメだしする。
ジェイクの友人であるグレイスのために、アリスなりに一生懸命考えて訴えた。
眉間にしわを寄せたグレイスがアリスをジッと見つめる。
そんなグレイスの肩を叩き、ジェイクがあるものを手渡した。
「なんだこれは?」
「アリスが作ったクレープだ。まぁ、食べてみればいい」
そう告げるとジェイクは、思わせぶりな笑顔を浮かべた。
オズオズと言った様子でグレイスは、クレープを包んだ紙を剥いでいく。
そして、ぱくっと一口食べ咀嚼した。
0
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
『聖女』の覚醒
いぬい たすく
ファンタジー
その国は聖女の結界に守られ、魔物の脅威とも戦火とも無縁だった。
安寧と繁栄の中で人々はそれを当然のことと思うようになる。
王太子ベルナルドは婚約者である聖女クロエを疎んじ、衆人環視の中で婚約破棄を宣言しようともくろんでいた。
※序盤は主人公がほぼ不在。複数の人物の視点で物語が進行します。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる