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噂の事件、その⑫ 裏の顔 パーシリィ・ヴィズ・アンスィーラ
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わたくしが憧れお慕いしているグレン・フォン・ティルタ・リュニュウス様は、覆面をした可笑しな少女を愛おしそうな双眸で見つめられていた。演技までせねばならぬグレン様が哀れに思えてならない。
本当であればグレン様の隣にいたのはわたくしのはずなのに――。
――グレン様と初めてお会いしたのは、まだグレン様が10歳のお誕生日を迎えられたばかりのお披露目のお茶会だった。
あのお茶会で初めてグレン様のご尊顔を拝見したわたくしは、グレン様に恋をした。
呆然とグレン様を見つめていたわたくしは、お父様に促されるままご挨拶申し上げ、横に侍る許可を頂いた。お茶会中声をかけていただける、僅かばかりの時間だが視線をわたくしが独り占めできる。たったそれだけの事だが、その当時のわたくしにとって天にも昇る様な気持ちだったのだ。
それ、なのに…………。
お茶会から数か月後、お父様に我儘を言い城内へと連れて行って頂き再開したグレン様は……人が変わったように冷たく、言葉のナイフでわたくしを傷つけた。
許せなかった。あの茶会で、いずれはこの中のご令嬢の誰かを妻に迎えることになると仰せだった。それなのに、何故……。
その理由が分かったのは更に年月を重ねてからだった。
前王陛下が体調不良を理由に、グレン様に王位を譲られた。
新王陛下になられたグレン様だが、当時は、王家派、反王家派、地方貴族派、神殿派と言った貴族の派閥問題が表面化しておりかなりのご苦労があったと聞く。
その際、すべてを黙らせたのが、ヴィルフィーナ公爵家とヴィジリット辺境伯家だった。派閥問題が片付いて直ぐに、ヴィルフィーナ公爵家の令嬢が婚約者とする旨の公式発表が行われた。
そこでわたくしは気付いたのだ。
ヴィルフィーナ公爵が王に味方をし派閥問題を片づける代わりに ”あまりにも醜い顔のため覆面を被り素顔を見せないご令嬢” を娶るよう言ったのだと。
可哀想なグレン様……だから、グレン様にはニアミュール・ジュゼ・ヴィルフィーナの本当の素顔を見せ、婚約者に相応しくないと理解して貰う。本当にお側にいるべきは才色兼備を兼ね備え、魔力量も高いわたくしなのだと気付いていただく為に……。
「ご歓談中失礼いたします。パーシリィ様にお客様がおみえです。いつもの部屋へお越しください」
憎しみが膨れ上がるわたくしを呼んだ抑揚のない声の主は、来客がある事を伝えるとすぐに退室して行く。彼女のお蔭でこれ以上ここにいる必要がなくなり、多少なりとも頭が冷えてきた。
アンスィーラ家の姉妹の中でも取り分け美しいと言われてきたわたくしの笑顔に陛下もあの女も心を許し気付きもしていないだろう。
「それでは、明日の朝お迎えに参ります」
ソファーから立ち上がりグレン様に向けカテーシーをして見せ、部屋から退出する。必ず、必ず、わたくしが貴方を救ってみせますわ! そう心に近い離宮を後にした。
*******
「お待たせいたしましか?」
わたくしと男以外居ない質素な懺悔室の一室で、ローブに着いたフードを目深にかぶった男を前に声をかけ、丸椅子へ腰を下ろした。
「いや、問題ありませんよ。パーシリィ様はいつ見てもお美しいですね」
顔を見せずお世辞を言うローブの男=ホルフェスに、愛想笑いを浮かべ「それで、本日はどのような要件ですか?」と先を促す。
ホルフェスは実父であるお父様の紹介だ。そうでなければ絶対に二人で会い、話などしたりしない。こんな胡散臭い男と知り合いだなんてグレン様に知られれば、わたくしの品位にかかわりますわ。
笑顔ですべてを隠し、男が話すのを待つ。
「お父君から、パーシリィ様を補助する魔道具を渡すよう頼まれまして……」
「お父様から?」
訝しげに目を眇めたわたくしに、ホルフェスは頷きながら黒い手袋を嵌めた右手を差し出した。
コトっという音と共に覆いかぶさっていた手が離れる。そこに現れた魔道具は、私でも片手で持てそうなほどの大きさで、小さな宝石が四方に四つついた正方形の石板に似た材質のものだ。宝石を繋ぐように複雑な魔法陣が焦がし銀で書かれている。
「これは?」
「この魔道具に血を一滴たらし、放れた場所でこの中央の窪みに魔力を流して下さい。動作すると血の持ち主だけが、深い、深い眠りつきます」
説明を終えたホルフェスは、うつ向いたまま唇だけが歪な形でニヤリと笑った。
誰の血をとは言わないのですね……。邪魔なあの女を眠らせれば、グレン様をお救いすることができるわけですね。えぇ、分かっていますとも……。
「血が必要なのね」
「えぇ、一滴だけで大丈夫ですよ……」
「そう。分かったわ。他はないのかしら?」
口角を上げ微笑んだままホルフェスへ他にと聞けばホルフェスは、ただ静かに「後はこちらで」と言いすぐさま深く頭を下げ懺悔室を出て行った。
彼が扉を抜け一人になったわたくしは、目の前に置かれた魔道具を見つめ一人笑みを深めるのだった。
決行するならば早い方がいいですわね。そう言えばと思い出すのは父親の言葉だ。
「最近、神殿内で良くない気配がする。十分に用心するように」と言った時のお父様の顔はあまり血色が良くなかったような……? それもこれもわたくしがグレン様と添い遂げればきっとすぐに治るはず。
まずはいつ決行するかを決めなくては……この神殿の奥、そうグレン様とあの女がいる離宮は特にわたくしたち神殿の幹部以外、決して出入りは出来ないのだから……時期を間違えてはいけないわね。
逸る気持ちを無理やり押さえつけ、計画を慎重に練るため自室へ戻った。
本当であればグレン様の隣にいたのはわたくしのはずなのに――。
――グレン様と初めてお会いしたのは、まだグレン様が10歳のお誕生日を迎えられたばかりのお披露目のお茶会だった。
あのお茶会で初めてグレン様のご尊顔を拝見したわたくしは、グレン様に恋をした。
呆然とグレン様を見つめていたわたくしは、お父様に促されるままご挨拶申し上げ、横に侍る許可を頂いた。お茶会中声をかけていただける、僅かばかりの時間だが視線をわたくしが独り占めできる。たったそれだけの事だが、その当時のわたくしにとって天にも昇る様な気持ちだったのだ。
それ、なのに…………。
お茶会から数か月後、お父様に我儘を言い城内へと連れて行って頂き再開したグレン様は……人が変わったように冷たく、言葉のナイフでわたくしを傷つけた。
許せなかった。あの茶会で、いずれはこの中のご令嬢の誰かを妻に迎えることになると仰せだった。それなのに、何故……。
その理由が分かったのは更に年月を重ねてからだった。
前王陛下が体調不良を理由に、グレン様に王位を譲られた。
新王陛下になられたグレン様だが、当時は、王家派、反王家派、地方貴族派、神殿派と言った貴族の派閥問題が表面化しておりかなりのご苦労があったと聞く。
その際、すべてを黙らせたのが、ヴィルフィーナ公爵家とヴィジリット辺境伯家だった。派閥問題が片付いて直ぐに、ヴィルフィーナ公爵家の令嬢が婚約者とする旨の公式発表が行われた。
そこでわたくしは気付いたのだ。
ヴィルフィーナ公爵が王に味方をし派閥問題を片づける代わりに ”あまりにも醜い顔のため覆面を被り素顔を見せないご令嬢” を娶るよう言ったのだと。
可哀想なグレン様……だから、グレン様にはニアミュール・ジュゼ・ヴィルフィーナの本当の素顔を見せ、婚約者に相応しくないと理解して貰う。本当にお側にいるべきは才色兼備を兼ね備え、魔力量も高いわたくしなのだと気付いていただく為に……。
「ご歓談中失礼いたします。パーシリィ様にお客様がおみえです。いつもの部屋へお越しください」
憎しみが膨れ上がるわたくしを呼んだ抑揚のない声の主は、来客がある事を伝えるとすぐに退室して行く。彼女のお蔭でこれ以上ここにいる必要がなくなり、多少なりとも頭が冷えてきた。
アンスィーラ家の姉妹の中でも取り分け美しいと言われてきたわたくしの笑顔に陛下もあの女も心を許し気付きもしていないだろう。
「それでは、明日の朝お迎えに参ります」
ソファーから立ち上がりグレン様に向けカテーシーをして見せ、部屋から退出する。必ず、必ず、わたくしが貴方を救ってみせますわ! そう心に近い離宮を後にした。
*******
「お待たせいたしましか?」
わたくしと男以外居ない質素な懺悔室の一室で、ローブに着いたフードを目深にかぶった男を前に声をかけ、丸椅子へ腰を下ろした。
「いや、問題ありませんよ。パーシリィ様はいつ見てもお美しいですね」
顔を見せずお世辞を言うローブの男=ホルフェスに、愛想笑いを浮かべ「それで、本日はどのような要件ですか?」と先を促す。
ホルフェスは実父であるお父様の紹介だ。そうでなければ絶対に二人で会い、話などしたりしない。こんな胡散臭い男と知り合いだなんてグレン様に知られれば、わたくしの品位にかかわりますわ。
笑顔ですべてを隠し、男が話すのを待つ。
「お父君から、パーシリィ様を補助する魔道具を渡すよう頼まれまして……」
「お父様から?」
訝しげに目を眇めたわたくしに、ホルフェスは頷きながら黒い手袋を嵌めた右手を差し出した。
コトっという音と共に覆いかぶさっていた手が離れる。そこに現れた魔道具は、私でも片手で持てそうなほどの大きさで、小さな宝石が四方に四つついた正方形の石板に似た材質のものだ。宝石を繋ぐように複雑な魔法陣が焦がし銀で書かれている。
「これは?」
「この魔道具に血を一滴たらし、放れた場所でこの中央の窪みに魔力を流して下さい。動作すると血の持ち主だけが、深い、深い眠りつきます」
説明を終えたホルフェスは、うつ向いたまま唇だけが歪な形でニヤリと笑った。
誰の血をとは言わないのですね……。邪魔なあの女を眠らせれば、グレン様をお救いすることができるわけですね。えぇ、分かっていますとも……。
「血が必要なのね」
「えぇ、一滴だけで大丈夫ですよ……」
「そう。分かったわ。他はないのかしら?」
口角を上げ微笑んだままホルフェスへ他にと聞けばホルフェスは、ただ静かに「後はこちらで」と言いすぐさま深く頭を下げ懺悔室を出て行った。
彼が扉を抜け一人になったわたくしは、目の前に置かれた魔道具を見つめ一人笑みを深めるのだった。
決行するならば早い方がいいですわね。そう言えばと思い出すのは父親の言葉だ。
「最近、神殿内で良くない気配がする。十分に用心するように」と言った時のお父様の顔はあまり血色が良くなかったような……? それもこれもわたくしがグレン様と添い遂げればきっとすぐに治るはず。
まずはいつ決行するかを決めなくては……この神殿の奥、そうグレン様とあの女がいる離宮は特にわたくしたち神殿の幹部以外、決して出入りは出来ないのだから……時期を間違えてはいけないわね。
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