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たいせつなもの

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茶々丸は、
ふくろうさんにおしえてもらったとおり、
はしりながらかんがえてみました。

たぬきさんは、ハラマキ
だいふくさんは、おともだち
るなちゃとれおくんは、たべるもの
こたろうくんは、きもち
まさるくんのおかあさんは、まさる
ふくろうさんは、かんがえること
じぶんでおもった、わらうこと

うーん
ほんとうにいっぱいあるなぁ
あれ?

きがつくと、ぜんぜんしらないみちを
はしっています。
かんがえながらはしっていたので
みちをまちがえてしまったのです。

こまったなぁ
もうゆうがたなのにどうしよう

いっしょうけんめいはしっても
ぜんぜんみちがわかりません。
あたりはどんどんくらくなってきました。
 
おかあさん...

茶々丸はこわくなって
なみだがでてきました。
するとなにかがまえからはしってきます。

「いた!!茶々丸くん!!よかった!」

たぬきさん!!

「きみをさがしてここまできたんです。
それと、こたろうくんにききましたよ。
ハラマキをみつけてくれてありがとう」

みつけたのはこたろうくんなのだけれど
いまはそれよりこまっていることがあります。茶々丸は、なきながらたぬきさんにみちをまちがえたことをはなしました。

「そうでしたか。
みんなであなたをさがしているんですよ。
ハラマキをわたしてください。
いいかんがえがありますから」

たぬきさんはハラマキをうけとると
よいしょ、とおなかにつけました。

「ソイッ!!ヤッサッサッー!!」

茶々丸が、へんなかけごえ、
なんておもっていたら、、なんと!

たぬきさんはみるみる、
それはそれはおおきなおおきなとりに
へんしんしました。

「さぁ、わたしのせなかにのってください。
みんなのところにかえりましょう」

茶々丸がとびのると
ばさっとつばさをはためかせ
そらたかくとびたちました。

はじめてでした。
そらからみるいつものもり。
すごくきもちがいい。

「そういえば茶々丸くん、
みんなにたいせつなものをきいてまわっているみたいですね。
わたしはハラマキといったとおもいます。それは、ハラマキがないとこんなことができなからです。だからたいせつ。
でも、たいせつっていっぱいある。
もうしってるよね。
ほら、みてごらん」

たぬきさんにいわれて
したのもりをみると、、

あせだくになってはしっている
こたろうくん。

木から木へひょいひょいとびうつりながら
キョロキョロしている
まさるくんとおかあさん。

ホー!ホー!とさけびながらとんでいる
ふくろうさん。

なきながらはしっている
だいふくさん。

るなちゃんは木のうえで
れおくんはおおきないわのうえで
茶々丸のなまえをさけんでいます。

きつねさんも、
いのししさんも、
おおかみさんも、
みんな、みんな、
茶々丸をさがしています。

「みんな、きみのことがたいせつなんだよ」

ぽろぽろとなみだがでてきました。
それは、ほっとしたきもちと、うれしいきもちと、みんなにあやまりたいきもちが
まざって、茶々丸はもうなんでないているのかわかりません。

「みんなにしらせてあげよう」

たぬきさんがそういうと
おおきなからだがぜんぶ、
ピカピカとひかりだしました。

すると、
もりからわーっとこえがしました。

みんな茶々丸たちをみて、
てをふっています。
みんなニコニコしています。
でもひとりだけプリプリおこっている
だいふくさん。

「あっ!あそこにいこう」

たぬきさんはそういうと
茶々丸のおうちではなく、
茶々丸がよくあそぶ川へむかって
ゆっくりおりていきます。

.....おかあさん

そこには、
かおはなみだでびちょびちょ、
からだはどろでぐちゃぐちゃの、
おかあさんがいます。

茶々丸をさがしていたみんなも
川のほうへあつまってきます。


ゆっくり、ちかづいていく

ゆっくり、ゆっくり、

ゆっくりと、ぼくのたいせつなものに






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