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レイヤー0-5・形は無いのに重い
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……。
…………。
「ということがあったんですよ」
龍生は、そう言って話を〆た。重たい思い出なだけに軽く話しているつもりなのでしょうけど、なぜかそれが逆に生々しかった。
「……そうか。じゃあ、今日はお開きにしようか」
「僕も少し酔ったみたいだから、部屋に戻って休むよ」
二ノ宮さんと片田さんは、やや前かがみになりながらも口々に言って立ち上がった。そそくさと出ていく後ろ姿を見送り、私も小さくため息をついたわ。
まさか、そういう経緯とモデルがあったのね。単なる思いつきの絵じゃなかったことに少しショックを受けた。
けれど、話を聞いて頭の中で整理している間に、龍生の私に対する言動の理由が腑に落ちた。それはそれで嬉しいと喜ぶべきかしらね。
複雑なのに違いはない。
「作り話ってことにしといた方が良かったかな? 気分を悪くしたなら謝らないと」
龍生は困ったように言うけれど、気にするところがズレている気がするわよ。
さておき、私も流石に色々と思うところがあるわ。
「じゃあ、俺も戻るわ。ウメさんにお礼を言っといて。ん?」
「……今から龍生の部屋に行っても良いでしょ?」
立って部屋を出ていこうとする龍生の服を掴んで、私は顔を反らしながら訊ねた。今更お酒が回ってきたのか、体中がとても熱い。
「あ……」
龍生も私の反応で察してくれたみたい。
「良いでしょう? ちょっとハードなのでも、いえ、ちょっとハードにして欲しい、わ……」
「わかった」
私はそう訴えた。龍生は頷いてみせた。
どことなく嬉しそうだし、もうジーンズも大きく膨らんで反応を始めていた。私は自身の思わぬ浅ましさに気づいて、呆れながらも背筋に走る快感を享受する。
当然、この後、私達はめちゃくちゃヤったわ。また、それについて語る日はくるのかしら?
…………。
「ということがあったんですよ」
龍生は、そう言って話を〆た。重たい思い出なだけに軽く話しているつもりなのでしょうけど、なぜかそれが逆に生々しかった。
「……そうか。じゃあ、今日はお開きにしようか」
「僕も少し酔ったみたいだから、部屋に戻って休むよ」
二ノ宮さんと片田さんは、やや前かがみになりながらも口々に言って立ち上がった。そそくさと出ていく後ろ姿を見送り、私も小さくため息をついたわ。
まさか、そういう経緯とモデルがあったのね。単なる思いつきの絵じゃなかったことに少しショックを受けた。
けれど、話を聞いて頭の中で整理している間に、龍生の私に対する言動の理由が腑に落ちた。それはそれで嬉しいと喜ぶべきかしらね。
複雑なのに違いはない。
「作り話ってことにしといた方が良かったかな? 気分を悪くしたなら謝らないと」
龍生は困ったように言うけれど、気にするところがズレている気がするわよ。
さておき、私も流石に色々と思うところがあるわ。
「じゃあ、俺も戻るわ。ウメさんにお礼を言っといて。ん?」
「……今から龍生の部屋に行っても良いでしょ?」
立って部屋を出ていこうとする龍生の服を掴んで、私は顔を反らしながら訊ねた。今更お酒が回ってきたのか、体中がとても熱い。
「あ……」
龍生も私の反応で察してくれたみたい。
「良いでしょう? ちょっとハードなのでも、いえ、ちょっとハードにして欲しい、わ……」
「わかった」
私はそう訴えた。龍生は頷いてみせた。
どことなく嬉しそうだし、もうジーンズも大きく膨らんで反応を始めていた。私は自身の思わぬ浅ましさに気づいて、呆れながらも背筋に走る快感を享受する。
当然、この後、私達はめちゃくちゃヤったわ。また、それについて語る日はくるのかしら?
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