嘘をつける俺が女神達を騙して好き放題やった結果

AAKI

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8話目「エロ肉に痴漢できる暮らしを」柏崎 芳子

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 リズム良く、レールと車輪の間で揺れる巨大な箱。それに合わせて動く手がある。

 電車の中で、柏崎かしわざき 芳子よしこは辟易していた。見渡す限り人、人、人――。

 都心の列車内はあいも変わらず朝から混み合っているが、これでも『鈴彩れいさい』に入ってから随分と緩和されたのだ。それもこれも、上伊那かみいな都知事の新都心構想によって。

「……令彩元年から蔓延した『ピノッキオ・ウィルス』により、政治機能は一新されることとなった」

 気を紛らわせるつもりで、近くに見えた新聞紙の内容を読み上げた。

「ふぅぅ……。嘘をつくと、一部分の肥大が発生するため、人は偽りから抜け出せたからだ」

 周囲からの圧により、その引き締まっているようで隠しきれない肉体が悲鳴を上げる。身をしぼませるように息を吐くも、グズリと股下から不快感が湧き出た。

 満員電車が憂鬱だった。今日は特に。

 朝の早い時間に生徒と出会うことはまずないのだが、その日は部活もしていない者の顔があった。

「先生ぇ、どうしたんです? さっきから」

 その生徒――鳩人は、後ろからねっとりまとわりつく声音で聞いた。

「ン……いえ、菅野君が手をぶつけてくるものだから、痛いだけよ……ァ」

 お尻を撫でる掌の感覚への戸惑いをなんとか隠しつつ、芳子は答えた。ただ、それは自らで読み上げた結果を招くだけに終わった。

 嘘を言えば先端に当たる部分が肥大して、擦れて快感を脳へと送る。

「えぇ? 僕は何もしてませんよ?」

 鳩人はどこか白々しく言ってのけるも、その反応は偽りのないものだった。

 芳子も、勘違いなのだろうかと考える。もしくは、わざとではないという可能性。

「フゥ、ンァッ……。このッ」

 鳩人でないなら誰なのかと、久しく忘れていた感覚を振り払い、芳子は周囲に鋭い視線を巡らせた。キッ睨みつけられ、乗客は何事かと驚きつつ目線を切った。

 それでも、スーツの上から撫でる手の動きは止まらない。的確に、女の快感を引き出す形で撫で擦る。服の上ということを考慮して、決して強くは触れずとも十分に伝わる力で。

 お尻を、そして乳房にまで手を伸ばしてくる。

「ア、いや、そこ、駄目……」

 身じろぎして振り払おうとするも、出てくる言葉は小さく見当違いだ。ここ数年、男旱おとこひでりだったこともあり快感に抗うことができない。

 それでもなんとか気持ちを保ち、どこから手が伸びてくるのか把握する。

「どう、アフンッ、して……?」

 問いかける言葉は、辛うじて鳩人に届く程度であった。

 なぜそこから伸びてくるのか、どうして嘘をついても平気なのか、芳子は戸惑いつつも聞いた。そもそも嘘をついているのかさえ、身悶えしたい快感のせいで考えることができない。

「や、アァ……うそ……。ウゥンッ。胸、そんなに強く揉んだらァ、ァ~ッ」

 なんと、お尻を撫で回すだけにとどまらず、手が前まできて肉厚な塊を揉みしだいた。サナほどのサイズであれば痛い程度のものだが、両手でも包み込めないレベルともなれば違う。

 ただただ力任せにするのではなく、先端や乳輪を優しく愛撫する巧みささえ持ち合わせていた。そのせいか、男を忘れていた体は発情。

 電車の音色にかき消されるほどのか細い声ではあるが、うっかり喘いでしまった。

 羞恥に慌て、生徒が痴漢しているという事実に抵抗をためらってしまう。それが悪手であり、隙間を突いてお尻側から正面へ手が回る。

「そ、そこ、はッ……ア、アァッ、ハァ~ンッ……」

 乳房に合わせて、股へと滑り込んだ指がショーツの上から恥豆を刺激した。

 布越しでもわかるほどに陰唇は濡れそぼり、グシュッと水音さえ豊満に太ももを通して伝わる。割れ目をなぞるように指が動く度にクチュクチュ嘆く。恥骨から腰骨を通って性的快感が走り、腰が跳ねる。

 周囲にバレていないかと視線を彷徨わせる。

「フゥ……フゥ……覚えて、なさい……」

 今は我慢とときだと、チャンスがあることを知っていて芳子は意気がった。

 普段からこの時間の電車に乗っているのだから、日常的なルーチンは理解していた。そして、数分後に到着する駅にはいつも鉄道警察をしている友人がいる。

「へぇ」

 鳩人は感慨なく反応して、どこか手を抜いたように布越しに性感帯をいじくり回していった。

「クッ……や、め……ん~ッ。ハァ、ハァ」

 このまま大人しく止めるようであれば、芳子も教育的指導ぐらいで終わらせても良いと思っていた。しかし、その期待も希望も打ち砕かれることとなる。

 普通のアナウンスが流れた後、変わらず駅に電車は停止する。

 扉が開くと同時に人の流れが外へと向かい、少し空いたおかげで芳子達の姿が見えるようになった。合わせて、ホームに立つ友人である女性も確認できた。

「ア、アァンッ! 流美るみ! ゥァッ、アァ~!」

 芳子は快感に堪えて、倉敷くらしき 流美に助けを求めた。なんとか呼びかけるも反応が残酷なのは、なぜなのか。

「ッ!」

 なぜか、警官の流美は起こっていることを理解しながらも顔を逸したのだ。

 そしてプシューと扉は閉まり、電車は無情にも走り出す。
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