76 / 99
14-家族
077 来客
しおりを挟む
残暑が遠退き、木々は緑から絵の具で塗ったようなカラフルな色へ変貌している。肌寒さも感じ、悠はタンスからカーディガンを引っ張り出して羽織った。
「店長、本日もよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
バイト時間は店長と雇われたアルバイトだ。エプロンを身に付けるとパソコンを起動させた。
ルカのスマホが鳴り、裏へ行き電話で何やら話し始めた。代わりに悠がフロアへ出ると、ちょうど客人がレジの前で待っている。レジを打ち、大量に購入を決めた客人をエレベーターまで見送った。
しばらく待ってもルカはフロアに来ない。奥の部屋では、少し怒ったような口調で話すルカの姿が見えた。まくし立てているのはフランス語である。
ドアのベルが音を鳴らし悠は振り返りながら客人を出迎えた。
「ようこそ、しらゆ……」
ルカと並んでも大差ないほどの身長だが、大柄な身体は細身のルカと比べるとかなり筋肉質だ。一度会ったことのある彼は忘れられるはずがない。前のように、睨みを利かせた目で悠を見下ろしている。
「テオドールさん……」
『なんでお前がいるんだよ』
英語で話す彼に合わせ、悠も切り替えた。
『ここ、ルカさんのお店で……』
『んなことは知ってんだよ。お前がいる理由を聞いてんだ』
『ここで、働いてて……』
『ストップ』
言い終わるのと同時に、悠は腕を掴まれ後ろへ引っ張られた。
『よおルーク、会いたかったぜ』
『大まかなことはクリスから聞きました』
『おっそうか』
『ええ、たった今ですが』
棘のある言い方で、ルカは腕を組んだ。
『何のご用で日本へ?』
『ルークに会いたかったからだよ』
『……他には?』
『日本に興味があった。まさかこいつがいるとは思わなかったが』
『悠は私の婚約者です。失礼な態度は私が許しません』
肩に置くルカの手に力がこもるが、嘘がばれないように悠は無言を貫いた。
『パリでは、大規模な日本のイベントが開催されています。あなたはよく出入りしていると伺っておりましたが』
『まあな。日本のラーメンとカレーが食いたい。それと、メイド喫茶に行きたい』
『それは私の管轄外です』
『え、ルカさん前に一緒に』
『悠』
『何でもないです』
『何だよ、ルークも行こうぜ。せっかく会えたんだし』
『カレーであれば、悠が得意です』
『……お前、料理出来んのか?』
『一応、人並みには』
悠を見ては目を逸らし、ふんと鼻を鳴らした。
『人並みどころか、お菓子作りもジャムも煮物も何でも作れます。魔法使いです』
『それは言い過ぎですよ』
『日本人は謙遜する生き物だって聞いたぞ。じゃあお前、美味いカレーは作れんのか?』
『美味しいかは好みによりますので……何とも』
『悠、お願いがあります。本日五階でカレーを作って頂けませんか?バイトは上がって下さい』
『いいんですか?それなら……はい。人手が足りなくなったら電話下さい』
夕方に差し掛かる時間帯であり、カレー以外のメニューも考え始めた。
玄関の扉が開き、悠は廊下に顔を出した。
「おかえりなさい」
「ただいま帰りました。良い香りがしますね」
「ありがとうございます」
疲れ切った顔のまま、テオドールは片手を上げ転がり込んだ。
『どうしたんですか?』
『……人使いが荒すぎる』
『無償でご飯を食べようなどと甘い考えです。宿泊施設も提供するのですから、これくらいは当然です』
『お店のお手伝いでしたか』
『もうクタクタだ……』
ソファーで寝そべりながら小言を吐く間に、急いで夕食の支度をした。甘めのカレーと、トマトサラダだ。
『マジで料理出来たのかよ。すげーなお前』
『食べてから褒めて下さい。口に合うか判りませんから』
悠とルカが手を合わせると、テオドールは訝しみながら同じ仕草を真似た。
『仏教徒というわけでないですし、手を合わす必要はありませんよ。好きに召し上がって下さい』
『そうかよ。イタダキマス』
片言でいただきますを言うと、テオドールは手を合わせた。悠はルカと出会ったときのことを思い出した。性格はまるっきり違えど、国を重んじる心はルカと何も変わらなかった。
『うめえ……何だこれ。こんなに美味いカレーは食ったことないぞ』
二杯のカレーを満足げに平らげ、出された紅茶も美味しそうに口を付けた。
『それで、テオドール。あなたがやってきた真実を伺います』
『真実?何言ってんだ?』
『まさか本当に日本を観光しにやってきたのですか?』
『おう。それと、ルークにも会いたかったしな。そういえば、クリスから封筒渡してくれって頼まれたんだった。もしルークに会えなかったら捨ててもいいって言われてるやつ』
ついで扱いの白い封筒を受け取り、ルカはペーパーナイフを使い丁寧に開けると、折り畳まれた紙を取り出した。
『案外、早く見つかったようです』
『何がだ?』
『私を弄んでいる人物です』
『ルークに何かあったのか?クリスも慌ただしく動き回ってたけど』
『私の婚約者を拉致し、マリオ・ブルーノを操り、回りくどいやり方で私に苦痛を与え続けている犯人です』
『お前、拉致られたのか?』
悠は頷いた。
『ディアンヌ・ボワッセ・ド・キュスティーヌ。私の異母兄弟です。それと、私の父』
『…………は?』
『クリスの情報です。まず間違いないでしょう』
『いや……あの子まだ十三かそこらだろ』
『確か、そのくらいの年齢だったと思います。自分の妹の年齢すら把握していない兄です』
ルカは紙に書いてある項目を読み上げた。
『悠を拉致し私とソフィアの家族をけしかけ引き合わせた犯人は、ディアンヌで間違いない。あるべきはずの資金が一部使われていて、ディアンヌが引き出したものと思われる。パソコンにメールでやりとりした形跡がある』
『何だそりゃ。何の目的で?』
『さあ、それは彼女に聞かなければなりません』
ルカは元通りに畳むと封筒の中へ入れた。
『冬にでも一度フランスへ戻らねばなりませんね。テオドール、配達お疲れ様でした。お風呂で疲れを癒してきて下さい』
テオドールがバスルームへ向かったのと同時に、ルカは新しく紅茶を入れ直した。先ほどの紅茶とは異なる、淡い黄みがかった水色だ。
「日本語で話します。先ほどの手紙には続きがあります。どうやら、ディアンヌは私が思っている以上に私のことを怨んでいるようです」
「ディアンヌさんとクリストファーさんは、目のことをご存じなんですよね?」
「そうです。恐らく、それが原因でしょう。私に対する恨み辛みを口にするそうですから。城や財産の相続をよほど私に継承させたくないのでしょうね。ソフィーと引き合わせたのも、再婚させようと目論見があるみたいです」
「ディアンヌさんは十三歳くらいって話してましたよね」
「確か……そうだったと、思います」
あやふやな答え方だった。
「物心がつけば、財産の争奪戦が始まります。ディアンヌはその典型です。何も珍しいことはないのです。あなたは私の側にいるために私という存在がドキュスティーヌ家の顔になっていますが、血筋の中では穏やかな部類です」
「ルカさんが穏やかなのは充分熟知しています」
ルカは曖昧に微笑み、手紙に書かれた続きを話した。
「クリスはあなたのことをとても心配していました。大学を卒業したら籍を入れるのか、進路はどうするのか」
「それは……いろんな国の言語の勉強に励みたいとは思っています」
「……そうですか。あなたは英語も難なく話せますし、イタリア語も上達ぶりは素晴らしいです。日本に留まるのがもったいないほどです」
「それ、トーマス教授にも似た話をして頂きました。もちろん、アンティークを学ぶのも同じくらいに楽しいです」
「……そうですか。それを聞いて…私は、」
扉が音を立て、湯気立つテオドールが入ってきた。フランス語で何かをまくし立て、呆れた様子でルカは立ち上がった。
「悠、先にお風呂へどうぞ。私は布団の用意をしてきます」
「僕も泊まっていいんですか?」
「嫌ですか?」
「そうじゃなくて、せっかくの家族団らんにお邪魔してしまうのはどうかと……」
「気になさる必要はありません。テオドールはあなたのことが嫌いなわけではないのです。これは私の勘ですが、きっと仲良くなれると思います」
『おいお前。家はこの近くか?』
テオドールはタオルで頭を拭くと、水滴が悠にも降りかかる。
『同じ池袋で、歩いて行けますよ』
『そうか。明日はお前の家に行く』
『え?なぜ?』
『日本のアパートに興味がある』
『ルカさんに聞いて下さい……僕のアパートは狭いですよ?三人入ればいっぱいいっぱいです』
『はは、それアパートじゃなく物置っていうんだぜ。面白い冗談だ』
冗談ではないのだが、テオドールはルカに確認すると「二人きりではなく、三人ならば良い」との答えだった。
古寂びたアパートを見ては呆然とし、中に入ればフランス語で息を巻いた。
『テオドール、英語で話しなさい』
『なんだよここ。うちの物置より狭いじゃねえか』
『だから昨日言ったんです』
『日本のアパートは小さめにできているのですよ』
『おお……これがちゃぶ台か』
テオドールはしゃがむと茶色の食台に触れた。ルカと悠は思わず顔を見合わせた。
『ちゃぶ台ってどこでも売ってるのか?』
『今はあまり。レトロショップなら置いていたりしますが』
『ならこれは諦めるか。フランスで職人に作ってもらう。次は炊飯器だ』
『フランスでも売っているでしょう?』
『日本製のものを日本で買うから意味があるんだよ。あとメイド喫茶』
『とりあえず、判りました。メイド喫茶以外ならばお付き合い致しましょう』
『いいのかよ。ならこいつと二人で行くけど』
『は?』
渾身のしかめ面で、ルカは眉間に皺を寄せた。
『お前、メイドに興味あるよな?』
『僕は特に……』
『可愛い子といろいろ話したりできるんだろ』
『僕にはルカさんがいるので』
声が裏返りそうになるが、何とか英語を絞り出した。押し問答の末にテオドールが一人で行くことになり、アパートを出た三人はタクシーに乗った。先に炊飯器が見たいというテオドールの要求通りに大型家電量販店へ行くが、身長もあり目立つ風貌の二人は必ずと言っていいほど二度見されている。
『テオドールさんって料理するんですか?』
『やらないけど挑戦はしたい。ドキュスティーヌ家ってみんな料理下手だよな、ルーク』
『………………』
ルカは話から逃れるように目を逸らす。
日本のメーカーが並ぶ中、日本語の読めないテオドールに代わり悠が英語で説明し、横でルカが笑顔で聞いている。店員は話に入らず、遠くから見守っていた。
『ニモノが作れるのがいい』
『どの炊飯器でも作れますよ。けどこれだと煮物用の炊き方もできます』
『ならそれだ』
上手く伝わった英語にほっとしていると、ルカはケーキも綺麗に焼けると書かれている炊飯器を眺めている。
「あなたが使っている炊飯器ですが、何年くらいお使いですか?」
「数年です。リサイクルショップで買ったんですよ。おばあちゃんが昔使っていたものに似ていて、即決しました」
ボタンが一つしかない、スイッチを下げるタイプの炊飯器だ。
「ならば、プレゼントさせて頂けませんか?」
「でも」
「お気に入りでしょうから無理に切り替えてとは言いません。おかずも作れるみたいですし、あなたの好きに使って下されば嬉しいです。もちろん、使わずに壊れたときの予備として押し入れに眠らせて下さっても構いません」
閑古鳥が鳴いていた店内だったが、家電に惹かれてか物珍しい外国人に惹かれてなのか、次第に人が集まり出した。
逃げるように三人は立ち去り、エスカレーターで上の階へ移動した。吸い寄せられるように大勢の客が集まっている店内は、炊飯器コーナーと比べるとごちゃごちゃしている。場所によりBGMも変わり、騒がしさに火がついたのか、テオドールは一人奥へと進んでいった。
「ルカさんは何か欲しいものはありますか?お礼ってほどじゃないですけど」
「あれです」
即決で指を差したのは、ボトルに入った柿の種だ。
「小袋タイプを選ばないあたり、さすがルカさんです」
「褒められた気はしませんが、ありがとうございます」
にっこりと悪意のない笑みを浮かべ、ルカはボトルと干し芋を手に取った。悠が支払いをしている間も満面の笑みで隣にいるが、その様子を女性店員は見上げないよう袋詰めに集中している。
「ご機嫌ですね」
「柿の種はとても美味しいです。いろんな味があり、チョコレートでコーティングされたものも好きです」
「あれ美味しいですよね。甘塩っぱさがたまんないんです」
テオドールを探そうとした矢先、固まったのはふたり同時だ。黒いカーテンで仕切られた空間は、海外のムードある曲が流れている。腕を組む男女が入り、吸い寄せられるようにカーテンを潜っていく。垂れたカーテンが揺れ、テオドールが何かを眺めていた。
嘆息を吐いたルカの後を追い、悠も恐る恐る中へ入る。
『よお』
『帰りますよ』
『待てって。お前、こういうの使うのか?』
品性の欠片もない顔で、悠に大人の玩具を見せびらかす。
『テオドール、口を慎みなさい。本気で怒ります』
『いいじゃんか。日本人ってむっつりの割にセックスレスなりやすいらしいぜ?フランスはセックス大国なんだから、教えてやった方がいい』
『余計なお世話です』
『これは?ルークのとどっちがデカい?』
『いい加減に……』
静かな怒りはガラスの割れる音によりかき消された。続けて男性の怒鳴り声が聞こえ、さらに衝撃音の後に女性や子供の悲鳴が響く。悠は動けなかった。男性の怒鳴り声で、立ちすくんでしまった。
ルカは悠の腰を掴み素早い動きで無理矢理しゃがませると、棚の向こうに移動する。テオドールも同じ動きでルカの後を追った。
『恐らく、強盗でしょうね。すぐそこはブランド品や腕時計のコーナーでした』
『ルカさん……もう大丈夫です。ありがとうございます』
悠を一瞥するが、背中の手はそのままだった。悠は一度深呼吸をし、冷静に状況を整理する。
『犯人は何人くらいでしょう』
『多分、二人くらい』
『見たのですか?』
『カーテン揺れたときにチラッと。覆面被ってて顔は見えなかった。手には物騒なもん持ってたな。日本は銃をぶっ放していい国だなんて知らなかったよ。新しい一面を知れたぜ』
『アメリカ大使館は治外法権でしょうが、どのように持ち込むかは問題になります。彼が持っているものが本物かどうか定かではありませんが』
隣にいる男性はガチガチに固まり、歯を鳴らしている。手に持っているものは状況に似つかわしくない、ピンクのボトルだ。
「それ……」
悠ははっと気づき、液体ボトルの並べられている棚を見た。触れたことのないボトルを取ると、巻かれているビニールを剥がした。意図に気づいたルカも、開封してボトルのキャップを外した。
「このようなものを手にしたのは生まれて初めてです」
「自然節理に逆らった色ですね」
カーテンのある出入り口に移動し、ふたりは顔を見合わせると一斉にボトルを流していく。とろみのある謎の液体は糸を引き、いやに生々しい。隙間からは男たちが割れたショーケースに手を入れ、腕時計を鞄に詰めているところだった。
粘り気のある液体は徐々に床を蝕んでいき、やがて男たちの足下へ到達する。だが目の前の欲望に駆られているせいか全く気づく様子はない。
奥にあるショーケースへ近づこうとしたとき、男の一人が大きな音を立てて派手に転び、続けて拳銃を手にした男も転倒した。
「お巡りさん!」
悠の叫び声と共に、非常階段へ待機していた警察官が一斉になだれ込んだ。
長い事情聴取を終え、逃げるようにタクシーへ乗り込んだ三人はビルへ戻るまで終始無言だった。沈黙を先に破ったのはテオドールで、ソファーにどっかり腰を下ろすと、深いため息を吐く。
『日本に来て命が危ぶまれるとは思わなかったぜ。こんなに危険な国だったのか……』
『滅多にありません。私も初めての経験です』
ルカは首もとのボタンを外し、悠の隣に座った。はっきりとした喉頭隆起が動き、真っ白な首に落ちる影も動いた。
『結局メイド喫茶に行けなかったしよお』
『あなたはこれからどうするのですか?』
『明日は京都と大阪行ってくる。お好み焼きとか、カニ鍋食いたい。それでフランスへ帰る』
『探せば関西でもメイド喫茶はあるでしょう。また近いうちにあなたに会いたいものですね』
テオドールは何か言いたそうに悠を見た。
『何か?』
『いや……、お前が肝の据わった男だとは思わなかった』
『少しは悠を見直しましたか?ピンチを反転させる力で、私は何度も悠に救われてきました』
『……見直したよ。けど男ってだけでやっぱり無理だ』
ここまでくると維持とトラウマが入り混じった何かが邪魔をしているとさえ感じた。悠を毛嫌いしているというより、性別に対するこだわりが強い。
『テオドール、先にシャワーを浴びてきなさい。本日の夕食は寿司を取ります』
『スシか!よっしゃ!』
目線だけでテオドールを見送り、ルカは立ち上がって三人分の出前を取った。ルカの流暢な日本語は電話越しでは日本人が話しているような、滑らかで滑舌もよく、日本人より聞きやすい。
「テオドールは、」
揺らぐ視線に不穏を感じ取り、悠はソファーに座り直した。
「幼少の頃、身体も弱く、人一倍小さな身体でした。小学生のときですが、付き人がほんの一瞬目を離した隙に連れ去られ、車に運ばれました。犯人はアジア人です。誘拐など起こり得る家柄ですが、彼はとても怖い思いをしています」
「それで……あんな」
「あなたに対する態度をしっかりと咎められない私がいます。傷ついて部屋から出てこなくなった彼を知っていますから。許してほしいとは思いませんし、行き過ぎた行動は叱ります。同情してほしいわけではありませんが、せめて普通に接してもらえますか?それがあの子にとって一番いいと思うのです」
「心の底からアジアが嫌いであれば、日本にわざわざ来ないと思います。彼も変わろうとしているのかもしれません。少しでも手助けになれば嬉しいです」
付けっぱなしでいた廊下の電気がチカチカとし、消耗品が底を尽きたかと見ると、ワンピース姿の少女が見上げていた。ふたりの視線に気づいた少女は居辛く感じたのか、ふと壁の中へ消えてしまった。
「店長、本日もよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
バイト時間は店長と雇われたアルバイトだ。エプロンを身に付けるとパソコンを起動させた。
ルカのスマホが鳴り、裏へ行き電話で何やら話し始めた。代わりに悠がフロアへ出ると、ちょうど客人がレジの前で待っている。レジを打ち、大量に購入を決めた客人をエレベーターまで見送った。
しばらく待ってもルカはフロアに来ない。奥の部屋では、少し怒ったような口調で話すルカの姿が見えた。まくし立てているのはフランス語である。
ドアのベルが音を鳴らし悠は振り返りながら客人を出迎えた。
「ようこそ、しらゆ……」
ルカと並んでも大差ないほどの身長だが、大柄な身体は細身のルカと比べるとかなり筋肉質だ。一度会ったことのある彼は忘れられるはずがない。前のように、睨みを利かせた目で悠を見下ろしている。
「テオドールさん……」
『なんでお前がいるんだよ』
英語で話す彼に合わせ、悠も切り替えた。
『ここ、ルカさんのお店で……』
『んなことは知ってんだよ。お前がいる理由を聞いてんだ』
『ここで、働いてて……』
『ストップ』
言い終わるのと同時に、悠は腕を掴まれ後ろへ引っ張られた。
『よおルーク、会いたかったぜ』
『大まかなことはクリスから聞きました』
『おっそうか』
『ええ、たった今ですが』
棘のある言い方で、ルカは腕を組んだ。
『何のご用で日本へ?』
『ルークに会いたかったからだよ』
『……他には?』
『日本に興味があった。まさかこいつがいるとは思わなかったが』
『悠は私の婚約者です。失礼な態度は私が許しません』
肩に置くルカの手に力がこもるが、嘘がばれないように悠は無言を貫いた。
『パリでは、大規模な日本のイベントが開催されています。あなたはよく出入りしていると伺っておりましたが』
『まあな。日本のラーメンとカレーが食いたい。それと、メイド喫茶に行きたい』
『それは私の管轄外です』
『え、ルカさん前に一緒に』
『悠』
『何でもないです』
『何だよ、ルークも行こうぜ。せっかく会えたんだし』
『カレーであれば、悠が得意です』
『……お前、料理出来んのか?』
『一応、人並みには』
悠を見ては目を逸らし、ふんと鼻を鳴らした。
『人並みどころか、お菓子作りもジャムも煮物も何でも作れます。魔法使いです』
『それは言い過ぎですよ』
『日本人は謙遜する生き物だって聞いたぞ。じゃあお前、美味いカレーは作れんのか?』
『美味しいかは好みによりますので……何とも』
『悠、お願いがあります。本日五階でカレーを作って頂けませんか?バイトは上がって下さい』
『いいんですか?それなら……はい。人手が足りなくなったら電話下さい』
夕方に差し掛かる時間帯であり、カレー以外のメニューも考え始めた。
玄関の扉が開き、悠は廊下に顔を出した。
「おかえりなさい」
「ただいま帰りました。良い香りがしますね」
「ありがとうございます」
疲れ切った顔のまま、テオドールは片手を上げ転がり込んだ。
『どうしたんですか?』
『……人使いが荒すぎる』
『無償でご飯を食べようなどと甘い考えです。宿泊施設も提供するのですから、これくらいは当然です』
『お店のお手伝いでしたか』
『もうクタクタだ……』
ソファーで寝そべりながら小言を吐く間に、急いで夕食の支度をした。甘めのカレーと、トマトサラダだ。
『マジで料理出来たのかよ。すげーなお前』
『食べてから褒めて下さい。口に合うか判りませんから』
悠とルカが手を合わせると、テオドールは訝しみながら同じ仕草を真似た。
『仏教徒というわけでないですし、手を合わす必要はありませんよ。好きに召し上がって下さい』
『そうかよ。イタダキマス』
片言でいただきますを言うと、テオドールは手を合わせた。悠はルカと出会ったときのことを思い出した。性格はまるっきり違えど、国を重んじる心はルカと何も変わらなかった。
『うめえ……何だこれ。こんなに美味いカレーは食ったことないぞ』
二杯のカレーを満足げに平らげ、出された紅茶も美味しそうに口を付けた。
『それで、テオドール。あなたがやってきた真実を伺います』
『真実?何言ってんだ?』
『まさか本当に日本を観光しにやってきたのですか?』
『おう。それと、ルークにも会いたかったしな。そういえば、クリスから封筒渡してくれって頼まれたんだった。もしルークに会えなかったら捨ててもいいって言われてるやつ』
ついで扱いの白い封筒を受け取り、ルカはペーパーナイフを使い丁寧に開けると、折り畳まれた紙を取り出した。
『案外、早く見つかったようです』
『何がだ?』
『私を弄んでいる人物です』
『ルークに何かあったのか?クリスも慌ただしく動き回ってたけど』
『私の婚約者を拉致し、マリオ・ブルーノを操り、回りくどいやり方で私に苦痛を与え続けている犯人です』
『お前、拉致られたのか?』
悠は頷いた。
『ディアンヌ・ボワッセ・ド・キュスティーヌ。私の異母兄弟です。それと、私の父』
『…………は?』
『クリスの情報です。まず間違いないでしょう』
『いや……あの子まだ十三かそこらだろ』
『確か、そのくらいの年齢だったと思います。自分の妹の年齢すら把握していない兄です』
ルカは紙に書いてある項目を読み上げた。
『悠を拉致し私とソフィアの家族をけしかけ引き合わせた犯人は、ディアンヌで間違いない。あるべきはずの資金が一部使われていて、ディアンヌが引き出したものと思われる。パソコンにメールでやりとりした形跡がある』
『何だそりゃ。何の目的で?』
『さあ、それは彼女に聞かなければなりません』
ルカは元通りに畳むと封筒の中へ入れた。
『冬にでも一度フランスへ戻らねばなりませんね。テオドール、配達お疲れ様でした。お風呂で疲れを癒してきて下さい』
テオドールがバスルームへ向かったのと同時に、ルカは新しく紅茶を入れ直した。先ほどの紅茶とは異なる、淡い黄みがかった水色だ。
「日本語で話します。先ほどの手紙には続きがあります。どうやら、ディアンヌは私が思っている以上に私のことを怨んでいるようです」
「ディアンヌさんとクリストファーさんは、目のことをご存じなんですよね?」
「そうです。恐らく、それが原因でしょう。私に対する恨み辛みを口にするそうですから。城や財産の相続をよほど私に継承させたくないのでしょうね。ソフィーと引き合わせたのも、再婚させようと目論見があるみたいです」
「ディアンヌさんは十三歳くらいって話してましたよね」
「確か……そうだったと、思います」
あやふやな答え方だった。
「物心がつけば、財産の争奪戦が始まります。ディアンヌはその典型です。何も珍しいことはないのです。あなたは私の側にいるために私という存在がドキュスティーヌ家の顔になっていますが、血筋の中では穏やかな部類です」
「ルカさんが穏やかなのは充分熟知しています」
ルカは曖昧に微笑み、手紙に書かれた続きを話した。
「クリスはあなたのことをとても心配していました。大学を卒業したら籍を入れるのか、進路はどうするのか」
「それは……いろんな国の言語の勉強に励みたいとは思っています」
「……そうですか。あなたは英語も難なく話せますし、イタリア語も上達ぶりは素晴らしいです。日本に留まるのがもったいないほどです」
「それ、トーマス教授にも似た話をして頂きました。もちろん、アンティークを学ぶのも同じくらいに楽しいです」
「……そうですか。それを聞いて…私は、」
扉が音を立て、湯気立つテオドールが入ってきた。フランス語で何かをまくし立て、呆れた様子でルカは立ち上がった。
「悠、先にお風呂へどうぞ。私は布団の用意をしてきます」
「僕も泊まっていいんですか?」
「嫌ですか?」
「そうじゃなくて、せっかくの家族団らんにお邪魔してしまうのはどうかと……」
「気になさる必要はありません。テオドールはあなたのことが嫌いなわけではないのです。これは私の勘ですが、きっと仲良くなれると思います」
『おいお前。家はこの近くか?』
テオドールはタオルで頭を拭くと、水滴が悠にも降りかかる。
『同じ池袋で、歩いて行けますよ』
『そうか。明日はお前の家に行く』
『え?なぜ?』
『日本のアパートに興味がある』
『ルカさんに聞いて下さい……僕のアパートは狭いですよ?三人入ればいっぱいいっぱいです』
『はは、それアパートじゃなく物置っていうんだぜ。面白い冗談だ』
冗談ではないのだが、テオドールはルカに確認すると「二人きりではなく、三人ならば良い」との答えだった。
古寂びたアパートを見ては呆然とし、中に入ればフランス語で息を巻いた。
『テオドール、英語で話しなさい』
『なんだよここ。うちの物置より狭いじゃねえか』
『だから昨日言ったんです』
『日本のアパートは小さめにできているのですよ』
『おお……これがちゃぶ台か』
テオドールはしゃがむと茶色の食台に触れた。ルカと悠は思わず顔を見合わせた。
『ちゃぶ台ってどこでも売ってるのか?』
『今はあまり。レトロショップなら置いていたりしますが』
『ならこれは諦めるか。フランスで職人に作ってもらう。次は炊飯器だ』
『フランスでも売っているでしょう?』
『日本製のものを日本で買うから意味があるんだよ。あとメイド喫茶』
『とりあえず、判りました。メイド喫茶以外ならばお付き合い致しましょう』
『いいのかよ。ならこいつと二人で行くけど』
『は?』
渾身のしかめ面で、ルカは眉間に皺を寄せた。
『お前、メイドに興味あるよな?』
『僕は特に……』
『可愛い子といろいろ話したりできるんだろ』
『僕にはルカさんがいるので』
声が裏返りそうになるが、何とか英語を絞り出した。押し問答の末にテオドールが一人で行くことになり、アパートを出た三人はタクシーに乗った。先に炊飯器が見たいというテオドールの要求通りに大型家電量販店へ行くが、身長もあり目立つ風貌の二人は必ずと言っていいほど二度見されている。
『テオドールさんって料理するんですか?』
『やらないけど挑戦はしたい。ドキュスティーヌ家ってみんな料理下手だよな、ルーク』
『………………』
ルカは話から逃れるように目を逸らす。
日本のメーカーが並ぶ中、日本語の読めないテオドールに代わり悠が英語で説明し、横でルカが笑顔で聞いている。店員は話に入らず、遠くから見守っていた。
『ニモノが作れるのがいい』
『どの炊飯器でも作れますよ。けどこれだと煮物用の炊き方もできます』
『ならそれだ』
上手く伝わった英語にほっとしていると、ルカはケーキも綺麗に焼けると書かれている炊飯器を眺めている。
「あなたが使っている炊飯器ですが、何年くらいお使いですか?」
「数年です。リサイクルショップで買ったんですよ。おばあちゃんが昔使っていたものに似ていて、即決しました」
ボタンが一つしかない、スイッチを下げるタイプの炊飯器だ。
「ならば、プレゼントさせて頂けませんか?」
「でも」
「お気に入りでしょうから無理に切り替えてとは言いません。おかずも作れるみたいですし、あなたの好きに使って下されば嬉しいです。もちろん、使わずに壊れたときの予備として押し入れに眠らせて下さっても構いません」
閑古鳥が鳴いていた店内だったが、家電に惹かれてか物珍しい外国人に惹かれてなのか、次第に人が集まり出した。
逃げるように三人は立ち去り、エスカレーターで上の階へ移動した。吸い寄せられるように大勢の客が集まっている店内は、炊飯器コーナーと比べるとごちゃごちゃしている。場所によりBGMも変わり、騒がしさに火がついたのか、テオドールは一人奥へと進んでいった。
「ルカさんは何か欲しいものはありますか?お礼ってほどじゃないですけど」
「あれです」
即決で指を差したのは、ボトルに入った柿の種だ。
「小袋タイプを選ばないあたり、さすがルカさんです」
「褒められた気はしませんが、ありがとうございます」
にっこりと悪意のない笑みを浮かべ、ルカはボトルと干し芋を手に取った。悠が支払いをしている間も満面の笑みで隣にいるが、その様子を女性店員は見上げないよう袋詰めに集中している。
「ご機嫌ですね」
「柿の種はとても美味しいです。いろんな味があり、チョコレートでコーティングされたものも好きです」
「あれ美味しいですよね。甘塩っぱさがたまんないんです」
テオドールを探そうとした矢先、固まったのはふたり同時だ。黒いカーテンで仕切られた空間は、海外のムードある曲が流れている。腕を組む男女が入り、吸い寄せられるようにカーテンを潜っていく。垂れたカーテンが揺れ、テオドールが何かを眺めていた。
嘆息を吐いたルカの後を追い、悠も恐る恐る中へ入る。
『よお』
『帰りますよ』
『待てって。お前、こういうの使うのか?』
品性の欠片もない顔で、悠に大人の玩具を見せびらかす。
『テオドール、口を慎みなさい。本気で怒ります』
『いいじゃんか。日本人ってむっつりの割にセックスレスなりやすいらしいぜ?フランスはセックス大国なんだから、教えてやった方がいい』
『余計なお世話です』
『これは?ルークのとどっちがデカい?』
『いい加減に……』
静かな怒りはガラスの割れる音によりかき消された。続けて男性の怒鳴り声が聞こえ、さらに衝撃音の後に女性や子供の悲鳴が響く。悠は動けなかった。男性の怒鳴り声で、立ちすくんでしまった。
ルカは悠の腰を掴み素早い動きで無理矢理しゃがませると、棚の向こうに移動する。テオドールも同じ動きでルカの後を追った。
『恐らく、強盗でしょうね。すぐそこはブランド品や腕時計のコーナーでした』
『ルカさん……もう大丈夫です。ありがとうございます』
悠を一瞥するが、背中の手はそのままだった。悠は一度深呼吸をし、冷静に状況を整理する。
『犯人は何人くらいでしょう』
『多分、二人くらい』
『見たのですか?』
『カーテン揺れたときにチラッと。覆面被ってて顔は見えなかった。手には物騒なもん持ってたな。日本は銃をぶっ放していい国だなんて知らなかったよ。新しい一面を知れたぜ』
『アメリカ大使館は治外法権でしょうが、どのように持ち込むかは問題になります。彼が持っているものが本物かどうか定かではありませんが』
隣にいる男性はガチガチに固まり、歯を鳴らしている。手に持っているものは状況に似つかわしくない、ピンクのボトルだ。
「それ……」
悠ははっと気づき、液体ボトルの並べられている棚を見た。触れたことのないボトルを取ると、巻かれているビニールを剥がした。意図に気づいたルカも、開封してボトルのキャップを外した。
「このようなものを手にしたのは生まれて初めてです」
「自然節理に逆らった色ですね」
カーテンのある出入り口に移動し、ふたりは顔を見合わせると一斉にボトルを流していく。とろみのある謎の液体は糸を引き、いやに生々しい。隙間からは男たちが割れたショーケースに手を入れ、腕時計を鞄に詰めているところだった。
粘り気のある液体は徐々に床を蝕んでいき、やがて男たちの足下へ到達する。だが目の前の欲望に駆られているせいか全く気づく様子はない。
奥にあるショーケースへ近づこうとしたとき、男の一人が大きな音を立てて派手に転び、続けて拳銃を手にした男も転倒した。
「お巡りさん!」
悠の叫び声と共に、非常階段へ待機していた警察官が一斉になだれ込んだ。
長い事情聴取を終え、逃げるようにタクシーへ乗り込んだ三人はビルへ戻るまで終始無言だった。沈黙を先に破ったのはテオドールで、ソファーにどっかり腰を下ろすと、深いため息を吐く。
『日本に来て命が危ぶまれるとは思わなかったぜ。こんなに危険な国だったのか……』
『滅多にありません。私も初めての経験です』
ルカは首もとのボタンを外し、悠の隣に座った。はっきりとした喉頭隆起が動き、真っ白な首に落ちる影も動いた。
『結局メイド喫茶に行けなかったしよお』
『あなたはこれからどうするのですか?』
『明日は京都と大阪行ってくる。お好み焼きとか、カニ鍋食いたい。それでフランスへ帰る』
『探せば関西でもメイド喫茶はあるでしょう。また近いうちにあなたに会いたいものですね』
テオドールは何か言いたそうに悠を見た。
『何か?』
『いや……、お前が肝の据わった男だとは思わなかった』
『少しは悠を見直しましたか?ピンチを反転させる力で、私は何度も悠に救われてきました』
『……見直したよ。けど男ってだけでやっぱり無理だ』
ここまでくると維持とトラウマが入り混じった何かが邪魔をしているとさえ感じた。悠を毛嫌いしているというより、性別に対するこだわりが強い。
『テオドール、先にシャワーを浴びてきなさい。本日の夕食は寿司を取ります』
『スシか!よっしゃ!』
目線だけでテオドールを見送り、ルカは立ち上がって三人分の出前を取った。ルカの流暢な日本語は電話越しでは日本人が話しているような、滑らかで滑舌もよく、日本人より聞きやすい。
「テオドールは、」
揺らぐ視線に不穏を感じ取り、悠はソファーに座り直した。
「幼少の頃、身体も弱く、人一倍小さな身体でした。小学生のときですが、付き人がほんの一瞬目を離した隙に連れ去られ、車に運ばれました。犯人はアジア人です。誘拐など起こり得る家柄ですが、彼はとても怖い思いをしています」
「それで……あんな」
「あなたに対する態度をしっかりと咎められない私がいます。傷ついて部屋から出てこなくなった彼を知っていますから。許してほしいとは思いませんし、行き過ぎた行動は叱ります。同情してほしいわけではありませんが、せめて普通に接してもらえますか?それがあの子にとって一番いいと思うのです」
「心の底からアジアが嫌いであれば、日本にわざわざ来ないと思います。彼も変わろうとしているのかもしれません。少しでも手助けになれば嬉しいです」
付けっぱなしでいた廊下の電気がチカチカとし、消耗品が底を尽きたかと見ると、ワンピース姿の少女が見上げていた。ふたりの視線に気づいた少女は居辛く感じたのか、ふと壁の中へ消えてしまった。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
黒龍の神嫁は溺愛から逃げられない
めがねあざらし
BL
「神嫁は……お前です」
村の神嫁選びで神託が告げたのは、美しい娘ではなく青年・長(なが)だった。
戸惑いながらも黒龍の神・橡(つるばみ)に嫁ぐことになった長は、神域で不思議な日々を過ごしていく。
穏やかな橡との生活に次第に心を許し始める長だったが、ある日を境に彼の姿が消えてしまう――。
夢の中で響く声と、失われた記憶が導く、神と人の恋の物語。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる