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3-それぞれのストーカー
015 メイドのみるく
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引きつった顔をする西岡は、落ち着かない様子で前のソファーに座る外国人を直視できないでいる。
「ルカ・フロリーディアと申します。うちの悠が、お世話になっております」
「あ、あの…西岡正樹です、はい」
「まずはあなたと悠の関係をお伺いしたい」
この、父親に恋人を紹介するような空間はなんだろうか。一瞬の隙も逃さず冷徹な目を向けるルカと、ガタいのいい体格を小さく丸めている西岡。暑いのに冷たい空気である。
「俺、写真部なんですよ。山で撮った写真にオーブみたいなのが写って、たまたま学食で居合わせた景森が興味深そうに見てきて、それで」
「知り合いになったと」
「はい」
「ふたりで出かけた経緯については?」
「ひとりじゃ、入りづらい店だったので…はい」
「あの…紅茶お待たせしました」
冷蔵庫に作り置きをしておいた紅茶を3人分出し、西岡の隣に腰掛けた。
「あくまでとりあえず、依頼をお伺い致します」
刺々しい言い方だ。
「喫茶店の女の子と写真を撮った人は、霊的な写真になってしまうんです。SNSや無料掲示板でも話題で、気になって景森を誘って、会いにいってきたんです。景森がその子にモヤがかかっていて、男の笑い声が聞こえてきたって言い始めて」
「その女性の写真は?」
「それが…ちょっと特殊な場所で、写真は簡単に撮れないんです」
「ポイントを貯めろとか言われてもよ…ひとまずカードは作ったけど、生活が破綻しちまうよ」
支払いのときにポインカードについて聞くと、1000円で1ポイント、60ポイントも貯めないとメイドと写真は撮れないシステムだ。
「私に相談を持ちかけた理由は判りました。つまり、私もその喫茶店へ行き、写真を手に入れ、心霊写真の正体を暴いてほしいと仰るわけですね」
「はい、その通りです」
「仕事の依頼としてお受け致しますが、高くつきます」
ここまでは悠も想定内の流れだ。
「おばあちゃんの遺品で、高いのありましたよね?それでどうですか?カメオとか」
「………………」
ルカは無言になった。
「……あなたも考えましたね。そうきますか」
「ごめんなさい。この目で見てしまったので、どうしても解決してあげたいんです。なんとなくとしか答えられませんが、その女性に憑いているのはストーカーの生霊だと感じました。ストーカーは、本当に嫌なものです」
「それは私にも身に覚えがあります。ですが、残念ながらカメオの受け取りは拒否します。その代わり、貸しにしましょう」
「貸しですか」
「悠と西岡様、ふたりに貸しです。いかがです?」
「充分っす!ありがとうございます!」
「ルカさん、無理を言ってしまいごめんなさい」
「良いのですよ、悠。私の負けです」
最初からルカには勝ち目はなかったのだ。遺品の話をされたら、ルカは絶対に受け取らない。どれだけ大事なものか理解しているからだ。
「にしても、霊が見える人ってこんなに近くにいるもんなんだな」
「統計的にはどれほどの人間がいるのかは存じ上げません。人と霊の区別が出来ずにいる人も、少なからずいます」
「何はともあれ助かったよ。これで上手くいけばみるくちゃんとも仲良くなれる!」
「みるくちゃん?」
紅茶を飲む優雅な手つきが止まった。
「聞き忘れておりましたが、悠。一体どのような喫茶店なのですか?」
悠は助けを求めるために西岡を見る。彼は知らんぷりを決め込み、黙してアンティークの振り子時計を眺めていた。
「おかえりなさいませ、ご主人様!にゃん」
ルカの顔は固まっていることは、表情見ずとも判る。それどころか彼だけ時間が止まったように、冷ややかな空気をまとい、一時停止していた。
「今日はにゃんこデーだにゃん。みんな語尾ににゃんをつけるんだにゃん」
「にゃんにゃん!」
「ノリが良いにゃんっ」
乗っているのは西岡だけである。ルカは観音様のように微笑み絶やさず、ことの成り行きを見守っている。怖い。
「三名のご主人様、お出迎えだにゃん!」
メイドの声に客人たちもこちらを向く。フロアは静まり返った。原因はオーダーメイドのスーツをまとった隣の男である。メイド喫茶に来るような格好でもなければ、ファンシーな場所が似合う男でもない。彼としては仕事の一環であるため、スーツに身を包んでいるのだが如何せん目立ちすぎる。
「ああ…あの方ですね」
誰がお目当ての“みるくちゃん”かは一切説明をしていないが、ルカは黒くモヤがかかる女性を一瞥した。
「また来てくれたにゃん?」
「来ちゃったよー!みるくちゃんに会いたくて…にゃん!」
「嬉しいにゃん!オススメはオムライスだにゃん。またお絵描きしてあげるにゃんっ」
ルカは真剣な眼差しでメニュー表を見つめている。
「悠、お絵描きとは何のことですか?」
「前回まで僕も知らなかったんですが、一番高いオムライスを注文すると、メイドさん一人を指名して、絵を描いてもらえるんです」
「三人、オムライスを注文。指定はみるく様で」
「把握です。考えましたね」
「おお…今のやりとりかっこいい。仕事みたい」
「仕事で来ております、西岡様」
「すんません 」
近くのメイドを呼び、オムライス三人分を注文、全員指定はみるくだ。これで時間をたっぷり取れる。
「うれしいにゃん!またお絵描きできるにゃん!今日はイケメンのご主人様もご帰宅にゃんっ」
「初めまして、ルカ・フロリーディアと申します」
「初めまして?ここはご主人様のお家にゃん」
「そういう設定でございましたね」
「もう!お堅いにゃん」
ルカは自分のペースを崩さない。そして次の一言を放った瞬間、みるくはケチャップを床に落とした。
「弟さんのこと、とても残念に思います」
ぼとん、と鈍い音に隣の客はあちゃーと嘆く。紳士的なルカはすぐに立ち、悠も慌てて立とうとするがフォローに回る他のメイドに止められた。
「ごっごめんなさいにゃん…新しいの持ってくるにゃん」
「焦らなくて結構です。こちらには三人分のオムライスがございますので、席でお待ちしております」
やはり、ルカには見えて悠には見えないものがある。霊救師として、まだまだ彼に追いつけはしない。弟については悠は知らない。ルカは悠には聞こえない声を聞いていた。
彼女が戻ってくるまで他のメイドたちは埋め合わせをしてくれ、お絵描きは他のメイドでもできます、冷めてしまいますと言われたが、丁重にお断りした。冷房が利いているのに、西岡の額は発汗している。ルカを一瞥しては、落ち着かない様子だ。ルカの本業を見て、先ほどまでの遊び心はなくなっている。
「お待たせしました…にゃんっ」
「その頓珍漢な語彙は無理にお付けしなくてもいいですよ。その代わり、あなたとゆっくりお話しがしたい」
「なぜ弟のことを?どこで知ったのですか?」
「あなたの背後にいる者の声を聞いただけです。私は霊の味方ですから」
「どこかで調べたわけではないんですよね?」
「私はあなたの本名すら存じ上げません」
西岡のオムライスからできる限りゆっくりと絵を描いていく。みるくも食いついたようで、時間稼ぎをしているのは明白だった。
「弟は、自殺だったのでしょうか?」
「縊死という警察の見解は覆らないでしょう。残念ながら、ご本人がそう仰っている。私が気になるのは、未だに可視世界に留まり続けている訳です。あなたに警告をしています」
「警告ですか」
「聞くところによると、あなたと写真を撮った人間は何かしら異常が現れるようですね」
「悪戯だと思ってました。ネットに流されてるの知ってますけど、面白がって合成が作られているんだなあとしか思わなかったです。自分で撮った写真は見ませんから」
「それが今までお気になされていなかった理由ですか?」
「一緒に写真撮ったり、オムライスの指定があると、給料が上がるんです。メイド喫茶内でやっている、ライブのグッズの売り上げにも繋がるし」
「理由は把握できました。こちらの悠も前回ここに来たとき、あなたの背後から男性の甲高い笑い声が聞こえたと話していました。それは弟さんのものではなく、別の男性です」
「思い当たる人は本当にいないんです。彼氏とかも、今はいないし」
「あなたがご存知ないだけでしょう」
「ストーカー…とか?」
「はっきり申し上げられません。ですがそのような見方もできます」
「私に、変な人の霊が憑いてるってことでいいんですか?」
「大方。私の絵は猫でお願いします」
ちゃっかりと注文をするルカ。みるくは板に付いた様子でゆっくりと描き上げていく。昨日より動く手は遅い。
「少しは興味を持って下さいましたか?」
「はい…ですけどどうして?」
「私が救いたいのは霊であり、人ではございません。依頼されたままに仕事をしているだけです」
「依頼……」
「ついでにあなたを助けることもできます。今ここで、選択をして頂けたら」
ペースはルカの勝利。申し分なく、ルカの話術にハマっている。面白さ半分でやってきた西岡も、膝の上で拳を作り今は口を噤んで押し黙っていた。
「……お願いします」
「承りました。本日は何時で終了しますか?」
「17時です」
「では17時30分に、駅前のラジオ会館の前で待ち合わせしましょう」
「………誰?」
「みるくです…にゃん」
「うわあ…みるくちゃんだ」
金髪でもない、ショートヘアの眼鏡をかけた女性が現れた。ジーンズにシャツ、スニーカーという、メイド服に比べたら圧倒的に地味な格好だ。
「あれウィッグなんすね」
「メイドってストーカーされやすいの。プライベートの写真を勝手に撮られてアップされたり。これだと判らないでしょ?」
「うん、全然判らなかった!」
悠と同年代のようだ。普通に話すと年相応で、顔立ちに幼さが残っている。
「それほど、ストーカーには気をつけているのですね」
「一応、ですけど」
「とりあえずあなたの写真を撮らせて下さい。できれば、誰かと写った写真がいい」
「誰でもどうぞ」
「では西岡様、隣に」
「ええ、俺?」
ガチガチに固まりながらみるくの隣に並び、引きつった笑顔を見せる。みるくは特にサービスをするわけでもなく、棒立ちのままカメラを見た。
「撮りました」
すぐに現像されるタイプのカメラで、すぐに写真が出来上がった。
「お店で使用しているカメラの異常、客人の悪戯等で話題になった可能性も無きにしも非ずですが、やはりあなたは憑かれていますね」
「ぎゃあ」
写真を見たとたん、西岡は叫び、自分の首に手を回した。顔は真っ青で、泣きそうに顔を歪めている。
「ちょ、ちょっと待って。何だよこれ。え、え」
「落ち着きなさい」
西岡の首には手が、右肩に男性のものと思われる鋭い目があった。
「こんな感じになんのかよ……」
「すみません、いつもこうなんです」
「いやいや、みるくちゃんのせいじゃないって」
「これ、何とかなるんですか?」
ルカは何も答えず、写真から視線を外さない。通行人が視線を投げかけ、4人をじろじろと眺めている。びっしりとスーツを着こなしたルカ、ガタいのいい西岡、ダボダボのレトロな服を来た悠、そして地味な少女みるく。おかしな組み合わせだ。
「全面的に声が聞こえないようで聞こえます。それも四方八方から。悠、いかがです?」
悠も写真を把持し、神経を集中させる。
「なんだろ…女の人の声もうっすら頭に入ってきます。はっきり判らない」
「判らないのはみるくちゃん自体、理解していないからじゃ?」
「そのせいもあるのかもしれません。いくつか仮説を立てましょう」
一つ、みるくが把握していて隠したい場合。二つ、みるくが全く寝耳に水の状態。三つ、ストーカーがストーカーだという自覚がない場合。四つ、そもそもストーカーが存在しない場合。と、順にルカは上げていく。
「一つ目はないですね。男友達自体、本当にいないし、
さっきも言いましたが今は彼氏もいませんし。私が言えるのは、可能性として一以外です」
「そのストーカーが自覚していないってどういうことだ?」
「例えばですが、不特定多数に覗き行為などを行っていて、みるく様を特別視していない場合です。たまたま霊感のあるみるく様にこのような現象が起きてしまった」
「私って霊感あるんですか?」
「無自覚にある人も多いのです。本日は写真を手に入れただけで収穫は大きい。みるく様、送って差し上げます」
「ええ?そんな大丈夫ですよ」
「送る、というのはあなたの近所も把握したいという思いが込められています」
「ああ…それなら構いません」
「それと、私はこの手の事案は一度だけ扱ったことがございます。まずは何も聞かず、私に確かめさせて下さい」
三人で送ることになった。住んでいるアパートは日暮里で、秋葉原からはけっこう近い場所にある。飲食店が連なり、悠のイメージとはかけ離れていた。
「あそこの古いアパートです」
「一人暮らしですか?」
「はい」
「みるく様に少々お願いがございます」
ルカは鞄から片手で持てる程度の小型の機械を取り出し、使い方の説明をした。
「部屋に入ったら、あらゆる部屋でこの機械をかざし、ここにあるボタンを押して下さい。特に寝室を念入りに」
「これは……?」
「盗聴器発見器です。私たちは部屋の前で待っています」
「わ、判りました」
ルカは盗聴の可能性を疑っている。それならば、悠は見守るだけだ。
みるくは玄関を開けるとすぐにボタンを押す。すると、警告音が鳴った。
みるくは固まっている。
「次にあなたは寝室へ行き、音楽をかけて下さい」
「どうして?」
「音声に反応する盗聴器があるからです」
「すみません、怖いです。やっぱりあなたも家の中に入ってきて下さい」
「……判りました。悠も一緒で構いませんか?」
「はい」
「西岡様はドアの前で、怪しい人がいないか見張りをお願いします」
「俺も中に」
「見張りをお願いします」
「はい」
妥当な判断だ。小柄な悠であれば相手に与える印象は悪くない。みるくも悠には緊張感なく話している。
「心配しなくても、ルカさんは必ず解決してくれますよ」
「信用されてる人なのね」
「僕が一番信頼してる人です」
女性らしい部屋だ。メイドのポスターも飾り、メイドのグッズが大量に置いてある。
「メイドが好きなんですね」
「メイド喫茶からデビューしたアイドルがいるんです。すごくファンで」
「それで働き始めたんですか?」
「はい。大学はアイドルを育てたりする大学じゃないんですが」
「もしかして、美術系の大学?」
「どうして判ったんです?」
「オムライスに猫の絵描いてくれましたよね?あまりに上手で、驚いたので。それに指に少し絵の具のような色がついてました」
ルカの持つ盗聴器発見器からは音が鳴る。寝室だけで三つ、その他玄関、廊下など、合計七つの盗聴器が見つかった。ルカは白い手袋をして、慣れた手つきでビニール袋に入れていく。
「心当たりはございますか?」
「全然…なんで…こんな……」
「実は日本の法律では、盗聴自体に罪になるような法律は存在しません」
「そんな…じゃあどうすれば」
「あなたが仕掛けていないとすれば、別の法律が動きます。住居侵入罪です。それとベッドに置かれた時計をこじ開け、勝手に分解したような跡がある。こちらは器物損壊罪」
住居侵入罪と器物損壊罪。どちらもテレビで耳にする言葉だ。
「とりあえず警察を呼びましょう。私たちのことを聞かれたら、友人とだけ仰って下さい。余計なことは発言しないように」
ルカはつまらなそうに、そっぽを向いた。
カランカランとドアのベルが鳴り、悠は客人を迎えた。奥の部屋に通すと、ルカは一礼し、ソファーに座るよう促した。
「一週間ぶりですね。事件のお早い解決おめでとうございます」
「ありがとうでいいのかな?ひとまず安心しました」
ショートヘアの黒髪が、今は金髪に染まっている。
「犯人はお客さんじゃなかったんです。疑っていました」
悲しそうに笑うみるくに、悠は紅茶を出した。合うかどうか判らないが、お茶請けに塩の利いたおかきも一緒に。
「元カレだったんです。元々おかしな奴で、別れたのもそれが原因で」
「お聞かせ下さい」
「オタク気質のあるところがある人で、少し度が過ぎるというか」
「何のオタクなんです?」
「声フェチです。女性の高い、アニメ声がすごく好きな人で、声の可愛い人がいればホイホイついていってしまうところがあって」
「女性からしたらたまったもんじゃないですね」
「はい。私と付き合った理由も、まさか声が良いからってそれだけよ。他は特に求めない、性格もキツいところがあるし、好きじゃないなんて言ったのよ。それが原因でお別れしました」
しかしここで終わりではなかったという。
「まさか人の家に盗聴器仕掛けるような男だとは思わなかったです。しかも不特定多数の女性に。私の家だけじゃなく、近所の女性の家にも仕掛けていたみたいです。スリルを味わうのが楽しくなったってのが理由だそうです」
「写真から不特定多数の声が聞こえたのはそのせいだったんですね」
ルカの言う、三つ目のストーカーの自覚がない場合という項目に該当していた。
「ストーカーとは非常に取り扱いが難しい問題です。今回のように割とすんなり解決できたのは稀な例です。念のため、引っ越しをすべきかと思います」
「もう準備は進めてるんです。本当に怖い男でした」
ひとまず目処はついた。これで終わりかと思いきや、
「あの、実はもう一つ相談事があってここにきたんです」
「仕事の依頼ですか?」
「はい。これを見て頂きたいんですが」
スマホの画像は、美術大学だけあって、たくさんの絵が飾られている廊下だった。
「すごい…本当に美術系の学校なんですね」
「有名な画家も出ています。もう一枚はこれです」
先ほどと同じ廊下の写真だが、違和感があった。
「もしや、絵の配置が変わっていますか?」
「正解です。ひまわりの絵と、これは画家の自画像ですが、逆になってます。それにこれとこれも」
もう一度見比べてみると、確かに位置が変わっている。
「学校では専ら幽霊の仕業だって噂です」
「この謎を解いてほしいという依頼ですね。支払いはできますか?」
「価値に値するか判りませんが、眠っている懐中時計が学校にあるんです。処分品になるものなんですが、古すぎてみんないらないって言って。私のロッカーに預かってます」
「懐中時計ですか。それは興味深い」
ルカは嬉しそうに微笑んだ。
日程や待ち合わせ場所を決め、みるくを一階まで見送った。おかわりの紅茶と途中来るときに購入してきた最中を出し、悠はルカの隣に座る。
「絵画ってけっこう重いですよね?悪戯しようにも、僕だったら汗流してまでやろうとは思いませんが」
「一つ、絵ではなく悪戯に情熱を燃やしている。二つ、移動せざるを得ない何か事情があった」
「事情とは?」
「まだ見えてくるものは少ないですね。みるく様の話だけでは先が見えません。他の生徒にも話を聞いてみましょう」
「ですね」
「ところでこの最中は求肥が入っていて、とても美味しい」
「求肥なんてよくご存知ですね」
「アンティークに対する情熱と引けを取りませんよ、悠」
「ルカ・フロリーディアと申します。うちの悠が、お世話になっております」
「あ、あの…西岡正樹です、はい」
「まずはあなたと悠の関係をお伺いしたい」
この、父親に恋人を紹介するような空間はなんだろうか。一瞬の隙も逃さず冷徹な目を向けるルカと、ガタいのいい体格を小さく丸めている西岡。暑いのに冷たい空気である。
「俺、写真部なんですよ。山で撮った写真にオーブみたいなのが写って、たまたま学食で居合わせた景森が興味深そうに見てきて、それで」
「知り合いになったと」
「はい」
「ふたりで出かけた経緯については?」
「ひとりじゃ、入りづらい店だったので…はい」
「あの…紅茶お待たせしました」
冷蔵庫に作り置きをしておいた紅茶を3人分出し、西岡の隣に腰掛けた。
「あくまでとりあえず、依頼をお伺い致します」
刺々しい言い方だ。
「喫茶店の女の子と写真を撮った人は、霊的な写真になってしまうんです。SNSや無料掲示板でも話題で、気になって景森を誘って、会いにいってきたんです。景森がその子にモヤがかかっていて、男の笑い声が聞こえてきたって言い始めて」
「その女性の写真は?」
「それが…ちょっと特殊な場所で、写真は簡単に撮れないんです」
「ポイントを貯めろとか言われてもよ…ひとまずカードは作ったけど、生活が破綻しちまうよ」
支払いのときにポインカードについて聞くと、1000円で1ポイント、60ポイントも貯めないとメイドと写真は撮れないシステムだ。
「私に相談を持ちかけた理由は判りました。つまり、私もその喫茶店へ行き、写真を手に入れ、心霊写真の正体を暴いてほしいと仰るわけですね」
「はい、その通りです」
「仕事の依頼としてお受け致しますが、高くつきます」
ここまでは悠も想定内の流れだ。
「おばあちゃんの遺品で、高いのありましたよね?それでどうですか?カメオとか」
「………………」
ルカは無言になった。
「……あなたも考えましたね。そうきますか」
「ごめんなさい。この目で見てしまったので、どうしても解決してあげたいんです。なんとなくとしか答えられませんが、その女性に憑いているのはストーカーの生霊だと感じました。ストーカーは、本当に嫌なものです」
「それは私にも身に覚えがあります。ですが、残念ながらカメオの受け取りは拒否します。その代わり、貸しにしましょう」
「貸しですか」
「悠と西岡様、ふたりに貸しです。いかがです?」
「充分っす!ありがとうございます!」
「ルカさん、無理を言ってしまいごめんなさい」
「良いのですよ、悠。私の負けです」
最初からルカには勝ち目はなかったのだ。遺品の話をされたら、ルカは絶対に受け取らない。どれだけ大事なものか理解しているからだ。
「にしても、霊が見える人ってこんなに近くにいるもんなんだな」
「統計的にはどれほどの人間がいるのかは存じ上げません。人と霊の区別が出来ずにいる人も、少なからずいます」
「何はともあれ助かったよ。これで上手くいけばみるくちゃんとも仲良くなれる!」
「みるくちゃん?」
紅茶を飲む優雅な手つきが止まった。
「聞き忘れておりましたが、悠。一体どのような喫茶店なのですか?」
悠は助けを求めるために西岡を見る。彼は知らんぷりを決め込み、黙してアンティークの振り子時計を眺めていた。
「おかえりなさいませ、ご主人様!にゃん」
ルカの顔は固まっていることは、表情見ずとも判る。それどころか彼だけ時間が止まったように、冷ややかな空気をまとい、一時停止していた。
「今日はにゃんこデーだにゃん。みんな語尾ににゃんをつけるんだにゃん」
「にゃんにゃん!」
「ノリが良いにゃんっ」
乗っているのは西岡だけである。ルカは観音様のように微笑み絶やさず、ことの成り行きを見守っている。怖い。
「三名のご主人様、お出迎えだにゃん!」
メイドの声に客人たちもこちらを向く。フロアは静まり返った。原因はオーダーメイドのスーツをまとった隣の男である。メイド喫茶に来るような格好でもなければ、ファンシーな場所が似合う男でもない。彼としては仕事の一環であるため、スーツに身を包んでいるのだが如何せん目立ちすぎる。
「ああ…あの方ですね」
誰がお目当ての“みるくちゃん”かは一切説明をしていないが、ルカは黒くモヤがかかる女性を一瞥した。
「また来てくれたにゃん?」
「来ちゃったよー!みるくちゃんに会いたくて…にゃん!」
「嬉しいにゃん!オススメはオムライスだにゃん。またお絵描きしてあげるにゃんっ」
ルカは真剣な眼差しでメニュー表を見つめている。
「悠、お絵描きとは何のことですか?」
「前回まで僕も知らなかったんですが、一番高いオムライスを注文すると、メイドさん一人を指名して、絵を描いてもらえるんです」
「三人、オムライスを注文。指定はみるく様で」
「把握です。考えましたね」
「おお…今のやりとりかっこいい。仕事みたい」
「仕事で来ております、西岡様」
「すんません 」
近くのメイドを呼び、オムライス三人分を注文、全員指定はみるくだ。これで時間をたっぷり取れる。
「うれしいにゃん!またお絵描きできるにゃん!今日はイケメンのご主人様もご帰宅にゃんっ」
「初めまして、ルカ・フロリーディアと申します」
「初めまして?ここはご主人様のお家にゃん」
「そういう設定でございましたね」
「もう!お堅いにゃん」
ルカは自分のペースを崩さない。そして次の一言を放った瞬間、みるくはケチャップを床に落とした。
「弟さんのこと、とても残念に思います」
ぼとん、と鈍い音に隣の客はあちゃーと嘆く。紳士的なルカはすぐに立ち、悠も慌てて立とうとするがフォローに回る他のメイドに止められた。
「ごっごめんなさいにゃん…新しいの持ってくるにゃん」
「焦らなくて結構です。こちらには三人分のオムライスがございますので、席でお待ちしております」
やはり、ルカには見えて悠には見えないものがある。霊救師として、まだまだ彼に追いつけはしない。弟については悠は知らない。ルカは悠には聞こえない声を聞いていた。
彼女が戻ってくるまで他のメイドたちは埋め合わせをしてくれ、お絵描きは他のメイドでもできます、冷めてしまいますと言われたが、丁重にお断りした。冷房が利いているのに、西岡の額は発汗している。ルカを一瞥しては、落ち着かない様子だ。ルカの本業を見て、先ほどまでの遊び心はなくなっている。
「お待たせしました…にゃんっ」
「その頓珍漢な語彙は無理にお付けしなくてもいいですよ。その代わり、あなたとゆっくりお話しがしたい」
「なぜ弟のことを?どこで知ったのですか?」
「あなたの背後にいる者の声を聞いただけです。私は霊の味方ですから」
「どこかで調べたわけではないんですよね?」
「私はあなたの本名すら存じ上げません」
西岡のオムライスからできる限りゆっくりと絵を描いていく。みるくも食いついたようで、時間稼ぎをしているのは明白だった。
「弟は、自殺だったのでしょうか?」
「縊死という警察の見解は覆らないでしょう。残念ながら、ご本人がそう仰っている。私が気になるのは、未だに可視世界に留まり続けている訳です。あなたに警告をしています」
「警告ですか」
「聞くところによると、あなたと写真を撮った人間は何かしら異常が現れるようですね」
「悪戯だと思ってました。ネットに流されてるの知ってますけど、面白がって合成が作られているんだなあとしか思わなかったです。自分で撮った写真は見ませんから」
「それが今までお気になされていなかった理由ですか?」
「一緒に写真撮ったり、オムライスの指定があると、給料が上がるんです。メイド喫茶内でやっている、ライブのグッズの売り上げにも繋がるし」
「理由は把握できました。こちらの悠も前回ここに来たとき、あなたの背後から男性の甲高い笑い声が聞こえたと話していました。それは弟さんのものではなく、別の男性です」
「思い当たる人は本当にいないんです。彼氏とかも、今はいないし」
「あなたがご存知ないだけでしょう」
「ストーカー…とか?」
「はっきり申し上げられません。ですがそのような見方もできます」
「私に、変な人の霊が憑いてるってことでいいんですか?」
「大方。私の絵は猫でお願いします」
ちゃっかりと注文をするルカ。みるくは板に付いた様子でゆっくりと描き上げていく。昨日より動く手は遅い。
「少しは興味を持って下さいましたか?」
「はい…ですけどどうして?」
「私が救いたいのは霊であり、人ではございません。依頼されたままに仕事をしているだけです」
「依頼……」
「ついでにあなたを助けることもできます。今ここで、選択をして頂けたら」
ペースはルカの勝利。申し分なく、ルカの話術にハマっている。面白さ半分でやってきた西岡も、膝の上で拳を作り今は口を噤んで押し黙っていた。
「……お願いします」
「承りました。本日は何時で終了しますか?」
「17時です」
「では17時30分に、駅前のラジオ会館の前で待ち合わせしましょう」
「………誰?」
「みるくです…にゃん」
「うわあ…みるくちゃんだ」
金髪でもない、ショートヘアの眼鏡をかけた女性が現れた。ジーンズにシャツ、スニーカーという、メイド服に比べたら圧倒的に地味な格好だ。
「あれウィッグなんすね」
「メイドってストーカーされやすいの。プライベートの写真を勝手に撮られてアップされたり。これだと判らないでしょ?」
「うん、全然判らなかった!」
悠と同年代のようだ。普通に話すと年相応で、顔立ちに幼さが残っている。
「それほど、ストーカーには気をつけているのですね」
「一応、ですけど」
「とりあえずあなたの写真を撮らせて下さい。できれば、誰かと写った写真がいい」
「誰でもどうぞ」
「では西岡様、隣に」
「ええ、俺?」
ガチガチに固まりながらみるくの隣に並び、引きつった笑顔を見せる。みるくは特にサービスをするわけでもなく、棒立ちのままカメラを見た。
「撮りました」
すぐに現像されるタイプのカメラで、すぐに写真が出来上がった。
「お店で使用しているカメラの異常、客人の悪戯等で話題になった可能性も無きにしも非ずですが、やはりあなたは憑かれていますね」
「ぎゃあ」
写真を見たとたん、西岡は叫び、自分の首に手を回した。顔は真っ青で、泣きそうに顔を歪めている。
「ちょ、ちょっと待って。何だよこれ。え、え」
「落ち着きなさい」
西岡の首には手が、右肩に男性のものと思われる鋭い目があった。
「こんな感じになんのかよ……」
「すみません、いつもこうなんです」
「いやいや、みるくちゃんのせいじゃないって」
「これ、何とかなるんですか?」
ルカは何も答えず、写真から視線を外さない。通行人が視線を投げかけ、4人をじろじろと眺めている。びっしりとスーツを着こなしたルカ、ガタいのいい西岡、ダボダボのレトロな服を来た悠、そして地味な少女みるく。おかしな組み合わせだ。
「全面的に声が聞こえないようで聞こえます。それも四方八方から。悠、いかがです?」
悠も写真を把持し、神経を集中させる。
「なんだろ…女の人の声もうっすら頭に入ってきます。はっきり判らない」
「判らないのはみるくちゃん自体、理解していないからじゃ?」
「そのせいもあるのかもしれません。いくつか仮説を立てましょう」
一つ、みるくが把握していて隠したい場合。二つ、みるくが全く寝耳に水の状態。三つ、ストーカーがストーカーだという自覚がない場合。四つ、そもそもストーカーが存在しない場合。と、順にルカは上げていく。
「一つ目はないですね。男友達自体、本当にいないし、
さっきも言いましたが今は彼氏もいませんし。私が言えるのは、可能性として一以外です」
「そのストーカーが自覚していないってどういうことだ?」
「例えばですが、不特定多数に覗き行為などを行っていて、みるく様を特別視していない場合です。たまたま霊感のあるみるく様にこのような現象が起きてしまった」
「私って霊感あるんですか?」
「無自覚にある人も多いのです。本日は写真を手に入れただけで収穫は大きい。みるく様、送って差し上げます」
「ええ?そんな大丈夫ですよ」
「送る、というのはあなたの近所も把握したいという思いが込められています」
「ああ…それなら構いません」
「それと、私はこの手の事案は一度だけ扱ったことがございます。まずは何も聞かず、私に確かめさせて下さい」
三人で送ることになった。住んでいるアパートは日暮里で、秋葉原からはけっこう近い場所にある。飲食店が連なり、悠のイメージとはかけ離れていた。
「あそこの古いアパートです」
「一人暮らしですか?」
「はい」
「みるく様に少々お願いがございます」
ルカは鞄から片手で持てる程度の小型の機械を取り出し、使い方の説明をした。
「部屋に入ったら、あらゆる部屋でこの機械をかざし、ここにあるボタンを押して下さい。特に寝室を念入りに」
「これは……?」
「盗聴器発見器です。私たちは部屋の前で待っています」
「わ、判りました」
ルカは盗聴の可能性を疑っている。それならば、悠は見守るだけだ。
みるくは玄関を開けるとすぐにボタンを押す。すると、警告音が鳴った。
みるくは固まっている。
「次にあなたは寝室へ行き、音楽をかけて下さい」
「どうして?」
「音声に反応する盗聴器があるからです」
「すみません、怖いです。やっぱりあなたも家の中に入ってきて下さい」
「……判りました。悠も一緒で構いませんか?」
「はい」
「西岡様はドアの前で、怪しい人がいないか見張りをお願いします」
「俺も中に」
「見張りをお願いします」
「はい」
妥当な判断だ。小柄な悠であれば相手に与える印象は悪くない。みるくも悠には緊張感なく話している。
「心配しなくても、ルカさんは必ず解決してくれますよ」
「信用されてる人なのね」
「僕が一番信頼してる人です」
女性らしい部屋だ。メイドのポスターも飾り、メイドのグッズが大量に置いてある。
「メイドが好きなんですね」
「メイド喫茶からデビューしたアイドルがいるんです。すごくファンで」
「それで働き始めたんですか?」
「はい。大学はアイドルを育てたりする大学じゃないんですが」
「もしかして、美術系の大学?」
「どうして判ったんです?」
「オムライスに猫の絵描いてくれましたよね?あまりに上手で、驚いたので。それに指に少し絵の具のような色がついてました」
ルカの持つ盗聴器発見器からは音が鳴る。寝室だけで三つ、その他玄関、廊下など、合計七つの盗聴器が見つかった。ルカは白い手袋をして、慣れた手つきでビニール袋に入れていく。
「心当たりはございますか?」
「全然…なんで…こんな……」
「実は日本の法律では、盗聴自体に罪になるような法律は存在しません」
「そんな…じゃあどうすれば」
「あなたが仕掛けていないとすれば、別の法律が動きます。住居侵入罪です。それとベッドに置かれた時計をこじ開け、勝手に分解したような跡がある。こちらは器物損壊罪」
住居侵入罪と器物損壊罪。どちらもテレビで耳にする言葉だ。
「とりあえず警察を呼びましょう。私たちのことを聞かれたら、友人とだけ仰って下さい。余計なことは発言しないように」
ルカはつまらなそうに、そっぽを向いた。
カランカランとドアのベルが鳴り、悠は客人を迎えた。奥の部屋に通すと、ルカは一礼し、ソファーに座るよう促した。
「一週間ぶりですね。事件のお早い解決おめでとうございます」
「ありがとうでいいのかな?ひとまず安心しました」
ショートヘアの黒髪が、今は金髪に染まっている。
「犯人はお客さんじゃなかったんです。疑っていました」
悲しそうに笑うみるくに、悠は紅茶を出した。合うかどうか判らないが、お茶請けに塩の利いたおかきも一緒に。
「元カレだったんです。元々おかしな奴で、別れたのもそれが原因で」
「お聞かせ下さい」
「オタク気質のあるところがある人で、少し度が過ぎるというか」
「何のオタクなんです?」
「声フェチです。女性の高い、アニメ声がすごく好きな人で、声の可愛い人がいればホイホイついていってしまうところがあって」
「女性からしたらたまったもんじゃないですね」
「はい。私と付き合った理由も、まさか声が良いからってそれだけよ。他は特に求めない、性格もキツいところがあるし、好きじゃないなんて言ったのよ。それが原因でお別れしました」
しかしここで終わりではなかったという。
「まさか人の家に盗聴器仕掛けるような男だとは思わなかったです。しかも不特定多数の女性に。私の家だけじゃなく、近所の女性の家にも仕掛けていたみたいです。スリルを味わうのが楽しくなったってのが理由だそうです」
「写真から不特定多数の声が聞こえたのはそのせいだったんですね」
ルカの言う、三つ目のストーカーの自覚がない場合という項目に該当していた。
「ストーカーとは非常に取り扱いが難しい問題です。今回のように割とすんなり解決できたのは稀な例です。念のため、引っ越しをすべきかと思います」
「もう準備は進めてるんです。本当に怖い男でした」
ひとまず目処はついた。これで終わりかと思いきや、
「あの、実はもう一つ相談事があってここにきたんです」
「仕事の依頼ですか?」
「はい。これを見て頂きたいんですが」
スマホの画像は、美術大学だけあって、たくさんの絵が飾られている廊下だった。
「すごい…本当に美術系の学校なんですね」
「有名な画家も出ています。もう一枚はこれです」
先ほどと同じ廊下の写真だが、違和感があった。
「もしや、絵の配置が変わっていますか?」
「正解です。ひまわりの絵と、これは画家の自画像ですが、逆になってます。それにこれとこれも」
もう一度見比べてみると、確かに位置が変わっている。
「学校では専ら幽霊の仕業だって噂です」
「この謎を解いてほしいという依頼ですね。支払いはできますか?」
「価値に値するか判りませんが、眠っている懐中時計が学校にあるんです。処分品になるものなんですが、古すぎてみんないらないって言って。私のロッカーに預かってます」
「懐中時計ですか。それは興味深い」
ルカは嬉しそうに微笑んだ。
日程や待ち合わせ場所を決め、みるくを一階まで見送った。おかわりの紅茶と途中来るときに購入してきた最中を出し、悠はルカの隣に座る。
「絵画ってけっこう重いですよね?悪戯しようにも、僕だったら汗流してまでやろうとは思いませんが」
「一つ、絵ではなく悪戯に情熱を燃やしている。二つ、移動せざるを得ない何か事情があった」
「事情とは?」
「まだ見えてくるものは少ないですね。みるく様の話だけでは先が見えません。他の生徒にも話を聞いてみましょう」
「ですね」
「ところでこの最中は求肥が入っていて、とても美味しい」
「求肥なんてよくご存知ですね」
「アンティークに対する情熱と引けを取りませんよ、悠」
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