12 / 99
3-それぞれのストーカー
013 容疑者二名
しおりを挟む
申し訳なさそうにやってきた今朝の態度とは打って変わって、警察官は強気な態度でどっしりと構えていた。腰が引けそうになるが、ルカは姿勢の良さを崩さず、まっすぐに彼らを見据えている。
「偶然この空き家に足を運んだら、井戸の中で男が死んでいた。そういうことか?」
「はい」
「偶然にしては君の家と反対だが」
「そうですね」
「なぜ空き家に来ようと思ったんだ?」
「うーん…なんとなく」
今は一人ずつパトカーの中で事情聴取中だ。聴取の前に、ルカは悠に余計なことは喋らず会話は一言でと注意をした。そもそも、空き家があるかと言い出したのもルカであるし、井戸をチェックしたのもルカだ。悠は遺体を見ていない。空き家や井戸の写真を納得するまで撮った後、警察を呼んだのもルカ。こうなることも想定して、できるだけ聴取を悠にさせないようにしたのだ。
「君には後でまた聞くことになる。協力してくれるね」
「そうですね……」
まだ井戸の中の遺体は有坂千一と決まったわけではない。確認はこれからだ。入れ違いにルカがパトカーの中に入っていった。keep outと書かれてた規制線から出ようとしたが、ここぞとばかりにマスコミが囲っている。ルカの聴取が終わるまで、おとなしく待った。
ルカの聴取は長い。悠の倍以上かかった。
「お待たせしました。ひとまず家に戻りましょう」
家の回りにもマスコミは張っていて、相変わらず発音よくノージャパニーズと答えるだけだ。鍵を閉め、悠は食材を冷蔵庫に入れるとまずはお茶を入れた。そして買ってきたばかりの中華丼を温めた。
「さすがに庭まで入ってきませんよね?」
「それは有坂氏と同じく犯罪行為です。遠慮なく警察に通報しましょう」
中華丼のうずらの卵を最後まで取っておいた悠は、一口でそれを口に頬張る。
チャンネルを回すと、逃げた男が遺体で見つかった可能性があるとテロップで報道されていた。
「遺体は有坂さんなんでしょうか」
「十中八九そうでしょうね。警察に連行されたときの服装ですから」
「自殺…でしょうか」
「まだはっきりしたことは。ただ、ここに容疑者が二名いるというのは断定できます」
「よ、容疑者?」
「そのつもりで二度目の聴取が行われるでしょう。内容をまとめましょうか。有坂氏が殺されたのは、脱走した3時頃から私たちが発見した12時頃です。警察の司法解剖によって、時間帯はある程度絞られるでしょう」
「ルカさん、今殺されたって」
「断定ではなく、暫定です」
「でもその時間、僕らずっと一緒にいましたよね?」
「残念ですが、身内同士のアリバイは当てになりません。警察は必ず裏を取ります」
「身内同士…不謹慎ながら嬉しいって思っちゃいました」
「それは良かった」
ルカのスマホに電話がかかった。どうぞ出て下さいと伝え、話を横で聞いていると電話の主はこの前屋敷にお邪魔した吉岡和郎からだった。
「吉岡様からです。有坂氏は吉岡様からの紹介でしたので、あなた方に大変申し訳ないことをしたと。直接謝罪したいと仰っていましたが、今立て込んでいると申し上げました」
「いっぱいいっぱいなので助かります。警察も来るでしょうし」
「残念な結果になってしまった、彼には罪を償ってほしかったと仰っていました。ですが殺されたのは有坂氏と決まったわけではありません」
ルカこそ殺害されたと断定している言い方だが、悠はそれにはあえて突っ込まなかった。
そして15時頃、警察は家に来た。井戸の遺体はやはり有坂千一で間違いないとルカたちに伝えた。状況は前から押され、頭から落ち、ほぼ即死だった。
「申し訳ないが、また個別に事情聴取を行わせてもらいたい」
最初は悠から始まり、今度行う警察官は先ほどと別の人だ。
「悪いね、何度も何度も」
「いえ」
「大変だったね」
「いえ」
「緊張しないで、判ることだけ答えてほしいんだ」
「はい」
疑う体勢は崩しはせず、悠を問いつめていく。
「亡くなったのは4時から5時の間。その間は何してた?」
「同じことを聞かれましたが、当然寝てました」
「証明できる人っている?」
「……いません」
「あれ?もうひとりのお兄ちゃんは?」
「寝てましたが、仲が良い人だとアリバイにならないんでしょう?」
「そうだね。隠すこともあるからね。お兄ちゃんが寝てるところは確認した?」
「隣にいましたので」
「なるほど」
もうひとりの警察官はじっと悠を見るだけで何も言わない。
「今は里帰り中なんだっけ?随分半端な時期じゃない?」
「ホームシックです」
「ああ…判るよ、うん。あっちのお兄ちゃんが来た理由は?」
「それはルカさんに聞いて下さい」
「……なるほどね。関係を聞いてもいいかな?」
「バイト先の店長とアルバイトです」
このあとは似た質問が繰り返された。何度も何度聞くことで、ボロを出そうとするよくあるやり方だ。だが判る情報は悠にだってない。情報を欲しているのは悠も同じだ。
ルカは聴取の前に、ルカ自身のことを聞かれたら知らないと通せと言った。余計な言葉で食い違いが発生すればさらに時間がかかるからだ。これ以上身動きが取れないのは不都合がある。
「お疲れ様でした。お菓子食べます?」
「食べます」
甘いチョコレートをお茶請けに、お互い聞かれた話を交代で話していった。
「じゃあ霊救師の話は言ってないんですね?」
「ええ。話したところで鼻で笑われるだけです」
「判ります。僕もそういうのは体験してきましたから」
「ただ人捜しを頼まれたことは言いました。ばれたとき厄介ですからね。東北にやってきたので、お世話になっている悠の祖母の墓参りをしにきたらふたりにばったり遭遇したと申し上げています。墓参りの花は駅の花屋で購入し、監視カメラも設置されていましたのですぐに証明されるはずです。多少苦しいですが、まあ仕方ないでしょう。さて、では事件をもう一度おさらいしますか」
有坂千一は3時に脱走し、亡くなったのは4時から5時の間。前から押された、井戸に首から落ち、脊髄の損傷により死亡。その間のアリバイは、ふたりにはない。とルカがまとめる。
「今回、警察に張られている状態なのでろくに動けません。マスコミも多いですし、事件現場にはもう足を運べません。そこで、言い訳ともとれる外に出るチャンスを考えました」
「はい」
「一つが買い物に行くこと。もう一つが、悠のおばあさまの墓参りです。というか、後者の意見がラストチャンスと思って頂ければ」
「おばあちゃんに聞くんですか?」
「半分正解です。何もおばあさまだけではなく、墓場は不可視世界と繋がりのある場所でもあります」
「僕……警察に話していないことがあるんです」
「何ですか?」
「警察官が来た6時前まで寝ていたと話しましたが、あれ嘘なんです。実は4時くらいに一度目覚め、トイレに起きてるんです。ルカさんも寝ているのを確認しました」
「物音などは特になかったですか?」
「……あったんです。外で」
肩を落とす悠に、ルカは太股に手を置いた。
「どのような物音でしたか?」
「誰かが庭を歩く音です。そのときはまさか脱走したなんて知りもしなかったので、マスコミが入ってきたのかな、やだなあくらいしか思ってませんでした。寝ぼけていたのもあって、すぐに布団に入って寝ました」
「それからはぐっすり眠れましたか?」
「はい」
「よろしい。怖くなったのですね」
ルカは悠の頭をポンポン叩き、口元を緩ませた。
「ずっと考えていたんです。僕はパニック障害があるんじゃないかって。有坂さんと店でふたりになったときも苦しくなって気絶したし、師匠さんと話すときも辞めますなんて思ってもないことを口にした。もしかしたら、気づかない間に僕が殺してしまったんじゃ」
「私は医師ではないのでパニック障害については何とも言えません。ですが断言できることはある。あなたは人を殺していない。それは霊救師として保証します。あなたは自分自身を信じられないのなら、せめて私を信じて下さい」
ルカの言葉は不思議と心が落ち着いていく。欲しかった言葉をくれる。
悠はそれに答えると、ルカも満足げに頷いた。
「とはいえ、少々困ったことが起きています。彼が殺害されたのはスーパーの帰り道で霊が語りかけてきましたので把握できました。しかし今は声が聞こえないのです」
「“小さな影”、“押された”、“会いたい”」
「……あなたには聞こえるのですね」
「微かです。独り言のような声が頭に入ってきます」
「私よりは聞き取れています。どうやら今回はあなた頼りになりそうですね」
「ええ……不安なんですが」
「私が側にいます」
悠からすれば、霊を救いたいという気持ちより、ルカの助けになりたい気持ちが強い。太鼓判を押され、悠は小さく頷いた。
次の日、ふたりは駅前に来た。少し遠出になるが、これも意味があっての買い物だ。まずはルカが土産に買っていきたいと言っていたパウンドケーキのお店に入る。
「悠ちゃん久しぶりねえ」
「おはようございます。朝からすみません」
「いつ帰ってきたの?」
「数日前です。ホームシックにかかっちゃって。今日は友達も来てくれたんです」
「…………わお」
目を丸くするとはまさにこういうことを言う。ルカが微笑むと、落ちない人はいないのではないか。今も目の前の女性は口を開けっ放しのまま、しげしげと見つめている。
「殺人事件があって大変ねえ。お客さんだと思ってフロアに出てくればマスコミばっかりなのよ」
「大変ですね」
ベルの音と共に男性ふたり組が入ってきた。判りやすい。どう見てもマスコミだ。
悠はルカが指差したパウンドケーキと、クッキーを数種類購入し、軽く彼女と談笑したあと店を出た。
「ルカさん、だいぶ訛りに慣れてきましたね」
「なんとなく会話の前後で理解するようにしています」
「すみません、ちょっといいですか?」
声をかけてきたのは先ほどのスーツの男だ。
「君たちは警察に事情聴取されたよね?」
「ノージャパニーズ」
「あれ?日本語ダメ?なら君ならいい?」
「名刺はありますか?」
「こういう者なんだけど」
悠はもらった名刺を見ながら困惑した表情で彼を見る。
「すみません…僕らほとんど判らないんですよね」
「何を聞かれたかだけ教えてもらえないかな?」
「ごめんなさい」
次に向かったのは花屋だ。店員の男性はルカを見ると、片眉を上げ声をかけてきた。
「外人の兄ちゃんまた来てくれたのかい?」
「お邪魔させて頂きます。本日も墓参り用のお花を」
「はいよー」
ひまわりが入荷している。花が好きな祖母のために飾りたかったが、東京に戻らなければならないため、悠は断念した。
「ひまわりが気になりますか?」
「ルカさんの髪の色みたいですね。好きです」
「それはそれは。ちなみにひまわりの花言葉はご存知ですか?」
「うーん…ルカさんは知ってますか?」
「もちろんです。あなたに対する気持ちとだけ言っておきましょう。あとはご自分で調べなさい」
「はーい」
店員は何かを悟ったような顔でこちらを向くが、何も言わずに菊の花を渡してくれた。
「マスコミが多くて困りませんか?」
「さっきからうろちょろしてて困ってんだよ。追っ払ってほしいくらいだ」
「あまりに営業を妨害されるのなら、警察に言った方がいいですよ」
「そうするよ」
ありがとうとお礼を言い、店を出るとここぞとばかりにまたもやマスコミに道を塞がれた。
「すんません、雑誌の記者をやってる者なんだけど」
「名刺はありますか?」
受け取った名刺を見ると、見たことがある出版社だ。芸能人を追いかけるよりもお蔵入りした難事件を取り扱う会社である。
「何の用でしょうか?」
「ちょっと話聞きたいんだけどいいかな?」
「僕たちほとんど知らないですよ?」
「こっちにも掴んでる情報があるんだ」
記者はにやりと笑った。悠は困窮しながらも少しだけ、と答える。内面はふたりでほくそ笑みながら。
「いやあ、実は君たちをつけてたんだよね」
「知ってます」
「なんだ、そうだったの?もっと早くに話しかければ良かった」
三人で個室のあるランチに入った。奢ってくれるらしいので、遠慮なくご馳走になる。
「こちらのイケメンすぎるお兄さんは、日本語大丈夫?」
「少しですね。なので僕が受け答えをします」
「オッケー」
ランチはパスタ専門店で、悠が池袋に引っ越しをした後にできた店だ。ルカはたらこのパスタ、悠はナポリタン、記者の男はミートソースを注文した。
「へえ!たらこ好きなんだ」
「すき、です」
「どこの国出身?えーと、ウェアー、アーユーフロム?」
「Secret」
「聞くなってか?判ったよ」
片言の日本語と発音が良すぎる英語に吹き出しそうになりながら、本題に入った。
「ご馳走して頂いて申し訳ないんですが、本当に僕ら詳しいことは判らないんですよ」
「それを引き出すのが俺らの役目だからね」
「まず教えてほしいんです。なぜ僕らをつけてきたんですか?」
「警察に事情聴取をされたのと、近くに住んでたこと、あとは君たちに興味があったから。外国人の兄ちゃんとぽやんとしてる少年なんて面白い組み合わせだ」
「ぽ、ぽやん?」
「犯人の目星は立ってる?」
「……まったく。疑われるし困ってるんです。あなたは何か知ってますか?」
「亡くなったのは午前4時頃でしょ?君たちのアリバイはあるの?」
「ある人なんているんですか?だいたいみんな寝てますよ」
「そりゃそうだ。俺だって寝てたよ」
駆け引きは順調だ。ルカは相変わらず日本語が理解できないふりをして、聞き耳を立てている。悠はこんなに綺麗にたらこパスタを食べる人は見た。たらこパスタも幸せだ。
「あの有坂って男は君にストーカー行為をしてたんでしょ?」
「ストーカーって言うほど脅されたりしたわけじゃないんですが。捕まったのは住居侵入が理由です。庭に入ってきたので」
「立派なストーカーだよ。生前誰かに狙われてるとか、話したことはなかった?」
「聞いたことないですね。あなたは殺害した人に心当たりはあるんですか?」
「俺?ないけど、有坂さんが他の家をうろついてるのは聞いたな。その家を警察も張ってるし」
「他の家?」
それは新情報だ。
「変わった名字だった気がする。あー、あす…なんちゃら」
「警察は目星をつけてるんじゃないんですか?」
「まあな」
あまり綺麗な食べ方ではなく、ズズッと吸いながら、矢野はミートソースパスタを平らげていく。
「警察に何を聞かれたの?」
「アリバイですね。死亡推定時刻は何してたって。さっきも言った通り、寝てたとしか言えなかったです」
「あとは?」
「あとは……」
ルカは悠の太股を二度ほど叩いた。余計なことは言うなと合図だ。
「細かく聞かれたくらいですね。アリバイ」
「なるほど。じゃあさ、君たちが遺体を見つけた理由知りたいんだけど」
「僕は元々この辺りに住んでたんで、遺体の見つかった家が誰も住んでないのは知ってたんです。生い茂ってるはずの草が踏みつけられた跡があったので、追っていったら」
「見つかったと?」
「はい」
「なあんか、理由としては弱いよなあ……ほんとはもっと秘密があるんじゃないの?」
ルカはさらに太股を軽く叩く。霊救師です、霊が見えて霊魂を辿ったなど、絶対に黙して語らない。
「この通り語れることは少ないです」
「ほとんど聞いてないじゃん!俺はパスタ奢っただけか……」
「ご馳走になりますね。それじゃあ、そろそろ出ます」
「ありがとうね。何かあったら連絡ちょうだい。また奢るからさ」
「はい」
ふたりは無言のまま家に着いた。何度かマスコミに声をかけられたが首を横に振り、これ以上語りはしなかった。
「悠、お疲れ様です。よく頑張りましたね」
「ルカさん……」
「何やら不安そうな顔ですね。話を聞きましょう」
「記者の人が言っていた家ですが、飛鳥井かもしれません」
「………………」
ルカは何も答えず、唇に指を置き何かを考え込んでいる。しばらく沈黙が続き、
「悠、墓参りを終えたら、明日の電車で東京に帰りましょう」
「唐突ですね」
「ひとつ、私から。例え最悪の結果になろうと、あなたは何も悪くない。私があなたに対する気持ちは、ひまわりの花言葉と同様に変わらないです」
ルカは調べ上げていた。先にここに到着していた彼ならば、調べるくらいの時間はあったのだ。その変わった名字が、祖母の嫁ぐ前の名字だと言うことを。
「記者の矢野さんから飛鳥井と聞いたとき、男性の苦しそうな声で悠と呼ばれました。間違いなく有坂さんの声です。彼は最期まで、僕を頼っていた」
「それでもあなたを苦悩させたのは変わらない。気に病む必要は微塵もないです」
「写真の人物は、僕の想像している方で間違いないんですか?」
「あなたには写真の記憶を忘却の彼方に捨て去ってほしかったですが、仕方ありません。聞かせて下さい」
「僕に似た写真の人物ですが、おばあちゃんの妹ですよね。飛鳥井テツ。ただ、もう亡くなっているはずです」
「ええ。仰る通り」
「この辺りに住んでいるなんて知らなかった。妹がいるのは聞いてましたが」
「何年か前に引っ越ししてきたみたいです。あなたのご家族のことですので、躊躇する話ではありますが、あまり折り合いはよろしくないようでした」
「仲悪かったんですか…今思うと、おばあちゃんは家族の話となると、おじいちゃん以外の話はいつも口を閉ざしていました」
子供の頃は祖父と大事な想い出を語っている印象しか受けなかったが、それしか語れなかったのかもしれない。
「警察の方には、明日には帰ると伝えましょう。話せることは話しましたし、あなたも学校を休んでいるはずです」
「はい」
犯人はまだ判らないままだ。だが捕まるのは時間の問題だろうとこのときは悠もルカも思っていた。
これは数か月後の話になる。待てども一向に犯人は捕まらない。それどころか、マスコミも自殺なのではないかと囁き始めた。
飛鳥井テツには、孫がいる。まだ未成年で、悠よりも年齢は下であり、未成年だ。彼女の生霊が囁く。あいつが悪い、私は悪くないと。駅に行く前に飛鳥井家の前を通ると、罪の意識に苛まれた声が悠の脳に届いた。ルカには聞こえていない。
例えこちらが犯人の目星がついていても警察と関われない。対等でいられない。霊救師とはそういう仕事だと、ルカは苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
「偶然この空き家に足を運んだら、井戸の中で男が死んでいた。そういうことか?」
「はい」
「偶然にしては君の家と反対だが」
「そうですね」
「なぜ空き家に来ようと思ったんだ?」
「うーん…なんとなく」
今は一人ずつパトカーの中で事情聴取中だ。聴取の前に、ルカは悠に余計なことは喋らず会話は一言でと注意をした。そもそも、空き家があるかと言い出したのもルカであるし、井戸をチェックしたのもルカだ。悠は遺体を見ていない。空き家や井戸の写真を納得するまで撮った後、警察を呼んだのもルカ。こうなることも想定して、できるだけ聴取を悠にさせないようにしたのだ。
「君には後でまた聞くことになる。協力してくれるね」
「そうですね……」
まだ井戸の中の遺体は有坂千一と決まったわけではない。確認はこれからだ。入れ違いにルカがパトカーの中に入っていった。keep outと書かれてた規制線から出ようとしたが、ここぞとばかりにマスコミが囲っている。ルカの聴取が終わるまで、おとなしく待った。
ルカの聴取は長い。悠の倍以上かかった。
「お待たせしました。ひとまず家に戻りましょう」
家の回りにもマスコミは張っていて、相変わらず発音よくノージャパニーズと答えるだけだ。鍵を閉め、悠は食材を冷蔵庫に入れるとまずはお茶を入れた。そして買ってきたばかりの中華丼を温めた。
「さすがに庭まで入ってきませんよね?」
「それは有坂氏と同じく犯罪行為です。遠慮なく警察に通報しましょう」
中華丼のうずらの卵を最後まで取っておいた悠は、一口でそれを口に頬張る。
チャンネルを回すと、逃げた男が遺体で見つかった可能性があるとテロップで報道されていた。
「遺体は有坂さんなんでしょうか」
「十中八九そうでしょうね。警察に連行されたときの服装ですから」
「自殺…でしょうか」
「まだはっきりしたことは。ただ、ここに容疑者が二名いるというのは断定できます」
「よ、容疑者?」
「そのつもりで二度目の聴取が行われるでしょう。内容をまとめましょうか。有坂氏が殺されたのは、脱走した3時頃から私たちが発見した12時頃です。警察の司法解剖によって、時間帯はある程度絞られるでしょう」
「ルカさん、今殺されたって」
「断定ではなく、暫定です」
「でもその時間、僕らずっと一緒にいましたよね?」
「残念ですが、身内同士のアリバイは当てになりません。警察は必ず裏を取ります」
「身内同士…不謹慎ながら嬉しいって思っちゃいました」
「それは良かった」
ルカのスマホに電話がかかった。どうぞ出て下さいと伝え、話を横で聞いていると電話の主はこの前屋敷にお邪魔した吉岡和郎からだった。
「吉岡様からです。有坂氏は吉岡様からの紹介でしたので、あなた方に大変申し訳ないことをしたと。直接謝罪したいと仰っていましたが、今立て込んでいると申し上げました」
「いっぱいいっぱいなので助かります。警察も来るでしょうし」
「残念な結果になってしまった、彼には罪を償ってほしかったと仰っていました。ですが殺されたのは有坂氏と決まったわけではありません」
ルカこそ殺害されたと断定している言い方だが、悠はそれにはあえて突っ込まなかった。
そして15時頃、警察は家に来た。井戸の遺体はやはり有坂千一で間違いないとルカたちに伝えた。状況は前から押され、頭から落ち、ほぼ即死だった。
「申し訳ないが、また個別に事情聴取を行わせてもらいたい」
最初は悠から始まり、今度行う警察官は先ほどと別の人だ。
「悪いね、何度も何度も」
「いえ」
「大変だったね」
「いえ」
「緊張しないで、判ることだけ答えてほしいんだ」
「はい」
疑う体勢は崩しはせず、悠を問いつめていく。
「亡くなったのは4時から5時の間。その間は何してた?」
「同じことを聞かれましたが、当然寝てました」
「証明できる人っている?」
「……いません」
「あれ?もうひとりのお兄ちゃんは?」
「寝てましたが、仲が良い人だとアリバイにならないんでしょう?」
「そうだね。隠すこともあるからね。お兄ちゃんが寝てるところは確認した?」
「隣にいましたので」
「なるほど」
もうひとりの警察官はじっと悠を見るだけで何も言わない。
「今は里帰り中なんだっけ?随分半端な時期じゃない?」
「ホームシックです」
「ああ…判るよ、うん。あっちのお兄ちゃんが来た理由は?」
「それはルカさんに聞いて下さい」
「……なるほどね。関係を聞いてもいいかな?」
「バイト先の店長とアルバイトです」
このあとは似た質問が繰り返された。何度も何度聞くことで、ボロを出そうとするよくあるやり方だ。だが判る情報は悠にだってない。情報を欲しているのは悠も同じだ。
ルカは聴取の前に、ルカ自身のことを聞かれたら知らないと通せと言った。余計な言葉で食い違いが発生すればさらに時間がかかるからだ。これ以上身動きが取れないのは不都合がある。
「お疲れ様でした。お菓子食べます?」
「食べます」
甘いチョコレートをお茶請けに、お互い聞かれた話を交代で話していった。
「じゃあ霊救師の話は言ってないんですね?」
「ええ。話したところで鼻で笑われるだけです」
「判ります。僕もそういうのは体験してきましたから」
「ただ人捜しを頼まれたことは言いました。ばれたとき厄介ですからね。東北にやってきたので、お世話になっている悠の祖母の墓参りをしにきたらふたりにばったり遭遇したと申し上げています。墓参りの花は駅の花屋で購入し、監視カメラも設置されていましたのですぐに証明されるはずです。多少苦しいですが、まあ仕方ないでしょう。さて、では事件をもう一度おさらいしますか」
有坂千一は3時に脱走し、亡くなったのは4時から5時の間。前から押された、井戸に首から落ち、脊髄の損傷により死亡。その間のアリバイは、ふたりにはない。とルカがまとめる。
「今回、警察に張られている状態なのでろくに動けません。マスコミも多いですし、事件現場にはもう足を運べません。そこで、言い訳ともとれる外に出るチャンスを考えました」
「はい」
「一つが買い物に行くこと。もう一つが、悠のおばあさまの墓参りです。というか、後者の意見がラストチャンスと思って頂ければ」
「おばあちゃんに聞くんですか?」
「半分正解です。何もおばあさまだけではなく、墓場は不可視世界と繋がりのある場所でもあります」
「僕……警察に話していないことがあるんです」
「何ですか?」
「警察官が来た6時前まで寝ていたと話しましたが、あれ嘘なんです。実は4時くらいに一度目覚め、トイレに起きてるんです。ルカさんも寝ているのを確認しました」
「物音などは特になかったですか?」
「……あったんです。外で」
肩を落とす悠に、ルカは太股に手を置いた。
「どのような物音でしたか?」
「誰かが庭を歩く音です。そのときはまさか脱走したなんて知りもしなかったので、マスコミが入ってきたのかな、やだなあくらいしか思ってませんでした。寝ぼけていたのもあって、すぐに布団に入って寝ました」
「それからはぐっすり眠れましたか?」
「はい」
「よろしい。怖くなったのですね」
ルカは悠の頭をポンポン叩き、口元を緩ませた。
「ずっと考えていたんです。僕はパニック障害があるんじゃないかって。有坂さんと店でふたりになったときも苦しくなって気絶したし、師匠さんと話すときも辞めますなんて思ってもないことを口にした。もしかしたら、気づかない間に僕が殺してしまったんじゃ」
「私は医師ではないのでパニック障害については何とも言えません。ですが断言できることはある。あなたは人を殺していない。それは霊救師として保証します。あなたは自分自身を信じられないのなら、せめて私を信じて下さい」
ルカの言葉は不思議と心が落ち着いていく。欲しかった言葉をくれる。
悠はそれに答えると、ルカも満足げに頷いた。
「とはいえ、少々困ったことが起きています。彼が殺害されたのはスーパーの帰り道で霊が語りかけてきましたので把握できました。しかし今は声が聞こえないのです」
「“小さな影”、“押された”、“会いたい”」
「……あなたには聞こえるのですね」
「微かです。独り言のような声が頭に入ってきます」
「私よりは聞き取れています。どうやら今回はあなた頼りになりそうですね」
「ええ……不安なんですが」
「私が側にいます」
悠からすれば、霊を救いたいという気持ちより、ルカの助けになりたい気持ちが強い。太鼓判を押され、悠は小さく頷いた。
次の日、ふたりは駅前に来た。少し遠出になるが、これも意味があっての買い物だ。まずはルカが土産に買っていきたいと言っていたパウンドケーキのお店に入る。
「悠ちゃん久しぶりねえ」
「おはようございます。朝からすみません」
「いつ帰ってきたの?」
「数日前です。ホームシックにかかっちゃって。今日は友達も来てくれたんです」
「…………わお」
目を丸くするとはまさにこういうことを言う。ルカが微笑むと、落ちない人はいないのではないか。今も目の前の女性は口を開けっ放しのまま、しげしげと見つめている。
「殺人事件があって大変ねえ。お客さんだと思ってフロアに出てくればマスコミばっかりなのよ」
「大変ですね」
ベルの音と共に男性ふたり組が入ってきた。判りやすい。どう見てもマスコミだ。
悠はルカが指差したパウンドケーキと、クッキーを数種類購入し、軽く彼女と談笑したあと店を出た。
「ルカさん、だいぶ訛りに慣れてきましたね」
「なんとなく会話の前後で理解するようにしています」
「すみません、ちょっといいですか?」
声をかけてきたのは先ほどのスーツの男だ。
「君たちは警察に事情聴取されたよね?」
「ノージャパニーズ」
「あれ?日本語ダメ?なら君ならいい?」
「名刺はありますか?」
「こういう者なんだけど」
悠はもらった名刺を見ながら困惑した表情で彼を見る。
「すみません…僕らほとんど判らないんですよね」
「何を聞かれたかだけ教えてもらえないかな?」
「ごめんなさい」
次に向かったのは花屋だ。店員の男性はルカを見ると、片眉を上げ声をかけてきた。
「外人の兄ちゃんまた来てくれたのかい?」
「お邪魔させて頂きます。本日も墓参り用のお花を」
「はいよー」
ひまわりが入荷している。花が好きな祖母のために飾りたかったが、東京に戻らなければならないため、悠は断念した。
「ひまわりが気になりますか?」
「ルカさんの髪の色みたいですね。好きです」
「それはそれは。ちなみにひまわりの花言葉はご存知ですか?」
「うーん…ルカさんは知ってますか?」
「もちろんです。あなたに対する気持ちとだけ言っておきましょう。あとはご自分で調べなさい」
「はーい」
店員は何かを悟ったような顔でこちらを向くが、何も言わずに菊の花を渡してくれた。
「マスコミが多くて困りませんか?」
「さっきからうろちょろしてて困ってんだよ。追っ払ってほしいくらいだ」
「あまりに営業を妨害されるのなら、警察に言った方がいいですよ」
「そうするよ」
ありがとうとお礼を言い、店を出るとここぞとばかりにまたもやマスコミに道を塞がれた。
「すんません、雑誌の記者をやってる者なんだけど」
「名刺はありますか?」
受け取った名刺を見ると、見たことがある出版社だ。芸能人を追いかけるよりもお蔵入りした難事件を取り扱う会社である。
「何の用でしょうか?」
「ちょっと話聞きたいんだけどいいかな?」
「僕たちほとんど知らないですよ?」
「こっちにも掴んでる情報があるんだ」
記者はにやりと笑った。悠は困窮しながらも少しだけ、と答える。内面はふたりでほくそ笑みながら。
「いやあ、実は君たちをつけてたんだよね」
「知ってます」
「なんだ、そうだったの?もっと早くに話しかければ良かった」
三人で個室のあるランチに入った。奢ってくれるらしいので、遠慮なくご馳走になる。
「こちらのイケメンすぎるお兄さんは、日本語大丈夫?」
「少しですね。なので僕が受け答えをします」
「オッケー」
ランチはパスタ専門店で、悠が池袋に引っ越しをした後にできた店だ。ルカはたらこのパスタ、悠はナポリタン、記者の男はミートソースを注文した。
「へえ!たらこ好きなんだ」
「すき、です」
「どこの国出身?えーと、ウェアー、アーユーフロム?」
「Secret」
「聞くなってか?判ったよ」
片言の日本語と発音が良すぎる英語に吹き出しそうになりながら、本題に入った。
「ご馳走して頂いて申し訳ないんですが、本当に僕ら詳しいことは判らないんですよ」
「それを引き出すのが俺らの役目だからね」
「まず教えてほしいんです。なぜ僕らをつけてきたんですか?」
「警察に事情聴取をされたのと、近くに住んでたこと、あとは君たちに興味があったから。外国人の兄ちゃんとぽやんとしてる少年なんて面白い組み合わせだ」
「ぽ、ぽやん?」
「犯人の目星は立ってる?」
「……まったく。疑われるし困ってるんです。あなたは何か知ってますか?」
「亡くなったのは午前4時頃でしょ?君たちのアリバイはあるの?」
「ある人なんているんですか?だいたいみんな寝てますよ」
「そりゃそうだ。俺だって寝てたよ」
駆け引きは順調だ。ルカは相変わらず日本語が理解できないふりをして、聞き耳を立てている。悠はこんなに綺麗にたらこパスタを食べる人は見た。たらこパスタも幸せだ。
「あの有坂って男は君にストーカー行為をしてたんでしょ?」
「ストーカーって言うほど脅されたりしたわけじゃないんですが。捕まったのは住居侵入が理由です。庭に入ってきたので」
「立派なストーカーだよ。生前誰かに狙われてるとか、話したことはなかった?」
「聞いたことないですね。あなたは殺害した人に心当たりはあるんですか?」
「俺?ないけど、有坂さんが他の家をうろついてるのは聞いたな。その家を警察も張ってるし」
「他の家?」
それは新情報だ。
「変わった名字だった気がする。あー、あす…なんちゃら」
「警察は目星をつけてるんじゃないんですか?」
「まあな」
あまり綺麗な食べ方ではなく、ズズッと吸いながら、矢野はミートソースパスタを平らげていく。
「警察に何を聞かれたの?」
「アリバイですね。死亡推定時刻は何してたって。さっきも言った通り、寝てたとしか言えなかったです」
「あとは?」
「あとは……」
ルカは悠の太股を二度ほど叩いた。余計なことは言うなと合図だ。
「細かく聞かれたくらいですね。アリバイ」
「なるほど。じゃあさ、君たちが遺体を見つけた理由知りたいんだけど」
「僕は元々この辺りに住んでたんで、遺体の見つかった家が誰も住んでないのは知ってたんです。生い茂ってるはずの草が踏みつけられた跡があったので、追っていったら」
「見つかったと?」
「はい」
「なあんか、理由としては弱いよなあ……ほんとはもっと秘密があるんじゃないの?」
ルカはさらに太股を軽く叩く。霊救師です、霊が見えて霊魂を辿ったなど、絶対に黙して語らない。
「この通り語れることは少ないです」
「ほとんど聞いてないじゃん!俺はパスタ奢っただけか……」
「ご馳走になりますね。それじゃあ、そろそろ出ます」
「ありがとうね。何かあったら連絡ちょうだい。また奢るからさ」
「はい」
ふたりは無言のまま家に着いた。何度かマスコミに声をかけられたが首を横に振り、これ以上語りはしなかった。
「悠、お疲れ様です。よく頑張りましたね」
「ルカさん……」
「何やら不安そうな顔ですね。話を聞きましょう」
「記者の人が言っていた家ですが、飛鳥井かもしれません」
「………………」
ルカは何も答えず、唇に指を置き何かを考え込んでいる。しばらく沈黙が続き、
「悠、墓参りを終えたら、明日の電車で東京に帰りましょう」
「唐突ですね」
「ひとつ、私から。例え最悪の結果になろうと、あなたは何も悪くない。私があなたに対する気持ちは、ひまわりの花言葉と同様に変わらないです」
ルカは調べ上げていた。先にここに到着していた彼ならば、調べるくらいの時間はあったのだ。その変わった名字が、祖母の嫁ぐ前の名字だと言うことを。
「記者の矢野さんから飛鳥井と聞いたとき、男性の苦しそうな声で悠と呼ばれました。間違いなく有坂さんの声です。彼は最期まで、僕を頼っていた」
「それでもあなたを苦悩させたのは変わらない。気に病む必要は微塵もないです」
「写真の人物は、僕の想像している方で間違いないんですか?」
「あなたには写真の記憶を忘却の彼方に捨て去ってほしかったですが、仕方ありません。聞かせて下さい」
「僕に似た写真の人物ですが、おばあちゃんの妹ですよね。飛鳥井テツ。ただ、もう亡くなっているはずです」
「ええ。仰る通り」
「この辺りに住んでいるなんて知らなかった。妹がいるのは聞いてましたが」
「何年か前に引っ越ししてきたみたいです。あなたのご家族のことですので、躊躇する話ではありますが、あまり折り合いはよろしくないようでした」
「仲悪かったんですか…今思うと、おばあちゃんは家族の話となると、おじいちゃん以外の話はいつも口を閉ざしていました」
子供の頃は祖父と大事な想い出を語っている印象しか受けなかったが、それしか語れなかったのかもしれない。
「警察の方には、明日には帰ると伝えましょう。話せることは話しましたし、あなたも学校を休んでいるはずです」
「はい」
犯人はまだ判らないままだ。だが捕まるのは時間の問題だろうとこのときは悠もルカも思っていた。
これは数か月後の話になる。待てども一向に犯人は捕まらない。それどころか、マスコミも自殺なのではないかと囁き始めた。
飛鳥井テツには、孫がいる。まだ未成年で、悠よりも年齢は下であり、未成年だ。彼女の生霊が囁く。あいつが悪い、私は悪くないと。駅に行く前に飛鳥井家の前を通ると、罪の意識に苛まれた声が悠の脳に届いた。ルカには聞こえていない。
例えこちらが犯人の目星がついていても警察と関われない。対等でいられない。霊救師とはそういう仕事だと、ルカは苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
後宮の裏絵師〜しんねりの美術師〜
逢汲彼方
キャラ文芸
【女絵師×理系官吏が、後宮に隠された謎を解く!】
姫棋(キキ)は、小さな頃から絵師になることを夢みてきた。彼女は絵さえ描けるなら、たとえ後宮だろうと地獄だろうとどこへだって行くし、友人も恋人もいらないと、ずっとそう思って生きてきた。
だが人生とは、まったくもって何が起こるか分からないものである。
夏后国の後宮へ来たことで、姫棋の運命は百八十度変わってしまったのだった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
呪配
真霜ナオ
ホラー
ある晩。いつものように夕食のデリバリーを利用した比嘉慧斗は、初めての誤配を経験する。
デリバリー専用アプリは、続けてある通知を送り付けてきた。
『比嘉慧斗様、死をお届けに向かっています』
その日から不可解な出来事に見舞われ始める慧斗は、高野來という美しい青年と衝撃的な出会い方をする。
不思議な力を持った來と共に死の呪いを解く方法を探す慧斗だが、周囲では連続怪死事件も起こっていて……?
「第7回ホラー・ミステリー小説大賞」オカルト賞を受賞しました!
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる