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第三章 母を追って
054 何度でも再会を
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フィンリーに案内された家は、住宅地から少し離れたところに立地していた。
庭には手入れをほどこされた草花が満ちていて、ベリーの実が豊富になっている。
「三食とスイーツ届けるように伝えてある。もし外食したいなら連絡してくれれば車を出せるから」
「何から何までありがとうございます」
鍵を渡され、責任を感じているフィンリーは最後まで謝罪の言葉を口にしていた。
小さな家だというが、あくまでフィンリー目線での話だ。数人の家族で過ごすには充分すぎる大きさで、こちらもパステルカラーを基調としていて、おとぎの国を壊さないボルムレミモザに相応しい建物だ。
中の食器もベッドも、妖精が住み着いていそうだった。
夕食までまだ時間がある。個室で身支度を整えてさっそく散歩にでも出かけようと思ったが、道が分からない。
家のブザーが鳴った。夕食が届いたのだろうとドアを開けると、見知らぬ女性が立っていた。
「フランス語はできる?」
「少しだけできます」
「ちょっときて」
よく分からないまま、彼女の後を追う。
「これ、運んでくれる?」
ビニール袋や紙袋がトラックに積まれていて、女性は自分の家を指差した。
「お金はこれでいい?」
くしゃくしゃになったお札を見て、彼方は首を振った。
「お金はいただけません。これを運べばいいんですね?」
彼方がダンボールを持とうとしたとき、後ろから肩を掴まれた。
「彼は使用人ではない。私の大切な人です」
頬を染め、一つに結んだ長く伸びた髪を揺らし、男性は力強い声で言った。
「アーサーさん」
それから、単語も聞き取れないほどアーサーは女性に向かって早口でまくし立てる。
女性も彼の姿を凝視しながら時折相づちを打ち、家へと戻っていった。
家には家族がいるようで、男性が顔を出す。複雑そうな顔で女性の話を聞き、すぐに顔を引っ込めた。
「行きましょう」
有無を言わせず、アーサーは彼方の腕を掴む。
家に入り鍵をかけると、ようやくアーサーは胸を撫で下ろした。
「びっくりしました……お久しぶりです」
「ええ、お久しぶりです。カナ」
「なんか、いつものアーサーさんじゃないみたいでした」
「とても怒りに震えています。あなたに対してではありません。田舎ではめったにないのですが、彼女は引っ越してきたばかりなのです。どうか許して下さい」
「頭を下げられても、なんのことだか。別に怒ってないですよ」
「彼女はアジア人のあなたを見て使用人だと勘違いをしたのです。あなたは見た目も人がいいものだから、余計に調子に乗らせてしまった。あとでもう一度言っておきます」
「いいえ! もう大丈夫ですから」
「激怒している理由はもう一つあります」
アーサーは彼方の頬にそっと触れ、親指で血の線をなぞった。
「レイラにはきつく叱りました。本当はもう少しここへ早く来られる予定だったのですが、タカが外れてしまいました」
「まさかさっきみたく怒ったんですか?」
「大人はあの子を甘やかしすぎです。そのせいでレイラも調子に乗っています。本日は私もこちらへ泊まり、明日は向こうへ移動しましょう。不便をどうかお許し下さい」
「ここのどこが不便なんです? 僕の部屋より広いんですけど……」
「部屋の広さの問題ではありません。心の問題です」
「ここすごく気に入ったのになあ……残念」
「それは、本当に?」
「はい」
アーサーは眉根を寄せて、端末を取り出した。
電話の先はフィンリーのようで、もう少しここへ泊まってもいいなどと言い始めている。
「アーサーさんまで泊まらなくても……」
「こちらで滞在するのもいいものですね。海が見えないのが残念ですが。あとで散歩にでも行きましょうか。外にあるベリーの実は根こそぎ食べようかと思います」
「いいんですか?」
「ジャムにしてケーキにでも使います」
夕食が届くまでの間、さっそくアーサーは庭へ出てベリーを摘んだ。
「日本ではブラックベリーとして売られています。フランス語ではミュール。本当はこの辺りが原産地ではないのですが、フィンが植えたのでしょうね」
「夏が食べ頃なんですか?」
「そうですね。十月くらいまでは採れます」
「アーサーさんの作るケーキは久しぶりなので、楽しみです」
夕食は焼きたてのパンやスープ、魚料理が運ばれてきた。
「ここで過ごすとは言ったんですが、毎回運んできてもらうのも申し訳ないですね。僕が作ったらだめでしょうか」
「あなたは客人なのですよ? そんなことはさせられません」
「味の心配しています? 確かにおばあちゃんが作ったものより味は劣るかもしれませんが」
「そんな心配は無用でしょう。これ以上、カナに悩みを抱えてもらいたくないだけです。お顔がずいぶんと参っていますね。今日は夕食を食べた後、すぐに眠って下さい」
車の中でのフィンリーとの会話を思い出した。彼にも疲れていそうと心配されたのだ。
「悩みがあったんでした。忘れていました」
「うだうだ悩むよりいいです。さあ、食べましょうか。冷めてしまいます」
一日でいろんなことが起こりすぎた日だった。
この日は早めに就寝して、翌日は甘い香りで目が覚めた。
キッチンには瓶詰めにされたジャムが置かれている。
アーサーはまだ眠っているようで、家の中は静かだった。
冷蔵庫を開けてみると、昨日なかった野菜や肉、果物がつまっている。
「おはようございます。起きていたのですか」
「あ、おはようございます。いい匂いですね」
「バゲットはいただいてきました。昨日のうちに適当に材料をもらってきたのですが、いかがでしょう」
「充分すぎます」
「足りなければ、あとでまた出かけましょうね」
日本にいればしょっぱいものが食べたくなるが、朝はフランス流の朝食だ。
バゲットに甘いジャムや蜂蜜をつけて、カフェオレを添える。これだけでお洒落に見えた。
「一生このような食事がしたいです」
「甘党には幸せな時間ですよね。分かります」
「……ですね。そういう意味ではありませんが。食事の後は、レイラについてお話しをしたいと思います」
「あっそうだ。スタッフォード家の集まりがあるとかフィンリーさんが言っていましたが、アーサーさんは大丈夫なんですか?」
「本当は参加をしなくてはなりませんが、客人を放ってまで行きたくありません。それにレイラのあの態度は改めて謝罪をしなさいと伝えました。それまでは絶対に参加しません」
「僕は別に怒っていませんよ」
「私は怒ります。こんな思いをさせるためにフランスへ呼んだわけではありません」
昨日からアーサーの怒りはまだ冷めていないらしく、言葉の節々が厳しい。
ジャムをとってパンに塗ると、ルビー色が広がっていく。
「ジャムはいかがですか?」
「めちゃくちゃ美味しいです。甘酸っぱくて、口の中が幸せです」
「それはよかった」
食後には紅茶を入れて、本題に入る。
「レイラの話はどこまで聞きましたか?」
「ほとんど聞いていないようなものです。ただ、アジア人を毛嫌いしているくらいしか分からないです。あとはスタッフォード家の集まりは、彼女が主役だってフィンリーさんから聞きました」
「スタッフォード家で、隠し財産が見つかったのです」
「揉めそうな話ですね」
「ええ。たいていはこういう話を聞くと、目の色を変える方が多いのですが。カナは私と同じ反応です。いわゆる、面倒ごとが舞い込んできたな、という。遺言書も添えてありました」
「条件というのは?」
アーサーはカップを起き、静かに切り出した。
「正当なスタッフォード家の血を引く、女性」
庭には手入れをほどこされた草花が満ちていて、ベリーの実が豊富になっている。
「三食とスイーツ届けるように伝えてある。もし外食したいなら連絡してくれれば車を出せるから」
「何から何までありがとうございます」
鍵を渡され、責任を感じているフィンリーは最後まで謝罪の言葉を口にしていた。
小さな家だというが、あくまでフィンリー目線での話だ。数人の家族で過ごすには充分すぎる大きさで、こちらもパステルカラーを基調としていて、おとぎの国を壊さないボルムレミモザに相応しい建物だ。
中の食器もベッドも、妖精が住み着いていそうだった。
夕食までまだ時間がある。個室で身支度を整えてさっそく散歩にでも出かけようと思ったが、道が分からない。
家のブザーが鳴った。夕食が届いたのだろうとドアを開けると、見知らぬ女性が立っていた。
「フランス語はできる?」
「少しだけできます」
「ちょっときて」
よく分からないまま、彼女の後を追う。
「これ、運んでくれる?」
ビニール袋や紙袋がトラックに積まれていて、女性は自分の家を指差した。
「お金はこれでいい?」
くしゃくしゃになったお札を見て、彼方は首を振った。
「お金はいただけません。これを運べばいいんですね?」
彼方がダンボールを持とうとしたとき、後ろから肩を掴まれた。
「彼は使用人ではない。私の大切な人です」
頬を染め、一つに結んだ長く伸びた髪を揺らし、男性は力強い声で言った。
「アーサーさん」
それから、単語も聞き取れないほどアーサーは女性に向かって早口でまくし立てる。
女性も彼の姿を凝視しながら時折相づちを打ち、家へと戻っていった。
家には家族がいるようで、男性が顔を出す。複雑そうな顔で女性の話を聞き、すぐに顔を引っ込めた。
「行きましょう」
有無を言わせず、アーサーは彼方の腕を掴む。
家に入り鍵をかけると、ようやくアーサーは胸を撫で下ろした。
「びっくりしました……お久しぶりです」
「ええ、お久しぶりです。カナ」
「なんか、いつものアーサーさんじゃないみたいでした」
「とても怒りに震えています。あなたに対してではありません。田舎ではめったにないのですが、彼女は引っ越してきたばかりなのです。どうか許して下さい」
「頭を下げられても、なんのことだか。別に怒ってないですよ」
「彼女はアジア人のあなたを見て使用人だと勘違いをしたのです。あなたは見た目も人がいいものだから、余計に調子に乗らせてしまった。あとでもう一度言っておきます」
「いいえ! もう大丈夫ですから」
「激怒している理由はもう一つあります」
アーサーは彼方の頬にそっと触れ、親指で血の線をなぞった。
「レイラにはきつく叱りました。本当はもう少しここへ早く来られる予定だったのですが、タカが外れてしまいました」
「まさかさっきみたく怒ったんですか?」
「大人はあの子を甘やかしすぎです。そのせいでレイラも調子に乗っています。本日は私もこちらへ泊まり、明日は向こうへ移動しましょう。不便をどうかお許し下さい」
「ここのどこが不便なんです? 僕の部屋より広いんですけど……」
「部屋の広さの問題ではありません。心の問題です」
「ここすごく気に入ったのになあ……残念」
「それは、本当に?」
「はい」
アーサーは眉根を寄せて、端末を取り出した。
電話の先はフィンリーのようで、もう少しここへ泊まってもいいなどと言い始めている。
「アーサーさんまで泊まらなくても……」
「こちらで滞在するのもいいものですね。海が見えないのが残念ですが。あとで散歩にでも行きましょうか。外にあるベリーの実は根こそぎ食べようかと思います」
「いいんですか?」
「ジャムにしてケーキにでも使います」
夕食が届くまでの間、さっそくアーサーは庭へ出てベリーを摘んだ。
「日本ではブラックベリーとして売られています。フランス語ではミュール。本当はこの辺りが原産地ではないのですが、フィンが植えたのでしょうね」
「夏が食べ頃なんですか?」
「そうですね。十月くらいまでは採れます」
「アーサーさんの作るケーキは久しぶりなので、楽しみです」
夕食は焼きたてのパンやスープ、魚料理が運ばれてきた。
「ここで過ごすとは言ったんですが、毎回運んできてもらうのも申し訳ないですね。僕が作ったらだめでしょうか」
「あなたは客人なのですよ? そんなことはさせられません」
「味の心配しています? 確かにおばあちゃんが作ったものより味は劣るかもしれませんが」
「そんな心配は無用でしょう。これ以上、カナに悩みを抱えてもらいたくないだけです。お顔がずいぶんと参っていますね。今日は夕食を食べた後、すぐに眠って下さい」
車の中でのフィンリーとの会話を思い出した。彼にも疲れていそうと心配されたのだ。
「悩みがあったんでした。忘れていました」
「うだうだ悩むよりいいです。さあ、食べましょうか。冷めてしまいます」
一日でいろんなことが起こりすぎた日だった。
この日は早めに就寝して、翌日は甘い香りで目が覚めた。
キッチンには瓶詰めにされたジャムが置かれている。
アーサーはまだ眠っているようで、家の中は静かだった。
冷蔵庫を開けてみると、昨日なかった野菜や肉、果物がつまっている。
「おはようございます。起きていたのですか」
「あ、おはようございます。いい匂いですね」
「バゲットはいただいてきました。昨日のうちに適当に材料をもらってきたのですが、いかがでしょう」
「充分すぎます」
「足りなければ、あとでまた出かけましょうね」
日本にいればしょっぱいものが食べたくなるが、朝はフランス流の朝食だ。
バゲットに甘いジャムや蜂蜜をつけて、カフェオレを添える。これだけでお洒落に見えた。
「一生このような食事がしたいです」
「甘党には幸せな時間ですよね。分かります」
「……ですね。そういう意味ではありませんが。食事の後は、レイラについてお話しをしたいと思います」
「あっそうだ。スタッフォード家の集まりがあるとかフィンリーさんが言っていましたが、アーサーさんは大丈夫なんですか?」
「本当は参加をしなくてはなりませんが、客人を放ってまで行きたくありません。それにレイラのあの態度は改めて謝罪をしなさいと伝えました。それまでは絶対に参加しません」
「僕は別に怒っていませんよ」
「私は怒ります。こんな思いをさせるためにフランスへ呼んだわけではありません」
昨日からアーサーの怒りはまだ冷めていないらしく、言葉の節々が厳しい。
ジャムをとってパンに塗ると、ルビー色が広がっていく。
「ジャムはいかがですか?」
「めちゃくちゃ美味しいです。甘酸っぱくて、口の中が幸せです」
「それはよかった」
食後には紅茶を入れて、本題に入る。
「レイラの話はどこまで聞きましたか?」
「ほとんど聞いていないようなものです。ただ、アジア人を毛嫌いしているくらいしか分からないです。あとはスタッフォード家の集まりは、彼女が主役だってフィンリーさんから聞きました」
「スタッフォード家で、隠し財産が見つかったのです」
「揉めそうな話ですね」
「ええ。たいていはこういう話を聞くと、目の色を変える方が多いのですが。カナは私と同じ反応です。いわゆる、面倒ごとが舞い込んできたな、という。遺言書も添えてありました」
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