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第三章 母を追って
053 フランスからの招待状
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国際便が届き、相手はフィンリー・スタッフォードからだった。
──フランスが恋しくないかい?
つづられたフランス語のメッセージカードと共に、入っていたのはフランス行きの往復券。
祖母に見せると、行ってきなさいと迷いもなく笑った。
彼方は参っていた。とにかく、路頭に迷い、何をしたらいいのか分からないのだ。
将来のこと、十年先、大学四年に上がって何をしたらいいか。
フランスへ行き、何が待ち受けているのかも分からない。だがこのまま悩むだけ悩んで終わる大学四年でいるより、チケットを有効活用した方がいい気がした。
果てしない海を越えて空港に降り立った。
フランスらしく、空港は香水の香りがする。
「ハァイ!」
怪しさ満点のスーツの男は、顔の半分があるサングラスをかけて陽気にハグをした。
「フィンリーさん、お久しぶりです」
「しばらくだね! フランス語にする? 英語で話す?」
「ええと……基本英語で」
「OK! 君さ、だいぶ疲れているみたいだけど大丈夫? 眠れなかった?」
「そんなことはないんですけど……」
「まあいいさ。時間はたっぷりあるからね」
リムジンに乗り込むと、フィンリーはグラスを用意しシャンパンを注いだ。
「いろいろ聞きたいことがあるんですが、どうしてフランスなんですか?」
「君に会いたいっていう人がいてね。それと将来の話も含めて」
「将来」
耳に悪い言葉だ。けれど現実を逸らすこともできない。
「なるほど。参っている原因はそれみたいだね。気持ちは分かるさ。僕も父の仕事を継ぐかどうするか悩んだものだ」
「フィンリーさんも? 後悔していないですか?」
「ちっとも。人と話すのが好きだし、適任だと思っている。まあそれは集まりしだいいろいろ話そうか。今は君と乾杯したいよ」
甘みの強いシャンパンで乾杯した。アルコールがあまり得意でない彼方は二、三回口をつけただけだ。
移動の疲労もたまり、彼方は眠りについた。
目を開けると、車の中が甘い香りで満たされている。
「何の香り……?」
「ミモザ街道でようこそ」
「ミモザ?」
「街道を進むと街があるんだけどね。最初はボルムレミモザ。僕たちが滞在する街だ」
車から降りると、花の香りがよりいっそう強くなる。
「これがミモザの香りですか?」
「ここらは年がら年中ミモザの香りで満たされているよ。でも一面に見えるピンクの花は、ブーゲンビリアだ。上から見下ろせば、もっと感動するよ。じゃあ行こうか。それと、フランス語しか通じないから」
アジア人は目立つのか、遠くでこちらを何度も振り返っている人がいた。
「一週間はここで滞在になる。行きたい場所があれば彼に相談してくれ」
「彼って」
「さあ、行こうか! 潮と花の香りがする素晴らしい夜景を拝めるんだ!」
相変わらずフィンリーはフィンリーだ。こういう明るさで何度も救われているので、彼方もつられて笑うしかない。
曲がりくねった道は花のアーチで飾られていて、観光客も歓迎していた。
進んでいくとやがて潮の香りがしてきた。
「すごい……きれい」
青い海とピンクの花が一面に見える。おとぎの国に迷い込んだかのような夢の世界が広がっていた。
「スタッフォード家が持つ不動産のうちの一つだ。宿泊代はいらないが、君に頼みたいことがある」
フィンリーは後ろを振り向き、悪戯っ子の笑みを見せる。
「とある子供の子守りをしてもらいたい」
「子守りですか? 僕、子供の扱いはうまいわけじゃないんですが……」
「心を開かなくて困っているんだ。スタッフォード家にとって大事な家族でもある。なかなかになまい……いや口の達者な子でね。女の子は言葉の成長が早い。手を焼いているんだ」
「事情はよく分かりませんが、助けになりたいとは思います。でも他人の僕に心を開いてくれるとは思えませんが……」
「逆にスタッフォード家の人間だとうまくいかないんだ。事情に関しては今は言えない。わがままなお願いだと思うが頼む」
ホテルのような屋敷だ。外壁は淡いパステルカラーで、ブーゲンビリアだけではなく、多種の花や植物が飾られている。
フィンリーが扉を開けると、いきなり少女の罵声が聞こえてきた。
「いやよ! 私ぜったいに行かない!」
「お嬢様……」
割れた花瓶をメイドたちが掃除している。
淡いクリーム色のワンピースをまとい、ブロンドヘアーの髪は緩いウェーブがかかっていて、まるで『おとぎ話のお姫様』だ。
小さな赤い唇がよく動く。
「今日、スタッフォード家の集まりがあるんだ。彼女が主役で行かなければならないが、ずっとこんな調子で」
「彼女の誕生日か何かですか?」
「ある意味誕生日よりも重要な集会なんだよ」
少女は見慣れない彼方の姿にぴたりと止まった。
ボンジュールと声をかけるべきか、英語で通すべきか迷っていると、
「レイ、彼は日本からきた彼方。仲良くしてね」
彼女は英語でレイラと名乗り、会釈する。
挨拶も格好同様お嬢様だが、顔は不服そうで愛想はない。
「日本ってアジアでしょ? 私嫌いなの。出ていってくれる?」
「レイラ、彼には何の罪もない。そもそも君へのお客様じゃないんだよ」
「なんだ、そうなの。じゃあ誰の? まさかここに泊まるの?」
悲惨な顔で訴える。
「いや! 出ていって!」
「一緒の部屋で寝るわけじゃない」
「ご飯は一緒に食べるんでしょ? 汚らしいわ」
「レイラ!」
「あの、フィンリーさん。ここで他に泊まれる場所はありますか? もしあるなら、そこに移動します」
「それはだめだ」
「大丈夫です。別にここじゃなきゃいけない理由もないですし」
「……日本人は聞き分けが良すぎる。君はお客様だ。堂々としていればいいんだ」
「本人がいいって言うならいいじゃない。離れにフィンが使っているお屋敷があるでしょう? そちらを貸し出したら?」
レイラは鼻を鳴らし、腕を組んだ。
「回りに人がいると、一人にされる悲しみが分からないのか」
紳士とはほど遠い、フィンリーの静かな怒りだった。
メイドたちもおろおろするばかりで、どうすることもできない。
フィンの怒りはレイラが買ってしまった。
近くにあった小さなガラスでできた置物を掴むと、こちらにめがけて投げてくる。
先の尖った置物は彼方の頬を擦り、赤い線が走った。
「レイラ!」
「私の悲しみだって分からないじゃない! アジア人を呼ぶなんてどうかしてる!」
レイラは目に涙を溜めて、階段を駆け上がっていった。
メイドたちは後を追いかけるが、レイラにドアを閉められてどうすることもできないでいる。
「すまない。まさかここまで発狂するとは。ケガも見せてくれ」
「このくらいすぐ止まりますよ。それより、フィンリーさんのお家を貸して頂けるんですか?」
「君はそれでいいの?」
「はい」
悲しくないといえは嘘になるが、このままではレイラの怒りは収まらないと彼方は判断した。ならば、すぐに立ち去って気持ちを静めた方がいいだろう。
「すぐに用意する」
的確に指示を出していくフィンリーも、顔が疲れきっていた。
──フランスが恋しくないかい?
つづられたフランス語のメッセージカードと共に、入っていたのはフランス行きの往復券。
祖母に見せると、行ってきなさいと迷いもなく笑った。
彼方は参っていた。とにかく、路頭に迷い、何をしたらいいのか分からないのだ。
将来のこと、十年先、大学四年に上がって何をしたらいいか。
フランスへ行き、何が待ち受けているのかも分からない。だがこのまま悩むだけ悩んで終わる大学四年でいるより、チケットを有効活用した方がいい気がした。
果てしない海を越えて空港に降り立った。
フランスらしく、空港は香水の香りがする。
「ハァイ!」
怪しさ満点のスーツの男は、顔の半分があるサングラスをかけて陽気にハグをした。
「フィンリーさん、お久しぶりです」
「しばらくだね! フランス語にする? 英語で話す?」
「ええと……基本英語で」
「OK! 君さ、だいぶ疲れているみたいだけど大丈夫? 眠れなかった?」
「そんなことはないんですけど……」
「まあいいさ。時間はたっぷりあるからね」
リムジンに乗り込むと、フィンリーはグラスを用意しシャンパンを注いだ。
「いろいろ聞きたいことがあるんですが、どうしてフランスなんですか?」
「君に会いたいっていう人がいてね。それと将来の話も含めて」
「将来」
耳に悪い言葉だ。けれど現実を逸らすこともできない。
「なるほど。参っている原因はそれみたいだね。気持ちは分かるさ。僕も父の仕事を継ぐかどうするか悩んだものだ」
「フィンリーさんも? 後悔していないですか?」
「ちっとも。人と話すのが好きだし、適任だと思っている。まあそれは集まりしだいいろいろ話そうか。今は君と乾杯したいよ」
甘みの強いシャンパンで乾杯した。アルコールがあまり得意でない彼方は二、三回口をつけただけだ。
移動の疲労もたまり、彼方は眠りについた。
目を開けると、車の中が甘い香りで満たされている。
「何の香り……?」
「ミモザ街道でようこそ」
「ミモザ?」
「街道を進むと街があるんだけどね。最初はボルムレミモザ。僕たちが滞在する街だ」
車から降りると、花の香りがよりいっそう強くなる。
「これがミモザの香りですか?」
「ここらは年がら年中ミモザの香りで満たされているよ。でも一面に見えるピンクの花は、ブーゲンビリアだ。上から見下ろせば、もっと感動するよ。じゃあ行こうか。それと、フランス語しか通じないから」
アジア人は目立つのか、遠くでこちらを何度も振り返っている人がいた。
「一週間はここで滞在になる。行きたい場所があれば彼に相談してくれ」
「彼って」
「さあ、行こうか! 潮と花の香りがする素晴らしい夜景を拝めるんだ!」
相変わらずフィンリーはフィンリーだ。こういう明るさで何度も救われているので、彼方もつられて笑うしかない。
曲がりくねった道は花のアーチで飾られていて、観光客も歓迎していた。
進んでいくとやがて潮の香りがしてきた。
「すごい……きれい」
青い海とピンクの花が一面に見える。おとぎの国に迷い込んだかのような夢の世界が広がっていた。
「スタッフォード家が持つ不動産のうちの一つだ。宿泊代はいらないが、君に頼みたいことがある」
フィンリーは後ろを振り向き、悪戯っ子の笑みを見せる。
「とある子供の子守りをしてもらいたい」
「子守りですか? 僕、子供の扱いはうまいわけじゃないんですが……」
「心を開かなくて困っているんだ。スタッフォード家にとって大事な家族でもある。なかなかになまい……いや口の達者な子でね。女の子は言葉の成長が早い。手を焼いているんだ」
「事情はよく分かりませんが、助けになりたいとは思います。でも他人の僕に心を開いてくれるとは思えませんが……」
「逆にスタッフォード家の人間だとうまくいかないんだ。事情に関しては今は言えない。わがままなお願いだと思うが頼む」
ホテルのような屋敷だ。外壁は淡いパステルカラーで、ブーゲンビリアだけではなく、多種の花や植物が飾られている。
フィンリーが扉を開けると、いきなり少女の罵声が聞こえてきた。
「いやよ! 私ぜったいに行かない!」
「お嬢様……」
割れた花瓶をメイドたちが掃除している。
淡いクリーム色のワンピースをまとい、ブロンドヘアーの髪は緩いウェーブがかかっていて、まるで『おとぎ話のお姫様』だ。
小さな赤い唇がよく動く。
「今日、スタッフォード家の集まりがあるんだ。彼女が主役で行かなければならないが、ずっとこんな調子で」
「彼女の誕生日か何かですか?」
「ある意味誕生日よりも重要な集会なんだよ」
少女は見慣れない彼方の姿にぴたりと止まった。
ボンジュールと声をかけるべきか、英語で通すべきか迷っていると、
「レイ、彼は日本からきた彼方。仲良くしてね」
彼女は英語でレイラと名乗り、会釈する。
挨拶も格好同様お嬢様だが、顔は不服そうで愛想はない。
「日本ってアジアでしょ? 私嫌いなの。出ていってくれる?」
「レイラ、彼には何の罪もない。そもそも君へのお客様じゃないんだよ」
「なんだ、そうなの。じゃあ誰の? まさかここに泊まるの?」
悲惨な顔で訴える。
「いや! 出ていって!」
「一緒の部屋で寝るわけじゃない」
「ご飯は一緒に食べるんでしょ? 汚らしいわ」
「レイラ!」
「あの、フィンリーさん。ここで他に泊まれる場所はありますか? もしあるなら、そこに移動します」
「それはだめだ」
「大丈夫です。別にここじゃなきゃいけない理由もないですし」
「……日本人は聞き分けが良すぎる。君はお客様だ。堂々としていればいいんだ」
「本人がいいって言うならいいじゃない。離れにフィンが使っているお屋敷があるでしょう? そちらを貸し出したら?」
レイラは鼻を鳴らし、腕を組んだ。
「回りに人がいると、一人にされる悲しみが分からないのか」
紳士とはほど遠い、フィンリーの静かな怒りだった。
メイドたちもおろおろするばかりで、どうすることもできない。
フィンの怒りはレイラが買ってしまった。
近くにあった小さなガラスでできた置物を掴むと、こちらにめがけて投げてくる。
先の尖った置物は彼方の頬を擦り、赤い線が走った。
「レイラ!」
「私の悲しみだって分からないじゃない! アジア人を呼ぶなんてどうかしてる!」
レイラは目に涙を溜めて、階段を駆け上がっていった。
メイドたちは後を追いかけるが、レイラにドアを閉められてどうすることもできないでいる。
「すまない。まさかここまで発狂するとは。ケガも見せてくれ」
「このくらいすぐ止まりますよ。それより、フィンリーさんのお家を貸して頂けるんですか?」
「君はそれでいいの?」
「はい」
悲しくないといえは嘘になるが、このままではレイラの怒りは収まらないと彼方は判断した。ならば、すぐに立ち去って気持ちを静めた方がいいだろう。
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