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第一章 アキと大地の物語
07 「恋人だけど」
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本格的な暑さがやってきたと感じたのは、耳元で叫ぶジージー音で飛び起きたからだ。
「なんでいるの、なんでいるの!」
人語の分からない虫相手に、大地は吠えた。窓を開けていたわけではないのに、一匹のセミが迷い込んで壁に止まっている。
しばらく固まっていると、セミはぼとっと鈍い音を立てて床に落ちた。
動く気配はないが、死んでいるとも思えない。究極の選択を迫られている。
──急募。セミをどうにかする方法。
写真付きでSNSに載せ、どうにか助けを求めると、次々と返信があった。
──手で取る。
──窓を開けて下敷きとかで追い払ったら?
──家に行こうか?
全部却下だ。
タイムラインを下に見ていくと、Tこと達彦が子供とプリンを作る写真があった。
──タオルを被せる。
返信ではなくダイレクトメールを寄越したのは、アキこと千秋からだ。
わざわざ見えないやりとりを選んだのは、何か理由があるかもしれないと、深読みをしてしまう。
頬がだらしなくなるのを引きしめ、画面をタップした。
──タオルがいいの?
──数日放置してみ。ホウキか何かで触れても動かなければ、タオルごと包んで捨てる。
──ほーう。詳しい!
──日常茶飯事だからな。
──都会ってなんでこんなにセミ多いんでしょうね。鳴き声は嫌いじゃないんですけど。
──俺は好きになれん。やかましい。
──ひぐらしとか鳴き声綺麗だよ?
──ひぐらしはまあ分かる。
──ねえ、今何してます?
──洗濯物取り込んでる。雨降ってきた。
外を見るが、雲一つない快晴だ。
どこかでお天気雨が降っているのかもしれない。
──会いたい。
困惑させると思いつつも、優しいメールをくれるものだから、つい心の声を漏らしてしまった。
電話がかかってきて、大地はワンコールで耳にスマホを当てる。
『お前な……』
盛大なため息と共に、かすれた低めの声が聞こえてくる。
「だって」
『だってじゃない。会いたくなるだろうが』
「そっちなんかガヤガヤしてません?」
どたばたと誰かが走り回る音がして、子供の絶叫が聞こえる。
『いつもだから気にすんな。ちょっとばたついてる。それより今は夏休み中だろう?』
「うん。文化祭もある」
『じゃあ行くか』
「文化祭に? 来るの?」
『ああ。いつ?』
日程を告げると、千秋は分かった、と一言だけ言って電話を切った。
本当に忙しいようでいつも以上に素っ気なかったが、わざわざ電話をかけてくれ、大地は頬が緩むのを押さえきれない。
これではいけない、と唇に力を入れ、あまっているタオルで小ぶりの爆弾にそっと重ねる。
動く様子もない。かといって今すぐ捨てる覚悟もない。
「数日はこのままかな……」
普段の地味な大学が嘘のようで、カラフルな風船やフラワーアーチのように飾りつけられた門をくぐると、並んだ屋台に出迎えられる。
ソースの香りがし、焼きそばの前には人だかりができていた。
朝食はヨーグルトのみだったせいで、空腹を知らせる音が鳴る。
「チラシをどうぞ!」
よそからの客だと思われたのか、満面の笑みでチラシを渡された。
大地もとくに名乗るわけでもなく、お礼を言って鞄にしまった。
腕時計を見ると、まだ待ち合わせまで一時間ほどある。
昼食は一緒に食べる約束をしているので、目の前の焼きそばを食べるわけにはいかない。
隣でひまそうにしているわたあめの店員に声をかけると、跳ね上がった。
「え? 買ってくれるんですか?」
「ひとつ下さい」
「ありがとうございます」
「場所があまりよくなかったのかもしれませんね」
「ソースの匂いにやられてしまって、みんな焼きそばやお好み焼きに向かうんですよ」
間に挟まれたわたあめ屋は、悲鳴を上げる。
クジか何かで決めたのだろうが、これでは売り上げも目に見えている。
大きなわたあめを一つもらい、裏庭へ行ってベンチで食べた。
立ち上がろうとしたとき、誰かが目の前で立ち止まる。
大地は顔を上げ、呆然と男性を見つめ、戦慄が走った。
「ケイちゃん……?」
「大地……なんでここに」
昔の記憶が次々と駆け抜けていく。それはまったくいいものではなく、俯く自分ばかりだった。
結局は捨て去れないのだ。昔の思い出も記憶も何もかも。捨てたはずでもストーカーのようにつきまとう。
「ここの大学生だから」
「お前もなのかよ……」
彼はがっくりとうなだれ、眉間にしわを寄せた。
「もう昔のことだから」
「そんなん分かってるよ」
「なんか……変わったね」
「俺は、昔からこのままだ」
彼は声を荒げると、回りにいる人たちは足を止める。
そんな中、ひとりだけこちらに向かってくる人がいた。
しっかりとした上背に黒い革靴とは対照的な、ジーンズとTシャツというラフな格好。
「大地、待ち合わせはここじゃないだろう?」
「千秋さん……」
『ケイちゃん』は大地と千秋を交互に見ては、訝しみながら腕を組んだ。
「誰?」
「恋人だけど」
しれっと質問に答える千秋に、やきもきしたのは大地だ。
『ケイちゃん』の顔面蒼白をよそに、千秋は大地の背中に手を回して引き寄せる。
「ほら、行こう?」
手に込められる力は強く、離すつもりは微塵もない。
道は分からないはずなのにどんどん進んでいき、まだ準備中の体育館の中で足が止まった。
「びっくりした……いきなり現れるし」
「俺も驚いた。ポスターになってまで追いかけてくるんだな」
「え?」
「あいつだろ? これ」
壁には同じポスターが隙間なく貼られている。
政治選挙のように顔写真が並び、そのうちの一人が『ケイちゃん』だった。
「ミスコンなんて今もやってるのか」
「僕には縁がないけど。千秋さんは良い線いきそう」
千秋は目を細め、大地を睨んだ。
「ほんとに? 出たの?」
「……無理やり」
「すごいすごい。結果は?」
「二位」
「千秋さん以上にかっこいい人いたってこと? 見る目ないね」
千秋の顔が迫ってきて、心の準備ができないまま唇が重なった。
「お前っ……わたあめ食べただろ?」
「ちょっと、なんでここでするの!」
「一緒に昼食食べる約束だったはずだぞ」
「信じらんない……人が多いのに!」
「誰だよ、さっきの男は」
妙に苛立ちのこもった言い方だ。
観念して、大地も口を開く。
「早川啓介。関東に来てるのは知ってたけど、まさか同じ大学だったなんて」
「あんまり仲良さそうな感じじゃなかったが」
「めちゃくちゃ、死ぬほど恥ずかしい話なんですけど」
「今より恥ずかしい話なのか」
回りを見ると、女子生徒が口元を押さえてこちらを見ている。キスの代償は大きすぎた。
大地は千秋の手を引っ張り、体育館を出た。
「なんでいるの、なんでいるの!」
人語の分からない虫相手に、大地は吠えた。窓を開けていたわけではないのに、一匹のセミが迷い込んで壁に止まっている。
しばらく固まっていると、セミはぼとっと鈍い音を立てて床に落ちた。
動く気配はないが、死んでいるとも思えない。究極の選択を迫られている。
──急募。セミをどうにかする方法。
写真付きでSNSに載せ、どうにか助けを求めると、次々と返信があった。
──手で取る。
──窓を開けて下敷きとかで追い払ったら?
──家に行こうか?
全部却下だ。
タイムラインを下に見ていくと、Tこと達彦が子供とプリンを作る写真があった。
──タオルを被せる。
返信ではなくダイレクトメールを寄越したのは、アキこと千秋からだ。
わざわざ見えないやりとりを選んだのは、何か理由があるかもしれないと、深読みをしてしまう。
頬がだらしなくなるのを引きしめ、画面をタップした。
──タオルがいいの?
──数日放置してみ。ホウキか何かで触れても動かなければ、タオルごと包んで捨てる。
──ほーう。詳しい!
──日常茶飯事だからな。
──都会ってなんでこんなにセミ多いんでしょうね。鳴き声は嫌いじゃないんですけど。
──俺は好きになれん。やかましい。
──ひぐらしとか鳴き声綺麗だよ?
──ひぐらしはまあ分かる。
──ねえ、今何してます?
──洗濯物取り込んでる。雨降ってきた。
外を見るが、雲一つない快晴だ。
どこかでお天気雨が降っているのかもしれない。
──会いたい。
困惑させると思いつつも、優しいメールをくれるものだから、つい心の声を漏らしてしまった。
電話がかかってきて、大地はワンコールで耳にスマホを当てる。
『お前な……』
盛大なため息と共に、かすれた低めの声が聞こえてくる。
「だって」
『だってじゃない。会いたくなるだろうが』
「そっちなんかガヤガヤしてません?」
どたばたと誰かが走り回る音がして、子供の絶叫が聞こえる。
『いつもだから気にすんな。ちょっとばたついてる。それより今は夏休み中だろう?』
「うん。文化祭もある」
『じゃあ行くか』
「文化祭に? 来るの?」
『ああ。いつ?』
日程を告げると、千秋は分かった、と一言だけ言って電話を切った。
本当に忙しいようでいつも以上に素っ気なかったが、わざわざ電話をかけてくれ、大地は頬が緩むのを押さえきれない。
これではいけない、と唇に力を入れ、あまっているタオルで小ぶりの爆弾にそっと重ねる。
動く様子もない。かといって今すぐ捨てる覚悟もない。
「数日はこのままかな……」
普段の地味な大学が嘘のようで、カラフルな風船やフラワーアーチのように飾りつけられた門をくぐると、並んだ屋台に出迎えられる。
ソースの香りがし、焼きそばの前には人だかりができていた。
朝食はヨーグルトのみだったせいで、空腹を知らせる音が鳴る。
「チラシをどうぞ!」
よそからの客だと思われたのか、満面の笑みでチラシを渡された。
大地もとくに名乗るわけでもなく、お礼を言って鞄にしまった。
腕時計を見ると、まだ待ち合わせまで一時間ほどある。
昼食は一緒に食べる約束をしているので、目の前の焼きそばを食べるわけにはいかない。
隣でひまそうにしているわたあめの店員に声をかけると、跳ね上がった。
「え? 買ってくれるんですか?」
「ひとつ下さい」
「ありがとうございます」
「場所があまりよくなかったのかもしれませんね」
「ソースの匂いにやられてしまって、みんな焼きそばやお好み焼きに向かうんですよ」
間に挟まれたわたあめ屋は、悲鳴を上げる。
クジか何かで決めたのだろうが、これでは売り上げも目に見えている。
大きなわたあめを一つもらい、裏庭へ行ってベンチで食べた。
立ち上がろうとしたとき、誰かが目の前で立ち止まる。
大地は顔を上げ、呆然と男性を見つめ、戦慄が走った。
「ケイちゃん……?」
「大地……なんでここに」
昔の記憶が次々と駆け抜けていく。それはまったくいいものではなく、俯く自分ばかりだった。
結局は捨て去れないのだ。昔の思い出も記憶も何もかも。捨てたはずでもストーカーのようにつきまとう。
「ここの大学生だから」
「お前もなのかよ……」
彼はがっくりとうなだれ、眉間にしわを寄せた。
「もう昔のことだから」
「そんなん分かってるよ」
「なんか……変わったね」
「俺は、昔からこのままだ」
彼は声を荒げると、回りにいる人たちは足を止める。
そんな中、ひとりだけこちらに向かってくる人がいた。
しっかりとした上背に黒い革靴とは対照的な、ジーンズとTシャツというラフな格好。
「大地、待ち合わせはここじゃないだろう?」
「千秋さん……」
『ケイちゃん』は大地と千秋を交互に見ては、訝しみながら腕を組んだ。
「誰?」
「恋人だけど」
しれっと質問に答える千秋に、やきもきしたのは大地だ。
『ケイちゃん』の顔面蒼白をよそに、千秋は大地の背中に手を回して引き寄せる。
「ほら、行こう?」
手に込められる力は強く、離すつもりは微塵もない。
道は分からないはずなのにどんどん進んでいき、まだ準備中の体育館の中で足が止まった。
「びっくりした……いきなり現れるし」
「俺も驚いた。ポスターになってまで追いかけてくるんだな」
「え?」
「あいつだろ? これ」
壁には同じポスターが隙間なく貼られている。
政治選挙のように顔写真が並び、そのうちの一人が『ケイちゃん』だった。
「ミスコンなんて今もやってるのか」
「僕には縁がないけど。千秋さんは良い線いきそう」
千秋は目を細め、大地を睨んだ。
「ほんとに? 出たの?」
「……無理やり」
「すごいすごい。結果は?」
「二位」
「千秋さん以上にかっこいい人いたってこと? 見る目ないね」
千秋の顔が迫ってきて、心の準備ができないまま唇が重なった。
「お前っ……わたあめ食べただろ?」
「ちょっと、なんでここでするの!」
「一緒に昼食食べる約束だったはずだぞ」
「信じらんない……人が多いのに!」
「誰だよ、さっきの男は」
妙に苛立ちのこもった言い方だ。
観念して、大地も口を開く。
「早川啓介。関東に来てるのは知ってたけど、まさか同じ大学だったなんて」
「あんまり仲良さそうな感じじゃなかったが」
「めちゃくちゃ、死ぬほど恥ずかしい話なんですけど」
「今より恥ずかしい話なのか」
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