6 / 32
第一章 盲目の世界
06 次の約束
しおりを挟む
「大学の文化祭なんて久しぶりすぎるよ。俺はそんなに参加しなかったから」
「やっぱり勉強が忙しかったですか?」
「だね。サークルにも入れないほどだったから。でも常に成績トップの人は、合コンやサークル三昧で悔しい思いもした。……この後、どこに行くの?」
「……考えていませんでした」
中庭までやってきて、蓮は立ち止まる。来てほしいと願ったが、肝心の歓迎コースは考えていなかったのだ。
「じゃあ、何か食べない?」
「食べます。お腹空きました。何が食べたいですか?」
「定番だと、焼きそばとかお好み焼きとか?」
「焼きそばいいですね」
「じゃあそれにしよう」
目の前に見えていたのもあるが、焼きそばを二パック購入し、ベンチへ座った。さり気なく財布を出す姿に蓮は大人の色気を感じた。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。さっきの迷子の放送だけど、」
「迷子じゃないです! 人を待ってるって話したら、二年の先輩が居場所示すために放送部へ頼んでくれたんです」
「そうだったんだ。助かったよ。お礼を伝えておいてほしい」
「わかりました」
「にしても、天文サークルなんて素敵だね。夜に星を見に行ったりするの?」
「僕は行かないです。夜に何らかの事故があって、目が見えなくなったときの対処が困りますから。メンバーにも理由を話して、写真を撮ってもらってるんです。天文サークルのブログがあって、僕もアップしたりしてます」
「ちょっと検索してみる」
かずとは端末で検索し始めた。連絡先を交換したくても、勇気のない自分には喉にすら声が届かない。
「R……って、蓮君?」
「僕です」
「蓮君って柔らかい文章書くね」
「柔らかい……素敵な表現ですけど、自分ではよく判らないです」
「あったかい文というか、堅苦しくもなく、素直さが出てる」
「それは……どこかでかずと先生も、おんなじ夜空を見ていてほしいなあって思いながら書いてるからだと思います」
かずとの目が揺らぎ、蓮は視線を外した。告白じみた言い方に、少しだけ後悔した。一度は振られた身なのだ。あれから数年が経ち、成長がないと思われたくもなかった。
「蓮君、今度星を見に行かない?」
「かずと先生とですか?」
蓮は驚き、胸の辺りを手で押さえた。
「もし嫌でなければ。医者と一緒なら安心だろう? でも深夜帯にだし、おばあちゃんたちから許可を得られるかな」
「ちゃんと説明すれば、大丈夫だと思います。どうしよ、夢みたい。一生こんな機会はないって思ってた」
「ただ、ちょっと仕事が忙しいんだ。そうだな……十二月二十三日は?」
「え……あ、その日は休みに入ってます」
「ならこの前、蓮君と偶然再会した駅前に、夜の七時集合。夕飯を一緒に食べて、出かけよう」
「はい、楽しみにしています」
夢のような時間はまた少しだけ続き、焼きそばの後はわたあめを食べた。
冬休みに突入し、クリスマス・イヴの前という中途半端な日だが、この日は蓮の誕生日だ。
彼に話したこともないし、知るはずがない。三百以上ある日にちから偶然に選ばれた日でしかすぎないが、運命だと感じざるを得なかった。
焼きそばを食べた後は、軽音サークルへ向かった。
演奏している曲は一つに絞られておらず、今は誰もが知っているクラシックが流れている。
「病院でもかけていたよね」
「今、僕も思い出してました。前はあまり好きじゃなかったけど、今聴くと悪くないなあって思います」
「無理やり聴かせられるのと、自分の意思で聴こうとするのとでは全然違うからね」
クラシックの次は、アニメの主題歌、ゲームの音楽と聴いたことのある曲が流れていく。
隣のかずとは、アニメも観るのか口ずさんでいる。
目が合うと、彼は穏やかに微笑んだ。
「残念だけど、そろそろ時間だ。このあと、人と会う約束があってね」
「そうなんですね……」
がっかりした顔を隠せずにいると、かずとに前髪を弄られる。神経は通っていないのに、熱が頬にまで到達した。
「蓮君と会う話をしたら、どうしても今日しかないと言われてしまってね」
「それって……」
ついでなのは知人と会う約束だということだ。あくまで主体は蓮との約束だった。
かずとの人付き合いに口出しはできないが、それでも寂しさより嬉しさが少しは上だ。
「今日はありがとう。とても楽しかったよ」
「こちらこそ、お忙しいのに来てくれて嬉しかったです。送っていきます」
次回の約束はしたとはいえ、名残惜しさは募るばかりだ。
別れ際になってもまたもや気の利いたことは言えず、手を振るかずとに振り返すしかできない。
「十二月二十三日、楽しみにしてます」
「俺も。じゃあまた」
「はい。また」
「また」があるだけいい。永遠の別れではないのだ。
彼が見えなくなったとたん、目がかすみ始めるが、病気なのか涙なのかいまいち判らなかった。
天文サークルのブログに載せた写真は、どれもこれも好評だった。いつもよりアクセス数が増えたのは、七夕と文化祭効果があったからだ。
「写真でも綺麗ですけど、実際に天の川見たら言葉を失いそうですね」
「そうそれ。そんな感じ。目が良くなったら、いつか行ってみたらいいよ」
小泉は空になった缶のミルクティーを潰し、鞄を漁り始めた。
「うわ、ない。忘れてきた」
「よければ買ってきましょうか? 購買に行こうって思ってたんですけど」
「私もいく。後輩に頼むのは好きじゃないわ」
「意外。小泉って後輩はべらせるタイプかと思った」
小泉は鳴瀬の背中めがけて拳を伸ばした。
「れんれん、チョコ奢ったげる」
「わーい。ありがとうございます」
小泉はふんわりとした髪を指に巻いて弄っている。彼女の癖であるし、先ほどまで飲んでいたミルクティーの甘い香りがした。
「小泉さんってミルクティー好きですよね」
「一時はレモンティーもハマってたのよ。今はミルクティーだね。チョコは何がいい?」
「ほんとに買ってくれるんですか?」
「私も食べたいし」
蓮はイチゴソースが入ったチョコレートをカゴに入れる。
「この前、悪かったわ」
「この前?」
「文化祭の話」
「何かありましたっけ?」
「れんれんの好きな人って、勝手に女の子だと思い込んで話してた」
「いや、普通はそう思うかと。別に気にしてないです」
「性別の話は難しいってあらためて思い知ったのよ。前に私、女の子から告白されたことがあって、無理だって断った。そしたらその子、次の日から学校に来なくなって、そのまま転校した」
「転校……親の都合とかじゃないんですか?」
「家の引っ越しはしてなくて、学校だけ転校。もう原因はそれしかないって感じ」
「けっこうキツいですね。告白した側も、された側も」
「でしょ? 普通じゃいられなくなった。でも好きでもないのに無理して付き合ったって、その先はなかったから。やっぱり女の子は恋愛対象じゃないし」
「どうしようもない問題だと思います」
天文サークルへは戻らず、二人は中庭のベンチへ腰を下ろした。
「小泉さんって付き合ってる人いるんですか?」
「いた」
「いた」
「そう、いた」
「お別れした人は、この大学ですか?」
「あの人」
「やっぱり勉強が忙しかったですか?」
「だね。サークルにも入れないほどだったから。でも常に成績トップの人は、合コンやサークル三昧で悔しい思いもした。……この後、どこに行くの?」
「……考えていませんでした」
中庭までやってきて、蓮は立ち止まる。来てほしいと願ったが、肝心の歓迎コースは考えていなかったのだ。
「じゃあ、何か食べない?」
「食べます。お腹空きました。何が食べたいですか?」
「定番だと、焼きそばとかお好み焼きとか?」
「焼きそばいいですね」
「じゃあそれにしよう」
目の前に見えていたのもあるが、焼きそばを二パック購入し、ベンチへ座った。さり気なく財布を出す姿に蓮は大人の色気を感じた。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。さっきの迷子の放送だけど、」
「迷子じゃないです! 人を待ってるって話したら、二年の先輩が居場所示すために放送部へ頼んでくれたんです」
「そうだったんだ。助かったよ。お礼を伝えておいてほしい」
「わかりました」
「にしても、天文サークルなんて素敵だね。夜に星を見に行ったりするの?」
「僕は行かないです。夜に何らかの事故があって、目が見えなくなったときの対処が困りますから。メンバーにも理由を話して、写真を撮ってもらってるんです。天文サークルのブログがあって、僕もアップしたりしてます」
「ちょっと検索してみる」
かずとは端末で検索し始めた。連絡先を交換したくても、勇気のない自分には喉にすら声が届かない。
「R……って、蓮君?」
「僕です」
「蓮君って柔らかい文章書くね」
「柔らかい……素敵な表現ですけど、自分ではよく判らないです」
「あったかい文というか、堅苦しくもなく、素直さが出てる」
「それは……どこかでかずと先生も、おんなじ夜空を見ていてほしいなあって思いながら書いてるからだと思います」
かずとの目が揺らぎ、蓮は視線を外した。告白じみた言い方に、少しだけ後悔した。一度は振られた身なのだ。あれから数年が経ち、成長がないと思われたくもなかった。
「蓮君、今度星を見に行かない?」
「かずと先生とですか?」
蓮は驚き、胸の辺りを手で押さえた。
「もし嫌でなければ。医者と一緒なら安心だろう? でも深夜帯にだし、おばあちゃんたちから許可を得られるかな」
「ちゃんと説明すれば、大丈夫だと思います。どうしよ、夢みたい。一生こんな機会はないって思ってた」
「ただ、ちょっと仕事が忙しいんだ。そうだな……十二月二十三日は?」
「え……あ、その日は休みに入ってます」
「ならこの前、蓮君と偶然再会した駅前に、夜の七時集合。夕飯を一緒に食べて、出かけよう」
「はい、楽しみにしています」
夢のような時間はまた少しだけ続き、焼きそばの後はわたあめを食べた。
冬休みに突入し、クリスマス・イヴの前という中途半端な日だが、この日は蓮の誕生日だ。
彼に話したこともないし、知るはずがない。三百以上ある日にちから偶然に選ばれた日でしかすぎないが、運命だと感じざるを得なかった。
焼きそばを食べた後は、軽音サークルへ向かった。
演奏している曲は一つに絞られておらず、今は誰もが知っているクラシックが流れている。
「病院でもかけていたよね」
「今、僕も思い出してました。前はあまり好きじゃなかったけど、今聴くと悪くないなあって思います」
「無理やり聴かせられるのと、自分の意思で聴こうとするのとでは全然違うからね」
クラシックの次は、アニメの主題歌、ゲームの音楽と聴いたことのある曲が流れていく。
隣のかずとは、アニメも観るのか口ずさんでいる。
目が合うと、彼は穏やかに微笑んだ。
「残念だけど、そろそろ時間だ。このあと、人と会う約束があってね」
「そうなんですね……」
がっかりした顔を隠せずにいると、かずとに前髪を弄られる。神経は通っていないのに、熱が頬にまで到達した。
「蓮君と会う話をしたら、どうしても今日しかないと言われてしまってね」
「それって……」
ついでなのは知人と会う約束だということだ。あくまで主体は蓮との約束だった。
かずとの人付き合いに口出しはできないが、それでも寂しさより嬉しさが少しは上だ。
「今日はありがとう。とても楽しかったよ」
「こちらこそ、お忙しいのに来てくれて嬉しかったです。送っていきます」
次回の約束はしたとはいえ、名残惜しさは募るばかりだ。
別れ際になってもまたもや気の利いたことは言えず、手を振るかずとに振り返すしかできない。
「十二月二十三日、楽しみにしてます」
「俺も。じゃあまた」
「はい。また」
「また」があるだけいい。永遠の別れではないのだ。
彼が見えなくなったとたん、目がかすみ始めるが、病気なのか涙なのかいまいち判らなかった。
天文サークルのブログに載せた写真は、どれもこれも好評だった。いつもよりアクセス数が増えたのは、七夕と文化祭効果があったからだ。
「写真でも綺麗ですけど、実際に天の川見たら言葉を失いそうですね」
「そうそれ。そんな感じ。目が良くなったら、いつか行ってみたらいいよ」
小泉は空になった缶のミルクティーを潰し、鞄を漁り始めた。
「うわ、ない。忘れてきた」
「よければ買ってきましょうか? 購買に行こうって思ってたんですけど」
「私もいく。後輩に頼むのは好きじゃないわ」
「意外。小泉って後輩はべらせるタイプかと思った」
小泉は鳴瀬の背中めがけて拳を伸ばした。
「れんれん、チョコ奢ったげる」
「わーい。ありがとうございます」
小泉はふんわりとした髪を指に巻いて弄っている。彼女の癖であるし、先ほどまで飲んでいたミルクティーの甘い香りがした。
「小泉さんってミルクティー好きですよね」
「一時はレモンティーもハマってたのよ。今はミルクティーだね。チョコは何がいい?」
「ほんとに買ってくれるんですか?」
「私も食べたいし」
蓮はイチゴソースが入ったチョコレートをカゴに入れる。
「この前、悪かったわ」
「この前?」
「文化祭の話」
「何かありましたっけ?」
「れんれんの好きな人って、勝手に女の子だと思い込んで話してた」
「いや、普通はそう思うかと。別に気にしてないです」
「性別の話は難しいってあらためて思い知ったのよ。前に私、女の子から告白されたことがあって、無理だって断った。そしたらその子、次の日から学校に来なくなって、そのまま転校した」
「転校……親の都合とかじゃないんですか?」
「家の引っ越しはしてなくて、学校だけ転校。もう原因はそれしかないって感じ」
「けっこうキツいですね。告白した側も、された側も」
「でしょ? 普通じゃいられなくなった。でも好きでもないのに無理して付き合ったって、その先はなかったから。やっぱり女の子は恋愛対象じゃないし」
「どうしようもない問題だと思います」
天文サークルへは戻らず、二人は中庭のベンチへ腰を下ろした。
「小泉さんって付き合ってる人いるんですか?」
「いた」
「いた」
「そう、いた」
「お別れした人は、この大学ですか?」
「あの人」
10
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト
春音優月
BL
真面目でおとなしい性格の藤村歩夢は、武士と呼ばれているクラスメイトの大谷虎太郎に密かに片想いしている。
クラスではほとんど会話も交わさないのに、なぜか毎晩歩夢の夢に出てくる虎太郎。しかも夢の中での虎太郎は、歩夢を守る騎士で恋人だった。
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト。夢と現実が交錯する片想いの行方は――。
2024.02.23〜02.27
イラスト:かもねさま
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿

僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる