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第一章 想ひ出
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夏期休暇が終える二週間と少し前、虎臣は寮へ戻った。
手紙の件を彼に告げて謝罪をした。
「ああ、それは間違いなく俺が出した手紙だ。遅くなったが無事に届いて良かったよ」
「何で彼女がこんなことをしたのか判らない」
「理由なんてないさ。嫌がらせが趣味の人もいる。あまり難しく考えないでくれ。心が病になる」
「そうだな……そうする」
「それと手紙の返事、ありがとう。来るとは思わなかった」
「そりゃあ出すよ。あの日の夏で止まってしまったし……その、」
「ずっと心残りだった?」
「……僕からすれば返事が来なくてずっと待ってたから。お前の手紙を開けたとき、油絵の匂いがしたんだ。八重澤が側にいなくても、ちゃんと居るって感じられたよ」
幸一の顔が近づく。必然的に目を瞑った。
廊下で暴れ馬が暴走し出したような足音がし、虎臣は彼の肩を押す。
壊れんばかりの勢いで扉が開け放たれた。
「ああっ、ごめん!」
「柏尾、もう少し丁寧に扱えよ。お前はなんでも力任せなところがある」
幸一はため息をつき、扉が壊れていないか確認した。
「そんな柔じゃないって。それよりさ、お前ら銀ブラしようぜ! どうせ今日は暇なんだろ?」
「銀座に行ってなにをするんだ?」
「そりゃあ決まってるだろ。女に声をかけるんだよ。な?」
もじもじと背後で丸まっていたのは松岡だ。夏期休暇で彼も実家へ帰ったが、早めに戻ってきたらしい。
「どうする?」
「まあ……一日くらいなら」
「綺麗どころがいないと女も寄ってこないからな。準備ができ次第行くぞ」
そう言いつつ、柏尾は虎臣を見やる。
「なんだよ綺麗どころって」
「聞いたぞ。中学の頃、女たちから大量に恋文をもらってたんだろ」
「大量は言いすぎた。それに僕は誰とも付き合っていない」
ついむきになってしまった。隣にいる幸一からの視線が熱い。
「お前みたいな面構えで女に興味がないとか、ほしい人に与えられんもんだな」
「柏尾には野球の才があるだろ。人それぞれだ」
肩を並べて歩くと、彼の身長に驚かされる。
十二歳の頃は身長差などほぼなかった。なのに今は彼の肩が上にある。
もう少し上を向くと、唇がよく動いていた。彼は冗談もよく言うし、クラスの人気者だ。おまけに人をまとめる才もある。
虎臣は人の陰に隠れているタイプで、あまり目立つのを好まない。対照的だからこそ、気が合うのかもしれない。
「いつか遊廓に行ってみたいよなあ」
「お金を稼げるようになったら行ってみたらいいさ」
「俺みたいな気の弱い人でも、遊廓の人は遊んでくれるのかなあ……」
松岡は大きな身体を小さくさせた。
「金払いがよければそんなの関係ないだろ。むしろ酒飲んでわめき散らす男より、おとなしく居座ってる男の方が扱いやすいもんだ」
「そうなの?」
「うちの家族を見れば判る。女はしたたかで強い」
「柏尾の家庭環境はあえて聞かないでおこう。さあ、見えてきたぞ」
バスから降りれば、もう銀座だ。空高くそびえるビルが並び、車や路面電車が通る。
「うおおおお、あれが噂のモダンガールだぜ。色っぺえ」
「声かけてこいよ。ここからは別行動だ」
「は?」
唖然とする柏尾を尻目に、幸一は虎臣の腕を掴んだ。
「俺たちは買い物があるんだよ」
「お前らがいないと声かけても成功しないだろ」
「人は顔じゃない、性格と誠実さだ」
「自分が顔が良いみたいな言い方しやがって!」
「じゃあ三時間後にまたここで」
幸一に手を引かれるまま百貨店の中へ入った。
「こういうところに来た経験はあるか?」
「あるよ。妹の薫子の付き合いとかで。それより買い物ってなんだよ。何か買いたいものがあったのか?」
「柏尾組が良かったか?」
「まさか」
虎臣は頭を振った。
「ちょうど画材が欲しかったんだよ。もう無くなりそうで」
「なんだ、そうだったのか」
「新しく買ったら、お前を描かせてくれ」
「僕でいいのか?」
「お前を描きたい」
耳元で囁かれ、ふたりで布団を被ったときのことを思い出した。
ストームから逃げた緊張とふたりきりの空間におかしな居心地となり、唇がつきそうなほど寄り添った。
あの後は眠ってしまったが、幸一が何か話していた気もする。
「画材は上の階に売っている。エレベーターに乗ろう」
幸一に腕を掴まれていると、横切る女性たちと目が合った。繋がれた腕と交互に見られ、しかめっ面をしている。
「気になる?」
彼女たちの視線に気づいていた幸一は、おかしそうに笑う。
「お前は気にならないのか?」
「全然。お前とふたりきりになれて嬉しい」
「っ……平気でそんなことをよく言えるな」
「言えるさ、もちろん。画材はここの階だ」
エレベーターを降りたときには、さすがに手は離されていた。
寂しくもあり、画材に目を輝かせている彼を見ると仕方がないと諦めもつく。
彼の邪魔にならないように隣の本屋で過ごしていると、彼はすでに画材を購入していた。
「もういいのか?」
「買うものは決まっていたからな。浮き世に興味があったのか?」
虎臣が手に取っていたのは、主に浮き世絵がまとめられている本だ。
「いや、初めて見た。八重澤はこういう絵はあまり描かないよな」
「見せたことがないだけだ。日本画専門だが、浮き世絵の一つでもある春画には興味がある」
春画とは性風俗の一種だ。男女や同性同士の交合などを描いたものである。
「人間の身体を描くのに、とても勉強になるんだ」
「俺には理解できないが、そういうものか」
「そろそろ行こう。まだ時間には早いから上の階へ行ってお茶でもどうだ」
「そうしようか」
喫茶店はいくつか連なっており、そのうちの一つに目を奪われる。
前に家族で入ったことのある店だ。薫子の希望が叶ったが、虎臣は隣の喫茶店に入りたかったのだ。長男として当たり前に譲ったが、今も心残りはある。
「珈琲が飲みたいのか?」
「湘南の八重澤の別荘で初めて飲ませてくれただろう。あれ以来飲んでいないんだ」
「そうか。本田の家は紅茶派だったな」
「外国かぶれだからね」
「いいよ、入ろう。俺も久しく飲んでいないな」
「実家に帰ったとき、飲まなかったのか?」
「身近にあれば案外飲まないものだ」
ふたりは珈琲を二つ頼み、餡蜜も注文した。寮にいれば甘いものは食べる機会が少なくなる。
「カステラがあれば良かったな。八重澤の別荘で食べたあのカステラは特別に美味しかった」
「よく覚えているな」
「そりゃあ……忘れないよ」
もしかして、彼は忘れていただろうか。
不安に思考が遮られ、つい幸一を責めるような目で見てしまった。
「……お前としたことは覚えているよ。洞窟でのことも」
女々しく責めてしまったのに、彼はなんのことはないという優しい目をしていた。
「あ、あのときもらった有平糖、美味しかった」
「帰りに買っていくか? わりとどこでもあるぞ」
「余計な私物の持ち込み禁止だろ」
「それを言うなら俺も画材は必要以上に持ち込んでいるぞ」
「お前は将来のためだろ。俺は駄目だ」
「頑なだな。そこが本田の長所でもある」
「八重澤といると、僕が小さな人間に思えるときがあるよ」
手紙の件を彼に告げて謝罪をした。
「ああ、それは間違いなく俺が出した手紙だ。遅くなったが無事に届いて良かったよ」
「何で彼女がこんなことをしたのか判らない」
「理由なんてないさ。嫌がらせが趣味の人もいる。あまり難しく考えないでくれ。心が病になる」
「そうだな……そうする」
「それと手紙の返事、ありがとう。来るとは思わなかった」
「そりゃあ出すよ。あの日の夏で止まってしまったし……その、」
「ずっと心残りだった?」
「……僕からすれば返事が来なくてずっと待ってたから。お前の手紙を開けたとき、油絵の匂いがしたんだ。八重澤が側にいなくても、ちゃんと居るって感じられたよ」
幸一の顔が近づく。必然的に目を瞑った。
廊下で暴れ馬が暴走し出したような足音がし、虎臣は彼の肩を押す。
壊れんばかりの勢いで扉が開け放たれた。
「ああっ、ごめん!」
「柏尾、もう少し丁寧に扱えよ。お前はなんでも力任せなところがある」
幸一はため息をつき、扉が壊れていないか確認した。
「そんな柔じゃないって。それよりさ、お前ら銀ブラしようぜ! どうせ今日は暇なんだろ?」
「銀座に行ってなにをするんだ?」
「そりゃあ決まってるだろ。女に声をかけるんだよ。な?」
もじもじと背後で丸まっていたのは松岡だ。夏期休暇で彼も実家へ帰ったが、早めに戻ってきたらしい。
「どうする?」
「まあ……一日くらいなら」
「綺麗どころがいないと女も寄ってこないからな。準備ができ次第行くぞ」
そう言いつつ、柏尾は虎臣を見やる。
「なんだよ綺麗どころって」
「聞いたぞ。中学の頃、女たちから大量に恋文をもらってたんだろ」
「大量は言いすぎた。それに僕は誰とも付き合っていない」
ついむきになってしまった。隣にいる幸一からの視線が熱い。
「お前みたいな面構えで女に興味がないとか、ほしい人に与えられんもんだな」
「柏尾には野球の才があるだろ。人それぞれだ」
肩を並べて歩くと、彼の身長に驚かされる。
十二歳の頃は身長差などほぼなかった。なのに今は彼の肩が上にある。
もう少し上を向くと、唇がよく動いていた。彼は冗談もよく言うし、クラスの人気者だ。おまけに人をまとめる才もある。
虎臣は人の陰に隠れているタイプで、あまり目立つのを好まない。対照的だからこそ、気が合うのかもしれない。
「いつか遊廓に行ってみたいよなあ」
「お金を稼げるようになったら行ってみたらいいさ」
「俺みたいな気の弱い人でも、遊廓の人は遊んでくれるのかなあ……」
松岡は大きな身体を小さくさせた。
「金払いがよければそんなの関係ないだろ。むしろ酒飲んでわめき散らす男より、おとなしく居座ってる男の方が扱いやすいもんだ」
「そうなの?」
「うちの家族を見れば判る。女はしたたかで強い」
「柏尾の家庭環境はあえて聞かないでおこう。さあ、見えてきたぞ」
バスから降りれば、もう銀座だ。空高くそびえるビルが並び、車や路面電車が通る。
「うおおおお、あれが噂のモダンガールだぜ。色っぺえ」
「声かけてこいよ。ここからは別行動だ」
「は?」
唖然とする柏尾を尻目に、幸一は虎臣の腕を掴んだ。
「俺たちは買い物があるんだよ」
「お前らがいないと声かけても成功しないだろ」
「人は顔じゃない、性格と誠実さだ」
「自分が顔が良いみたいな言い方しやがって!」
「じゃあ三時間後にまたここで」
幸一に手を引かれるまま百貨店の中へ入った。
「こういうところに来た経験はあるか?」
「あるよ。妹の薫子の付き合いとかで。それより買い物ってなんだよ。何か買いたいものがあったのか?」
「柏尾組が良かったか?」
「まさか」
虎臣は頭を振った。
「ちょうど画材が欲しかったんだよ。もう無くなりそうで」
「なんだ、そうだったのか」
「新しく買ったら、お前を描かせてくれ」
「僕でいいのか?」
「お前を描きたい」
耳元で囁かれ、ふたりで布団を被ったときのことを思い出した。
ストームから逃げた緊張とふたりきりの空間におかしな居心地となり、唇がつきそうなほど寄り添った。
あの後は眠ってしまったが、幸一が何か話していた気もする。
「画材は上の階に売っている。エレベーターに乗ろう」
幸一に腕を掴まれていると、横切る女性たちと目が合った。繋がれた腕と交互に見られ、しかめっ面をしている。
「気になる?」
彼女たちの視線に気づいていた幸一は、おかしそうに笑う。
「お前は気にならないのか?」
「全然。お前とふたりきりになれて嬉しい」
「っ……平気でそんなことをよく言えるな」
「言えるさ、もちろん。画材はここの階だ」
エレベーターを降りたときには、さすがに手は離されていた。
寂しくもあり、画材に目を輝かせている彼を見ると仕方がないと諦めもつく。
彼の邪魔にならないように隣の本屋で過ごしていると、彼はすでに画材を購入していた。
「もういいのか?」
「買うものは決まっていたからな。浮き世に興味があったのか?」
虎臣が手に取っていたのは、主に浮き世絵がまとめられている本だ。
「いや、初めて見た。八重澤はこういう絵はあまり描かないよな」
「見せたことがないだけだ。日本画専門だが、浮き世絵の一つでもある春画には興味がある」
春画とは性風俗の一種だ。男女や同性同士の交合などを描いたものである。
「人間の身体を描くのに、とても勉強になるんだ」
「俺には理解できないが、そういうものか」
「そろそろ行こう。まだ時間には早いから上の階へ行ってお茶でもどうだ」
「そうしようか」
喫茶店はいくつか連なっており、そのうちの一つに目を奪われる。
前に家族で入ったことのある店だ。薫子の希望が叶ったが、虎臣は隣の喫茶店に入りたかったのだ。長男として当たり前に譲ったが、今も心残りはある。
「珈琲が飲みたいのか?」
「湘南の八重澤の別荘で初めて飲ませてくれただろう。あれ以来飲んでいないんだ」
「そうか。本田の家は紅茶派だったな」
「外国かぶれだからね」
「いいよ、入ろう。俺も久しく飲んでいないな」
「実家に帰ったとき、飲まなかったのか?」
「身近にあれば案外飲まないものだ」
ふたりは珈琲を二つ頼み、餡蜜も注文した。寮にいれば甘いものは食べる機会が少なくなる。
「カステラがあれば良かったな。八重澤の別荘で食べたあのカステラは特別に美味しかった」
「よく覚えているな」
「そりゃあ……忘れないよ」
もしかして、彼は忘れていただろうか。
不安に思考が遮られ、つい幸一を責めるような目で見てしまった。
「……お前としたことは覚えているよ。洞窟でのことも」
女々しく責めてしまったのに、彼はなんのことはないという優しい目をしていた。
「あ、あのときもらった有平糖、美味しかった」
「帰りに買っていくか? わりとどこでもあるぞ」
「余計な私物の持ち込み禁止だろ」
「それを言うなら俺も画材は必要以上に持ち込んでいるぞ」
「お前は将来のためだろ。俺は駄目だ」
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