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第7章 レインの不可思議な行動
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ユミルは、ランチの後にお茶でもするのかと思っていたが、エイドリアンがそれを許さなかった。
エイドリアンは、有無を言わさずユミルだけを馬車に押し込めると、ウィリアムに何やら筆談で伝えていた。
本来なら、奢ってくれたウィリアムに気を遣うべきだったが、先ほどのウィリアムの話にユミルは全く気を回せないほど動転していた。馬車に乗り、レインの邸宅へ戻る道の途中でも、ぼんやりと考え込んでしまう。
(ウィリアムは生理的に受け付けないなら、って言っていたけど、そんなことは全くないし、理性だけで考えれば、色よい返事をすべきなのに…。)
ユミルが頭を悩ませている向かいで、エイドリアンは必死に手帳に何かを書き綴っていた。
ユミルはそれが何か、わからなかったが、レインの邸宅に着いて、馬車を降りた後に漸く気が付いた。
先ほどの出来事を手帳に纏めていたのだ。
エイドリアンはユミルを部屋まで送ると、早歩きでレインの部屋のある方向へと向かっていった。そんなに慌ててどうしたのだろう、とユミルは暫くエイドリアンの後姿を見送っていたので、間違いない。
そこで、ユミルはエイドリアンの手帳の中身を理解したのだった。
(人の色恋沙汰まで報告するなんて、サイテー!!)
それに、レインはユミルの好きな人なのだ。
将来どうにもこうにもならない関係だが、今日の出来事を知られるのは大変に気まずい。
もし、このままレインの邸宅を追い出されてしまうようなことがあったらどうするのだ、とユミルは途端に不安な気持ちになった。
しかし、エイドリアンはもうユミルの足では追いつけないほど先に行ってしまった。
(今日は、海鮮料理をお外で食べて、ハッピーな気持ちになる予定だったのに…。)
こんなにも感情が揺れ動く日になってしまうなんて、とユミルは着の身着のままベッドへと倒れ込んだ。
『料理は美味しかった?』
「…美味しかったわよ。」
フクが呑気にユミルの側に近づいてくるので、ユミルは思わず恨めし気な声が出てしまう。
『なのに、なんで不機嫌?』
「不機嫌じゃない。ちょっと感情がごちゃごちゃで困ってるだけ。」
枕に顔をうずめながら唸っていると、ユミルの背中にずっしりとした重みがかかった。
フクが背中に乗ったのだ。
「フク、重たい。最近食べ過ぎだよ。」
『ユミルに言われたくないね。』
「…確かに。」
『で?何に困ってるの?』
今日のフクは話を聞いてくれる気があるらしい。
ユミルは枕に顔をうずめたまま、くぐもった声でぽつりぽつりと今日あった出来事を話した。
『前々から思ってたけどさ。』
「何?」
『ユミルってバカだよね。』
「…。」
困りながら相談したことの返答があまりにもひどいので、ユミルは一瞬絶句した。
「…あんまりじゃない?」
『だって、そうだよ、全然わかってない。』
「何が?」
『自分で気づきなよ。だから、エイディーだって、最近やきもきしたような表情をするんじゃないか。』
確かに、エイドリアンは最近よく拗ねたような表情を浮かべたり、何とも言えない表情を浮かべて、口をもごもごとさせていることが多い。
「気づくって、何に?」
『それも自分で考えな。』
フクはそう言うと、ユミルの背中から下りて窓際の日向で丸まってしまった。
(…気づくって、何に?)
いったい、どの日の、どの出来事について言っているのだろう、とユミルはあまりに範囲の広い問題に、さらに頭を悩ませることになった。
エイドリアンは、有無を言わさずユミルだけを馬車に押し込めると、ウィリアムに何やら筆談で伝えていた。
本来なら、奢ってくれたウィリアムに気を遣うべきだったが、先ほどのウィリアムの話にユミルは全く気を回せないほど動転していた。馬車に乗り、レインの邸宅へ戻る道の途中でも、ぼんやりと考え込んでしまう。
(ウィリアムは生理的に受け付けないなら、って言っていたけど、そんなことは全くないし、理性だけで考えれば、色よい返事をすべきなのに…。)
ユミルが頭を悩ませている向かいで、エイドリアンは必死に手帳に何かを書き綴っていた。
ユミルはそれが何か、わからなかったが、レインの邸宅に着いて、馬車を降りた後に漸く気が付いた。
先ほどの出来事を手帳に纏めていたのだ。
エイドリアンはユミルを部屋まで送ると、早歩きでレインの部屋のある方向へと向かっていった。そんなに慌ててどうしたのだろう、とユミルは暫くエイドリアンの後姿を見送っていたので、間違いない。
そこで、ユミルはエイドリアンの手帳の中身を理解したのだった。
(人の色恋沙汰まで報告するなんて、サイテー!!)
それに、レインはユミルの好きな人なのだ。
将来どうにもこうにもならない関係だが、今日の出来事を知られるのは大変に気まずい。
もし、このままレインの邸宅を追い出されてしまうようなことがあったらどうするのだ、とユミルは途端に不安な気持ちになった。
しかし、エイドリアンはもうユミルの足では追いつけないほど先に行ってしまった。
(今日は、海鮮料理をお外で食べて、ハッピーな気持ちになる予定だったのに…。)
こんなにも感情が揺れ動く日になってしまうなんて、とユミルは着の身着のままベッドへと倒れ込んだ。
『料理は美味しかった?』
「…美味しかったわよ。」
フクが呑気にユミルの側に近づいてくるので、ユミルは思わず恨めし気な声が出てしまう。
『なのに、なんで不機嫌?』
「不機嫌じゃない。ちょっと感情がごちゃごちゃで困ってるだけ。」
枕に顔をうずめながら唸っていると、ユミルの背中にずっしりとした重みがかかった。
フクが背中に乗ったのだ。
「フク、重たい。最近食べ過ぎだよ。」
『ユミルに言われたくないね。』
「…確かに。」
『で?何に困ってるの?』
今日のフクは話を聞いてくれる気があるらしい。
ユミルは枕に顔をうずめたまま、くぐもった声でぽつりぽつりと今日あった出来事を話した。
『前々から思ってたけどさ。』
「何?」
『ユミルってバカだよね。』
「…。」
困りながら相談したことの返答があまりにもひどいので、ユミルは一瞬絶句した。
「…あんまりじゃない?」
『だって、そうだよ、全然わかってない。』
「何が?」
『自分で気づきなよ。だから、エイディーだって、最近やきもきしたような表情をするんじゃないか。』
確かに、エイドリアンは最近よく拗ねたような表情を浮かべたり、何とも言えない表情を浮かべて、口をもごもごとさせていることが多い。
「気づくって、何に?」
『それも自分で考えな。』
フクはそう言うと、ユミルの背中から下りて窓際の日向で丸まってしまった。
(…気づくって、何に?)
いったい、どの日の、どの出来事について言っているのだろう、とユミルはあまりに範囲の広い問題に、さらに頭を悩ませることになった。
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