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第6章 おでかけ
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「明日、外出をするから、朝食後に着替えて待っていろ。着替えは侍女に運ばせる。」
毎晩恒例の杖のメンテナンスが終わり、ユミルがレインの部屋を退室しようとすると、レインはユミルの背中に向かってそう声をかけた。
(いっつも思うけど、急すぎない?)
「わかりました。どちらへ行くのでしょうか?」
「魔法局だ。」
「また証人喚問でしょうか?もう終わったのだと思っていました。」
先日の証人喚問のときは、ユミルの私服で良かった。今回は更にお偉いさんが来るから着替えが用意されるのか、とユミルは不思議に思いながらレインの次の言葉を待った。
「その件の話し合いは終わっている。君に感謝状が贈られることになった。」
「…えっ!?」
(いっつも思うけど、急すぎない…?)
突然のことに、ユミルは思わず抱えていたフクを落としてしまう。
『…!ちょっと、ユミル!』
「わわ、ごめん、ごめん。」
ユミルの腕の中で少しうとうとしていたフクは急な落下に手足をばたつかせたものの、何とか無事着地すると、ユミルを睨みつけて唸り声をあげる。抗議を込めて、前足でユミルの足をふみふみしてくるが、全く痛くない。
行政機関が、国の安全や事業に貢献した一般人に対し感謝状を贈ることは度々ある。新聞の端に載るようなイベントではあるものの、数日経てばすぐに忘れられてしまうような、さほど珍しいことではない。ただし、魔法局が贈るのは稀だ。
当然対象者は一般人の“魔法使い”に限られるし、魔法局の魔法使いでは対処できなかったことを認めることになるので、その審査が慎重なのだ。
「どうしてですか…?」
「取り敢えず、座ったらどうだ。」
ユミルはレインに促されるまま応接セットのソファに腰をかけると、レインも向かいのソファに腰を下ろした。
「あの日も言っただろう。君は立派に民衆を守ったと。」
「でも、魔法局が感謝状を出すのは稀だって、学園で聞いたことがあります。」
「君を推す声は局内でも声は上がっていたが、何より、あの日、あの場にいたあの町の住民たちからの声が大きかった。数は少なかったかもしれないが、ちゃんと、君の勇姿を見ていた。」
「…ありがとうございます。」
(あんなにも格好良くない無様な姿だったのに。)
ユミルは泣きそうになるのを誤魔化すように、無理やり口角を上げる。
他からも推薦の声が上がったのは嘘ではないだろうが、きっとレインがユミルに相応のリターンがあるように頑張ってくれたのだろうと、容易に想像がついた。
(必要以上に語らないから、余計、勘違いされるのに。勿体ない。)
「…あと、着いてきてほしいところがある。」
少しの間を空けてから、レインは言いづらそうに少しだけ眉を顰めた。
(これほどの衝撃を与えておいて…、もうこれ以上に驚くことなんてないに決まってるじゃない。次の遠征でも何でも、どんと来なさいよ!)
ユミルはレインから次に出てくる言葉を少しは警戒したが、魔法局から感謝状が贈られること以上に驚く行き先なんてない、と思っていた。
毎晩恒例の杖のメンテナンスが終わり、ユミルがレインの部屋を退室しようとすると、レインはユミルの背中に向かってそう声をかけた。
(いっつも思うけど、急すぎない?)
「わかりました。どちらへ行くのでしょうか?」
「魔法局だ。」
「また証人喚問でしょうか?もう終わったのだと思っていました。」
先日の証人喚問のときは、ユミルの私服で良かった。今回は更にお偉いさんが来るから着替えが用意されるのか、とユミルは不思議に思いながらレインの次の言葉を待った。
「その件の話し合いは終わっている。君に感謝状が贈られることになった。」
「…えっ!?」
(いっつも思うけど、急すぎない…?)
突然のことに、ユミルは思わず抱えていたフクを落としてしまう。
『…!ちょっと、ユミル!』
「わわ、ごめん、ごめん。」
ユミルの腕の中で少しうとうとしていたフクは急な落下に手足をばたつかせたものの、何とか無事着地すると、ユミルを睨みつけて唸り声をあげる。抗議を込めて、前足でユミルの足をふみふみしてくるが、全く痛くない。
行政機関が、国の安全や事業に貢献した一般人に対し感謝状を贈ることは度々ある。新聞の端に載るようなイベントではあるものの、数日経てばすぐに忘れられてしまうような、さほど珍しいことではない。ただし、魔法局が贈るのは稀だ。
当然対象者は一般人の“魔法使い”に限られるし、魔法局の魔法使いでは対処できなかったことを認めることになるので、その審査が慎重なのだ。
「どうしてですか…?」
「取り敢えず、座ったらどうだ。」
ユミルはレインに促されるまま応接セットのソファに腰をかけると、レインも向かいのソファに腰を下ろした。
「あの日も言っただろう。君は立派に民衆を守ったと。」
「でも、魔法局が感謝状を出すのは稀だって、学園で聞いたことがあります。」
「君を推す声は局内でも声は上がっていたが、何より、あの日、あの場にいたあの町の住民たちからの声が大きかった。数は少なかったかもしれないが、ちゃんと、君の勇姿を見ていた。」
「…ありがとうございます。」
(あんなにも格好良くない無様な姿だったのに。)
ユミルは泣きそうになるのを誤魔化すように、無理やり口角を上げる。
他からも推薦の声が上がったのは嘘ではないだろうが、きっとレインがユミルに相応のリターンがあるように頑張ってくれたのだろうと、容易に想像がついた。
(必要以上に語らないから、余計、勘違いされるのに。勿体ない。)
「…あと、着いてきてほしいところがある。」
少しの間を空けてから、レインは言いづらそうに少しだけ眉を顰めた。
(これほどの衝撃を与えておいて…、もうこれ以上に驚くことなんてないに決まってるじゃない。次の遠征でも何でも、どんと来なさいよ!)
ユミルはレインから次に出てくる言葉を少しは警戒したが、魔法局から感謝状が贈られること以上に驚く行き先なんてない、と思っていた。
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