私は既にフラれましたので。

椎茸

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第4章 ユリウスの自覚(その1)

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帰国の翌日、ルフェルニアは薬草学研究所にギルバートを案内し、アナテマの土を届けてから、植物局に出勤した。

ギルバートは薬草学研究所で挨拶をした後、予定を取り付けてあったガイア王国の王族と貴族数名と面会予定があるらしい。ノア公国で代替わりがあってから初の来国のため、私事旅行と言いながらも公務の挨拶回りで忙しいようだ。

ルフェルニアの机の上は、出張明けにもかかわらず、思ったよりもすっきりしていた。

「ミシャ、これお土産。色々と片付けてくれていたようでありがとう。」
「ありがとう。そういえば、昨日、ユリウス様がルフェの帰りが1日遅いからって、女子寮まで確認しに来たよ。」
「そうだったの?それは悪いことをしたかな…。」
「いやいや、絶対他の部下だったら、今日顔を見られれば大丈夫って思うでしょう。」

ルフェルニアが久々のミシャと挨拶を交わしていると、見計らったようにユリウスがやってきた。

「ルフェ、ちょっと良いかな?」

ユリウスは疑問の体を装っているが、圧がすごい。
しかし、ルフェルニアもアナテマの調査のことなどで、ユリウスと調整しなければならないことがあるので、ルフェルニアはミシャに断ってから席を立った。

_____

「ルフェ、どうして帰国が1日遅かったの?」

先ほどミシャから聞いていたが、ユリウスはよっぽどルフェルニアのことを心配していたらしい。
ルフェルニアはユリウスにソファへ腰をかけるように言われると、座ってすぐに自分の隣にユリウスへのお土産の袋を置いてユリウスと距離を取ろうとした。しかし、すぐにユリウスからお土産の袋を取り上げられ、いつものようにぴったりとくっついて座られてしまった。

「ノア公国に観光に連れて行ってもらっていたんです。」
「ふ~ん。ノア公国に泊ったの?」
「はい、お城に泊めていただいて…。」
「ノア大公の家に?ミネルウァ家の王都の邸宅には全然泊まってくれないのに?」

ユリウスが拗ねたように声をあげる。

「家って、ここでの王宮みたいなものではないですか。」

ルフェルニアが呆れたように言うと、ユリウスは悲し気に眉を寄せた。
そこからは根掘り葉掘り、出会ってから今日にいたるまでの経緯をすべて聞き出された。

何もやましいこと(ノア大公と気づかずに失礼な態度を取ってしまったことを除くが…。)はないのに、ルフェルニアはなぜか浮気がばれたような気持ちになり、居心地が悪い。

「それから、昨日どうして馬車から、その…普通に降りなかったの?」

ユリウスは“抱きかかえられて”と口にしたくなかった。無駄な抵抗だが、あの行為が大変に受け入れがたかったからだ。

「見ていたんですか!?」

ルフェルニアが顔を赤らめさせるのを見て、ユリウスは昨日からずっと痛かった胸がさらに痛んだ。

「うん、どうして?」
「それは…、あの馬車はギルの背に合わせて作ってあって、ステップが高くて降りづらいんです。」
「降りづらい?じゃあ、毎回ああだったの?」
「…はい。」

ルフェルニアが観念して答えると、ユリウスはまた心の奥でパチパチと火花が飛ぶのを感じた。

「どうして、そんな短期間でそこまで心を許せるんだ。」

ルフェルニアとユリウスは10年以上の時を経て、絆を深めてきた。だからユリウスが多少ルフェルニアにベタベタしても許されるのだ、というのはユリウスの持論だ。
それを、なぜあんなにも簡単に接触を許すのか、ユリウスには理解ができなかった。

一方でルフェルニアも、ギルバートと出会って随分と短期間で心を許しているのを自覚していた。また、その理由もはっきりと分かっていた。

「ギルは弟にそっくりなのです。」

ユリウスはルフェルニアの回答に怪訝そうにした。

「確かに、顔の造形が少しは似ているし、髪も同じ色だが、何より体格が全く違うじゃないか。」
「そうなのですが…ひとつひとつの行動がアルと似ているところが多くてとても可愛いのです。」

ギルバートが甘いものが好き、というのを勝手に広めるわけにはいかないので、ルフェルニアはそこの部分を伏して答えた。

「可愛い…!?あの大男が…?」

ギルバートの可愛い様子を思い出して嬉しそうにほほ笑みを浮かべるルフェルニアを、ユリウスは信じられないものを見るように見た。ギルバートの内面を知らない人たちからしたら、当然の反応ともいえる。

ユリウスは“大男”とギルバートを形容するが、ルフェルニアから見ればユリウスも体格が良い方だ。ギルバートほどではないが背は高いし、細身に見えてかなり筋肉が付いていることは、毎回ひっついて馬車に乗り込んでいたルフェルニアは良く知っていた。
あの体の上に儚く美しい顔が付いているので、いつだったかサムエルが激しく酔った勢いで「世界で一番美しいゴリラ」と形容した。ルフェルニアはしばらくの間ユリウスを見るたびに大笑いをして、サムエルの所業がユリウスにバレてしまったことは良い思い出だ。

(まぁ、普通はあの精悍なノア大公様を可愛いなんて言わないわよね。)

「はい。だからアルに接しているみたいになってしまうのだと思います。それにギルも堅苦しいのは苦手なようで、フレンドリーに接してくださるので、つい。」
「それなら、僕にも、前みたいに接して。」

言外に、地位の高いギルバートにできるのだから、良いでしょう?というのが聞こえて、ルフェルニアは困ったように笑った。

「貴方は上司ですから、それはできません。」
「そんなの、ずるいじゃないか。」

ルフェルニアが心底困惑していると、ユリウスはまだまだ言いたいことがあるのか次から次へと文句が飛び出てくる。溜まりに溜まったフラストレーションがぽこぽこと溢れ出してしまったのだ。
これ以上、ルフェルニアから無理に聞き出してはいけない、理性ではそう思うものの、ユリウスはルフェルニアがギルバートに心を許していることを目の当たりにして、悔しくて歯止めが利かなくなってきていた。

「それに、昨日のデイドレス。僕は見たことが無かった。」

ルフェルニアが昨日着用していたデイドレスは、ノア公国で買ってもらったデイドレスのひとつで、袖や裾、首元に繊細なレースがあしらわれた薄桃色の、ルフェルニアがいつも着ないような可愛らしいものだった。

ルフェルニアは、仕事場にも着ていける落ち着いた色のデイドレスかブラウス、スカートしか持っていない。偶にユリウスと観劇を見るためなどに余所行きを買っているが、それも数える程度でシンプルなものが多いので、ユリウスはそのすべてを把握していた。

(昨日、ノア大公がいなければ、ルフェを目の前に座らせて何時間でも見ていたいくらい可愛かった。あんなに可愛い服を持っているなら、僕に一番に見せてほしかったのに。どうしてノア大公なんだ!)

ユリウスはただでさえ、あの格好のルフェルニアとギルバートが一緒に居たことが許せない。いや、どんな格好だろうと移動中ずっと一緒に居たことでさえ許せていないのに、次に続くルフェルニアの言葉で、更なる衝撃がユリウスを襲った。

「ノア公国で買ったのです。」
「…誰かに買ってもらったの?」

ユリウスは息を呑んだ後、苦し気な様子で尋ねた。
ルフェルニアは貴族なのに随分と倹約家だ。道中で自分のための服を、それもあんなに可愛らしい服を自分で買うとは、ユリウスは到底思えなかった。

「…ギルに。」
「どうして?僕からは夜会のとき以外ちっとも受け取ってくれないくせに、ひどいじゃないか!」

ユリウスの中は、自分よりもギルバートが優先された、そんな考えでいっぱいになった。

「ノア公国に寄ったから、日数が増えて服がないでしょうって、心配してくれて…。」
「君は用意周到なタイプだから、服を日数のぎりぎりまでしか持っていないなんてことはないだろう?」

ルフェルニアはユリウスの悲痛そうな様子に慌てて言い訳をするが、ユリウスのまさに言うとおり、ルフェルニアは日数が伸びても大丈夫なようにちゃんと服を持って行っていた。
ルフェルニアはこれ以上言い訳を重ねても、藪蛇になりそうだと口を噤んだ。

ユリウスはその様子を見て、ついに爆発してすっかり自制ができなくなってしまった。頭の端に「もう止めろ」と静止をかける自分がいるのに、悲しくて悔しい気持ちのまま、「ひどい」「どうして」「もう僕のことなんて大事じゃないんだ」とルフェルニアを責める言葉を続けた。
まるで、大事なおもちゃを取り上げられた子どものようだ、とユリウスは心のどこかで自覚していた。

一方のルフェルニアは、どう返したらよいのか分からず困ってしまい、肩を丸くして縮こまっていたが、この状況に疲れてきたのか、段々と別の感情が生まれてきた。

(私のことをフッたくせに、どうして私の交友関係を制限するの?)

そう考え始めると、ルフェルニアはその思考が止まらなくなってしまう。

「その件は、ユリウスに関係ないじゃない。」

ルフェルニアは思わず、ぼそり、と反抗期の子どものように呟いてしまう。
静かな部屋の中で思ったよりも温度のない冷たい声が響いてしまった。
ルフェルニアは、はっとして口を覆ったが、ユリウスにはしっかりと届いてしまったようで、ユリウスは一瞬ぐっと言葉に詰まった。

「なんで、そんなことを言うの…。」

ユリウスはやっとのことで声を絞り出したが、声が震えて、瞳が潤んでいる。

(出張なんて、やっぱりひとりで行かせるんじゃなかった。)

ユリウスは色々な後悔で胸をかきむしりたい気分だった。自分がいけない、わかっているのに、ルフェルニアに初めて拒絶されるようなことを言われ、呆然として考えがまとまらない。
また、ルフェルニアも思わず口にしてしまったことを大変後悔していた。

気まずい沈黙が流れる中、扉からノックの音が聞こえた。

罪悪感で胸が押しつぶされそうになっていたルフェルニアはこれ幸い、と瞬時に席を立つ。
ルフェルニアはユリウスと本当に気まずくなるほどの喧嘩をしたことがなかったので、謝り方がわからなかった。

「それでは、これで失礼します。それから、そちらはテーセウス王国でのお土産です。」

ルフェルニアはそれだけ言い残すと、扉を開けて飛び出て行ってしまった。
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