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帝国編
最終的に間に合えば遅刻ではないのです(暴論)
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石段から闘技場舞台に上がり、中央付近へと歩く・・・対峙するのは僕の妹アイリ。
実剣で相対するのはこれが初めてなのだと気づいたのはそこ数日前だね、稽古は模擬剣を使うのだけど。
「兄妹対決になるようだがぁぁ・・・両者ぁ、準備は本当にぃよろしいかぁぁ?」
「よろしいでーす!」「アイリはいつも通りだね・・・」
とても気楽に返事をしたアイリだけど、この様子は稽古と同じ感覚なのかもしれないね、気軽な練習のつもりで僕も少しつられそうになるよ本当に・・・。
そしてその考えが思い違いなのを、目の前の妹が剣を構えた瞬間、頭から消え失せた。
「確かによろしいようだぁぁあ、両者ぁ構ぁえぇ・・・」
僕の知っている妹のアイリから、今、目の前に立っている少女は冒険者・・・一人の剣士になっていた。
腰に下げた左の鞘から剣を抜き構える・・・油断は大敵だね、初撃で終わるなんて兄としては何としてでも避けないと・・・物理的にも。
「始ぃぃめぇぇえ!」 ザッ!!
キィィィッ! 「!?速いっ・・・!?」「防がれたー!」
アイリ相手に長期戦など端から無謀だろうと、初撃から受け流しての反撃・・・そう考えたのすら甘かった・・・・・・流しきれずに反動で体勢が崩れきる前に、右足に力を込め一気に飛び退る。
「むぅ、やるねお兄ちゃん!」「・・・・・・っ」
アイリの斬撃は一度たりとも当たれない・・・そう直感が告げている。
「アイリさん、お兄さんが相手でも、遠慮なく全力で振り切りましたわね」
「新調した私のミスリル槍でも危うい斬撃だよ、なるほど、確かにあれを防げるなんてフィオナとアイリさんのお兄さんなだけはあるね」
何とも気楽な話し声が耳に入る・・・あの槍使いであろう少女もただ者ではないようだね。
「やあ!」キィッ「はっ!」キィッ!「とりゃあ!!」
剣術とは言い難いデタラメな剣の振り方、アイリは学院卒業まで僕や父さんの教えた剣技を覚える事はなかったけれど・・・・・・。
ブンッ! キィッ ブンッ キィッ ブンッ!!
「その必要・・・っ、なさそうだねっ!」
「やっぱりお兄ちゃんに攻撃当てれないぃぃい!!」
当たれないんだよアイリっ!・・・龍人様の回復魔導術というのは、即死でも作用してくれるのだろうか・・・・・・?
いや、考えるな・・・・・・袈裟斬りを横へと流し、直後体勢が崩れたアイリの右からの横凪を屈みながら上に流す。
狙うはこことウィクトール剣術、流れ一閃(攻撃を反らしてからの踏み込みながら水平斬撃で切りつつ通り過ぎる)、僕が剣を振り切る前にアイリの手首が捻り剣が上を向くのを捉えた。
大丈夫、ちゃんと僕は冷静だったようだね・・・アイリが剣を振り下ろすのを、左足に魔力を集中させて一歩後ろに下がる。
フォンッ 水平後ろに引いた剣を上段に構え直し、振り下ろす・・・首の手前で止めたものの、今更ながらに気付いたアイリにくっついているこの小動物・・・剣を前にしてもまったく動じないね・・・。
「ふぅぅっ・・・・・・惜しかったね、アイリ」「うぅぅ~~!!」
「これはぁぁ勝負あぁぁりぃぃいっ!」
どうやら何とか勝てたよう・・・・・・だ?
ピキキッ・・・・・・ バリィンッ
「冗談だろ・・・?数えれる程度の打ち合いで・・・刃がっ・・・・・・!」
「わぁぁん、また負けたぁ!!」
「どんまいですわアイリさん、ですが、とてもいい試合でしたわ」
「・・・どちらもいい動きだったね、アイリさんの場合無意識に魔力を抑えすぎたのは・・・致し方ないのかな」
もしかしたら、とも思ってはいた・・・アイリ、これで加減していたとでも言うのか・・・末恐ろしい妹だよ本当に。
しかし刃が壊れる覚悟はしていたけど、ほぼほぼ受け流したにも関わらずこれか・・・まともに受けたら、ミスリル部分すら損失しかねないね。
冒険者達と第二騎士団の試合が終了し小休憩が挟まりましたわ、私(わたくし)達はある意味ずっと休息している状態でしたけれど。
観客席の人達も弁当を持参したり、フィアさんやノアさんが周りの方々に軽食を販売しての腹ごしらえをする時間を過ごしておりますわね。
「ただいまー・・・お兄ちゃんに負けちゃったよー!!」
「・・・お帰りアイリさん、お兄さんの剣術・・・反撃を前提にしているからか、アイリさんとは相性が悪いのもあるかもね」
「それもあるだろうけど・・・多分、回避に専念せざるを得なかったんじゃない?」
そうですわね、魔力を抑えてるとはいえアイリさんの斬撃は十二分に強力でしたわ。
(危うく、アタシが魔力を使うところだったのだわ!)
「剣士が魔導術の使用禁止、というわけでもありませんから問題はなかったのかもしれませんわね」
「・・・魔導術を習っていないアイリさんが使えば魔導具の嫌疑が・・・と思ったけど、闘技戦の規定にはなかったね」
「そうでないとフィオナ・・・というより、魔導具を使っている体(てい)で通しているジオが参加できませんわね」
それはそれとフィオナ本当に遅いですわね、寄り道しているのを勘ぐってしまいますわ・・・ふと買い食いしている姿を想像してしまいましたわね。
「皇帝陛下がいらっしゃる中央来賓席、何か慌ただしいけど・・・どうかしたのかな?」
ここからですとよく聞こえませんわね、少し試してみましょう・・・風をこちらに向けて流す、そういういめーじ?という感じですわ。
ひゅぅぅぅぅぅ
「素晴らしい試合にて私も滾ってきおったわ・・・・・・余の大斧を持て~い!」
「こ、皇帝陛下・・・それは少々、お戯れが過ぎるかと・・・」
「ヴェルガリア様の御前で、皇帝である余が、高みの見物は不遜であろう?」
「アムレト団長、皇帝陛下は本気のようですよ・・・彼女等にお伝えしたほうがよろしいやも・・・」
何やら不穏な会話が聞こえてきましたわ、冗談を言っている空気感でもありませんわね。
「・・・来賓席の話し声が・・・エクタシス皇帝も参加するかのように聞こえたね」
「そのようですわね・・・フィオナの口癖ではないですけれど、面倒な事になりそうですわ」
「皇帝様も参戦するんだ!フィオナがいないから4人対6人になっちゃうね!」
「人数の問題ではない気もするけど・・・皇帝に剣を向けて大丈夫なのかな、私は槍だけれど」
わああああああ!!
帝国第一騎士団と皇帝陛下が中央来賓席から場内に続く大階段を下ると、観客席から歓声が上がりましたわ。
いやはやこれは完全に遅刻なのです、今度こそ半日で間に合う予定だったのですけど。
「悠長に中間村で飯食べておいて何言うてんねん、何なら、移動より圧倒的に時間使ってたで」
「軽めにスープで済ませるはずだったのですが、たくさんお食べと、丸焼きを出してもらったのが想定外なのです」
「まあ美味しかったけどなぁ、全部食べようとするから時間掛かってるんやで?」
自分で頼んでいないとはいえ、残すのはもったいないのです、とは言えども朝食べるには少々ヘヴィーなのですぅ。
「ジオに乗って激しく動こうものなら、間違いなく逆流するのです、何がとは言いませんが」
「言葉を吐いてる分には構わへんけど、ここで物理的にぶちまけるのは勘弁やでほんまに」
そうこう話している間に帝都が見え、入る前に一旦ステルスバリアーで展開しておくのです。
「帝都に到着してしまったのです・・・ジオで参戦する予定でしたが、鎧の中が大惨事になるのはよろしくないのです・・・生身でやり合うのは更にアウトなのですぅ」
高次領域の力の変換は不思議と調子がいいですし、これなら・・・ジオを転送して遠隔操作で闘技場に先行させれそうなのです。
「と言うわけでジオ転送なのです、私達は下りてから観客席の方に向かうのです」
「器用なやっちゃな」「むむむ、皆、既に舞台に立っているのです」
左目でのジオ視点から闘技場を見下ろしたら、今にも戦闘開始しそうな状態だったのです、つまりこれは間に合ったので遅刻ではないということなのです。
「構ぁぁえぇぇ・・・・・・始ぃぃぃいっ!?」
ゴォォォォッ ドゥン・・・・・・
「待たせたな、戦友」「・・・本当にギリギリだったね」
「大遅刻ですわよ・・・しかもフィオナ、鎧の中にいませんわね?そういう動きですわ」
「一瞬で看破するとは流石だな・・・・・・気のせいか、皇帝陛下が大斧を手にして立っているように見え・・・」
「お帰り!皇帝陛下も参戦する事になったよ!」
何がどうしてそうなったのか、皆目見当がつかないのですが・・・とりあえず、私とレイブンは今のうちに観客席へと移動するのでした。
実剣で相対するのはこれが初めてなのだと気づいたのはそこ数日前だね、稽古は模擬剣を使うのだけど。
「兄妹対決になるようだがぁぁ・・・両者ぁ、準備は本当にぃよろしいかぁぁ?」
「よろしいでーす!」「アイリはいつも通りだね・・・」
とても気楽に返事をしたアイリだけど、この様子は稽古と同じ感覚なのかもしれないね、気軽な練習のつもりで僕も少しつられそうになるよ本当に・・・。
そしてその考えが思い違いなのを、目の前の妹が剣を構えた瞬間、頭から消え失せた。
「確かによろしいようだぁぁあ、両者ぁ構ぁえぇ・・・」
僕の知っている妹のアイリから、今、目の前に立っている少女は冒険者・・・一人の剣士になっていた。
腰に下げた左の鞘から剣を抜き構える・・・油断は大敵だね、初撃で終わるなんて兄としては何としてでも避けないと・・・物理的にも。
「始ぃぃめぇぇえ!」 ザッ!!
キィィィッ! 「!?速いっ・・・!?」「防がれたー!」
アイリ相手に長期戦など端から無謀だろうと、初撃から受け流しての反撃・・・そう考えたのすら甘かった・・・・・・流しきれずに反動で体勢が崩れきる前に、右足に力を込め一気に飛び退る。
「むぅ、やるねお兄ちゃん!」「・・・・・・っ」
アイリの斬撃は一度たりとも当たれない・・・そう直感が告げている。
「アイリさん、お兄さんが相手でも、遠慮なく全力で振り切りましたわね」
「新調した私のミスリル槍でも危うい斬撃だよ、なるほど、確かにあれを防げるなんてフィオナとアイリさんのお兄さんなだけはあるね」
何とも気楽な話し声が耳に入る・・・あの槍使いであろう少女もただ者ではないようだね。
「やあ!」キィッ「はっ!」キィッ!「とりゃあ!!」
剣術とは言い難いデタラメな剣の振り方、アイリは学院卒業まで僕や父さんの教えた剣技を覚える事はなかったけれど・・・・・・。
ブンッ! キィッ ブンッ キィッ ブンッ!!
「その必要・・・っ、なさそうだねっ!」
「やっぱりお兄ちゃんに攻撃当てれないぃぃい!!」
当たれないんだよアイリっ!・・・龍人様の回復魔導術というのは、即死でも作用してくれるのだろうか・・・・・・?
いや、考えるな・・・・・・袈裟斬りを横へと流し、直後体勢が崩れたアイリの右からの横凪を屈みながら上に流す。
狙うはこことウィクトール剣術、流れ一閃(攻撃を反らしてからの踏み込みながら水平斬撃で切りつつ通り過ぎる)、僕が剣を振り切る前にアイリの手首が捻り剣が上を向くのを捉えた。
大丈夫、ちゃんと僕は冷静だったようだね・・・アイリが剣を振り下ろすのを、左足に魔力を集中させて一歩後ろに下がる。
フォンッ 水平後ろに引いた剣を上段に構え直し、振り下ろす・・・首の手前で止めたものの、今更ながらに気付いたアイリにくっついているこの小動物・・・剣を前にしてもまったく動じないね・・・。
「ふぅぅっ・・・・・・惜しかったね、アイリ」「うぅぅ~~!!」
「これはぁぁ勝負あぁぁりぃぃいっ!」
どうやら何とか勝てたよう・・・・・・だ?
ピキキッ・・・・・・ バリィンッ
「冗談だろ・・・?数えれる程度の打ち合いで・・・刃がっ・・・・・・!」
「わぁぁん、また負けたぁ!!」
「どんまいですわアイリさん、ですが、とてもいい試合でしたわ」
「・・・どちらもいい動きだったね、アイリさんの場合無意識に魔力を抑えすぎたのは・・・致し方ないのかな」
もしかしたら、とも思ってはいた・・・アイリ、これで加減していたとでも言うのか・・・末恐ろしい妹だよ本当に。
しかし刃が壊れる覚悟はしていたけど、ほぼほぼ受け流したにも関わらずこれか・・・まともに受けたら、ミスリル部分すら損失しかねないね。
冒険者達と第二騎士団の試合が終了し小休憩が挟まりましたわ、私(わたくし)達はある意味ずっと休息している状態でしたけれど。
観客席の人達も弁当を持参したり、フィアさんやノアさんが周りの方々に軽食を販売しての腹ごしらえをする時間を過ごしておりますわね。
「ただいまー・・・お兄ちゃんに負けちゃったよー!!」
「・・・お帰りアイリさん、お兄さんの剣術・・・反撃を前提にしているからか、アイリさんとは相性が悪いのもあるかもね」
「それもあるだろうけど・・・多分、回避に専念せざるを得なかったんじゃない?」
そうですわね、魔力を抑えてるとはいえアイリさんの斬撃は十二分に強力でしたわ。
(危うく、アタシが魔力を使うところだったのだわ!)
「剣士が魔導術の使用禁止、というわけでもありませんから問題はなかったのかもしれませんわね」
「・・・魔導術を習っていないアイリさんが使えば魔導具の嫌疑が・・・と思ったけど、闘技戦の規定にはなかったね」
「そうでないとフィオナ・・・というより、魔導具を使っている体(てい)で通しているジオが参加できませんわね」
それはそれとフィオナ本当に遅いですわね、寄り道しているのを勘ぐってしまいますわ・・・ふと買い食いしている姿を想像してしまいましたわね。
「皇帝陛下がいらっしゃる中央来賓席、何か慌ただしいけど・・・どうかしたのかな?」
ここからですとよく聞こえませんわね、少し試してみましょう・・・風をこちらに向けて流す、そういういめーじ?という感じですわ。
ひゅぅぅぅぅぅ
「素晴らしい試合にて私も滾ってきおったわ・・・・・・余の大斧を持て~い!」
「こ、皇帝陛下・・・それは少々、お戯れが過ぎるかと・・・」
「ヴェルガリア様の御前で、皇帝である余が、高みの見物は不遜であろう?」
「アムレト団長、皇帝陛下は本気のようですよ・・・彼女等にお伝えしたほうがよろしいやも・・・」
何やら不穏な会話が聞こえてきましたわ、冗談を言っている空気感でもありませんわね。
「・・・来賓席の話し声が・・・エクタシス皇帝も参加するかのように聞こえたね」
「そのようですわね・・・フィオナの口癖ではないですけれど、面倒な事になりそうですわ」
「皇帝様も参戦するんだ!フィオナがいないから4人対6人になっちゃうね!」
「人数の問題ではない気もするけど・・・皇帝に剣を向けて大丈夫なのかな、私は槍だけれど」
わああああああ!!
帝国第一騎士団と皇帝陛下が中央来賓席から場内に続く大階段を下ると、観客席から歓声が上がりましたわ。
いやはやこれは完全に遅刻なのです、今度こそ半日で間に合う予定だったのですけど。
「悠長に中間村で飯食べておいて何言うてんねん、何なら、移動より圧倒的に時間使ってたで」
「軽めにスープで済ませるはずだったのですが、たくさんお食べと、丸焼きを出してもらったのが想定外なのです」
「まあ美味しかったけどなぁ、全部食べようとするから時間掛かってるんやで?」
自分で頼んでいないとはいえ、残すのはもったいないのです、とは言えども朝食べるには少々ヘヴィーなのですぅ。
「ジオに乗って激しく動こうものなら、間違いなく逆流するのです、何がとは言いませんが」
「言葉を吐いてる分には構わへんけど、ここで物理的にぶちまけるのは勘弁やでほんまに」
そうこう話している間に帝都が見え、入る前に一旦ステルスバリアーで展開しておくのです。
「帝都に到着してしまったのです・・・ジオで参戦する予定でしたが、鎧の中が大惨事になるのはよろしくないのです・・・生身でやり合うのは更にアウトなのですぅ」
高次領域の力の変換は不思議と調子がいいですし、これなら・・・ジオを転送して遠隔操作で闘技場に先行させれそうなのです。
「と言うわけでジオ転送なのです、私達は下りてから観客席の方に向かうのです」
「器用なやっちゃな」「むむむ、皆、既に舞台に立っているのです」
左目でのジオ視点から闘技場を見下ろしたら、今にも戦闘開始しそうな状態だったのです、つまりこれは間に合ったので遅刻ではないということなのです。
「構ぁぁえぇぇ・・・・・・始ぃぃぃいっ!?」
ゴォォォォッ ドゥン・・・・・・
「待たせたな、戦友」「・・・本当にギリギリだったね」
「大遅刻ですわよ・・・しかもフィオナ、鎧の中にいませんわね?そういう動きですわ」
「一瞬で看破するとは流石だな・・・・・・気のせいか、皇帝陛下が大斧を手にして立っているように見え・・・」
「お帰り!皇帝陛下も参戦する事になったよ!」
何がどうしてそうなったのか、皆目見当がつかないのですが・・・とりあえず、私とレイブンは今のうちに観客席へと移動するのでした。
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