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帝国編
平穏が一番なのです
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お店に戻るフィアさんの後ろに続き、カフェ・フレイアに入店する・・・まだ全身がビリビリしているのです。
「そんな状態でも食欲が勝っているんだね・・・僕が宿の方に配達しても・・・」
「大丈夫なのです・・・それにしても、自分の弱点が自身の魔力とか洒落にもならないのです」
「お帰り~お姉ちゃん、フィオナちゃんもいらっしゃいませ~・・・フラフラしてるけどどうしたの~?」
ピークが過ぎた店内は落ち着いており、ノアちゃんがお皿を両手に持ち出迎えてくれたのです・・・意外と力持ちなのです。
「・・・いつもと違う疲れ方だね、魔力切れ・・・でもないみたい」
「凄く乱れてはいますわね、加減できずに使いすぎたようにも見えますわ」
「ミリー達も今お昼です?リアは食後のコーヒーを優雅に飲んでいますけど表情が・・・」
「苦いが癖になる味じゃな、苦いがの」
カフェインレスなコーヒーで覚醒作用は少ないですが、苦味で気分的には目が覚めるのです。
これも共和国産かと思ったら普通に帝国産だったのですが、最初に飲み物にしようとした人は凄いのです。
「フィオナのその状態は、魔力で身体強化をした結果この有り様なのじゃ・・・店に来る直前の事じゃが」
「そういうことですの・・・・・・いえ、身体強化でここまで弱るのは初めて見ますわよ?」
「・・・小柄な身体に一気に魔力を流したと考えると、体に負荷がかかったんだろうね」
「身体が痛くなることもあるんだね!初めて知った!」
姉様はそうでしょうとも・・・昔家で力比べする方法として腕相撲を教えた時、兄様をテーブルもろとも床にたたきつけた馬鹿力も・・・無意識の身体強化だったと今なら分かるのです。
「なるほど学院生の時、ミリーに投げ飛ばされたのも魔力の身体強化だった可能性が・・・」
「人聞きが悪いですわね、使う必要性もありませんでしたわ・・・フィオナ自身が軽いのもあるでしょうけれど」
「・・・投げ飛ばしたのは否定しないんだね」
「ユラや姉様もそこまで筋肉質ではないのに身体能力が高い理由は理解できたのです・・・まさか神経伝達側に魔力を通してるとは盲点なのです」
「フィオナちゃん~お姉ちゃんからコーヒーの差し入れだよ~」
フィアさんに気を遣わせてしまったようなのです、久しぶりのカフェオレは美味しいのです。
「そういえばカフェオレも出してたのですね、メニューにはなかったと思っていたのです」
「そうなの~先月からよく来てくれているお客さんに教えてもらったんだよ~」
「ふむ、あの少し変わった服装の若い女じゃな。パンケーキにこの茶色のソースも合うと強く薦められたのじゃ」
リアの皿は片づけられていたので確認できないのですが、茶色のソースでなんとなく察したのです。
「ちょこれーと?だったかな、共和国から来た女性の方が材料と製法を教えてくれたんだよ~」
「・・・ミリーがポモドーロ食べてた時に、白い粉の入った筒を渡してたね・・・独特な匂いで私は苦手だけど」
「なかなかに美味でしたわ・・・魔力の流れが不思議な方でしたわね、体の中心に向かって流れてましたから」
どうやらミリーとユラも会ったことのある人みたいですが、あれこれ物を宣伝しているのなら商人なのですかね。
「フィオナの記憶にあっためいど服に似ておったな、お主がその者を見れば気づきそうなものじゃが」
「んー見てないのです・・・しかし布教している知識の内容に加えメイド服ともなると、向こう側の人の可能性もあるのです」
「・・・会ったことがない割には知ってるかのような口振りだね、向こう側?って言い方がよく分からないけど」
話を聞く限りそのメイド服の女性・・・クルス商会の人だとは思うのですが、こちらにない概念への見識が深いなら・・・私の深読みかもしれませんが。
「ステルスマーケティングどころか割と直接的な売り込みなのです、お客さんに試して反応を確認してるのですかね?」
「あはは~行商人には見えませんでしたよ~」
「私がステーキ食べてる時、なんか凄く臭い粉薦められたんだけど!癖になる美味しさだったよ!」
(アタシはあの匂いダメなのだわ!あまりにも匂いがキツいのだわ!)
「姉様も会ってたのですね、私は間が悪いのかもです」
度々魔導術の練習に出掛けている時と被ってるのですかね、姉様の言ってる粉はガーリックパウダーのような特徴なのです。
「アイリちゃんに薦めてた粉は共和国では不評らしいの~在住している獣人族からくれーむ?が多発したとかで」
「・・・共和国で売れないのを、帝国や王国で売ろうといった感じなのかな」
「ガーリックパウダー辺りは密集地より都外の村とかで流行るかもです、獣人族以外の種族でも一定数匂いが慣れないと思うです」
(あれが流行っている場所に行くのは勘弁なのだわ!)
神器メーインティヴの弱点はニンニクだった・・・?抗酸化力ではとても優秀な食べ物ですが、もちろん食べ過ぎれば腸内細菌叢のバランスは崩れるです。
「シオンと名乗っておりましたわね、綺麗な白髪が印象的でしたわ」
「・・・フィオナは逆に、帝都で出回ってない商品を認知しているのは何故・・・・以前、空飛ぶ謎の物体も知っていたようだし」
「あれなのです、見たことない物は大体が共和国のクルス商会と紐付けているだけなのです」
予想、想定共にズレていたのが性別と年齢なのです・・・私の知見を持って言わせてもらえば、そのシオンという女性、恐らくは転生者。
私が生まれる前からクルス商会があったのだから年齢は最低でも50、もしくは60過ぎてるのを想定していたのです、若く見えるというだけでは判断も難しいのですが。
「そういえば、クルス商会を取り仕切ってる人は何てお名前で?そのシオン嬢だったりするです?」
「違いますわ、アキ・クルスというお名前ですけれど・・・フィオナって本当に歴史関連は直ぐに忘れますわね」
勘違いだったのです、なんて恥っずかしい考察・・・・・・シオンって方はあくまで商会の人間というだけのようなのです。
思い込みって怖いのです、商会の製品を理解して宣伝できるなら転生者、もしくは召喚者だと決めつけてしまったのです・・・まあ平穏を邪魔されなければ何でもよいのですが。
(ふむ・・・お主が気にしないのであればよいが、一応言っておくとアストラル界からコーザル界に転生も召喚も起こらぬぞ)
(?どういうこ・・・・・・なるほど、そういうことです?)
下の界層は上の界層に干渉できないのは転生も召喚も同じと・・・ということはコーザル界にも前世の文明レベルの異世界が存在しているのですかね、それにしては知ってる物品の再現度が似すぎているのですが。
(転生者と思い込んでおるようじゃったからつい口を挟んだがの、お主自身とは無関係ではあるのじゃが、お主の転生には因果があったりと面倒なのじゃ)
(んーアートマにしか視えない世界だと私では分からないのです、生きる上で障害にならなければそれでいいのです)
(寧ろ貢献度は高いからのう、生活水準も上がりより時間を楽しく過ごせるのじゃから)
「与えられてる立場で文句もないのです、私もクルス商会には感謝してるですし」
「とりあえずのオムライスどうぞ~私の賄いと一緒に作ってもらったよ~」
食文化の侵食が進んでいる気がするのは置いておき、一旦思考を放棄するのでした。
「そんな状態でも食欲が勝っているんだね・・・僕が宿の方に配達しても・・・」
「大丈夫なのです・・・それにしても、自分の弱点が自身の魔力とか洒落にもならないのです」
「お帰り~お姉ちゃん、フィオナちゃんもいらっしゃいませ~・・・フラフラしてるけどどうしたの~?」
ピークが過ぎた店内は落ち着いており、ノアちゃんがお皿を両手に持ち出迎えてくれたのです・・・意外と力持ちなのです。
「・・・いつもと違う疲れ方だね、魔力切れ・・・でもないみたい」
「凄く乱れてはいますわね、加減できずに使いすぎたようにも見えますわ」
「ミリー達も今お昼です?リアは食後のコーヒーを優雅に飲んでいますけど表情が・・・」
「苦いが癖になる味じゃな、苦いがの」
カフェインレスなコーヒーで覚醒作用は少ないですが、苦味で気分的には目が覚めるのです。
これも共和国産かと思ったら普通に帝国産だったのですが、最初に飲み物にしようとした人は凄いのです。
「フィオナのその状態は、魔力で身体強化をした結果この有り様なのじゃ・・・店に来る直前の事じゃが」
「そういうことですの・・・・・・いえ、身体強化でここまで弱るのは初めて見ますわよ?」
「・・・小柄な身体に一気に魔力を流したと考えると、体に負荷がかかったんだろうね」
「身体が痛くなることもあるんだね!初めて知った!」
姉様はそうでしょうとも・・・昔家で力比べする方法として腕相撲を教えた時、兄様をテーブルもろとも床にたたきつけた馬鹿力も・・・無意識の身体強化だったと今なら分かるのです。
「なるほど学院生の時、ミリーに投げ飛ばされたのも魔力の身体強化だった可能性が・・・」
「人聞きが悪いですわね、使う必要性もありませんでしたわ・・・フィオナ自身が軽いのもあるでしょうけれど」
「・・・投げ飛ばしたのは否定しないんだね」
「ユラや姉様もそこまで筋肉質ではないのに身体能力が高い理由は理解できたのです・・・まさか神経伝達側に魔力を通してるとは盲点なのです」
「フィオナちゃん~お姉ちゃんからコーヒーの差し入れだよ~」
フィアさんに気を遣わせてしまったようなのです、久しぶりのカフェオレは美味しいのです。
「そういえばカフェオレも出してたのですね、メニューにはなかったと思っていたのです」
「そうなの~先月からよく来てくれているお客さんに教えてもらったんだよ~」
「ふむ、あの少し変わった服装の若い女じゃな。パンケーキにこの茶色のソースも合うと強く薦められたのじゃ」
リアの皿は片づけられていたので確認できないのですが、茶色のソースでなんとなく察したのです。
「ちょこれーと?だったかな、共和国から来た女性の方が材料と製法を教えてくれたんだよ~」
「・・・ミリーがポモドーロ食べてた時に、白い粉の入った筒を渡してたね・・・独特な匂いで私は苦手だけど」
「なかなかに美味でしたわ・・・魔力の流れが不思議な方でしたわね、体の中心に向かって流れてましたから」
どうやらミリーとユラも会ったことのある人みたいですが、あれこれ物を宣伝しているのなら商人なのですかね。
「フィオナの記憶にあっためいど服に似ておったな、お主がその者を見れば気づきそうなものじゃが」
「んー見てないのです・・・しかし布教している知識の内容に加えメイド服ともなると、向こう側の人の可能性もあるのです」
「・・・会ったことがない割には知ってるかのような口振りだね、向こう側?って言い方がよく分からないけど」
話を聞く限りそのメイド服の女性・・・クルス商会の人だとは思うのですが、こちらにない概念への見識が深いなら・・・私の深読みかもしれませんが。
「ステルスマーケティングどころか割と直接的な売り込みなのです、お客さんに試して反応を確認してるのですかね?」
「あはは~行商人には見えませんでしたよ~」
「私がステーキ食べてる時、なんか凄く臭い粉薦められたんだけど!癖になる美味しさだったよ!」
(アタシはあの匂いダメなのだわ!あまりにも匂いがキツいのだわ!)
「姉様も会ってたのですね、私は間が悪いのかもです」
度々魔導術の練習に出掛けている時と被ってるのですかね、姉様の言ってる粉はガーリックパウダーのような特徴なのです。
「アイリちゃんに薦めてた粉は共和国では不評らしいの~在住している獣人族からくれーむ?が多発したとかで」
「・・・共和国で売れないのを、帝国や王国で売ろうといった感じなのかな」
「ガーリックパウダー辺りは密集地より都外の村とかで流行るかもです、獣人族以外の種族でも一定数匂いが慣れないと思うです」
(あれが流行っている場所に行くのは勘弁なのだわ!)
神器メーインティヴの弱点はニンニクだった・・・?抗酸化力ではとても優秀な食べ物ですが、もちろん食べ過ぎれば腸内細菌叢のバランスは崩れるです。
「シオンと名乗っておりましたわね、綺麗な白髪が印象的でしたわ」
「・・・フィオナは逆に、帝都で出回ってない商品を認知しているのは何故・・・・以前、空飛ぶ謎の物体も知っていたようだし」
「あれなのです、見たことない物は大体が共和国のクルス商会と紐付けているだけなのです」
予想、想定共にズレていたのが性別と年齢なのです・・・私の知見を持って言わせてもらえば、そのシオンという女性、恐らくは転生者。
私が生まれる前からクルス商会があったのだから年齢は最低でも50、もしくは60過ぎてるのを想定していたのです、若く見えるというだけでは判断も難しいのですが。
「そういえば、クルス商会を取り仕切ってる人は何てお名前で?そのシオン嬢だったりするです?」
「違いますわ、アキ・クルスというお名前ですけれど・・・フィオナって本当に歴史関連は直ぐに忘れますわね」
勘違いだったのです、なんて恥っずかしい考察・・・・・・シオンって方はあくまで商会の人間というだけのようなのです。
思い込みって怖いのです、商会の製品を理解して宣伝できるなら転生者、もしくは召喚者だと決めつけてしまったのです・・・まあ平穏を邪魔されなければ何でもよいのですが。
(ふむ・・・お主が気にしないのであればよいが、一応言っておくとアストラル界からコーザル界に転生も召喚も起こらぬぞ)
(?どういうこ・・・・・・なるほど、そういうことです?)
下の界層は上の界層に干渉できないのは転生も召喚も同じと・・・ということはコーザル界にも前世の文明レベルの異世界が存在しているのですかね、それにしては知ってる物品の再現度が似すぎているのですが。
(転生者と思い込んでおるようじゃったからつい口を挟んだがの、お主自身とは無関係ではあるのじゃが、お主の転生には因果があったりと面倒なのじゃ)
(んーアートマにしか視えない世界だと私では分からないのです、生きる上で障害にならなければそれでいいのです)
(寧ろ貢献度は高いからのう、生活水準も上がりより時間を楽しく過ごせるのじゃから)
「与えられてる立場で文句もないのです、私もクルス商会には感謝してるですし」
「とりあえずのオムライスどうぞ~私の賄いと一緒に作ってもらったよ~」
食文化の侵食が進んでいる気がするのは置いておき、一旦思考を放棄するのでした。
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