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帝国編
反省はするけど後悔はしないのです
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朝日が昇りアーシルの人達に別れを告げ、大森林の上空を悠々と飛行するのです。
ソリも安定し、来るときの苦労も何のその、ミリーの風属性放出による推進もなく順調に移動ができているのです。
不思議と現在は皆を乗せた上で、全方位バリアーやウインドリダクションも併用できる余裕があるのです。
「風の抵抗もありませんわね、初めてフィオナの家まで乗せてもらった時とはまるで違いますわ」
「帝都から飛び立った時にはふらふらしてたよね、今日は調子がいいとかなのかな?」
「普段と特に違いはないのですが・・・レナの言う通り調子はいい・・・のですかね?」
「・・・何故に疑問系・・・まあしくしく泣かれてるよりいいけれど」
大森林の両端に延びている険しい山脈を越えるくらいの高度を上げれなくもないですが、今はその必要性もなさそうなのです。
「このそりが浮いたときアーシルの人達凄く驚いてたね!なんで浮いてるのかさっぱり分からないけど!」
「魔力を生み出した大元の力・・・コーザル領域・・・でしたわね?今更聞くのもあれなのですけれど・・・際限なく使って大丈夫なんですの?」
「人一人が使って尽きるものが、高次エネルギーであるものか・・・なのです、一概には言えないですが・・・」
代償もなく人の身で使っていいのかという問題は捨て置くとして、生きている間に対価を払う事にはなるかもですが・・・軽く10年以上は使って弊害がないのだから恐らく大丈夫なのです。
「フィオナはここぞという時ほど後先考えてない自覚はありますの・・・ルスカ・カリーナとの戦闘でも、かなり行き当たりばったりでしたわよ?」
「・・・本体が居るのを見破るまではよかったけれど、視えてなかったのに突っ込むし・・・倒せた後に残った大型ルスカにもやられそうになるから迂闊だよ」
反省はしている、しかし後悔はしていないのです・・・やらないで終わるよりはとりあえずやってみるの精神なのです。
現在、大森林中心に差し掛かってきた所でディオール大樹の影響がでる・・・かと思いきやこちらの領域操作に干渉もされずに大樹上空を通過できているのです。
「大樹の影響が出て・・・いないね?普通に飛べている・・・」
「・・・普通、こんな鉄の箱飛ばないんだけどね」
「おお、本当だ!魔力も全開で出せそう!」
「姉様剣を振り回さないでほしいのですー流石にバランスが崩れるのです!」
一晩寝て回復したのか姉様が魔力を込め剣を振る、私だけでなく皆の魔力が吸われていないよう・・・大樹も満腹状態になっているのですかね?
「本当ですわね、吸収される感覚がありませんわ・・・風の抵抗だけでなく、魔力阻害も防いでるともとれますけれど」
「器用を通り越して異様な事をしてる・・・と思ったけど、出会った時からそうだったからまあいいとして」
レナのストレートな物言いもそれだけ遠慮しない関係になれてると思えば・・・異様は言い過ぎなのです、魔槍を使う人族も十分に異様ではあるのですが・・・気付けば私の周りに普通な人がいない気もしなくもないのです。
「・・・フィオナ、何か失礼な事を考えてない?」
「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー」
「行き帰り含め、その鼻歌は何なんですの・・・・・・若干音程が良くなっていますわね」
個人的名曲(?)を口ずさみながら飛行を続けていると、ユラが空を見上げて目を細めていたのです。
「・・・右側の山脈上空に何かいる、けど、特に何の気配も・・・・・・」
「んー何だろ?鳥型の魔物じゃないね!」
遠目が利く2人は右側に広がる険しい山脈の上空を指差す、雲が掛かるほどの上空を飛ぶような魔物がいるようなら危険な部類に入るかもなのですが・・・肉眼ではまっったく見えませんけど。
「ジオの視界のように拡大は・・・・・・できたのです、あれは・・・何というか」
ただのドローンのようなのです、武器を搭載してないなら戦闘用ではないのです。
「ドローンは流石に不自然過ぎるのです!」
「びっくりしましたわ!いきなり叫ばないで下さいまし!フィオナはあれの正体が分かりますの?」
私達の世界で、別の世界の技術を再現する存在は・・・十中八九クルス商会なのです。
魔導具のような物だと術式を刻む関係で複雑な動作をさせる際、小型化には不向き・・・1メートルはありそうだからドローンにしては大型な方だと思うのですが。
「一般的にあの大きさの魔導具に、複雑な術式は刻めたりできるのです?」
「フィオナの基準が分かりかねますけれど、そうですわね・・・あの4つの回転しているのをどう組み込んでいるか気にはなりますわね」
「あんな位置だとヴェルトールも届かないかな・・・・・・ん?フィオナ、今魔導具って言った?」
「正確には違うのですが、クルス商会が関係した物体・・・壊すと共和国に目を付けられる可能性も無きにしもあらずなのです」
クルス商会の製品は外気魔力を利用したものが殆ど、あのドローンのエネルギー補充も常時可能・・・というのは推測に過ぎないのですが。
魔力のある世界だからこそ、エネルギーに事欠かないのは便利な反面・・・軍事転用も容易になりそうなのは危ういのです。
「フィオナはクルス商会関連には察しがいいですわね、それにしても、あんなものを以前から知っているように言い切ってましたわね?」
「私達の世界とは別の理(ことわり)の産物・・・なのですが使い方次第では危険な代物になり兼ねないのです」
「・・・フィオナがジオを動かしているのも自然の理とは言い難いけどね・・・それに倣うとフィオナも危険行為している事にならない?」
「言い訳なんて言葉は不要・・・なのです、ごめんなさい・・・」
魔物の襲来のない空の旅は、雑談に興じれるくらい実に平和なのでした。
ソリも安定し、来るときの苦労も何のその、ミリーの風属性放出による推進もなく順調に移動ができているのです。
不思議と現在は皆を乗せた上で、全方位バリアーやウインドリダクションも併用できる余裕があるのです。
「風の抵抗もありませんわね、初めてフィオナの家まで乗せてもらった時とはまるで違いますわ」
「帝都から飛び立った時にはふらふらしてたよね、今日は調子がいいとかなのかな?」
「普段と特に違いはないのですが・・・レナの言う通り調子はいい・・・のですかね?」
「・・・何故に疑問系・・・まあしくしく泣かれてるよりいいけれど」
大森林の両端に延びている険しい山脈を越えるくらいの高度を上げれなくもないですが、今はその必要性もなさそうなのです。
「このそりが浮いたときアーシルの人達凄く驚いてたね!なんで浮いてるのかさっぱり分からないけど!」
「魔力を生み出した大元の力・・・コーザル領域・・・でしたわね?今更聞くのもあれなのですけれど・・・際限なく使って大丈夫なんですの?」
「人一人が使って尽きるものが、高次エネルギーであるものか・・・なのです、一概には言えないですが・・・」
代償もなく人の身で使っていいのかという問題は捨て置くとして、生きている間に対価を払う事にはなるかもですが・・・軽く10年以上は使って弊害がないのだから恐らく大丈夫なのです。
「フィオナはここぞという時ほど後先考えてない自覚はありますの・・・ルスカ・カリーナとの戦闘でも、かなり行き当たりばったりでしたわよ?」
「・・・本体が居るのを見破るまではよかったけれど、視えてなかったのに突っ込むし・・・倒せた後に残った大型ルスカにもやられそうになるから迂闊だよ」
反省はしている、しかし後悔はしていないのです・・・やらないで終わるよりはとりあえずやってみるの精神なのです。
現在、大森林中心に差し掛かってきた所でディオール大樹の影響がでる・・・かと思いきやこちらの領域操作に干渉もされずに大樹上空を通過できているのです。
「大樹の影響が出て・・・いないね?普通に飛べている・・・」
「・・・普通、こんな鉄の箱飛ばないんだけどね」
「おお、本当だ!魔力も全開で出せそう!」
「姉様剣を振り回さないでほしいのですー流石にバランスが崩れるのです!」
一晩寝て回復したのか姉様が魔力を込め剣を振る、私だけでなく皆の魔力が吸われていないよう・・・大樹も満腹状態になっているのですかね?
「本当ですわね、吸収される感覚がありませんわ・・・風の抵抗だけでなく、魔力阻害も防いでるともとれますけれど」
「器用を通り越して異様な事をしてる・・・と思ったけど、出会った時からそうだったからまあいいとして」
レナのストレートな物言いもそれだけ遠慮しない関係になれてると思えば・・・異様は言い過ぎなのです、魔槍を使う人族も十分に異様ではあるのですが・・・気付けば私の周りに普通な人がいない気もしなくもないのです。
「・・・フィオナ、何か失礼な事を考えてない?」
「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー」
「行き帰り含め、その鼻歌は何なんですの・・・・・・若干音程が良くなっていますわね」
個人的名曲(?)を口ずさみながら飛行を続けていると、ユラが空を見上げて目を細めていたのです。
「・・・右側の山脈上空に何かいる、けど、特に何の気配も・・・・・・」
「んー何だろ?鳥型の魔物じゃないね!」
遠目が利く2人は右側に広がる険しい山脈の上空を指差す、雲が掛かるほどの上空を飛ぶような魔物がいるようなら危険な部類に入るかもなのですが・・・肉眼ではまっったく見えませんけど。
「ジオの視界のように拡大は・・・・・・できたのです、あれは・・・何というか」
ただのドローンのようなのです、武器を搭載してないなら戦闘用ではないのです。
「ドローンは流石に不自然過ぎるのです!」
「びっくりしましたわ!いきなり叫ばないで下さいまし!フィオナはあれの正体が分かりますの?」
私達の世界で、別の世界の技術を再現する存在は・・・十中八九クルス商会なのです。
魔導具のような物だと術式を刻む関係で複雑な動作をさせる際、小型化には不向き・・・1メートルはありそうだからドローンにしては大型な方だと思うのですが。
「一般的にあの大きさの魔導具に、複雑な術式は刻めたりできるのです?」
「フィオナの基準が分かりかねますけれど、そうですわね・・・あの4つの回転しているのをどう組み込んでいるか気にはなりますわね」
「あんな位置だとヴェルトールも届かないかな・・・・・・ん?フィオナ、今魔導具って言った?」
「正確には違うのですが、クルス商会が関係した物体・・・壊すと共和国に目を付けられる可能性も無きにしもあらずなのです」
クルス商会の製品は外気魔力を利用したものが殆ど、あのドローンのエネルギー補充も常時可能・・・というのは推測に過ぎないのですが。
魔力のある世界だからこそ、エネルギーに事欠かないのは便利な反面・・・軍事転用も容易になりそうなのは危ういのです。
「フィオナはクルス商会関連には察しがいいですわね、それにしても、あんなものを以前から知っているように言い切ってましたわね?」
「私達の世界とは別の理(ことわり)の産物・・・なのですが使い方次第では危険な代物になり兼ねないのです」
「・・・フィオナがジオを動かしているのも自然の理とは言い難いけどね・・・それに倣うとフィオナも危険行為している事にならない?」
「言い訳なんて言葉は不要・・・なのです、ごめんなさい・・・」
魔物の襲来のない空の旅は、雑談に興じれるくらい実に平和なのでした。
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