異世界でロリッ子魔導師になりました

リオック

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帝国編

新装備で負けるはずないのです

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 大樹を北側に越えた辺りで墜落をした面々、身体能力的に私以外は問題なさそうだったが、ミリーと私で4人の下から逆風を当て地面への直撃を避ける。
 アーシル兼魔海に直行する予定が、ソリの破壊という例外により現地到着は想定と違い少し遅くなりそうだ。
「・・・皆無事みたいだね、フィオナは・・・・・・まあ大丈夫だろうね」
「これは・・・面倒なことに・・・なったのです」
 大森林入口からよりはマシであるが、結局徒歩になってしまった・・・ソリの残骸が無惨に散らばっているのを眺めていると。
「魔物に囲まれる前に先に進もう・・・と思ったけど方角が」
「こっちですわね、早くいきましょう・・・虫型の相手は極力避けたいのですわ」
 鳥型はともかく、虫型に囲まれたくないミリーが先を急かす・・・不法投棄からの森林伐採してしまうのもあれなのでリアに残骸回収をお願いして移動を始める。
 そして気づいたのは、杖での飛行でも皆の足の速さについて行くのがギリギリである。
 普段は私の歩く速度に合わせてくれていたんだなと・・・戦闘に入った場合も木々があると面倒なのでジオを転送し颯爽と乗り込む。
 前方からどこからともなく、出現した魔物と戦闘を始めていた4人に遅ればせながら追いつき参戦する。
「・・・ミリーは防御に徹して、私達近接が対処するよ」
「?ええ・・・わかりましたわ、理由はわかりませんけれど」
 ユラは最初にレナ達に付いていった時の事を思い出したのだろう、位置的にミリーの衝動的ウインド・カッターを危惧してしまったようだ。
 流石に大丈夫だとは思われるが、脊髄反射で虫型を迎撃しないとも限らない・・・無意識は時に諸刃の剣にもなる。
「よいしょー、全部相手してたらきりがないかも!」
「手こずっているようだな、手を貸そう!」
 ジオの低音ボイスで喋りつつ、バックパックに取り付けた2本の新装備、トンファーガンブレードを構えレーザーライフルを撃つ。
 カォンッ! カォンッ!
「・・・フィオナいつの間にか鎧着てる・・・何その武器?」
「最近使っていなかったですものね、鉄製で重くなるジオの時の方が俊敏になるのは謎ですわね」
 通常なら全身鎧の方が重量の関係で逆に動きが遅くなるだろうが、こちらのほうが楽に動作できるのだから仕方ないのであった。

 全員が直進移動をしつつ、先行しているユラとアイリにレナが虫型や鳥型を切り払う。
 ミリーは状況に合わせ風の魔導術で防御を各自に展開し、溶解液を飛ばしてくる羽毛虫の攻撃を防ぐ。
 左右から来る魔物は、2丁のトンファーガンブレードによるレーザーライフルで狙撃し挟み撃ちを避ける。
 まだ明るいから視界がいいと思っていたが、どうやたジオの頭部越しに映像を見ているからのようだ。
 主観視点なはずだが意識すると視線を動かさず左右の映像が浮かび上がる・・・体内で領域の力は発揮されないが、頭部に映像を空間投影していることで肉体面の視覚以上の範囲が視認できるようだった。
 今までは首を動かすというイメージによる頭部の可動で正面の視界を認識していたらしい、意識すればいいだけと気づいたのはつい今し方である。
 何事もなくソリで突っ切って行けていれば既に抜けていたであろうが、大森林内を全員で直進していたとしても想像以上に早く着いていたのかもしれない。
 魔物の素材を回収せず蹴散らしていく、体感的にはそろそろ抜ける頃合いだろうか。
 ふと左前方に今まで見てきた中でも小さな虫型が視界を過った、あれはそう・・・・・・蜂だ。
 バチチチッ
 反射的に展開させた全方位バリアーが何かを防いでいた・・・これはどうやら針のようだった。

 他の皆も気づいていたのか防御体勢に入っており、ミリーのエア・シールドが針を弾いていた・・・レーザーライフルを撃つも動きが速く当たらない。
「あの針の大きさですと・・・・・・当たれば一溜まりもありませんわね」
「この数だと巣が近くにあると考えるべきかな、単体は強くないけど囲まれると厄介だね」
 魔物で慣れたとはいえ、頭1つ分の大きさの蜂が数十匹飛んでるのは大型ムカデとは別種の狂気である。
 巣が近くにあるなら女王蜂もいそうだが、働き蜂の大きさを考えると・・・・・・。
「針も視認し辛い、私が的になっている間に先に進むのが最善だろう」
 バリアーを張りながら先行し、飛来する針は問題なく防げている・・・この程度で貫通されたら流石に困るが。
 私の後ろからエア・バレットとライトニング・バレットが蜂達を撃墜する、こちらに気を取られている所を魔導術が撃ち抜いていく。
「あ、左の方にでかいのがいるよ!?」
「あんなものまで・・・・・・女王蜂に捕捉されたようですわね、」
 木々にぶら下がっている大きな巣と、その前で飛んでいる巨大な蜂・・・女王蜂の大きさは3メートル程度だが。
「人より大きな蜂・・・針も相当だろうな」
 働き蜂が突進してきた所を、すれ違いざまに刃表面にレーザーを纏わせたトンファーガンブレードで切り裂きながら呟く。
「数が多すぎますわね!いっそまとめて・・・」
「せいせいっと・・・ミリー落ち着いて、気持ちは分かるけどっ!」
 レナがミリーの前で働き蜂達を連続で貫く、加減なしで魔導術を撃たれるとマズいと思ったのだろう・・・
 魔物とはいえ蜂であるならハチミツも採れそうだが・・・あの女王蜂を倒して大丈夫なのかと考えていると。
「・・・フィオナ、あの女王蜂の右側を攻撃してくれる?」
 ユラはそう言いながら鞘尻を刀に当てながら、居合いのように構えている。
 ここからだと距離は離れているが、魔導術を使うにしても・・・そう思っていたら刀がプラズマで覆われていた。
「承知した・・・・・・撃つ!」 カォンッ!
 レーザーライフルを女王蜂の右側・・・に寄せつつも当てるつもりで射撃するが軽快に回避される、その瞬間。
 ブォォンッ! ビシャーンッ!!
 避けた軌道上に、ユラが放ったプラズマのブレード光波が女王蜂を横に真っ二つにしていた。
「ライトニング・バレットでプラズマブレードを射出した・・・のか・・・・・・?」
 ライトニング・バレットの速度そのままに飛ぶプラズマブレードは、私が放つレーザーブレードの光波より断然速かった。
 ブレード光波をユラに見せたことはなかったはずだが、どうやら自力で到達したようだ。
「蜂さん達、なんかばらばらに飛んでるね!」
「統制がとれなくなったみたいね、今のうちに離れよう。それにしても凄い雷の一撃・・・・・・」
 女王蜂の素材は貴重そうなのでそれとなくリアに回収してもらっておくとしよう、私達は蜂の巣を後にし大森林を駆け抜けていくのであった。
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