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第二部 第三章 首都レグナエラ
3 軍人の矜持
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朝、やや肌寒く感じられる乾燥した空気の中、レグナエラ王国の首都がくっきりとネオリア軍の前に立ち現れた。
首都レグナエラは、丘陵の上に聳え立つ城だけでなく、城の門前に並び立つ町そのものを高い城壁で囲んでいるところから、城塞都市の異名を持っていた。
城壁が先にあって町を作らせたのか、町ができてから城壁で囲んだのか、初めてレグナエラを見たネオリアのクロルタス王子には知る由もなかった。
大きさはやや不揃いだが、一つ一つ丁寧に組み合わせ積み上げられた茶色い高壁は美しく、長い歳月を経ているとは思われないほど堅牢に見えた。
その壁と同じ色からなる、正面に見える門扉は、固く閉ざされていた。
首都の全容が見えたところで、クロルタスが合図をすると、ネオリア軍は王子のいる場所を起点として、整然と停止した。それから、予め指示のあった通り、手際よく野営の準備を始めた。
「メリディオンに先駆けてしまったな」
クロルタスは、周辺の偵察を送り出した後、野営の準備をする兵士たちの間に、セルセスを見つけて話しかけた。カーンサス地峡の戦いでダティスを失って以来、互いに仕事が増えてすれ違いが続いていた。
「そのうち、来るでしょう。あれを落とすには時間がかかりますからな」
矢継ぎ早に部下に指示を下す合間に、セルセスが応じる。ネオリア軍は、先の戦いで漸くレグナエラ軍を殲滅した。
ダティスを始めとして、多くの損害を被ったものの、大きな障害を一つ取り除いたことで、軍の士気は上がっていた。ただ、クロルタスには気懸かりがあった。
「大将の王子は、城内に匿われているであろうか」
瀕死のレグナエラの兵士達から得た情報を元に死体を改めたが、総指揮官である王子と部隊長の一人だけが、どうしても見つからなかった。王子の乗っていたと思われる壊れた輿は、もぬけの殻であった。
「まさか、部下を見捨てて逃げるとは思われませんが、或いは王の意を受けた部下に無理矢理連れ戻された、という可能性もあります」
セルセスが答えたところで、互いに部下が寄ってきて、話は打ち切りとなった。クロルタスに届いた報告は、レグナエラが攻撃の準備を始めた様子だ、というものであった。
王子は前線へ赴いた。敵の攻撃に備え、ある程度の部隊が警備を兼ねて展開している。彼らも敵の動きを既に察知していた。
兵士の体に緊張が張りつめている。高壁の上にはずらりと兵士が並び、こちらの出方を窺う様子である。
時折櫛の歯が抜けたように間が開いているのは、武器を置く場所であろう。ここから遠望する限りでは、王子にしろ誰にしろ、大将らしき者の姿は判別できなかった。
「敵は我々が近付くのを待っているだけだ。指示があるまでは、下手な誘いに乗らず、こちらからは攻撃を仕掛けるな。だが、警戒は怠るな」
クロルタスは張りのある声で、兵士達に命じた。兵士達は、揃って了解した。王子の言う通り、レグナエラは一向に攻撃せず、ネオリア軍を睨みつけているだけであった。
両軍がただ睨み合っている間に、ネオリア軍の基地は完成した。本部となる天幕に戻ったセルセスに、クロルタスは偵察の報告を踏まえて今後の作戦を相談した。
「正面の門は全て閉まっている。裏側は崖になっていて、まず馬では登れない」
「いずれ見に行く必要がありますな。身一つなら、登れるかもしれませんから」
「そうしよう。差し当たり、左右に広く展開して、壁の上を片付けようと思う」
「順当ですな」
天幕から出たセルセスが、控える部下達に作戦を説明する。説明を受けた部下達が、それぞれの持ち場に散った。
充分な間を置いて、クロルタスが姿を現した。用意された馬に跨り、中央へ進み出る。太陽は空高く輝き、王子の纏う鎧を煌かせた。
「全体、進め!」
うおおおっ、と鬨の声を挙げて、ネオリアが進軍を開始した。
イナイゴスは、戦時下にあるとはにわかに信じ難いような平穏さを保っていた。
レグナエラ領の島々と行き来しているのか、船の出入も続いているし、品薄ではあるが、市も開かれており、普通の人々が町を出歩いていた。
ただ、武装した兵士の姿も目立つ。ソルペデスに指名されてマエナを迎えに来たエウドクシスは、イナイゴスに足を踏み入れた途端、武装した兵士に捕えられてマエナの元へ連行された。
「なんだ、お前か」
マエナはすっかり回復して、やや体重を増やしてさえいた。兵士達を下がらせ、彼はエウドクシスに用件を聞いた。話を聞くうちに、彼の顔付きは曇ってきた。
「そうか。烽火が上がったか」
それきり考え込み目を伏せている。エウドクシスはじりじりしながら返事を待っていたが、一向に相手が目を上げようとしないので、飽きてきた。
ふと、鼻をひくつかせる。そうして部屋の隅に、葡萄酒を入れた甕があるのに気付いた。そっと席を立つと、勝手に注いで飲んだ。たちまち酒の量が半減する。
「折角命を助けてくれたお前には、言い辛いのだが」
マエナが話し始めたので、エウドクシスは酒の入った杯をそのままに、慌てて元の位置に戻った。彼は目を伏せたままで喋っていた。目の前の杯から漂い出る酒の香りにも反応しない。
「私はあの時、部下達を見捨てて自分だけ逃げて生き延びた。もし、踏み止まっていれば、或いは勝てたかもしれない。もちろん、あの情勢では勝てまい、と頭では理解しているのだけれども、もしかしたら勝てたかもしれない、という気持ちを抑えることができないのだ」
「今一緒に残ってくれている部下の中にも、同じ考えの者がいるのを感じる。今度も逃げて生き延びることになったら、誰も私を隊長として、軍人として信頼しないだろう」
「お前の言う理屈も道理が通っている。確かに、私の身柄がメリディオンの手に落ちれば、レグナエラには相当に不利になる。だが、私の知ることを喋らなければよいのではないか。敵の手に落ちる前に、自分で身の始末をつけることだってできる筈だ。何も、逃げることが唯一の道ではないと思う」
「あんたなあ」
エウドクシスの呆れた声に、漸くマエナは顔を上げ、目をみはった。マエナの視線に気付いてエウドクシスはさっさと前髪を下ろした。葡萄酒を飲むのに夢中で、無意識に髪をかきあげていたらしい。
「俺は、いやソルペデス、様は、部下や民の利を考えて言っているんだよ。町が戦場になれば、勝っても負けても民が迷惑を蒙る。まして、この戦力じゃあ、メリディオンには勝てっこない。あんたも部下も無駄死にだ」
「あんたの言うのは結局自分の利じゃねえか。あんただけでなくて、部下も一緒に撤退すればいいだろう。自分のことばっかり考えている奴が、敵に捕まったら身の始末をつけるなんて言い草の方が、よっぽど信じられねえや」
「何だと。いくら命の恩人でも、言っていいことと悪いことがあるぞ」
思わず立ち上がったマエナよりも早く、エウドクシスは自分が座っていた椅子の後ろに回っていた。
「おっと、やる気か。言っておくが、ティコアの包囲が解け次第、メリディオンはここを目指して進軍する。逃げるにせよ、戦うにせよ、もう準備しなくちゃいけない頃合だ。あんたに戻る気がないのなら、俺は失礼するよ。レグナエラを守らなにゃならんからな。あばよ」
椅子を盾に隙のない姿勢を保ったまま、じりじりと後退りした。
入口で控えていた兵士が掴まえようとする手を鮮やかにかわして、エウドクシスは捨て台詞と共に去った。追わんとする兵士を、マエナは止めた。
「いいんですか」
「構うな。それより、小隊長を集めてくれ」
不服顔のまま命令に従う兵士を見送った後も、マエナはエウドクシスの消えた方角を凝視していた。
「まさか。いや、そんなことは……もし、そうであるならば、あの方に国の命運を託すしかない。神々よ、日の御子よ、我がレグナエラを救いたまえ」
終いにマエナは、エウドクシスの去った方に向かって祈りを捧げた。
首都レグナエラは、丘陵の上に聳え立つ城だけでなく、城の門前に並び立つ町そのものを高い城壁で囲んでいるところから、城塞都市の異名を持っていた。
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大きさはやや不揃いだが、一つ一つ丁寧に組み合わせ積み上げられた茶色い高壁は美しく、長い歳月を経ているとは思われないほど堅牢に見えた。
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ダティスを始めとして、多くの損害を被ったものの、大きな障害を一つ取り除いたことで、軍の士気は上がっていた。ただ、クロルタスには気懸かりがあった。
「大将の王子は、城内に匿われているであろうか」
瀕死のレグナエラの兵士達から得た情報を元に死体を改めたが、総指揮官である王子と部隊長の一人だけが、どうしても見つからなかった。王子の乗っていたと思われる壊れた輿は、もぬけの殻であった。
「まさか、部下を見捨てて逃げるとは思われませんが、或いは王の意を受けた部下に無理矢理連れ戻された、という可能性もあります」
セルセスが答えたところで、互いに部下が寄ってきて、話は打ち切りとなった。クロルタスに届いた報告は、レグナエラが攻撃の準備を始めた様子だ、というものであった。
王子は前線へ赴いた。敵の攻撃に備え、ある程度の部隊が警備を兼ねて展開している。彼らも敵の動きを既に察知していた。
兵士の体に緊張が張りつめている。高壁の上にはずらりと兵士が並び、こちらの出方を窺う様子である。
時折櫛の歯が抜けたように間が開いているのは、武器を置く場所であろう。ここから遠望する限りでは、王子にしろ誰にしろ、大将らしき者の姿は判別できなかった。
「敵は我々が近付くのを待っているだけだ。指示があるまでは、下手な誘いに乗らず、こちらからは攻撃を仕掛けるな。だが、警戒は怠るな」
クロルタスは張りのある声で、兵士達に命じた。兵士達は、揃って了解した。王子の言う通り、レグナエラは一向に攻撃せず、ネオリア軍を睨みつけているだけであった。
両軍がただ睨み合っている間に、ネオリア軍の基地は完成した。本部となる天幕に戻ったセルセスに、クロルタスは偵察の報告を踏まえて今後の作戦を相談した。
「正面の門は全て閉まっている。裏側は崖になっていて、まず馬では登れない」
「いずれ見に行く必要がありますな。身一つなら、登れるかもしれませんから」
「そうしよう。差し当たり、左右に広く展開して、壁の上を片付けようと思う」
「順当ですな」
天幕から出たセルセスが、控える部下達に作戦を説明する。説明を受けた部下達が、それぞれの持ち場に散った。
充分な間を置いて、クロルタスが姿を現した。用意された馬に跨り、中央へ進み出る。太陽は空高く輝き、王子の纏う鎧を煌かせた。
「全体、進め!」
うおおおっ、と鬨の声を挙げて、ネオリアが進軍を開始した。
イナイゴスは、戦時下にあるとはにわかに信じ難いような平穏さを保っていた。
レグナエラ領の島々と行き来しているのか、船の出入も続いているし、品薄ではあるが、市も開かれており、普通の人々が町を出歩いていた。
ただ、武装した兵士の姿も目立つ。ソルペデスに指名されてマエナを迎えに来たエウドクシスは、イナイゴスに足を踏み入れた途端、武装した兵士に捕えられてマエナの元へ連行された。
「なんだ、お前か」
マエナはすっかり回復して、やや体重を増やしてさえいた。兵士達を下がらせ、彼はエウドクシスに用件を聞いた。話を聞くうちに、彼の顔付きは曇ってきた。
「そうか。烽火が上がったか」
それきり考え込み目を伏せている。エウドクシスはじりじりしながら返事を待っていたが、一向に相手が目を上げようとしないので、飽きてきた。
ふと、鼻をひくつかせる。そうして部屋の隅に、葡萄酒を入れた甕があるのに気付いた。そっと席を立つと、勝手に注いで飲んだ。たちまち酒の量が半減する。
「折角命を助けてくれたお前には、言い辛いのだが」
マエナが話し始めたので、エウドクシスは酒の入った杯をそのままに、慌てて元の位置に戻った。彼は目を伏せたままで喋っていた。目の前の杯から漂い出る酒の香りにも反応しない。
「私はあの時、部下達を見捨てて自分だけ逃げて生き延びた。もし、踏み止まっていれば、或いは勝てたかもしれない。もちろん、あの情勢では勝てまい、と頭では理解しているのだけれども、もしかしたら勝てたかもしれない、という気持ちを抑えることができないのだ」
「今一緒に残ってくれている部下の中にも、同じ考えの者がいるのを感じる。今度も逃げて生き延びることになったら、誰も私を隊長として、軍人として信頼しないだろう」
「お前の言う理屈も道理が通っている。確かに、私の身柄がメリディオンの手に落ちれば、レグナエラには相当に不利になる。だが、私の知ることを喋らなければよいのではないか。敵の手に落ちる前に、自分で身の始末をつけることだってできる筈だ。何も、逃げることが唯一の道ではないと思う」
「あんたなあ」
エウドクシスの呆れた声に、漸くマエナは顔を上げ、目をみはった。マエナの視線に気付いてエウドクシスはさっさと前髪を下ろした。葡萄酒を飲むのに夢中で、無意識に髪をかきあげていたらしい。
「俺は、いやソルペデス、様は、部下や民の利を考えて言っているんだよ。町が戦場になれば、勝っても負けても民が迷惑を蒙る。まして、この戦力じゃあ、メリディオンには勝てっこない。あんたも部下も無駄死にだ」
「あんたの言うのは結局自分の利じゃねえか。あんただけでなくて、部下も一緒に撤退すればいいだろう。自分のことばっかり考えている奴が、敵に捕まったら身の始末をつけるなんて言い草の方が、よっぽど信じられねえや」
「何だと。いくら命の恩人でも、言っていいことと悪いことがあるぞ」
思わず立ち上がったマエナよりも早く、エウドクシスは自分が座っていた椅子の後ろに回っていた。
「おっと、やる気か。言っておくが、ティコアの包囲が解け次第、メリディオンはここを目指して進軍する。逃げるにせよ、戦うにせよ、もう準備しなくちゃいけない頃合だ。あんたに戻る気がないのなら、俺は失礼するよ。レグナエラを守らなにゃならんからな。あばよ」
椅子を盾に隙のない姿勢を保ったまま、じりじりと後退りした。
入口で控えていた兵士が掴まえようとする手を鮮やかにかわして、エウドクシスは捨て台詞と共に去った。追わんとする兵士を、マエナは止めた。
「いいんですか」
「構うな。それより、小隊長を集めてくれ」
不服顔のまま命令に従う兵士を見送った後も、マエナはエウドクシスの消えた方角を凝視していた。
「まさか。いや、そんなことは……もし、そうであるならば、あの方に国の命運を託すしかない。神々よ、日の御子よ、我がレグナエラを救いたまえ」
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