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第一部 第三章 エウドクシスの才幹
8 増殖する怪物
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山を回り込む間、俺達は怪物と出くわさずに済んだ。
怪物が、厳粛な葬列をめちゃめちゃにするのを目の当たりにした後では、むしろ進んで、羊も通らないような枯れた茨を掻き分けてでも、人目を避ける道を選んだ。先を行くのはデリムだから、奴が道を選んでいるのだが、俺も同じ心持ちだ、ということだ。
プラエディコ山を過ぎると、もう俺には何処を歩いているのかさっぱりわからなかった。未知の領域である。
進むほど大木が増えていくが、地面に生えている草は枯れて棘ばかりがますます固く残っている。
空は晴天が続き、普段なら昼寝しているような時間帯まで歩き続けているものだから、やたらと喉が乾いた。
それでも俺は丈夫になったらしく、以前のように倒れることはなかった。尤も、今回はさほど重い荷物を背負っていない。
自分が不死身になった自覚はあんまりなかった。トリニ島で襲われた時には説明を聞いていなかったし、説明を聞いた後では試す機会がなかった。
デリムとは二度と刃を交えるつもりはなかったし、唯一実現可能な怪物相手の戦いは、奴によると、襲われたら人間と一緒で死ぬんじゃないか、と言われ、やはり試す気がない。
この仕事を終えて神様になりでもしたら、もはや一生そんな機会など訪れないだろう。神になる、という考えも、俺にはどうも馴染まなかった。神になった自分の人生が想像できない。人間なんだから、当たり前か。
「デリムはいいよなあ、ソリス王、いや日の御子様に愛されていて」
木陰で一休みしている時、冥王からもらった食料を頬張りながら、つい口を滑らせた。デリムは日の御子との関係について語るのをよしとしない。
案の定、むっとした顔をした。奴は、相変わらずほとんど飲み食いしない。今も葡萄酒らしい液体を飲んでいるだけである。
「私は日の御子の愛人ではない、と言うておろうに」
「じゃあ、何でもいいさ。俺なんか、継母や腹違いの弟達に嫌われるのは仕方ないとしても、実の父親にまで見捨てられたんだぜ。地位や財産、体目当てに群がる連中は沢山いたけど、心底俺を思ってくれる人間なんていなかった。この先、もし神になれたとして、ご利益目当てに俺を崇め奉る奴らは出てきても、俺を思ってくれる存在までは、お前だって保証できねえだろう」
長いこと、人と話していなかった。デリムは無駄口を叩かない。旅路は険しく、面白味もない。他愛ないお喋りもなく、自分から明るい話題を見つけるのは困難で、詰まるところ俺の心に巣食う将来への不安を零すしか、口を動かすきっかけが掴めなかった。そして俺は口を動かしたかったのである。
「勿論、保証はできぬ。その保証は、お前が神にならず人間のままでいたところで、同じことだ。お前が生き方を変えない限り、お前の人生は変わらぬ。だが、お前は己の人生を変えることが出来る。定められた役割を果たさねばならぬ私とは違う。日の御子が私を気にかけるのは、与えられた役割のゆえによる。そして、日の御子が気にかけるのは、お前も含めた全ての生き物だ。私ばかりではない」
「日の御子は、俺を押し倒さなかったぞ」
デリムの動きが止まった。この男は小麦色の肌のせいで顔色を変えても目立たず、表情を読み取るのが難しい。始終行動を共にして観察を重ねた結果から推測するに、今の場合は見られた現場を思い出し、恥ずかしさと照れと怒りが入り混じって、ともかくも動揺しているらしかった。
「もっと素直になれよ。俺の見たところ、ソリス王はお前にべた惚れだったし、お前も王様にほの字なんだろ? 王様が日の御子とか役割がどうとか、小難しいことを言わなくたっていいじゃねえか。一人に愛されていれば、世界中に嫌われたって俺なら耐えられるね。お前は贅沢だよ。俺なんか……」
と俺はまた、前に話したことを繰り返した。要するに俺は、デリムが羨ましいのだ、とくどくどと話しているうちに気が付いた。ついでに奴の奇妙な目付きにも気が付いた。冴え冴えと光る薄青色の瞳が、優しそうに見える。
「私はお前が、好きだぞ、エウドクシス。お前が素直な上に、意外と慧眼であるところがよい。冥王も、その辺りを気に入られたのであろう」
「俺はどうせ豊満な女が好きなんだ。お前みたいなごつい親仁や、冥王みたいな爺さんと愛人関係にはならねえよ」
くすり、とデリムが笑った。厳つい筋肉質の男が、その瞬間、まるで少女みたいに感じられて、俺は違和感を覚えた。しかし次の瞬間には、奴の微笑を含んだ顔は元の厳つい男に戻っていた。
「お前は性愛のことしか頭にないのだな。そのような心配は無用だ」
デリムは荷物をまとめて立ち上がった。俺も慌てて自分の荷物をまとめた。奴の視線が俺を通り越して後ろを睨み据えている。嫌な予感がした。
予感は当っていた。デリムの双槍がたちまち伸びる。俺も剣を抜いて、正面に構えた。
「同時に攻撃することで、相乗効果が得られるようだ。頼りにしているぞ」
「よっしゃ、任せておけ」
断じて、デリムに好きだと言われたせいではなく、前回役に立たなかった分を挽回するため、俺は陽気に応えた。今回は俺達より他に人間がいないので、おぞましい景色にはなり得ない。安心して大口を叩けた。
怪物は、真っ直ぐに俺達目掛けて腕を伸ばしてきた。俺は横へ飛んで、外側から腕に剣を振り下ろした。デリムは内側から腕を槍で突いた。岩のような灰色の皮膚は、滑らかな感触を裏切らない柔らかさで剣を受け入れた。確かな手応えを感じながら、素早く後ろへ下がる。ぽろり、と岩が欠けるように腕が落ちた。
「やった!」
「後ろ!」
「え?」
デリムが双槍を地面に突き立てざまに空中へ飛び上がった。と、槍が更に伸びた。奴は切られた怪物の腕を越えた勢いで双槍を引き抜き、釣り竿を投げるように縦に振り下ろした。槍が、急激に加わった力にしなりながら弧を描いた。
ざわっ、襟首が総毛立った。俺は本能の命ずるまま、前へ体を投げ出しながら上体を捻じ曲げて背後の空間を切り裂いた。
剣にはさっきと同じ感触が残った。後ろにも怪物がいた。
腕を切った奴とは明らかに違う。俺の剣は五指を切り落したらしい。ばらばらと細長い岩の切れ端が落ちるのが目に入った。黒い霧が煙のように立ち上る。みるみる腕が遠ざかる。地面に倒れた俺に、デリムが近寄ってきた。
「立てるか」
「ああ、大丈夫だ」
奴は辺りを警戒しながら手を差し出した。俺は素直に手を取って立ち上がった。
怪物の輪郭は、はやぼやけていて、黒ずんだ灰色の岩というよりも、溶けかかった得体の知れない何かが宙に浮んでいるような状態だった。既に奴らの戦闘意欲は失われ、残った腕を伸ばしてくることはなかった。
それでも俺達は武器を構えたまま、怪物たちの姿が完全に消えるまで警戒を解かなかった。
「まだ増えるぞ。急いだ方がいい」
怪物が消失するのを確認したデリムが、双槍を仕舞いながら俺の様子を窺った。
「俺のことなら心配いらねえよ。もう、そんなに休まなくても平気だぜ」
俺は剣を鞘に戻し、胸を張ってみせた。奴が眩しそうに俺を見て、手を額にかざした。いくら俺が活躍したからって、そんなに大袈裟にしなくてもいいじゃねえか。まさか、俺に惚れたのか。悪いが、俺にはそんな趣味はねえ。
「それは重畳」
背後から聞き覚えのある美しい声が上がった。俺は一挙に気持ちが萎えるのを感じた。振り向くと、記憶に違わず完璧な美の彫像が生きて立っていた。
「ソリス王、いや、日の御子様」
「どちらでも、好きなように呼ぶがよい」
美しい彫像は、生き生きとした微笑を浮かべていた。怪物でも誰でも、いちいち俺の背後を取らないで欲しかった。
怪物が、厳粛な葬列をめちゃめちゃにするのを目の当たりにした後では、むしろ進んで、羊も通らないような枯れた茨を掻き分けてでも、人目を避ける道を選んだ。先を行くのはデリムだから、奴が道を選んでいるのだが、俺も同じ心持ちだ、ということだ。
プラエディコ山を過ぎると、もう俺には何処を歩いているのかさっぱりわからなかった。未知の領域である。
進むほど大木が増えていくが、地面に生えている草は枯れて棘ばかりがますます固く残っている。
空は晴天が続き、普段なら昼寝しているような時間帯まで歩き続けているものだから、やたらと喉が乾いた。
それでも俺は丈夫になったらしく、以前のように倒れることはなかった。尤も、今回はさほど重い荷物を背負っていない。
自分が不死身になった自覚はあんまりなかった。トリニ島で襲われた時には説明を聞いていなかったし、説明を聞いた後では試す機会がなかった。
デリムとは二度と刃を交えるつもりはなかったし、唯一実現可能な怪物相手の戦いは、奴によると、襲われたら人間と一緒で死ぬんじゃないか、と言われ、やはり試す気がない。
この仕事を終えて神様になりでもしたら、もはや一生そんな機会など訪れないだろう。神になる、という考えも、俺にはどうも馴染まなかった。神になった自分の人生が想像できない。人間なんだから、当たり前か。
「デリムはいいよなあ、ソリス王、いや日の御子様に愛されていて」
木陰で一休みしている時、冥王からもらった食料を頬張りながら、つい口を滑らせた。デリムは日の御子との関係について語るのをよしとしない。
案の定、むっとした顔をした。奴は、相変わらずほとんど飲み食いしない。今も葡萄酒らしい液体を飲んでいるだけである。
「私は日の御子の愛人ではない、と言うておろうに」
「じゃあ、何でもいいさ。俺なんか、継母や腹違いの弟達に嫌われるのは仕方ないとしても、実の父親にまで見捨てられたんだぜ。地位や財産、体目当てに群がる連中は沢山いたけど、心底俺を思ってくれる人間なんていなかった。この先、もし神になれたとして、ご利益目当てに俺を崇め奉る奴らは出てきても、俺を思ってくれる存在までは、お前だって保証できねえだろう」
長いこと、人と話していなかった。デリムは無駄口を叩かない。旅路は険しく、面白味もない。他愛ないお喋りもなく、自分から明るい話題を見つけるのは困難で、詰まるところ俺の心に巣食う将来への不安を零すしか、口を動かすきっかけが掴めなかった。そして俺は口を動かしたかったのである。
「勿論、保証はできぬ。その保証は、お前が神にならず人間のままでいたところで、同じことだ。お前が生き方を変えない限り、お前の人生は変わらぬ。だが、お前は己の人生を変えることが出来る。定められた役割を果たさねばならぬ私とは違う。日の御子が私を気にかけるのは、与えられた役割のゆえによる。そして、日の御子が気にかけるのは、お前も含めた全ての生き物だ。私ばかりではない」
「日の御子は、俺を押し倒さなかったぞ」
デリムの動きが止まった。この男は小麦色の肌のせいで顔色を変えても目立たず、表情を読み取るのが難しい。始終行動を共にして観察を重ねた結果から推測するに、今の場合は見られた現場を思い出し、恥ずかしさと照れと怒りが入り混じって、ともかくも動揺しているらしかった。
「もっと素直になれよ。俺の見たところ、ソリス王はお前にべた惚れだったし、お前も王様にほの字なんだろ? 王様が日の御子とか役割がどうとか、小難しいことを言わなくたっていいじゃねえか。一人に愛されていれば、世界中に嫌われたって俺なら耐えられるね。お前は贅沢だよ。俺なんか……」
と俺はまた、前に話したことを繰り返した。要するに俺は、デリムが羨ましいのだ、とくどくどと話しているうちに気が付いた。ついでに奴の奇妙な目付きにも気が付いた。冴え冴えと光る薄青色の瞳が、優しそうに見える。
「私はお前が、好きだぞ、エウドクシス。お前が素直な上に、意外と慧眼であるところがよい。冥王も、その辺りを気に入られたのであろう」
「俺はどうせ豊満な女が好きなんだ。お前みたいなごつい親仁や、冥王みたいな爺さんと愛人関係にはならねえよ」
くすり、とデリムが笑った。厳つい筋肉質の男が、その瞬間、まるで少女みたいに感じられて、俺は違和感を覚えた。しかし次の瞬間には、奴の微笑を含んだ顔は元の厳つい男に戻っていた。
「お前は性愛のことしか頭にないのだな。そのような心配は無用だ」
デリムは荷物をまとめて立ち上がった。俺も慌てて自分の荷物をまとめた。奴の視線が俺を通り越して後ろを睨み据えている。嫌な予感がした。
予感は当っていた。デリムの双槍がたちまち伸びる。俺も剣を抜いて、正面に構えた。
「同時に攻撃することで、相乗効果が得られるようだ。頼りにしているぞ」
「よっしゃ、任せておけ」
断じて、デリムに好きだと言われたせいではなく、前回役に立たなかった分を挽回するため、俺は陽気に応えた。今回は俺達より他に人間がいないので、おぞましい景色にはなり得ない。安心して大口を叩けた。
怪物は、真っ直ぐに俺達目掛けて腕を伸ばしてきた。俺は横へ飛んで、外側から腕に剣を振り下ろした。デリムは内側から腕を槍で突いた。岩のような灰色の皮膚は、滑らかな感触を裏切らない柔らかさで剣を受け入れた。確かな手応えを感じながら、素早く後ろへ下がる。ぽろり、と岩が欠けるように腕が落ちた。
「やった!」
「後ろ!」
「え?」
デリムが双槍を地面に突き立てざまに空中へ飛び上がった。と、槍が更に伸びた。奴は切られた怪物の腕を越えた勢いで双槍を引き抜き、釣り竿を投げるように縦に振り下ろした。槍が、急激に加わった力にしなりながら弧を描いた。
ざわっ、襟首が総毛立った。俺は本能の命ずるまま、前へ体を投げ出しながら上体を捻じ曲げて背後の空間を切り裂いた。
剣にはさっきと同じ感触が残った。後ろにも怪物がいた。
腕を切った奴とは明らかに違う。俺の剣は五指を切り落したらしい。ばらばらと細長い岩の切れ端が落ちるのが目に入った。黒い霧が煙のように立ち上る。みるみる腕が遠ざかる。地面に倒れた俺に、デリムが近寄ってきた。
「立てるか」
「ああ、大丈夫だ」
奴は辺りを警戒しながら手を差し出した。俺は素直に手を取って立ち上がった。
怪物の輪郭は、はやぼやけていて、黒ずんだ灰色の岩というよりも、溶けかかった得体の知れない何かが宙に浮んでいるような状態だった。既に奴らの戦闘意欲は失われ、残った腕を伸ばしてくることはなかった。
それでも俺達は武器を構えたまま、怪物たちの姿が完全に消えるまで警戒を解かなかった。
「まだ増えるぞ。急いだ方がいい」
怪物が消失するのを確認したデリムが、双槍を仕舞いながら俺の様子を窺った。
「俺のことなら心配いらねえよ。もう、そんなに休まなくても平気だぜ」
俺は剣を鞘に戻し、胸を張ってみせた。奴が眩しそうに俺を見て、手を額にかざした。いくら俺が活躍したからって、そんなに大袈裟にしなくてもいいじゃねえか。まさか、俺に惚れたのか。悪いが、俺にはそんな趣味はねえ。
「それは重畳」
背後から聞き覚えのある美しい声が上がった。俺は一挙に気持ちが萎えるのを感じた。振り向くと、記憶に違わず完璧な美の彫像が生きて立っていた。
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