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23 襲来の習慣 *
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帰りの検問所でも、同じ役人に当たった。
「どうした? 随分ひどい格好になったな」
見覚えられてしまった。ハルピュイアへの処置が俺の仕業とバレるのは、まずい。
「ハルピュイアに襲われてしまって。命からがら逃げ帰ったんです」
俺の衣服は、奴らの鉤爪に裂かれてボロボロだった。ディルドを挿入するのに、どうしても両脚の間へ腕を伸ばす必要があった。
「そうか。命あっての物だねだ。良く戻ったな」
役人は、俺の股間へ目を落とし、慰めの言葉をかけた。俺がハルピュイアに貞操を奪われたと思い、憐れまれている。
後ろでゾーイがもじもじした。お手製陰茎を挿入したままなのだ。
こちらも良いように解釈され、俺たちは無事に帰国した。
「助かったよ、ザカリー。ディルドの不妊効果は有効みたいだ。襲撃事件が格段に減った」
またも、アデラが我が家を訪問した。先日のハルピュイアコロニー潜入作戦の結末を告げに来たのである。
「それに、あれを使ったハルピュイアの鳴き声が、男共に好評で、今後は使用後の放鳥も減るんじゃないかと思う。入手した者が、それぞれ寿命を終えるまで飼い続けてくれれば、極度な繁殖が抑えられるだろう。あのディルド、商品化したらどうだ? 人間向けに作っても売れそう」
「作る手間が面倒だ。まさか、その売上を報酬に、とか言い出すんじゃなかろうな」
報酬は全額金で請求し、郵便局へ預けるよう頼んだから、団長自ら出向く必要などないのに。彼女が就任してから、もう三回目だ。あんまり頻繁に来られると、人の目に立って面倒なことになる。元魔王も飼っていることだし。
だが、魔王の件はアデラに言えない。
「まさか。単なる提案だよ。ところで先日、隣国との協定を結ぶことが出来た。あちらの騎士団は建て直しが遅れて、ハルピュイアどころではなかったようだ」
「それはそれは」
ハルピュイアの越境飛来も、隣国の密輸残党というより、彼女らの習性によるものらしかった。
最初は確かに、誰かが誘導したかもしれない。
そこで、筋骨逞しい騎士団が相手をしたのがまずかった。
ゴールト元騎士団長が作ったハーレムの余波で、辺境騎士団では、女性騎士の割合が低下していたのだ。討伐に出向いたのは、男性ばかりだった。
ハルピュイアは、ここへ来れば確実に男がいる、という情報だけを頭に残し、仲間に伝えたのである。
毎回討ち漏らした生き残りがコロニーへ戻り、新たな仲間を引き連れて、男漁りに遠出したのだった。
ハルピュイアに聞いた訳ではないが、誘導したり追い立てたりする人間が確認できなかったことで、魔獣学者の見解も踏まえて、そういう結論になった。
「やっぱり女騎士も、ある程度の数が必要だ、と改めて認識したよ」
「対ハルピュイアしか、需要ないんじゃないか?」
「甘いな。セイレーンやラミア、アルラウネ。女性の方が有利な魔族は他にも存在する。それに、女性貴人の護衛は女性の方が、当人も保護者も安心する。入浴も寝室も共にできるからな。警備の効率も良い」
アデラにやり込められ、俺は口を閉じた。
「ところで」
テーブルの下で、アデラの手が俺の股間をまさぐる。
「あの召使いは、馘首にしたのか?」
「いや‥‥自室で大人しくしているだけだ。ちょ、何を」
俺の元気な息子が、邪魔な布をずらされて、びよんと飛び出すなり、待ち構えていたアデラの手のひらに握られた。
ゾーイは、俺の手作りディルドを気に入って、俺が彼女を抱かない日は、身代わりに愛でている。
今日もアデラが来たと知った途端、木彫り陰茎と一緒に引きこもった。
いつも聞こえよがしに嬌声を上げるので、今日は部屋に防音を施してあった。
「お前は、いいよな。自分のペースでのんびり暮らして、性奴隷まで飼って」
ぐちょぐちょぐちょ。俺の息子は、早くも先走り液を漏らし始めた。
「せ、性奴隷じゃないし、お前の、ために、隣国まで行って、全然、のんびりどころじゃ、ない」
俺は、声を抑えて反論する。防音と言っても、完全無音ではない。耳を澄ませれば、互いに何の気配かはわかるだろう。
アデラの手つきが激しくなる。あっ、そんなに擦ったら、出てしまう。
「たまには、あたしだって、ご褒美が欲しい」
ふっ、と快感が消えた。俺は、放り出された息子と共に、魅惑の手を探す。
アデラは席を立って、俺に背を向けた。
「アデラ」
俺が悪かった、最後まで抜いてくれ、と言いかける俺の前に、引き締まった尻が現れた。
「あたしも忙しいんだ。とっととやってくれ」
あれ、どっちが始めたんだっけ、と思ったのは一瞬だ。俺は、アデラの尻をしっかりと捉えると、イキリたった息子を根元までずっぷり突き入れた。
「どうした? 随分ひどい格好になったな」
見覚えられてしまった。ハルピュイアへの処置が俺の仕業とバレるのは、まずい。
「ハルピュイアに襲われてしまって。命からがら逃げ帰ったんです」
俺の衣服は、奴らの鉤爪に裂かれてボロボロだった。ディルドを挿入するのに、どうしても両脚の間へ腕を伸ばす必要があった。
「そうか。命あっての物だねだ。良く戻ったな」
役人は、俺の股間へ目を落とし、慰めの言葉をかけた。俺がハルピュイアに貞操を奪われたと思い、憐れまれている。
後ろでゾーイがもじもじした。お手製陰茎を挿入したままなのだ。
こちらも良いように解釈され、俺たちは無事に帰国した。
「助かったよ、ザカリー。ディルドの不妊効果は有効みたいだ。襲撃事件が格段に減った」
またも、アデラが我が家を訪問した。先日のハルピュイアコロニー潜入作戦の結末を告げに来たのである。
「それに、あれを使ったハルピュイアの鳴き声が、男共に好評で、今後は使用後の放鳥も減るんじゃないかと思う。入手した者が、それぞれ寿命を終えるまで飼い続けてくれれば、極度な繁殖が抑えられるだろう。あのディルド、商品化したらどうだ? 人間向けに作っても売れそう」
「作る手間が面倒だ。まさか、その売上を報酬に、とか言い出すんじゃなかろうな」
報酬は全額金で請求し、郵便局へ預けるよう頼んだから、団長自ら出向く必要などないのに。彼女が就任してから、もう三回目だ。あんまり頻繁に来られると、人の目に立って面倒なことになる。元魔王も飼っていることだし。
だが、魔王の件はアデラに言えない。
「まさか。単なる提案だよ。ところで先日、隣国との協定を結ぶことが出来た。あちらの騎士団は建て直しが遅れて、ハルピュイアどころではなかったようだ」
「それはそれは」
ハルピュイアの越境飛来も、隣国の密輸残党というより、彼女らの習性によるものらしかった。
最初は確かに、誰かが誘導したかもしれない。
そこで、筋骨逞しい騎士団が相手をしたのがまずかった。
ゴールト元騎士団長が作ったハーレムの余波で、辺境騎士団では、女性騎士の割合が低下していたのだ。討伐に出向いたのは、男性ばかりだった。
ハルピュイアは、ここへ来れば確実に男がいる、という情報だけを頭に残し、仲間に伝えたのである。
毎回討ち漏らした生き残りがコロニーへ戻り、新たな仲間を引き連れて、男漁りに遠出したのだった。
ハルピュイアに聞いた訳ではないが、誘導したり追い立てたりする人間が確認できなかったことで、魔獣学者の見解も踏まえて、そういう結論になった。
「やっぱり女騎士も、ある程度の数が必要だ、と改めて認識したよ」
「対ハルピュイアしか、需要ないんじゃないか?」
「甘いな。セイレーンやラミア、アルラウネ。女性の方が有利な魔族は他にも存在する。それに、女性貴人の護衛は女性の方が、当人も保護者も安心する。入浴も寝室も共にできるからな。警備の効率も良い」
アデラにやり込められ、俺は口を閉じた。
「ところで」
テーブルの下で、アデラの手が俺の股間をまさぐる。
「あの召使いは、馘首にしたのか?」
「いや‥‥自室で大人しくしているだけだ。ちょ、何を」
俺の元気な息子が、邪魔な布をずらされて、びよんと飛び出すなり、待ち構えていたアデラの手のひらに握られた。
ゾーイは、俺の手作りディルドを気に入って、俺が彼女を抱かない日は、身代わりに愛でている。
今日もアデラが来たと知った途端、木彫り陰茎と一緒に引きこもった。
いつも聞こえよがしに嬌声を上げるので、今日は部屋に防音を施してあった。
「お前は、いいよな。自分のペースでのんびり暮らして、性奴隷まで飼って」
ぐちょぐちょぐちょ。俺の息子は、早くも先走り液を漏らし始めた。
「せ、性奴隷じゃないし、お前の、ために、隣国まで行って、全然、のんびりどころじゃ、ない」
俺は、声を抑えて反論する。防音と言っても、完全無音ではない。耳を澄ませれば、互いに何の気配かはわかるだろう。
アデラの手つきが激しくなる。あっ、そんなに擦ったら、出てしまう。
「たまには、あたしだって、ご褒美が欲しい」
ふっ、と快感が消えた。俺は、放り出された息子と共に、魅惑の手を探す。
アデラは席を立って、俺に背を向けた。
「アデラ」
俺が悪かった、最後まで抜いてくれ、と言いかける俺の前に、引き締まった尻が現れた。
「あたしも忙しいんだ。とっととやってくれ」
あれ、どっちが始めたんだっけ、と思ったのは一瞬だ。俺は、アデラの尻をしっかりと捉えると、イキリたった息子を根元までずっぷり突き入れた。
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