元部下が男に転生したので女として迫ってみた

在江

文字の大きさ
上 下
31 / 36

31 発散してみる

しおりを挟む
「きゃあぁぁ~~///」

 リンが大声で悲鳴を上げる!

「スズヤ!///」
「ドホラミン!!///」

「死なないで!!//////(泣)」

『キラーン☆』

『ガツッ!』

 リンはパニック状態に成りながらも、俺に『ドホラミン』を掛けてくれるが、俺が回復する中、フウゴルは俺の頭を掴み上げる!
 そして、呆れた表情と疲れた口調で言い始める。

「お前……本当にうっとしいな!」
「これで死んだと思ったら、また回復ですか……正義のおっさんよ!!」

「面倒くさいからよ。もうお前の首をねるわ!!」
「首を刎ねれば、あの白魔法使い女の魔法も効かないだろう……」

 その言葉の後。
 フウゴルは急に笑みを含ませながら、俺に言葉を続ける。

「しかし。お前のお陰で、とても良い収穫に成りそうだわ!」
「黒魔法使いと成ったアスと再会出来るわ、瀕死状態でも全快させる白魔法使い女!!」

「あの蛇は後で、皮をいで丸焼きにして喰うわ!♪」
「あの大きさだから、食い出が有りそうだ!♪♪」

「あっ、後、当然。お前の死亡確認後! 二人の女ははらますまで犯すからよ!!」
「てめえは地獄から指を咥えて、羨ましやがっていろ♪」

 フウゴルは言い終えると、俺の首を切り落とす体勢を作る……コハルもフウゴルの言葉を聞いていた筈なのに行動を起こさない!?
 俺の体はリンの魔法で回復したが、この状態ではどうする事も出来ない……

 フウゴルは表情で俺に言い始める。

「じゃあな、正義のおっさんよ!」
「来世は、変な正義感は捨てて産まれて来いよ……!!」

「その方が長生き出来るし、何も考えなくて良いからな!」

「…………」

(あぁ、俺もう死ぬんだな……)
(異世界は無能でもヒーローに為れて、地位や名誉が待っているのでは無かったの!///)

(……でも、俺の本来は異世界で、子ども食堂を開きたかっただけのに……)

 俺は死を覚悟した直後……遠くから、何かの音が聞こえてきた?

『ゴオォォォーーー』

「!?///」←フウゴルの驚き

『ゴオォォォーーー、ドカーン!』

「わあぁぁーー」←スズヤの悲鳴

 何かの音が聞こえた直後。
 フウゴルに大火球が当り、大火球が爆発を起こして……フウゴルが大火へ一気に包まれる!

 アスが魔法を唱えたのは分かるが、これは『ブランド』では無く『ストッレアエルツ』で有った……その時に俺は、爆発の衝撃で吹き飛ばされる!!

『バタン!』

「もぅ!///」
「ドホラミン///(汗)」

『キラーン☆』

 俺はフウゴルに頭を掴まれていたので、火球の貰い火してを吹き飛んで、そのまま地面に強く叩き付けられるが、リンが呆れ表情で直ぐに『ドホラミン』を掛けてくれる!←リンの魔力は案外有るが、スズヤが馬鹿すぎて……で有る///
 俺の体は燃えているが『ドホラミン』が効き始めると、勝手に火が鎮火して火傷や骨折等を回復させて行く。

「…………//////(大泣)」

 俺は魔法で回復していく中。アスの方向に体を向けると……アスは涙ぐちゃぐちゃの泣き顔で有った。
 魔王に魂を売った人間とはいえ、アスはフウゴルを殺したくは無かったのだろう……

「ぐああぁぁあーーー」
「クソヤロウ~~(怒)」

 フウゴルはわめきながら、アスの魔法攻撃に耐えているが……プレートアーマーの隙間から炎が入り込んで、フウゴルを蒸し焼き始める。
『ストッレアエルツ』は『ブランド』より大火力の上、燃焼温度が高いからプレートアーマーが赤みを帯び始める……

 幾らフウゴルが強靱でも、所詮は人間だ。
 フウゴルは苦痛の表情で、アスの方を見ながら言い始める。

「……あっ、アス……まさか、この俺に魔法を放つとは……」
「お前は……優しいだけが取り柄なのに……ぐおぉぉーーー」

 燃えさかるフウゴルを見ながら、泣き顔のアスは悲痛の口調で言い始める。

「……フウゴル。私だって……こうしたく無かった///(泣)」
「でもっ、でもっ……こうしないとスズヤさんが死んでしまう!!///(泣)」

「私はフウゴルとスズヤさん!///」
「どちらが大事かと言われれば、私はスズヤさんが大事です!///」

「だから許して!///(泣)」
「フウゴル~~!!//////(大泣)」

 最後二桁の文章は、アスは号泣でフウゴルに言っていた……
 俺は立ち上がるが、大火に包まれたフウゴルを……ジッと見る事しか出来なかった。

「…………」←フウゴルの亡骸

 アスの言葉に、フウゴルは何も反応せずに焼死した……ご丁寧に、直立不動のまま絶命した。
 有る意味、悪役らしい死に方だ。

 最後は絶望を感じて、フウゴル燃え死んだのだろうか?
 それとも、フウゴルの中では『アスは絶対に俺を殺さない!』と、思いながら燃え死んだのだろうか??

 今までは魔物を退治してきたが、俺たち三人で人間を退治したのは、これが初めてで有った。
 タングステン鉱石はで採取出来るが……今の俺たちはとても複雑な気分で有った。

 ……

「~~~///」
「~~~///」

「…………///(泣)」

 リンは、アスの側に付いて心のケアをしている。
 リンとアスから俺は距離が離れているので、何を言っているかは聞き取れない。

 アスは敵とは言え、身近な人物を殺したのだから、罪悪感に苦しめられているのだろう。
 俺の衣類はボロボロで有ったが、コハルの不思議な力で衣類は新品同様に修復されている。

 俺は手で拾える、タングステン鉱石を拾って、有る場所に集めている。
 手で拾える分は全て拾って、後はコハルの力でタングステン鉱石を王国城に瞬間移動させる。

「…………」

 コハルの方は、焼け死んだフウゴルの現場検証をしている。
 立っていたフウゴルを尻尾ではじき倒してから、コハルは現場検証を始めていた。

 蛇らしく舌を出して、澄ました表情でフウゴルの亡骸を見たり、尻尾で触ったりしている。

「ちょっと、スズヤ~~!」
「こっち来てくれる~~」

 コハルが俺を呼ぶので、俺は鉱石採取を中断してコハルの方に向う。
 フウゴルの亡骸から、何かお宝でも出て来たのかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

入れ替わりノート

廣瀬純一
ファンタジー
誰かと入れ替われるノートの話

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...