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13 侍女に入られる * 百合及びBL描写あり

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 ファツィオに舌でイカされた後、挿入されてまたイカされた。
 エイリークが起きないよう、声を抑えていたせいで、やたら愛液が分泌された気がする。

 「も、もう。わかったから」

 イッたばかりの膣に、未練がましく陰茎を擦り付けるファツィオに降参した。早くも、硬くなり始めている。この分では、一晩中イカされる。明朝、エイリークの前に、寝不足の顔を晒すことになる。

 「ご満足いただけて、光栄です」

 色気のある声で、嫌味なセリフを言われた。俺は、すうっと性欲が失せた。

 エイリークと反対側にある部屋へ行き、ベッドへ倒れ込む。ファツィオが扉を閉めた音を、半分眠った頭で聞いた。久々のベッドは、思ったより上質で、たちまち眠りに引き摺り込まれた。
 宴会と二次会とセックスで、体力を使い果たしていた。


 やたらに指であそこを掻き回されている。正直なところ、あまり上手くない。
 むにゅ。鼻と口が柔らかい物体で塞がれた。

 「っふ」

 手で退けようとしたが、何故か動けない。夢?
 苦しさに目を開けた。

 ランプの小さな灯りで影になっているが、女が上に乗っているのは、わかった。顔が、俺の横に伏せられて、見えない。
 苦しいのは、二つの乳房が、押し付けられているせいだ。腕は上がった状態で、両手首に縛られた感触がある。

 俺は首を振って、乳をずらした。

 スルッ、と膣から、指を引き抜かれた。

 「あら。起きたのね」

 囁き声と共に、頭が持ち上がった。

 暗さに慣れた目に映ったのは、さっき連れ去られたカシルダとかいう侍女だった。たっぷりした乳房が揺れ、尖った乳首が俺の顔を擦る。
 どういう訳か、レースのキャップ、それにガーターとストッキングに相当するものだけ身につけている。体つきといい、格好といい、なかなかにエロい。

 俺が男の体だったら、勃っている。

 「どこから入ったの?」

 頭に浮かんだ疑問が、そのまま口から出た。彼女は、廊下の方へあごをしゃくった。

 「入り口からに、決まっているじゃない。鍵が開いていたわよ」

 答えた後、俺の乳を舐めまわした。
 確かに、廊下側の出入り口に鍵をかけた覚えがない。ファツィオの部屋から入り、向こうから鍵をかけられ、安心してしまっていた。
 舌が乳首を這い回る。

 「やめてよ」

 「止めない。可愛いとは思ったけど、まさか女とはね」

 乳首を軽く歯でくわえながら、喋り続ける。舌でも転がしたあと、その舌を這わせながら、へそ周り、さらに下の茂みへと進んでいく。
 俺は、鳥肌が立った。

 「何の目的?」

 「ファツィオ様と結婚するのに、協力して欲しいのよ。男だったら、あんたの方が良かったんだけど、女じゃはらませたっていう手が、使えないもんね」

 舌がクリトリスに到達した。屈辱感が、感覚を鋭くする。
 俺は、快感を感じないよう、歯を食いしばった。

 「あらあら、はしたない。わたしの指技に感じて、いやらしいお汁が垂れているわ」

 ジュルジュル、と音を立てて、性器を吸われる。
 それは気持ちいいからじゃなくて、痛くないようにするための、防御反応だ。
 言ってやろうとしたら、変な声が出た。

 「あんっ」

 「ふふふ。いい声で鳴くじゃないの」

 膣穴に舌が入って、内部の壁を舐め回す。気持ちいいのか、気持ち悪いのか、混乱する。

 「私をイカせたって、お前に協力なんか、しないから」

 「でも、ファツィオ様とわたしが結婚すれば、あんたは安心して黒髪の方と一緒になれるでしょ。わかっているのよ」

 俺の動揺を、カシルダは読み取った。
 卑しく笑いながら、自分の茂みを俺にくっつける。茂み同士が擦れ合う、初めての感覚。
 そのまま腰を動かされると、いきなり脳が快感を認識した。

 「あっ」

 「女同士でも気持ちがいいけれど、わたしはこの穴を、ファツィオ様の子種で満たしたいの」

 グジャグジャ、と湿った音が、大きくなった。

 「じゃ、じゃあ、止めてよこれ」

 「止めなーい」

 ますますカシルダは、腰を振る。甘い匂いと快感で、思考がまとまらない。

 「ファツィオ、様に聞こえちゃう」

 「大丈夫。今頃ファツィオ様は、廊下にまで声が漏れるほど、あの黒髪と激しくおやりになっているから、こっちの音なんか、聞こえないっ、がはっ!」

 俺に思い切り腰を蹴られ、カシルダはバランスを崩して、ベッドから落ちた。
 落ちる時テーブルの角にもぶつけたらしく、腰を押さえてうめく。

 俺は、手首のいましめを、魔法でぶち切った。幸いにも、魔法は使えた。
 怒りのあまり、貴族令嬢とか、ファツィオの縁者とか、屋敷を騒がせてはいけないとかいう遠慮が、全部吹っ飛んでいた。

 「何、する、のよ」

 痛みが腰に響くのか、言葉が途切れがちだ。

 「お前になんか、協力してやらない。大体、好きな男が他の人を抱いているのに、何で止めないで、こっちへ来るのよ。お前、頭がどうかしている」

 「わたしが、欲しいのは、金、地位、権力。ファツィオ様の、心を掴むのは、結婚してからでも、遅くないもの。それにね、わたしにとっては、あなた‥‥」

 侍女が告白するのをしまいまで聞かず、俺は、魔法で彼女を眠らせた。
 自分の服を整えた後、彼女のストッキングを剥ぎ取るようにして脱がし、両手両足を縛って廊下へ転がす。

 ファツィオを気に入らないのは、エイリークとの仲を邪魔するからだ。
 彼自身を嫌っているのではない。
 いくら俺に有利であろうと、この侍女と彼を縁結びする気には、なれなかった。

 何かの気配を感じた。そのまま廊下を進み、エイリークが休んでいるはずの扉の前まで近付く。
 微かに嬌声が漏れてきた。ドアノブを掴んで回す。施錠されている。
 俺は魔法を使った。解錠できた。開けた。


 「ああっ、またっ。だめっ」

 「いいですよ。凄くいいです、エイリーク様」

 俺は後ろ手に扉を閉めた。その音で、二人が動きを止めて、こちらを見た。

 エイリークは仰向けに寝かされ、四肢をそれぞれベッドにくくり付けられていた。その上に、アナルにエイリークを埋めたファツィオがまたがっている。

 俺は、奴をぶっ飛ばしてやりたかったが、角度によってはエイリークも怪我を負うので、我慢した。

 「まず、離れろ」

 ファツィオは、大人しく降りた。
 俺はエイリークの近くまで行って、一つ一つのいましめを、手で解いた。
 エイリークは、起き上がる気力がないようだった。またも、キスマークが、たくさん付いている。

 「ごめんなさい」

 「謝る必要はない」

 謝られると、余計に落ち込む。ファツィオは黙って立っている。

 「この匂い」

 俺は宙を指した。一旦薄れた甘い匂いは、開け放したドアの向こう、ファツィオの寝室から新たに漂ってきていた。
 ワインの香りにいる。

 「発生源を教えろ」

 「ランプだよ。そろそろ切れる」

 俺はファツィオの部屋へ入って、ランプを開けてみた。
 見ただけではわからないが、鑑定スキルを使うと、何種類かのオイルが混じっていた。毒ではない。

 仕方ないので、不純物を取り除く要領で、魔法をかけていく。ランプ毎に、成分が異なっていた。

 エイリークの寝室へ戻ると、ファツィオは夜着を纏い、ベッドの側に立っていた。エイリークも夜着を着て反対側に立っている。

 回復魔法を施されたようだ。ただし、キスマークはしっかり残っていた。

 「すまない。先にどうしても試してみたくなっちゃって」

 「何を?」

 「新しい媚薬と、初めての体位」

 危うくぶん殴りかけた。今の状況だとファツィオは抵抗しないだろうが、殴ったら負けの気がする。

 「原材料を分散して揮発きはつさせ、空気中で混ぜ合わせて完成するんだな」

 「正解。ユリアの頭脳は、今世も優秀だね」

 「こんなことばかり続けるなら、ここには住めない」

 「エイリークも?」

 ファツィオが、わざわざ尋ねる。俺は、エイリークが即答しないことに、衝撃を受けた。

 「薬を使われるのは、不本意だ」

 「そうそう新しい薬は、思いつきません。でも、僕の言い分も聞いてください」

 「言ってみろ」

 うながしたのはエイリークだ。胸に不安がきざす。
 何故彼は、元部下にこうも甘いのか。
 俺が元部下のエイリークを欲しているように、彼も元部下のファツィオと親密になりたいのか。

 「僕は、エイリークの側に居たくて転生しました。それなのに、転生した先でもユリアがくっついている。先に会っただけで、あなたと付き合えるなんて、不公平だ。僕にも機会を与えて欲しい」

 「それは、好きになった人がたまたま既婚者だっただけ、とかいう不倫の常套句と一緒‥‥」

 「まだ結婚もしていないし、婚約もしていない」

 俺の反論をエイリークに崩され、動悸が激しくなってきた。
 これ以上、話を進めたくない。危険信号が、脳内に点滅する。

 「それでも、交際中の二人に割り込むのは、道義上好ましくない。ファツィオ。あなたは貴族だ。たとえ相手が平民であろうと、品行には注意すべきだ。となると、ユリア。私たちの交際を、一旦白紙にしてもらえないだろうか」

 「いやだ」

 俺は爆発した。
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