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四話、愛されない私は,,,
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5月6日 日曜、いつも通り静かな5時半丁度に目が覚めた。早く着替えて朝食を作り、時間ぴったりにあの人を起こさなければならない。実際私は、あの人に会いたくない。
だが、会わなければならない、ドアをノックする。
「レイカさん、おはようございます。6時半です。起きてください。朝食も出来てテーブルに置いてあります。」
≪ゴンッッ!!≫
何かの落ちる音がした。
「わったよ!朝っぱらからうっせーんだよ!」
数分後、レイカさんはスーツをきて現れて、私を思いっきり殴る。私は腹部を両手で抱えながら、うずくまった。
そう、虐待だ。
レイカさんは私を産んだ母親だ。父親はもう既に他界している。レイカさんの立場の母親というものは、自分の子供を大切に思うらしい。だが、レイカさんは違う。私のことを邪魔だとしか思っていないのだ。
私の頭をスリッパを履いた足が軽く踏む。
「お前さ、私の安眠妨害していいと思ってんの?」
「そんなことは一度も思った事ありません」
「やっと“お母さん”と呼ばなくなったと思ったら、何なんだよ!!!!」
≪ゴン!!≫
頭が割れるように痛い。さっきまで床から少し浮いていた私の頭を勢いよくレイカさんが踏んだ。
「前なんて、お前が居なければ私は真人と再婚してたんだよ!お前は金がかかるし、雑用を任しても私が満足いくような結果も出せないくせによ!」
そうだ、この前レイカさんが男の人を家に連れて来たとき私は“帰ってくんな”と言われていたことを忘れ帰ってきてしまった。その時リビングでは、レイカさんと男の人が裸体で抱き合い、それで甘ったるい声が部屋中に響き渡っていた。私はドアを開けて、いつもレイカさんのいない家に向かって言う“お母さん、ただいま”なんて台詞を言ってしまった。
男の人はその小さな音を聞き逃さなかった“子持ちと再婚なんて無理だ”と言って服を着て帰ってしまった。それでレイカさんはいつも以上に怒っているのだ。
全身を踏まれて、蹴られて・・もう何が何だか解らなくなってしまって意識が飛んだ。
本当にここはなんら地獄と変わりない。
ここにいるのは母親ではなくてきっと鬼や悪魔の類いなのだ。鬼や悪魔は人を愛さない。私は、愛されなかった。
だが、会わなければならない、ドアをノックする。
「レイカさん、おはようございます。6時半です。起きてください。朝食も出来てテーブルに置いてあります。」
≪ゴンッッ!!≫
何かの落ちる音がした。
「わったよ!朝っぱらからうっせーんだよ!」
数分後、レイカさんはスーツをきて現れて、私を思いっきり殴る。私は腹部を両手で抱えながら、うずくまった。
そう、虐待だ。
レイカさんは私を産んだ母親だ。父親はもう既に他界している。レイカさんの立場の母親というものは、自分の子供を大切に思うらしい。だが、レイカさんは違う。私のことを邪魔だとしか思っていないのだ。
私の頭をスリッパを履いた足が軽く踏む。
「お前さ、私の安眠妨害していいと思ってんの?」
「そんなことは一度も思った事ありません」
「やっと“お母さん”と呼ばなくなったと思ったら、何なんだよ!!!!」
≪ゴン!!≫
頭が割れるように痛い。さっきまで床から少し浮いていた私の頭を勢いよくレイカさんが踏んだ。
「前なんて、お前が居なければ私は真人と再婚してたんだよ!お前は金がかかるし、雑用を任しても私が満足いくような結果も出せないくせによ!」
そうだ、この前レイカさんが男の人を家に連れて来たとき私は“帰ってくんな”と言われていたことを忘れ帰ってきてしまった。その時リビングでは、レイカさんと男の人が裸体で抱き合い、それで甘ったるい声が部屋中に響き渡っていた。私はドアを開けて、いつもレイカさんのいない家に向かって言う“お母さん、ただいま”なんて台詞を言ってしまった。
男の人はその小さな音を聞き逃さなかった“子持ちと再婚なんて無理だ”と言って服を着て帰ってしまった。それでレイカさんはいつも以上に怒っているのだ。
全身を踏まれて、蹴られて・・もう何が何だか解らなくなってしまって意識が飛んだ。
本当にここはなんら地獄と変わりない。
ここにいるのは母親ではなくてきっと鬼や悪魔の類いなのだ。鬼や悪魔は人を愛さない。私は、愛されなかった。
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