115 / 161
114 日常 今週末(クライミング)
しおりを挟む
ある晴れた日、ハルさんと僕はとある山の岩場に来ている。
この岩場は、クライミングスポットとして有名なため、ロープを使って登ったり(リードクライミング、トップロープでのクライミング等)の他、ボルダリングができる。
いわゆる、バリエーションルートで、山岳救助訓練にも使われることもあるが、今日はまだ寒いためか?昨日の雨のせいか?僕たちの貸切状態♪
まずは登攀のための準備をする。
安全ベルトを装着しながら、ハルさんと僕は先日来の『スキー場での案件』について話をしていた。
僕「…何度か香山に話を振ってはみたんだけど、白いスキーの王子様は『たいしたことしてないから、礼はいらない』とおっしゃっておいでです(笑)」
ハル「さすがは王子!と言うか、タカさん?
香山さんのこと、からかい過ぎたのでは?」
僕「…反省しています。」
ハーネスのつぎは、ヘルメットの顎紐を調整しながら、僕は香山の顔を思い出し苦笑い。
『仕事で女性と話す時は平気なんだから、仕事だと思えば大丈夫なのでは?』と言ってみたこともある。
反応としては悪くなかったんだけど、結局は女性に対する苦手意識に塩を塗り込んだ結果になったようで、ちょっと申し訳ない。
ハル「うーん、美希にどう説明しようかな。
『どうしても会わせてほしい!』と言われたら、タカさん、もう一度伝えてみてくれますか?」
僕「そうだねぇ…でもまぁ、今すぐとは言わず、短時間でちょこっとくらいならなんとかなるんじゃないかなぁ?ハルさんの友達なら、変にグイグイ来ないだろうし(•᎑•)」
ハル「はい。無理のないようにお願いします♪」
話が一段落したところで、僕は岩を見上げた。
岩場にはいくつもの登攀ルートがある。途中に命綱であるクイックドローやロープを掛けるためのボルトが打ってあるのでそれもルートの目安になる。
クイックドローは何本必要かなぁ。プーリーも持たなきゃ。
陽射しがあるけれど、まだ岩は冷たいなぁ。
ハルさんは、ロープを出して結び目ができないよう、丁寧に端っこを繰り出している。
ハーネスには、いくつものギア。
僕「ハルさん、お互いチェックしようか?」
ハル「はい!」
元気に返事をすると、その場でゆっくり回ってみせるハルさん(*^^*)うん、かわいい♪
セルフビレイ用のPASSは正しく装備され、テープスリングやプーリー、予備のカラビナなど抜かりなさそう♪
ハル「最初はタカさん、トップお願いします。」
僕「はい♪じゃあ、ハーネス見てくれる?」
ハル「はい!捻れなし、緩みなし!」
まずは僕が登るので、ハルさんはビレイヤー(ロープを操作して、僕が落ちないように補助する役目)だ。
僕もハルさんのハーネスを確認し、それぞれのギアの確認をしてから、ロープを結びつける。
ハルさんはロープの結び目が解けそうにないことを確認後、確保器を装着。
今度は僕が、ハルさんの確保器をチェック。
二人はバディ。お互いの命を預けるのだから、お互いの装備をチェックし合う。
さて、これで登攀準備完了だ。
まずは無理せず、優しいルートを僕がリードで登る。この時ハルさんが下でビレイ。
登った僕は上でアンカーを確保してから懸垂下降。
その後ハルさんがトップロープで登るのを、僕が下でビレイするつもりだが、もう一本のロープを設置して、リードクライミングの練習をしてもいいなぁ。
クライミング歴は、職業柄もあって(笑)僕の方に一日の長がある。
ハルさんは、地元山岳会の講習会に参加したり、山岳会の人と何度か登りに行ったりしているが、『まだ連れて行ってもらってばかりです(^_^;)』との言。
他には誰もいないし、いろいろ試すいい機会にしてほしい♪
僕はどんどん登ってはクイックドローを引っ掛け、ロープを通す。
うん、登りやすい(•᎑•)
ハルさんのロープ出しや張り具合も丁度いい♪
岩も乾いていて、手がかり、足がかりもしっかりしている。
僕「ゴール♪テンション!(手を離しても大丈夫な状態をキープしてもらう時の合図)」
ハル「はい!テンション………OKです!どうぞ!」
僕「はーい!」
一番上まで登った僕は、セルフビレイを取る。そして、アンカー構築、ハルさんに再度声を掛けた。
僕「ビレイ解除!」
ハル「はい!ビレイ解除…しました!」
そして、僕、懸垂下降♪得意技です(•᎑•)
下につくと、ハルさんはニコニコ携帯で録画していた…いつの間に(笑)
ハル「タカさんの懸垂…むふふ~♪」
おおぅ、マニアがいる♪
迷彩服じゃなくてもいいのか(笑)
僕「ほら、ハルさんも登ってみよう♪」
ハル「はい!お願いします(*^^*)」
という訳で、しっかりクライミングを堪能した僕達は、帰りに山道具のお店に立ち寄った。
山に行くと、ギアを買い足したくなるのです。
そして、山道具は見ているだけでも楽しいのです。
気付けばギアに集中していて、ハルさんとバラバラになっていた。
僕「あれ?香山」
ロープ類のコーナーに香山を発見。
香山も僕に気付いた。
香山「おう。」
僕「仕事用の細引き(細い紐程度のロープ)見てるの?」
香山「いや、補助ロープがほしいんだが、太さをどうしようかと…」
僕「何に使うかによるねぇ…」
ハル「あ、タカさん!美希と偶然会いまして…あ、お友達ですか?」
僕「美希さん?」
ハルさんの声に振り返ると、ハルさんと、そのすぐ後ろにはもうひとりの女性がいた。
ハルさんと同じくらいの身長で、ふわふわのウェーブが掛かった長めの髪、彼女が美希さんか。
美希「こんにちは、初めまして。」
香山「?!」
…あ、後ろで香山が固まった!
この岩場は、クライミングスポットとして有名なため、ロープを使って登ったり(リードクライミング、トップロープでのクライミング等)の他、ボルダリングができる。
いわゆる、バリエーションルートで、山岳救助訓練にも使われることもあるが、今日はまだ寒いためか?昨日の雨のせいか?僕たちの貸切状態♪
まずは登攀のための準備をする。
安全ベルトを装着しながら、ハルさんと僕は先日来の『スキー場での案件』について話をしていた。
僕「…何度か香山に話を振ってはみたんだけど、白いスキーの王子様は『たいしたことしてないから、礼はいらない』とおっしゃっておいでです(笑)」
ハル「さすがは王子!と言うか、タカさん?
香山さんのこと、からかい過ぎたのでは?」
僕「…反省しています。」
ハーネスのつぎは、ヘルメットの顎紐を調整しながら、僕は香山の顔を思い出し苦笑い。
『仕事で女性と話す時は平気なんだから、仕事だと思えば大丈夫なのでは?』と言ってみたこともある。
反応としては悪くなかったんだけど、結局は女性に対する苦手意識に塩を塗り込んだ結果になったようで、ちょっと申し訳ない。
ハル「うーん、美希にどう説明しようかな。
『どうしても会わせてほしい!』と言われたら、タカさん、もう一度伝えてみてくれますか?」
僕「そうだねぇ…でもまぁ、今すぐとは言わず、短時間でちょこっとくらいならなんとかなるんじゃないかなぁ?ハルさんの友達なら、変にグイグイ来ないだろうし(•᎑•)」
ハル「はい。無理のないようにお願いします♪」
話が一段落したところで、僕は岩を見上げた。
岩場にはいくつもの登攀ルートがある。途中に命綱であるクイックドローやロープを掛けるためのボルトが打ってあるのでそれもルートの目安になる。
クイックドローは何本必要かなぁ。プーリーも持たなきゃ。
陽射しがあるけれど、まだ岩は冷たいなぁ。
ハルさんは、ロープを出して結び目ができないよう、丁寧に端っこを繰り出している。
ハーネスには、いくつものギア。
僕「ハルさん、お互いチェックしようか?」
ハル「はい!」
元気に返事をすると、その場でゆっくり回ってみせるハルさん(*^^*)うん、かわいい♪
セルフビレイ用のPASSは正しく装備され、テープスリングやプーリー、予備のカラビナなど抜かりなさそう♪
ハル「最初はタカさん、トップお願いします。」
僕「はい♪じゃあ、ハーネス見てくれる?」
ハル「はい!捻れなし、緩みなし!」
まずは僕が登るので、ハルさんはビレイヤー(ロープを操作して、僕が落ちないように補助する役目)だ。
僕もハルさんのハーネスを確認し、それぞれのギアの確認をしてから、ロープを結びつける。
ハルさんはロープの結び目が解けそうにないことを確認後、確保器を装着。
今度は僕が、ハルさんの確保器をチェック。
二人はバディ。お互いの命を預けるのだから、お互いの装備をチェックし合う。
さて、これで登攀準備完了だ。
まずは無理せず、優しいルートを僕がリードで登る。この時ハルさんが下でビレイ。
登った僕は上でアンカーを確保してから懸垂下降。
その後ハルさんがトップロープで登るのを、僕が下でビレイするつもりだが、もう一本のロープを設置して、リードクライミングの練習をしてもいいなぁ。
クライミング歴は、職業柄もあって(笑)僕の方に一日の長がある。
ハルさんは、地元山岳会の講習会に参加したり、山岳会の人と何度か登りに行ったりしているが、『まだ連れて行ってもらってばかりです(^_^;)』との言。
他には誰もいないし、いろいろ試すいい機会にしてほしい♪
僕はどんどん登ってはクイックドローを引っ掛け、ロープを通す。
うん、登りやすい(•᎑•)
ハルさんのロープ出しや張り具合も丁度いい♪
岩も乾いていて、手がかり、足がかりもしっかりしている。
僕「ゴール♪テンション!(手を離しても大丈夫な状態をキープしてもらう時の合図)」
ハル「はい!テンション………OKです!どうぞ!」
僕「はーい!」
一番上まで登った僕は、セルフビレイを取る。そして、アンカー構築、ハルさんに再度声を掛けた。
僕「ビレイ解除!」
ハル「はい!ビレイ解除…しました!」
そして、僕、懸垂下降♪得意技です(•᎑•)
下につくと、ハルさんはニコニコ携帯で録画していた…いつの間に(笑)
ハル「タカさんの懸垂…むふふ~♪」
おおぅ、マニアがいる♪
迷彩服じゃなくてもいいのか(笑)
僕「ほら、ハルさんも登ってみよう♪」
ハル「はい!お願いします(*^^*)」
という訳で、しっかりクライミングを堪能した僕達は、帰りに山道具のお店に立ち寄った。
山に行くと、ギアを買い足したくなるのです。
そして、山道具は見ているだけでも楽しいのです。
気付けばギアに集中していて、ハルさんとバラバラになっていた。
僕「あれ?香山」
ロープ類のコーナーに香山を発見。
香山も僕に気付いた。
香山「おう。」
僕「仕事用の細引き(細い紐程度のロープ)見てるの?」
香山「いや、補助ロープがほしいんだが、太さをどうしようかと…」
僕「何に使うかによるねぇ…」
ハル「あ、タカさん!美希と偶然会いまして…あ、お友達ですか?」
僕「美希さん?」
ハルさんの声に振り返ると、ハルさんと、そのすぐ後ろにはもうひとりの女性がいた。
ハルさんと同じくらいの身長で、ふわふわのウェーブが掛かった長めの髪、彼女が美希さんか。
美希「こんにちは、初めまして。」
香山「?!」
…あ、後ろで香山が固まった!
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる