人生前のめり♪

ナンシー

文字の大きさ
上 下
102 / 161

101 日常(社会奉仕活動)

しおりを挟む
僕たちの住む地方では梅雨に入る前に、地域社会活動の一環として近所の側溝の清掃や、公園と川沿い(土手)の草刈りが行われる…いわゆる社会奉仕作業だ。
駐屯地も同様に、ご近所付き合いがあるので、営内者も営外者と同様に参加の義務がある(全員ではないが)。 

因みに、営内者とは駐屯地内の宿舎に住む者で、営外者とは駐屯地外に住居がある者である。

OB「では、班長、始めようか。」

僕「……はい。」

川沿いの草刈り班長…僕。
眼の前の班員、いや、参加者…駐屯地OBと現役営内組。前の大隊長の直属の上司だった方までいらっしゃる。そうでしたか…土手の草刈りは自衛隊メンバーで固められるんですね…。

どうしてこうなった?!

いや、どうしたもこうしたも、本来なら班長になるべき営外者の先輩が急な職務で代理に僕を指名したのだ。
草刈り機を操るのは嫌いじゃないので気楽に諾と返事したが、ヤラレタ感パない(´Д`)

そして…期待に満ちたOBの笑顔。
僕、本来なら下っ端なんだから勘弁してほしい…面倒臭いがアレをやると盛り上がるんだろうなぁ。やるか。

僕「0750、概要を確認する。
 目的、土手の雑草及びポイ捨てゴミの掃討。
 作戦内容、機材の数6機、各班4名にて、等間隔で、土手の上部より下部へ掃討する。なお、水際50cm~1mは刈らずに残すこと。
 0800状況を開始する。以上。
 なにか質問はあるか?」

自衛隊方式風に(ただしやんわりと)手順の確認をすると、OB達はにやにやと頷いていた。

OB「水際は良いのか?」

僕「水際まで土のため、土手が崩れると危ないということです。」

OB「うむ、了解した。」

僕「では、他に質問がなければ各区画に向かってください。状況開始!わかれ!」

OB「「「「おう!」」」」

流石は元自と現役隊員。テキパキと班を作り、草刈機やゴミ袋を配布、誰が何をするか役割分担をして土手に散っていった。

結局僕は草刈機を手にすることもできない。

OB「お前がトップなんだから指揮をとれ。」

僕「…わかりました、遊撃隊ですね、はい。」

ゴミ袋が一杯になったら取り替えたり、草刈機の調子を見たりする遊撃隊であって決してトップじゃないと言いたい(。•́︿•̀。)

そのうち、割り当てられた場所の草刈りが終わった班から自主的に他の班を手伝い始めた。
流石は元自。予定の時間より早く作業が進む。暇になったOBから声がかかる。

OB「おーい、あっちの草刈りはしなくて良いのか?」

僕「そこ、隣の区なんですが…。」

OB「土手に国境はない♪」

…戦果拡張。
攻め込んでいいのか?元自!専守防衛でお願いします!
そ、そうか、国連軍への派遣なのですね?!程々でお願いします!

僕「状況終了!お疲れさまでした!」

僕の心の中での葛藤や叫びは置いておくとして、予定の時間より早く、きっちりと、草刈りは終了した。
やりやすかったが、色々とメンタル削られた気がする…_ノ乙(、ン、)_
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

「今日でやめます」

悠里
ライト文芸
ウエブデザイン会社勤務。二十七才。 ある日突然届いた、祖母からのメッセージは。 「もうすぐ死ぬみたい」 ――――幼い頃に過ごした田舎に、戻ることを決めた。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...