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94 訓練(山に行く 仲間との絆)
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久し振りにいつものメンバーででBBQをしている。
今回の参加者は、サムライ戦車乗り杦本、スカウト香山、ドライバー植野、ワンコR黒田、そして僕。
なんとスペシャルゲストはシェフ見取先輩だ。
あ、なんとなく属性や職務付きで紹介してみました(笑)
後輩の植野がドライバーなのは、WAPCや3t半などの大型車輌を転がすのが上手だからです♪
杦本「見取先輩、持ってきてくれたホルモン、美味いです。」
R黒田「本当に美味しいッス!あ、ビールどうぞ!」
見取「おお、サンキュー。なんてったって松阪牛のホルモンだからな。丁度仕事で明野駐屯地へ行ったところだったもんで、タイミングが良かったな。」
僕「杦本が酒だけでなくちゃんと食べながら飲んでる…(•᎑•)」
香山「さすがミドリちゃん…。」
植野「いつかの鶏まるまる一羽とか自分、忘れられないんですよー。まあ、美味かったですが、衝撃的でー。」
僕「うん、あれは…笑ったねぇ(笑)」
植野「笑えない…自分としては怖かったですけどー(-_-)」
R黒田「鶏まるまる一羽って…?」
僕「ワンコが入隊する前の話だよねぇ…。」
香山「あれは、植野が入ったばっかりの頃だな、山に行ったときだ…」
『山に行ったとき』…つまり山岳地帯での演習が行われたときのことだ。
隊員はそれぞれ必要な荷物を背嚢に入れて背負う。時と場合にもよるが、水は1日分と各人の必要とする分が毎日支給され、食料は日数分の戦闘糧食が出発前に配布されるものの、それだけでは不足したり行軍内容によっては悠長に食べる時間がなくなったりで、各人で食べやすい物や食べたい物を用意することもある。
また、戦闘糧食が苦手で好みの物を持っていく者もいた。
その時の演習は中隊による、山中を歩き続ける行軍訓練だった。とにかく揃って長距離を踏破する。山中で仮眠を取り、交代で見張りに立ちそして最終日には、食糧を食べきるパーティー状態となるので、わざわざそれ用の食材を持っていく者までいた。
ただし、演習の前には荷物の検査がある。それを潜り抜けることができるかどうか?で、その後の食生活は天と地ほどの差が出る…こともある。
専任曹長「お前ら、余計なものを持ってきてるんじゃないだろうな?香山、この胸のふくらみは何だ。」
胸ポケットを叩かれても、動揺してはいけない。
香山「はい!メモ帳です!」
曹長「メモ帳にしては厚みがあるし柔らかくないか?」
香山「はい!大丈夫です!」
後で僕も分けてもらったが、香山の胸ポケホットにはドライフルルーツのマンゴーがごっそり入っていた。甘味欲しくなるんだよね。
いざとなったら字を書いてみせるつもりだったらしい…(汗)
曹長「まあいいだろう。仲間との遣り取りにしっかり使うんだぞ。」
香山「はい!」
曹長は、何も理不尽に難癖をつけているわけではない。偏食して体調を崩さないか?自分勝手な行動で仲間に迷惑をかけないか?足を引っ張らないか?あくまで部隊の統率と任務遂行がベースにあるので、そこを見極めた上で、全力で言い張れば(笑)見逃してくれることが多いのだ。
曹長「見取!そ、その背嚢から出ているそれは何だ?!」
曹長は、きっと触れたくなかったのだろうが最後の最後に諦めて、見取先輩に突っ込んだ。
ミドリちゃん、ザックから赤い鶏冠の何者かが顔を出しています。あ、こっち見たΣ(゚Д゚)いや、コケッてさっきから鳴いてるし。
見取「はい!『仲間との絆』です!」
曹長「き、絆?いやしかし、動いているぞ?!」
見取「はい!絆はナマモノです!」
曹長「それは…その絆は…本当に必要な物か?」
見取「はい!必要不可欠なものであります!」
曹長「絶対だな?!」
見取「絶対であります!」
曹長「よし!」
全員『『『工エエェェ(´д`)ェェエエ工?!』』』
その場にいた全員が、「いいのか?!」と心のなかで突っ込んだ瞬間だった。
ある意味、仲間の心がひとつになっていた。
だって、見取先輩のザックには、生きた鶏が入っていたのだ。それを「仲間との絆」で押し切った…まさかの力技…。
僕「いくら身内だけの山行とはいえ、ミドリちゃんのザックから鶏が顔出してたのは三度見したよねぇ(笑)」
植野「はい、何があっても大抵のことは『仲間との絆』で乗り切れるなーと勉強になりましたー。
…若干、鶏をシメルとき絆が壊れそうでもありましたが(笑)」
香山「美味かった…あの美味さは絆を深めた…」
杦本「あれ以来だな、肉屋で鶏一羽まるごと買って、鍋するようになったのは…」
R黒田「れ、レンジャーそのままッスね!」
僕「いや、演習ではさすがにやらないよ、鍋パで買ってくるだけで。しかも自分たちではシメないしねぇ(•᎑•)」
見取「なんだ、私を呼んでくれたらいくらでも捌いてやるのに(笑)」
僕「山じゃないと始末が面倒なので(笑)」
ミドリちゃん、分かっててそんなこと言っていますね。顔が笑っています。
今は大抵の演習でも、個人個人が必要と思う物を用意することは許可されている。
生き延び、そして任務を遂行するために個々が判断することは大切なことと認識されているからだ。
初めての演習やレンジャー訓練などは、先輩からの激励という形で準備される物もある。
正しく、「仲間との絆」だ♪
まあ、あの鶏(笑)以来、僕達にとって「仲間との絆」はとても便利で、かつ大切な言葉となったのは間違いないのです(•᎑•)
今回の参加者は、サムライ戦車乗り杦本、スカウト香山、ドライバー植野、ワンコR黒田、そして僕。
なんとスペシャルゲストはシェフ見取先輩だ。
あ、なんとなく属性や職務付きで紹介してみました(笑)
後輩の植野がドライバーなのは、WAPCや3t半などの大型車輌を転がすのが上手だからです♪
杦本「見取先輩、持ってきてくれたホルモン、美味いです。」
R黒田「本当に美味しいッス!あ、ビールどうぞ!」
見取「おお、サンキュー。なんてったって松阪牛のホルモンだからな。丁度仕事で明野駐屯地へ行ったところだったもんで、タイミングが良かったな。」
僕「杦本が酒だけでなくちゃんと食べながら飲んでる…(•᎑•)」
香山「さすがミドリちゃん…。」
植野「いつかの鶏まるまる一羽とか自分、忘れられないんですよー。まあ、美味かったですが、衝撃的でー。」
僕「うん、あれは…笑ったねぇ(笑)」
植野「笑えない…自分としては怖かったですけどー(-_-)」
R黒田「鶏まるまる一羽って…?」
僕「ワンコが入隊する前の話だよねぇ…。」
香山「あれは、植野が入ったばっかりの頃だな、山に行ったときだ…」
『山に行ったとき』…つまり山岳地帯での演習が行われたときのことだ。
隊員はそれぞれ必要な荷物を背嚢に入れて背負う。時と場合にもよるが、水は1日分と各人の必要とする分が毎日支給され、食料は日数分の戦闘糧食が出発前に配布されるものの、それだけでは不足したり行軍内容によっては悠長に食べる時間がなくなったりで、各人で食べやすい物や食べたい物を用意することもある。
また、戦闘糧食が苦手で好みの物を持っていく者もいた。
その時の演習は中隊による、山中を歩き続ける行軍訓練だった。とにかく揃って長距離を踏破する。山中で仮眠を取り、交代で見張りに立ちそして最終日には、食糧を食べきるパーティー状態となるので、わざわざそれ用の食材を持っていく者までいた。
ただし、演習の前には荷物の検査がある。それを潜り抜けることができるかどうか?で、その後の食生活は天と地ほどの差が出る…こともある。
専任曹長「お前ら、余計なものを持ってきてるんじゃないだろうな?香山、この胸のふくらみは何だ。」
胸ポケットを叩かれても、動揺してはいけない。
香山「はい!メモ帳です!」
曹長「メモ帳にしては厚みがあるし柔らかくないか?」
香山「はい!大丈夫です!」
後で僕も分けてもらったが、香山の胸ポケホットにはドライフルルーツのマンゴーがごっそり入っていた。甘味欲しくなるんだよね。
いざとなったら字を書いてみせるつもりだったらしい…(汗)
曹長「まあいいだろう。仲間との遣り取りにしっかり使うんだぞ。」
香山「はい!」
曹長は、何も理不尽に難癖をつけているわけではない。偏食して体調を崩さないか?自分勝手な行動で仲間に迷惑をかけないか?足を引っ張らないか?あくまで部隊の統率と任務遂行がベースにあるので、そこを見極めた上で、全力で言い張れば(笑)見逃してくれることが多いのだ。
曹長「見取!そ、その背嚢から出ているそれは何だ?!」
曹長は、きっと触れたくなかったのだろうが最後の最後に諦めて、見取先輩に突っ込んだ。
ミドリちゃん、ザックから赤い鶏冠の何者かが顔を出しています。あ、こっち見たΣ(゚Д゚)いや、コケッてさっきから鳴いてるし。
見取「はい!『仲間との絆』です!」
曹長「き、絆?いやしかし、動いているぞ?!」
見取「はい!絆はナマモノです!」
曹長「それは…その絆は…本当に必要な物か?」
見取「はい!必要不可欠なものであります!」
曹長「絶対だな?!」
見取「絶対であります!」
曹長「よし!」
全員『『『工エエェェ(´д`)ェェエエ工?!』』』
その場にいた全員が、「いいのか?!」と心のなかで突っ込んだ瞬間だった。
ある意味、仲間の心がひとつになっていた。
だって、見取先輩のザックには、生きた鶏が入っていたのだ。それを「仲間との絆」で押し切った…まさかの力技…。
僕「いくら身内だけの山行とはいえ、ミドリちゃんのザックから鶏が顔出してたのは三度見したよねぇ(笑)」
植野「はい、何があっても大抵のことは『仲間との絆』で乗り切れるなーと勉強になりましたー。
…若干、鶏をシメルとき絆が壊れそうでもありましたが(笑)」
香山「美味かった…あの美味さは絆を深めた…」
杦本「あれ以来だな、肉屋で鶏一羽まるごと買って、鍋するようになったのは…」
R黒田「れ、レンジャーそのままッスね!」
僕「いや、演習ではさすがにやらないよ、鍋パで買ってくるだけで。しかも自分たちではシメないしねぇ(•᎑•)」
見取「なんだ、私を呼んでくれたらいくらでも捌いてやるのに(笑)」
僕「山じゃないと始末が面倒なので(笑)」
ミドリちゃん、分かっててそんなこと言っていますね。顔が笑っています。
今は大抵の演習でも、個人個人が必要と思う物を用意することは許可されている。
生き延び、そして任務を遂行するために個々が判断することは大切なことと認識されているからだ。
初めての演習やレンジャー訓練などは、先輩からの激励という形で準備される物もある。
正しく、「仲間との絆」だ♪
まあ、あの鶏(笑)以来、僕達にとって「仲間との絆」はとても便利で、かつ大切な言葉となったのは間違いないのです(•᎑•)
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