人生前のめり♪

ナンシー

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47 演習(日米合同)

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日米合同演習(小規模)に参加中。
合同演習と言っても大規模なものから小規模なものまで色々だ。

作戦遂行時は、自衛隊と米軍の兵士が個人個人で話すことはない。
作戦本部でやり取りがあり、現場では上から下りてくる指示にある通り動くだけである。

しかし、休憩時間や食事の時間は別である。幕営地は日米隣り合わせ、英語が飛び交い、同時に日本語も聞こえてくる。
僕たちは蒸し暑さからテントには入らず、外で夕食用のレーションを温め直していた。

僕「さっきから、視線が気になる…」

香山「ああ、あのデカい…体操座りしてる奴らか?確かにこっちを見てるな。」

隣の米軍のテント前に座っている米兵2人が、チラチラこちらを見ている。その手にレーションらしい物を持っているから、今から夕食なのだろう。

植野「すみません、そのお湯貰って、カップラーメン食べてもいいですか?」

香山「あ、オレもチキン○ーメン作るわ。」

演習には大抵皆自分の食べたい物を持ち込んでいる。植野と香山はそれぞれラーメンを取り出した。レーションを温めたお湯を利用するのだ。
因みに僕もお湯を、食後の珈琲淹れて後は保温ポット、皆で残さず使い切る。

僕「二人ともよく食べるね~って、あ!こっち来るよ?!」

米兵2人のうち1人がこちらにやって来た…と思ったら、レーションを差し出してきた。

米兵A【自衛隊のレーションを食べてみたいんだが、よかったら交換してもらえないか?】

植野【交換?一度くらいなら良いですよー。】

米兵A【本当か!アリガトウ!】

植野【どういたしまして。】

香山「…よく替えてやったな、MREはあまり旨くないぞ?」

植野「最近のは美味しいらしいですよ?自分も食べてみたかったんでちょうど良かった。」

僕「まあ、米軍のは大抵が大味だよ。だから自衛隊のレーションは大人気だねぇ。
 僕も何度か交換したことあるけど、デザートとか飲み物とかびっくりするよ(笑)」

香山「そうだな、主に色にびっくりだな(笑)」

レーションの交換は意外とよく頼まれる。
嬉しそうに戻っていく米兵を見送り、
みんなでレーションのパッケージを開けて覗いてみると、ポークアンドビーンズ、タコス(2枚)、ツナサラダ、アップルマフィン、ドリンクにインスタントコーヒーとグリーンアップルジュース(粉末)、塩胡椒にガムがついていた。今回は当たりな気がする。

MREは開発されたころは、かなり不評だったらしく「Meals Rejected by Everyone(みんなに拒否された食事)」「Materials Resembling Edibles(食べ物に似た何かの物体)」など、散々なあだ名をつけられたほどだった。
あ、本当は「Meal Ready to Eat」の略で、すぐ食べられる調理済み食品という意味(•᎑•)

在日米軍の兵士のうち特に若い彼らは、余分なものを持っていないことが多いらしい。
僕たちは自国で好きなものを好きなときに買って食べられるが、彼等はその身一つで軍隊に入り日本に来ているそうだ。
嗜好品…タバコや酒を買うお金さえ持ち歩かず、軍から支給される食事だけで日々を過ごす人も多いと聞いている。

僕「もう1人の方もまだこっちを見てるし。僕も交換してこようかな?(•᎑•)」

香山「おう。行って来い。」

僕はレーションを持ってまだ体操座りをしている米兵のところに向かった。

僕【こんばんは!あなたもレーションを、交換しますか?】

米兵B「……イ」

僕【え?今なんて言ったのですか?】

米兵「……シイ」

僕「か、香山~~‼(@o@;)」

僕は慌てて香山の所に走って戻った。

香山「どうした?慌てて。」

僕「チ○ラー、分けて~(。>д<)」

香山「あん?」

僕「お願い!チキ○ラーメン、ください!」

香山「まだまだあるから良いけど…どうした?」

僕「あの米兵が歌ってたっ!(。>д<)
 『スグオイシイ~スゴクオイシイ~』って。」

香山「( ゚д゚)そ、それは…ヤバい…」

僕「ね、チキン○ーメン、分けてあげて~(。>д<)」

香山「お、おう…」

膝を三角にして抱えたデカい白人の男が、虚ろな瞳でチキ○ラーメンの歌を歌っていた。
誰が教えたんだろう?

でもその後、美味しそうに食べてる顔を見られたから、ちょっとホッとしたwww

あ、ラーメンの代わりに、ポピーシードケーキと真っ赤なゼリー、真緑色のジュース(粉末)をくれました♪
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