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1 日常(自主トレ)
しおりを挟む自衛官は身体が資本。
自主トレで個人個人が休日や終業後、走ったり筋トレしたりすることで、業務に必要な体力を維持している。
今日もたくさんの自衛官が、思い思いに走っている。
僕も準備運動をしていたところへ同期や後輩が来て、何となくひとかたまりに走り始めたところだ。
香山「ビールを美味しく飲むため走る。筋トレもする。ビール腹などありえない。」
同期の香山は1つ年下。背が高く甘い顔立ちとにかく優しい男であるが、その愛情は今の所ラノベとアニメと酒に注がれている。
僕「香山は目的がハッキリしてるねぇ。」
香山「そういうお前は、市民マラソン大会とか参加してるんだろ?」
僕「うん。今度またフルマラソン走るんだ♪」
香山「信じられん!休みにお金払ってまで走るなんて(ーー;)」
僕「えー?訓練と趣味は全く違うよ。服装もランナーも。
そうそう、市民ランナーは笑顔が素敵な女性も多いし、エイドも充実、手ぶらで走るから楽だし。ファンランも楽しいよ♪」
香山「楽しい走りなどあり得ない!」
須賀「聞こえたぞ!笑顔いいな!美人も多いのか?」
香山「あ、須賀さん」
須賀「おう。笑顔が素敵な女性と一緒に走る!なんていい響きなんだ~。」
去年他所から異動してきた須賀さんも同じ階級の同僚だが、他所から来たのと年齢が上なのでさん付けで呼ばれている。
とにかく前向きな…良く言えばポジティブシンキングの人。
僕「んー、ランナーだけあってさばさばしてる人が多いかも。あと、そんな華奢で何時間もよく走れるなってくらいの人とか」
須賀「華奢!マッチョなオレと並んだら美女と野獣とか言われるんだろうな~うははっ!」
香山「(ボソッ)マッチョと言うより固太り…」
生田「先輩!爽やかなスポーツマンもいます?」
僕「ってか、ウチの職場にも山程スポーツマンがいるだろぅ?」
生田「え!どこにいるんですそんなもん?!
爽やかなスポーツマンに限定したんですが?!
ドーラン塗って潜んでる偵察隊見つけるより難しいですもん‼」
イケメン好きを公言してはばからない後輩生田は女性隊員。
竹を割ったような性格の毒舌…げふんげふん…自称乙女である。
須賀「山ほどいるだろう?爽やかメンズ!オレみたいな(-ω☆)キラリ」
生田「え、違うし!」
香山「…。」
生田「まず業務以外は引きこもりばっかりじゃないですか!」
僕「あははは、それは否定しづらいなぁ」
香山「…。」
職務で身体を動かしているから休日くらいは家でのんびりしていたいという自衛官は多い。むしろ、インドア派が主流を占めているのが現状だ。
生田「決めました!私もフルマラソン走ります!」
僕「フル走るって、結構キツイかもよ?」
生田「泥だらけで雑嚢背負って40km行軍と比べたら、爽やかなスポーツマンが側にいるだけでがんばれます!」
須賀「オレもレディと走りたい!!20kmまでなら走ったことあるが、かなり早いほうだし問題ない。」
香山「…。」
僕「…えっと、作戦会議しなきゃねぇ。」
生田「よろしくおねがいします!」
須賀「やるぞ!よし!」
須賀さんと生田はやる気になったようで、もう一周頑張る、とスピードアップして行ってしまった。
僕「前向きで元気イイなあ(笑)」
香山「…オレには真似出来ん…」
僕「うん、香山はまず、女性と話できるようになろうな。せめて生田くらいとは…」
香山「業務では話せるから問題ない…」
僕「うんうん、がんばー」
今日の自主トレはなんだか盛り上がって、いつもよりたくさん走ることができました♪
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